長野「酔園 純米吟醸 金紋錦」鍛えられた筋肉質の甘旨味がキビキビと行進する | 酔い人「空太郎」の日本酒探検

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意欲ある先進地酒蔵のお酒をいただき、その感想を報告します。
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自宅の晩酌に、長野県安曇野市のEH酒造さんが醸しているお酒をまとめて購入して、飲み比べました。

3本目はこれです。

酔園(すいえん)純米吟醸 金紋錦」。

 

さて、日本酒蔵とは思えない建物のEH酒造を訪れ、正面玄関を入ると大きな吹き抜けの空間になっています

左手にはEH酒造が造っているお酒の展示と、試飲コーナーがあり、その傍らの壁には、イメージキャラクターの沢口靖子さんの巨大なポスターが目を引きます。

反対側には事務所があり、事務所の真上の2階には大きなホールがあって、いろいろなイベントを催しています。

醸造場所は建物の北半分と南の一部に出荷場所があります。

親会社のエクセルヒューマンとしては、「割安な酒をたくさん売る」のではなく、「一定品質以上の酒を必要量造る」ことを念頭に置いて、2003年当時としては、美酒を造るための条件に合った醸造設備を導入したようです。

お酒の銘柄も従来の「酔園」を踏襲し、山田錦以外は長野県産の米にこだわることで、地元の人にも愛され続けるように配慮をしたようでした。

 

さて、3本目は、そんな長野県産の金紋錦を使った59%精米の純米吟醸、火入れです。

上立ち香は凜とした酒エキスの香りが仄かに。

口に含むと中程度の大きさの旨味の塊が、平滑になった表面に打ち粉を振って、サラサラな感触を振りまきながら、軽快なテンポで滑り込んできます。

 

受け止めて保持すると、促される前から自律的に膨らみ、拡散しながら、適度な大きさのガラス球様の粒々を連射してきます。

粒から滲み出てくるのは甘味6割、旨味4割。

甘味は上白糖系の乾いたタイプ、旨味はシンプルでやや肌理の粗い印象で、両者はキビキビと鍛えられた筋肉の行進を始めるのです。

 

流れてくる含み香は酒エキスに微かに可憐な香りを織り込んで薄化粧を付与。

後から酸味と渋味が僅少やってきて、さらにその後には辛さも加勢して、味わいの引き締めにかかり、甘旨味はそれに反応して反転縮退して昇華して行きました。

それでは、EH酒造のお酒、4本目をいただくことにします。

 

お酒の情報(22年56銘柄目)

銘柄名「酔園(すいえん)純米吟醸 金紋錦 2020BY」

酒蔵「EH酒造(長野県安曇野市)」

分類「純米吟醸酒」

原料米「金紋錦」

使用酵母「不明」

精米歩合「59%」

アルコール度数「16度」

日本酒度「+4」

酸度「不明」

情報公開度(瓶表示)「×」

標準小売価格(税込)「1800ml=3520円」

評価「★★★★(95点)」