山形「吾有事 fresh&juicy 青ラベル 純米大吟醸 生原酒」清純な甘旨味が小粋に踊る | 酔い人「空太郎」の日本酒探検

酔い人「空太郎」の日本酒探検

意欲ある先進地酒蔵のお酒をいただき、その感想を報告します。
SAKETIMESにも連動して記事を載せます。

自宅の晩酌にお酒を選びました。

これです。

吾有事(わがうじ)fresh&juicy 青ラベル 純米大吟醸 生原酒」。

山形県鶴岡市の奥羽自慢さんが醸しているお酒です。

 

奥羽自慢は旧ツイッター(X)を使っていろいろな情報をせっせと発信していますが、その中でユニークと感じるのが、月に数回のペースで発信しているショート動画です。

タイトルが「寡黙な蔵人の朝」と称して、蔵人たちがやっている地味な作業の様子です。

最近で言えば、米の計量、タンクの吞み口詰め、ラベル貼り、P箱洗浄、火入れといった地味な作業です。

一般に酒蔵が発信する動画は蒸した米の掘り出しとか、麹室の作業、醪の発酵の様子といった、酒造りのハイライトの工程なのですが、奥羽自慢はあえて、その逆張りで行っているのが面白いです。

ま、酒造りの現実はこちらの方ですよね。

 

さて、今夜いただくのは、冬場にのみ出している生酒です。

赤ラベル、白ラベル、青ラベルの3種類があります。

青ラベルは雪女神を使った50%精米の純米大吟醸、無濾過生原酒です。

上立ち香は初々しい麹バナの香りがしっかりと。

玩味すると中程度の大きさの旨味の塊が、平滑になった表面に薄らととろみ層を乗せて、健気な雰囲気でまっしぐらに転がり込んできます。

受け止めて保持すると、自律的にテンポよく膨らみ、拡散しながら、適度な大きさのガラス玉様の粒々を速射してきます。

粒から滲出してくるのは甘味8割、旨味2割。

甘味は上白糖系のさらりとしたあるタイプ、旨味はシンプル無垢でやや荒々しい印象で、両者は足並みを揃えて、小粋な舞いを披露します。

流れてくる含み香も生酒の香りの良い部分だけが前面に押し出されて、薄化粧を付与。

後から酸味と渋味はわずかに現れて、甘旨味を囃します。

味わいは終盤まで清純でパリッとした世界が続き、飲み下した後の余韻は爽快そのものでした。

雪女神の魅力がたっぷりと表現されていました。

 

お酒の情報(24年22銘柄目)

銘柄名「吾有事(わがうじ)fresh&juicy 青ラベル 

純米大吟醸 生原酒 2023BY」

酒蔵「奥羽自慢(山形県鶴岡市)」

分類「純米大吟醸酒」「無濾過酒」「生酒」「原酒」

原料米「雪女神」

使用酵母「不明」

精米歩合「50%」

アルコール度数「16度」

日本酒度「不明」

酸度「不明」

情報公開度(瓶表示)「△」

標準小売価格(税込)「1800ml=3960円」

評価「★★★★★(7.6点)」