酵母違い比べ②高知「亀泉 純米吟醸 CEL24酵母」甘味に同居する酸味が素晴らしい“青春の味”が | 酔い人「空太郎」の日本酒探検

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意欲ある先進地酒蔵のお酒をいただき、その感想を報告します。
SAKETIMESにも連動して記事を載せます。

 東中野の銘酒居酒屋の大政小政さんで、高知県が開発した吟醸酵母の味違いを楽しもうと、土佐市の亀泉酒造さんが醸す「亀泉 純米吟醸 CEL-19酵母」の意外に香りの抑制された味わいを確認した後、次にいただいたのはこれです。

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 「亀泉 純米吟醸 CEL-24酵母」。
 このお酒は08年9月に新橋の銘酒居酒屋さんでいただき、その見事な含み香と甘ずっぱい味わいに感動したものです。
 CEL-24酵母の特徴は
 「カプロン酸エチルやリンゴ酸がCEL-19の二倍産生する。発酵力が弱いため、アルコール度数が13度前後で発酵を停止してしまうので、糖分が相当数、残る。結果として日本酒度は二桁のマイナスになり、甘酸っぱく香りの高い酒になる」
 ということです。

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 実際に統計データを見ると、醪に含まれるカプロン酸エチルの量は、10ppmを超えます。
 通常5ppm程度あれば、十分と言われているはずですから、これは多いです。
 ただ、香りばっかり強くても、味がしっかりしていなければ、呑み飽きることは必定です。
 その辺がお酒の酵母選びの難しいところだと思います。
 早速、いただきます。

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 ふむ、香ります、
 熟しきってあと少しで腐敗のゾーンに入ろうかという赤いリンゴの香りが。
 含むと、中程度の大きさで、均整の取れた旨味の塊が、表面をツヤツヤにして飛び込んできます。
 受け止めると旨味はハイピッチで膨らみながら、どんどんと中粒の旨味を四方八方に放ってきます。
 粒が弾けると、なかから現われるのがどろりとした濃厚な甘味と軟らかな酸味の融合体なのです。
 それはまるで糖度の高い完熟いちごに砂糖と牛乳を加えて、ミキサーにかけたイチゴミルクの味わいです。
 甘味と酸味は果てしもなく、舞台の上で楽しそうに踊り続けます。
 飲み下した後も、その甘酸っぱい青春の思い出のような余韻がいつまでも続くのでした。

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 うーーん、うんまいです。
 これ、空太郎の好みです。香りもいいですが、この味わいに今夜も悩殺されました。
 亀泉のお酒を呑むなら、やっぱりCEL-24酵母の酒に限る!と断言するのでした。

*一升瓶三千円以下の美酒に登録します。

★お酒の情報(09年503銘柄目)
銘柄名「亀泉 純米吟醸 20BY」
酒蔵「亀泉酒造(高知県土佐市)」
酒分類「純米吟醸酒」「生酒」
原料米「八反錦」
使用酵母「CEL-24」
精米歩合「50%」
アルコール度数「14.4度」
日本酒度「-13」
酸度「2.2」
アミノ酸度「1.3」
情報公開度「◎」
標準小売価格「1800ml=2940円」
評価「★★★★★」