都内の銘酒居酒屋で法外な値段ではない十四代が置いてありましたので、久しぶりに仲間と一緒に楽しみました。これです。
「十四代(じゅうよんだい)純米 無濾過生原酒 中取り」。
山形県村山市の高木酒造さんが醸しているお酒です。
十四代の能書きは不要だと思いますが、十四代を数ある日本酒の頂点の一つに育てたのは高木酒造の十五代目の高木顕統さん。
父親の高木辰五郎さんからバトンを受け取って四半世紀が過ぎ、顕統さんも50歳を超えました。
そろそろ後継者のことが心配になるところですが、すでに十六代目がスタンバイしているそうです。
地酒蔵の多くは「果たして子供が蔵を継いでくれるだろうか」と心配しますが、さすがに売り上げも増え、利益もしっかりと出ている高木酒造のような蔵であれば子供が「継がない」とは言わないかと思います。
ちなみに、福島の入手困難酒の「飛露喜」を醸す廣木酒造本店も蔵元息子さんがバトンを受けるようです。
さて、十四代は時々、飲んでいますが、生酒は冬場だけの商品でなかなか出会うことがありません。
本当にひさしぶりです。
上立ち香からしてフレッシュでフルーティーな柔らかな甘い香りがたっぷりと。
玩味すると中程度の大きさの旨味の塊が、微細な気泡を包含したとろみ層を乗せて、ワルツを舞うがごとく優雅さで忍び入ってきます。
受け止めて保持すると、気泡の微かな破裂を背後に流麗に膨らみ、拡散しながら、適度な大きさのクリスタル様の透き通った粒々を連射してきます。
粒から滲出してくるのは甘味8割、旨味2割。
甘味は超上質で高純度のめったに遭遇しないレベル、旨味は無垢で肌理が細かい印象で、両者は生き生きと初々しい舞いを披露します。
流れてくる含み香も蕩ける甘い香りでデコレート。
後から酸味や渋味などは一切現れず、甘旨味の適度にエネルギッシュで健気な舞いが終盤まで続き、飲み下した後の余韻も香りとともにまさに甘露なものでした。
このお酒は夕食で、通しで飲むのではなく、食前酒か食後後としていただくのであれば、右に出る酒はありません。
お酒の情報(21年118銘柄目)
銘柄名「十四代(じゅうよんだい)純米 無濾過生原酒 中取り 2020BY」
酒蔵「高木酒造(山形県村山市)」
分類「純米酒」「無濾過酒」「生酒」「原酒」
原料米「不明」
使用酵母「不明」
精米歩合「不明」
アルコール度数「16度」
日本酒度「不明」
酸度「不明」
情報公開度(瓶表示)「×」
標準小売価格(税込)「1800ml=不明」
評価「★★★★★(4.5点=100点)」