山形「秀鳳 純米吟醸 恋おまち 19BY」ムロナマゲンの濃厚な旨甘味がさらにまろやかになった味わ | 酔い人「空太郎」の日本酒探検

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意欲ある先進地酒蔵のお酒をいただき、その感想を報告します。
SAKETIMESにも連動して記事を載せます。

 東中野の銘酒居酒屋の大政小政さんで続いていただいたのはこれです。

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 「秀鳳 純米吟醸 恋おまち 19BY」。
 山形市の秀鳳酒造場さんのお酒は今夜3杯目。
 1、2杯はこいおまちの55%精米の特別純米でしたが、これは50%精米で、平成19BY(醸造年度)です。
 店主のMさんは、どうやら生酒を低温で貯蔵させたお酒が一番お好きなようです。
 
 秀鳳は新酒よりは一定期間寝かせた方が、より味わいが乗るようで、全日本国際酒類振興会主催の全国酒類コンクールで05年と09年の二回、古酒部門(3年以上熟成)で優勝しています。
 ともに「秀鳳 吟酔匠 純米大吟醸」です。
 山田錦35%精米で、搾った後、零度の冷蔵庫で3年寝かせた作品です。
 低温貯蔵というのは、新酒がゆっくりと熟成をするので、常温保存の3年古酒のようなあめ色でねっとり、クセのある紹興酒タイプのお酒ではなく、新酒が見事にまろやかになった味わいです。
 でも、これは高いので、お酒のイベントにさえ出品されませんので、空太郎も呑んだことはありません。
 一度は舐めてみたいです。
 さて、これはより精米した純米吟醸を1年あまり低温貯蔵したお酒です。
 いただきます。

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 うっすらとした芳しい香りを感じながら含むと、相当大振りのまあるい旨味の塊が、表面を綺麗に磨いて、その上に刷毛で甘いたれを塗ったかのような感触で、一気に飛び込んできます。
 受け止めると、旨味は瞬時に膨れ上がりながら、表面から大粒の旨味をドバっと飛散させてきます。
 粒は弾けると、濃厚な甘味と旨味がドドと出てきます。
 甘味は品のいい味わいで、適度な湿り気で味蕾を優しく撫で回します。
 追いかけてくる酸味はごく微量で、巨大な甘旨味が舞台で大きく踊りまくるのを袖で眺めています。
 飲み下したあとも、濃厚な余韻が長く続くのでした。
 ムロナマゲンの濃いけれど、少々、荒っぽい味わいが大人に一歩前進したかのようです。
 おいしいです。
 秀鳳の実力を思い知らされる夜でした。

★お酒の情報(09年504銘柄目)
銘柄名「秀鳳 純米吟醸 19BY」
酒蔵「秀鳳酒造場(山形市)」
酒分類「純米吟醸酒」「生酒」「無濾過酒」「原酒」
原料米「こいおまち」
使用酵母「山形酵母」
精米歩合「50%」
アルコール度数「17度」
日本酒度「±0」
酸度「1.1」
アミノ酸度「1.4」
情報公開度「◎」
標準小売価格「720ml=1575円」
評価「★★★★」