新潟「翔空 森のSAKE~クロモジかすみ酒~」均整の取れた甘旨味を不思議な香りがリードする | 酔い人「空太郎」の日本酒探検

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意欲ある先進地酒蔵のお酒をいただき、その感想を報告します。
SAKETIMESにも連動して記事を載せます。

都内の角打ちができる酒販店「未来酒店&SAKE BAR」さんにお邪魔しました。

ここでは時間制限で店の販売しているお酒を自由に飲めるサービスがあります。

60分間自由テイスティングで2750円(税込み)のコースを選びました。

飲んだお酒を順番に報告していきたいと思います。

 

3本目はこれです。

翔空(しょうくう)森のSAKE~クロモジかすみ酒~ その他醸造酒」。

新潟市のLAGOON BREWERYさんが醸しているお酒です。

 

LAGOON BREWERYは2022年春にその他醸造酒を造り始めた蔵で、もちろん、クラフトサケブリュワリー協会に加わっています。

 

このお酒は醪にクロモジを加えることで“清酒ではない”酒に仕上げています。

 

蔵元の田中洋介さんが、その狙いについて次の様に説明しています。

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手つかずの自然が残る新潟・栃尾の森に入り、フローラルに香る「クロモジ」を採取し、米とともに発酵。

生酒の本品は発泡性があり、まるで大人のサイダーのよう。

クロモジはお茶や生薬として使われ、健康機能性でも注目される日本固有の貴重な和ハーブです。

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クロモジは爪楊枝として使われていることは知っていましたが、ハーブでもあるんですね。驚きました。

 

さて、お酒ですが、新潟産たかね錦65%精米の生酒です。

上立ち香はフレッシュな生酒特有の香りがほんのりと。

口に含むと中程度の大きさの旨味の塊が、平滑になった表面に打ち粉を振って、サラサラな感触をアピールしながら、軽快なスピードで転がり込んできます。

 

受け止めて保持すると、自律的にキビキビと膨らみ、拡散して、適度な大きさのガラス球様の粒々を速射してきます。

粒から滲出してくるのは甘味7割、旨味3割。

甘味は上白糖系のライトなタイプ、旨味はシンプル無垢でやや粗めの印象で、両者は足並みを揃えて、バランス良く踊ります。

 

そこに流れてくる含み香が不思議なコクを内包した甘い香りで、甘旨味を囃します。

後から酸味と渋味が適量現れて、くっきりとアクセントを施します。

甘旨味はミラクルな含み香とともに、終盤まで優雅に踊りきるのでした。

キレもよかったです。

これも印象は美味しい日本酒でした。

それでは、未来酒店での角打ち吞みの4本目に参ります。

 

お酒の情報(23年247銘柄目)

銘柄名「翔空(しょうくう)森のSAKE~クロモジかすみ酒~ その他醸造酒

2022BY」

酒蔵「LAGOON BREWERY(新潟市)」

分類「その他醸造酒」「生酒」

原料米「たかね錦」

使用酵母「不明」

精米歩合「65%」

アルコール度数「14.5度」

日本酒度「不明」

酸度「不明」

情報公開度(瓶表示)「△」

標準小売価格(税込)「720ml=2640円」

評価「★★★★★(97点)」