神奈川「雨降 純米 水酛 無濾過生原酒」90%精米とは思えないクリアな甘旨味が可憐に踊る | 酔い人「空太郎」の日本酒探検

酔い人「空太郎」の日本酒探検

意欲ある先進地酒蔵のお酒をいただき、その感想を報告します。
SAKETIMESにも連動して記事を載せます。

不動産・ホテル・介護などを手掛けるシマダグループ(東京)が東京・浅草に、滞在中(チェクインからチェックアウトまで)、日本酒が飲み放題(ビール含む)のホテル「SAKE Bar Hotel ASAKUSA」を2023年12月オープンしました。

 

 

提供する日本酒は2020年に傘下に収めた吉川醸造(神奈川県伊勢原市)のお酒。

主に訪日外国人観光客を呼び込むことを狙っていますが、どのようなサービス内容なのか、どんなお酒が飲めるのか、知りたくて実際に泊まってみました。

その報告をしつつ、いただいた、吉川醸造のお酒をご紹介します。

2本目はこれです。

 

 

雨降(あふり)純米 水酛 無濾過生原酒」。

 

部屋に荷物を置いて、早速、1階のバーラウンジで日本酒三昧とまいりました。

 

1階は大きなカウンターに向かってスツールが4脚。

あと、2人で向かい合って飲食ができるテーブルが5つ。脇にビールサーバーと冷水&お湯サーバーが並んでいます。

 

このフロアが宿泊客のくつろぎスペースになっており、13時30分から17時までがアフタヌーン・ラウンジとして利用できるのです。

奥の壁にカウンターがあって、フリーの日本酒&ソフトドリンク(グレープフルーツジュース、玄米茶)。

つまみなどが並んでいます。

つまみは枝豆、たこわさ、黒豆、ポテサラ、玉こんにゃく、にこごり。おでんは大根、ヤングコーン、こんにゃく、ゆで卵、餅巾着でした。

 

 

 

日本酒は純米酒3種。

いずれも60~90%精米の純米で、酵母無添加や水酛酒母、古代米入りなど味わいも多彩で飽きさせないラインナップでした。

15時にチェックイン後、ラウンジには15時半から終了する17時までいました。

 

2本目にいただいたのは、山田錦90%精米の水酛仕込み、かつ、酵母無添加の意欲作、無濾過生原酒です。

 

 

上立ち香は適度な太さの甘い酒エキスの香りが。

口に含むと中程度の大きさの旨味の塊が、平滑になった表面に薄らととろみ層を乗せて、健やかな雰囲気で忍び入ってきます。

受け止めて保持すると、促されるままに素直に膨らみ、拡散しながら、潤いたっぷりの粒々を連射してきます。

粒から滲み出てくるのは甘味8割、旨味2割。

甘味は高純度のザラメ糖系のタイプ、旨味はシンプル無垢で、両者は足並みを揃えて、透明感溢れる舞いを披露します。

流れてくる含み香は生酒特有の香りを見せずに、麗らかな甘い香りでデコレート。

後から酸味が少量、渋味が多めに現れて、味わいに明確な輪郭を施します。

終盤まで雲1つない青空のようなクリアですっきりした世界が続くのでした。

 

90%精米のお酒でこのクリア感には驚きです。

それでは、吉川醸造のお酒、3本目をいただくことにします。

 

お酒の情報(24年47銘柄目)

銘柄名「雨降(あふり)純米 水酛 無濾過生原酒 2022BY」

酒蔵「吉川醸造(神奈川県伊勢崎市)」

分類「純米酒」「水酛酒」「無濾過酒」「生酒」「原酒」

原料米「山田錦」

使用酵母「酵母無添加」

精米歩合「90%」

アルコール度数「15度」

日本酒度「不明」

酸度「不明」

情報公開度(瓶表示)「△」

標準小売価格(税込)「1800ml=3500円」

評価「★★★★★(7.7点)」