都内の角打ちができる酒販店「未来酒店&SAKE BAR」さんにお邪魔しました。
ここでは時間制限で店の販売しているお酒を自由に飲めるサービスがあります。
60分間自由テイスティングで2750円(税込み)のコースを選びました。
飲んだお酒を順番に報告していきたいと思います。
1本目はこれです。
「稲とホップ その他醸造酒」。
秋田県男鹿市の稲とアガベさんが醸しているお酒です。
稲とアガベの創業ストーリーは以前のブログで書きました。
そして、その後、念願叶って、男鹿市の蔵にお邪魔することが出来ました。
JR男鹿駅の駅舎を改造してできた蔵ですから、駅の目の前にあり、外観もすっきりと真新しい印象でした。
蔵の中の設備はすべて日本酒蔵と同じです。
狭い作業場で米を洗い、甑で蒸し、一角にあるステンレス製の麹室で麹を造っています。
建物内は空調が効いていますが、5本ある仕込みタンクには冷水が回る黒いジャケットが巻かれていました。
搾るのは槽で。すでに輸出免許も持っているので、搾ったままの日本酒は輸出に回し、国内向けには醪の段階でいろいろなものを添加することで「日本酒の味わいに限りなく近いけど、違うその他醸造酒」を造っているわけです。
設備は普通の日本酒蔵と遜色は無く、「これならハイレベルのお酒ができるに違いない」と確信しました。
さて、今夜いただくのは、醪にホップを投入したお酒になります。
上立ち香は通常の酒エキスの香りが微妙に。
口に含むと中程度の大きさの旨味の塊が、平滑になった表面に微細な気泡をしっかりと纏って、まっしぐらに滑り込んできます。
受け止めて保持すると、気泡の破裂をBGMにして、軽快に膨らみ、拡散しながら、適度な大きさのガラス球様の粒々を速射してきます。
粒から滲出してくるのは甘味7割、旨味3割。
甘味はザラメ糖系の健やかなタイプ、旨味は複数のコクが織り上がった印象で、両者は足並みを揃えて、流れるように踊ります。
やってくる含み香は日本酒らしい酒エキスの香りに、それ以外の不思議な香りがミックスされて、甘旨味の舞いを囃します。
後から酸味が微量、渋味が相当な量現れて、甘旨味をぎゅーっと締め付けます。
味わいは徐々に引き締まったドライな世界へと進み、最後は渋味と苦味が主役となってフィナーレを迎えるのでした。
極上の仕上がりで、文句なく美味しいです。それでは、未来酒店での角打ち吞みの2本目に参ります。
お酒の情報(23年245銘柄目)
銘柄名「稲とホップ その他醸造酒 2022BY」
酒蔵「稲とアガベ(秋田県男鹿市)」
分類「その他醸造酒」
原料米「不明」
使用酵母「不明」
精米歩合「90%」
アルコール度数「15度」
日本酒度「不明」
酸度「不明」
情報公開度(瓶表示)「△」
標準小売価格(税込)「500ml=2670円」
評価「★★★★★(98点)」