長野「酔園 超辛口純米」緩くて温い甘旨味の舞いが、淀んだ香りでますます停滞する | 酔い人「空太郎」の日本酒探検

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意欲ある先進地酒蔵のお酒をいただき、その感想を報告します。
SAKETIMESにも連動して記事を載せます。

自宅の晩酌に、長野県安曇野市のEH酒造さんが醸しているお酒をまとめて購入して、飲み比べました。

2本目はこれです。

酔園(すいえん)超辛口純米」。

 

大阪の健康器具会社のエクセルヒューマンが酔園銘醸を傘下に収めたのは、健康器具販売で築いた販路に、いろいろな商品を加えて行こうと考えたからのようです。

カステラを中心にした菓子類や米カリフォルニアにワイナリーを買い取って、輸入販売もしています。

 

そして、イメージ戦略も重要と考え、酔園銘醸の瓶詰め工場があった地に本社兼工場(醸造場所)を、買収の半年後になる2003年7月に完成させたのです。

建物はタイル貼りの2階建てで、まるで洋館か、美術館を思わせる外観です。

この建物の中で酒造りが行われているなどとはなかなか想像ができません。

このため、空太郎もいつか実物を見たいと感じ、今回は酒蔵見学にお邪魔したというわけです。

 

さて、2本目は65%精米の超辛口、純米酒の火入れです。

上立ち香からしてややむっとする火冷めの香りが。

玩味すると中程度の大きさの旨味の塊が、平滑になった表面にとろみ層を乗せて、のっそりとした雰囲気で忍び入ってきます。

 

受け止めて舌の上で転がすと、促されるままに素直に膨らみ、拡散しながら、適度な大きさのウエットな粒々を次々と射掛けてきます。

粒から現出してくるのは甘味7割、旨味3割。

甘味はどろっとした水飴のよう、旨味は複数のコクが織り上がった印象で、両者は疲労感を漂わせながらゆるゆると徘徊するのです。

 

流れてくる含み香は淀んだような火冷め臭が甘旨味の足下に絡みつきます。

後から酸味と渋味が僅少来るものの、味わいの引き締めにはならず、甘旨味は香りと共に停滞を続け、最後まで緩くて温い舞いに終始するのでした。

2回火入れの難点が露出しておりました。

それでは、EH酒造のお酒、3本目をいただくことにします。

 

お酒の情報(22年55銘柄目)

銘柄名「酔園(すいえん)超辛口純米酒 2020BY」

酒蔵「EH酒造(長野県安曇野市)」

分類「純米酒」

原料米「不明」

使用酵母「不明」

精米歩合「65%」

アルコール度数「16度」

日本酒度「不明」

酸度「不明」

情報公開度(瓶表示)「×」

標準小売価格(税込)「1800ml=2640円」

評価「★★★(93点)」