都内の角打ちができる酒販店「未来酒店&SAKE BAR」さんにお邪魔しました。
ここでは時間制限で店の販売しているお酒を自由に飲めるサービスがあります。
60分間自由テイスティングで2750円(税込み)のコースを選びました。
飲んだお酒を順番に報告していきたいと思います。
2本目はこれです。
秋田県男鹿市の稲とアガベさんが醸しているお酒です。
稲とアガベの蔵見学をさせてもらった時、一番驚いたのは洗米に50度のお湯を使っていることでした。
その理由について岡住修兵さんは次の様に話していました。
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米に含まれる脂分が酒にした後に残っていると、それが酸化して劣化臭が出るのです。
だから、なるべく脂分を除去したい。
知り合いが「古米は熱い湯で洗ってから炊くと、新米みたいになる」と言っていたのを思い出して、試しに50度で洗米したら、見事に脂分が落ちたのです。
通常10度ほどで洗うのを50度で洗うと米の割れが増えますが、精米が90%のあまり削らない米なので、割れは非常に少なく、麹造りにも問題がありませんでした。
これをすることで、90%精米の酒なのに、変な雑味や香りがでない仕上がりになっています。
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こんなことをやっているのは、おそらく、稲とアガベだけだと思います。
驚きです。
さて、2本目は醪にホップだけでなく、リンゴの果肉も投入したお酒になります。
上立ち香は通常の酒エキスに果物の甘い香りが仄かに漂ってきます。
玩味すると中程度の大きさの旨味の塊が、平滑になった表面に微細な気泡を薄らと乗せて滑り込んできます。
受け止めて保持すると、気泡の破裂をBGMにして軽快に膨らみ、拡散しながら、適度な大きさのガラス球様の粒々を連射してきます。
粒から滲み出てくるのは甘味7割、旨味3割。
甘味は上白糖系のさらりとしたタイプ、旨味はシンプル無垢の印象で、両者は足並みを揃えて、健やかな舞いを披露します。
流れてくる含み香はシールドを思わせる香りでデコレート。
後から酸味と渋味が適量現れて、明快なメリハリを施します。
終盤になると甘酸の混合で若いブドウを思わせる世界が現れ、最後は反転縮退して昇華して行きました。
これもまた文句なく美味しいです。
それでは、未来酒店での角打ち吞みの3本目に参ります。
お酒の情報(23年246銘柄目)
銘柄名「稲とりんごとホップ その他醸造酒 2022BY」
酒蔵「稲とアガベ(秋田県男鹿市)」
分類「その他醸造酒」
原料米「不明」
使用酵母「不明」
精米歩合「90%」
アルコール度数「15度」
日本酒度「不明」
酸度「不明」
情報公開度(瓶表示)「△」
標準小売価格(税込)「500ml=2950円」
評価「★★★★★(98点)」