酔い人「空太郎」の日本酒探検

酔い人「空太郎」の日本酒探検

意欲ある先進地酒蔵のお酒をいただき、その感想を報告します。
SAKETIMESにも連動して記事を載せます。

自宅の晩酌にお酒を選びました。

これです。

 

 

「森嶋(もりしま)純米 無濾過生原酒」。

茨城県日立市の森島酒造さんが醸しているお酒です。

 

森嶋酒造のホームページを久しぶりに開いてみて、随分と刷新されていて、驚きました。

特に目についたのが、一番真っ先に開くべく設けらていたのが、「モダンクラシックを極める。」という蔵元杜氏の森嶋正一郎さんの言葉でした。

その趣旨は、森嶋さんの次の言葉に集約されています。

 

 

21世紀に生きる一人の醸造家として、はるか二千年に及ぶ日本酒の歴史(クラシック)を受け継ぎ、その中に新たな可能性(モダン)を見いだすこと。

それは日本酒を通して日本の美しさと美学を表現することであり、それを極めることこそが、私にとっての「モダンクラシック」なのです。

 

多くの先進地酒蔵は、森嶋さんが目指す同じ方向に向いていると思いますが、ネット発信でそれをここまで明確に発信している蔵はあまり多くありません。

森嶋さんの熱い気持ちが伝わってきて、思わず紹介してしまいました。

 

さて、いただくお酒は美山錦65%精米の純米、無濾過生原酒です。

 

 

上立ち香は生酒の初々しい麹バナの香りが。

口に含むと中程度の大きさの旨味の塊が、平滑になった表面に微細な気泡を包含したとろみ層を薄っすら乗せて、軽やかなテンポで転がり込んできます。

受け止めて保持すると、自律的にぐいぐいと膨らみ、拡散して、適度な大きさのガラス玉様の粒々を速射してきます。

 

粒から滲出してくるのは甘味8割、旨味2割。

甘味はザラメ糖系の奥行きのあるタイプ、旨味はシンプル無垢でより滑らかな印象で、両者は足並みを揃えて、モダンで先端的なキレの鋭い舞いを展開します。

 

流れてくる含み香は生酒特有のとろりとした魅惑的な甘い香りでデコレート。

後から酸味と渋味が適量現れて、明快なメリハリを施します。

甘旨味は終盤まで都会的な精緻な舞いに終始し、最後は反転縮退して、喉の奥へと吸い込まれていきました。

 

 

安心の森嶋酒でした。

 

お酒の情報(26年202銘柄目)

銘柄名「森嶋(もりしま)純米 無濾過生原酒 2025BY」

酒蔵「森島酒造(茨城県日立市)」

分類「純米酒」「無濾過酒」「生酒」「原酒」

原料米「美山錦」

酵母「不明」

精米歩合「65%」

アルコール度数「15度」

日本酒度「不明」

酸度「不明」

情報公開度(瓶表示)「△」

標準小売価格(税込み)「1800ml=3080円」

評価「★★★★★(7.6点)」

 

自宅の晩酌にお酒を選びました。

これです。

 

 

「東照(とうしょう)純米吟醸」。

栃木県栃木市の相良酒造さんが醸しているお酒です。

 

相良酒造は病気がちだった父の後を継いで、長男の相良明徳さんが社長、妹で長女だった相良沙奈恵さんが杜氏になって、蔵を盛り立ててきました。

銘柄の「朝日栄」も順調に、その後、「東照」を追加しており、この先も兄妹でハンドリングしていくものと思われましたが、2024年暮れに突如、明徳さんが会社を去り、沙奈恵さんが社長に就いたのです。

 

 

これで沙奈恵さんが造りだけでなく、経営も担うことになりました。

沙奈恵さんは数年前に結婚しており、旦那が蔵の仕事を担えばいいのではと思ったりもしたのですが、沙奈恵さんに伺ったところ、伴侶は神主さんの仕事があり、蔵の手伝いは難しいとのことでした。

 

沙奈恵さんは大変でしょうが、頑張っていただきたいです。

 

さて、いただくお酒は、55%精米の純米吟醸、一回火入れ酒です。

 

 

上立ち香は良質な酒エキスの香りが仄かに。

玩味すると中程度の大きさの旨味の塊が、平滑になった表面に薄っすらととろみ層を乗せて、淡々とした態度で滑り込んできます。

受け止めて保持すると、促されるままに素直に膨らみ、拡散して、適度な大きさのガラス玉様の粒々を連射してきます。

 

粒から滲み出てくるのは甘味6割、旨味4割。

甘味は上白糖系のドライなタイプ、旨味はシンプル無垢なコクが織り上がった印象で、両者は足並みを揃えて、歯切れよく、精緻な舞いを披露します。

 

流れてくる含み香も上質な酒エキスの香りで薄化粧を付与。

後から酸味と渋味が僅少現れて、隠し味役を担い、甘旨味は終盤までペースを乱すことなく、軽やかに駆け回り、そのまま、喉の奥へと駆け去っていきました。

 

 

相良酒造らしい、ワイルドな仕上がりでした。

 

お酒の情報(26年201銘柄目)

銘柄名「東照(とうしょう)純米吟醸 2025BY」

酒蔵「相良酒造(栃木県栃木市)」

分類「純米吟醸酒」

原料米「不明」

酵母「不明」

精米歩合「55%」

アルコール度数「15度」

日本酒度「不明」

酸度「不明」

情報公開度(瓶表示)「△」

標準小売価格(税込み)「720ml=2280円」

評価「★★★★★(7.55点)」

自宅の晩酌にお酒を選びました。

これです。

 

 

「長瀞(ながとろ)純米 無濾過生原酒 直汲み」。

埼玉県長瀞町の藤崎摠兵衛商店さんが醸しているお酒です。

 

2018年に長瀞町に新しい蔵として誕生した藤崎摠兵衛商店。

親会社は鹿児島の焼酎大手の濱田酒造で屋台骨がしっかりしているので、当初から結構なお金をかけて醸造設備も販売店も作りました。

でも、結果として初年度から減価償却負担は重かったと思います。

このため、単年度黒字になるには時間がかかるだろうなあと思っていました。

ところが、どういうわけか、ネット上に2025年6月期の決算が公表されており、そこには、なんと5000万円もの利益を計上しているのでした。

 

 

長瀞という秩父の観光地に立地できたことも大きかったと思いますが、できてくる酒のレベルも問題がないということなのでしょうね。

埼玉県の地酒としての存在感は今後ますます大きくなりそうです。

 

さて、いただくお酒は埼玉県産さけ武蔵70%精米の純米酒、無濾過生原酒の直汲み酒です。

 

 

上立ち香は生酒らしいとろりとした甘い香りがたっぷりと。

口に含むと中程度の大きさの旨味の塊が、平滑になった表面にわずかに気泡を包含したとろみ層を乗せて、情熱的なムードで転がり込んできます。

受け止めて保持すると、自律的に元気よく膨らみ、拡散して、適度な大きさのガラス玉様の粒々を速射してきます。

 

粒から滲み出てくるのは甘味7割、旨味3割。

甘味はザラメ糖系に蜂蜜のニュアンスを乗せたタイプ、旨味は無垢で素直なコクが織り上がった印象で、両者は足並みを揃えて、潤いたっぷりの世界を描きます。

 

流れてくる含み香は生酒の良さだけを強調した魅惑の香りでデコレート。

後から酸味が少量、渋味が適量現れて、すがすがしいメリハリを付与。

甘旨味は終盤まで疲れを見せずに踊り、最後は反転縮退して、一気に昇華していきました。

 

 

70%精米でこの仕上がりには驚きです。

「長瀞」の酒はさらに一段ステップアップしています。

 

お酒の情報(26年200銘柄目)

銘柄名「長瀞(ながとろ)純米 無濾過生原酒 直汲み 2025BY」

酒蔵「藤崎摠兵衛商店(埼玉県長瀞町)」

分類「純米酒」「無濾過酒」「生酒」「原酒」

原料米「さけ武蔵」

酵母「不明」

精米歩合「70%」

アルコール度数「16度」

日本酒度「不明」

酸度「不明」

情報公開度(瓶表示)「△」

標準小売価格「720ml=1700円」

評価「★★★★★★(7.65点)」

長野県塩尻市の杉の森酒造が蔵の近くの奈良井宿の街道沿いに新しい販売店、「sagyobar stand by suginomori brewery(サギョーバー・スタンド・バイ・スギノモリブルワリー)」をオープンさせました。

どんなお店なのか、行ってみました。

店ではお酒を売る目的で、お酒を試飲させてくれました。

 

3杯目にいただいたのはこれです。

 

 

「narai(ナライ)passage(パッセージ)~ナライへ続く道」。

 

2021BYに休眠状態だった蔵を一新して復活させた杉の森酒造。

杜氏は京都の松本酒造にいた入江将之さんが就いて、新しい蔵の酒を当初からハイレベルなものにしてきました。

このままずっと続いていくのかと思いきや、入江さんは2024BYの半ばである2025年3月末を持って辞めてしまいました。

 

 

後任は斉藤聡之さん。

斉藤さんは東京消防庁で消防士として働き始めますが、酒造りに興味があって、長野の大雪渓酒造の季節雇用として蔵人に。

4造りを経て、次は愛媛県の丸尾本店(悦凱陣)に移り、3造りを経験。

その頃には米作りにも興味が湧き、米作りもしている酒蔵を探して山形の水戸部酒造に移りました。

造りが終わった後、杉の森酒造が蔵人を募集していることを知って、周囲の勧めもあり、塩尻に移ってきたのでした。

経験が豊富な斉藤さんが、今後、杉の森酒造のお酒をどう造っていくのかに注目です。

 

 

さて、3本目はレギュラー品に対して、少し手ごろな価格帯の入門酒が必要だとの蔵元の判断で、昨年(2025)暮れにリリースしたお酒です。

レギュラー品が四合瓶で5500円に対して、2970円です。

 

 

上立ち香はスレンダーながらも魅惑的な香りが。

口に含むと中程度の大きさの旨味の塊が、平滑になった表面に微細な気泡を纏って、初々しいムードで忍び入ってきます。

受け止めて保持すると、気泡のわずかな破裂を背景に軽快に膨らみ、拡散して、適度な大きさのガラス玉様の粒々を速射してきます。

 

粒から滲出してくるのは甘味8割、旨味2割。

甘味はザラメ糖系の麗らかなタイプ、旨味はシンプル無垢で、絹ごし豆腐のようなテクスチャーで、両者は足並みを揃えて、流麗で初々しいワルツを踊ります。

 

流れてくる含み香は完熟バナナのとろりとした甘い香りでデコレート。

後から酸味と渋味が少量現れて、速やかに甘旨味に被さって内部へと溶け込みます。

味わいは適度で絶妙な甘酸の世界へと転じ、そのまま最後まで乱れることなく、終幕を迎えるのでした。

 

 

極上の味わいです。

でも、結果として、naraiの酒はこれで十分と思われないか、老婆心ながらいささか心配です。

 

お酒の情報(26年199銘柄目)

銘柄名「narai(ナライ)passage(パッセージ)

~ナライへ続く道 2025BY」

酒蔵「杉の森酒造(長野県塩尻市)」

分類「“純米酒”」

原料米「不明」

酵母「不明」

精米歩合「不明」

アルコール度数「13度」

日本酒度「不明」

酸度「不明」

情報公開度(瓶表示)「△」

標準小売価格(税込み)「720ml=2970円」

評価「★★★★★★(7.65点)」

 

長野県塩尻市の杉の森酒造が蔵の近くの奈良井宿の街道沿いに新しい販売店、「sagyobar stand by suginomori brewery(サギョーバー・スタンド・バイ・スギノモリブルワリー)」をオープンさせました。

どんなお店なのか、行ってみました。

店ではお酒を売る目的で、お酒を試飲させてくれました。

 

2本目に試飲したのはこれです。

 

 

「narai β7(ならい・ベータセブン)」

 

店は杉の森酒造の蔵がある場所から街道沿いに北東へ歩いて数分の所にあります。

通常、お酒は蔵の敷地から運び出される段階で酒税と消費税を支払わなければなりませんが、今回は蔵置場扱いで、税金の支払いは店で売り上げが立った時に発生しています。

いわば蔵の敷地扱いということでしょうか。

 

 

この“未納税移出”についての考え方は税務署によって異なっていて、ちょっとでも蔵から離れていれば、それが倉庫であれ、売店であれ、税金を納めなければならないケースもあったりします。

今回の場合、奈良井宿を観光地として盛り上げようと、塩尻市が全面的に支援しているという事情もありそうです。

 

さて、2本目に試飲したのは、杉の森酒造がこの店だけで売るために造った、超限定品です。

金紋錦を使った試験醸造酒です。

 

 

上立ち香は引き締まった良質の果実系の香りが。

口に含むと中程度の大きさの旨味の塊が、平滑になった表面に打ち粉を振って、サラサラな感触を強調しながら、軽快なテンポで滑り込んできます。

受け止めて保持すると、自律的にリズミカルに膨らみ、拡散して、適度な大きさの透明感に富んだ粒々を速射してきます。

 

粒から滲み出てくるのは甘味7割、旨味3割。

甘味は上白糖系のサラリとしたタイプ、旨味はシンプル無垢ながらも奥行きを感じるレーズンのうまさを感じます。

両者は足並みを揃えて、キビキビと無駄の無い舞いを見せます。

 

流れてくる含み香はパッションフルーツを連想する香りでデコレート。

後から酸味が少量、渋味が適量現れて、好ましいメリハリを施します。

甘旨味は終盤まで個性的な味わいを放ちながら駆け回り、最後は反転縮退して、一気に昇華していきました。

 

 

それでは、杉の森酒造のお店で試飲させていただいた最後の3本目をご紹介します。

 

お酒の情報(26年198銘柄目)

銘柄名「narai β7(ならい・ベータセブン) 2025BY」

酒蔵「杉の森酒造(長野県塩尻市)」

分類「“純米大吟醸酒”」

原料米「金紋錦」

酵母「協会1401」

精米歩合「不明」

アルコール度数「15度」

日本酒度「不明」

酸度「不明」

情報公開度(瓶表示)「△」

標準小売価格「720ml=6600円」

評価「★★★★★★(7.65点)」

 

長野県塩尻市の杉の森酒造が蔵の近くの奈良井宿の街道沿いに新しい販売店、「sagyobar stand by suginomori brewery(サギョーバー・スタンド・バイ・スギノモリブルワリー)」をオープンさせました。

どんなお店なのか、行ってみました。

店ではお酒を売る目的で、お酒を試飲させてくれました。

 

1本目に試飲したのはこれです。

 

 

「narai kinmon(ならい・きんもん)」

 

店は街道に面した雑貨屋で廃業した「市川商店」をリノベーションして、1階を店舗に、2階を事務所としていました。

店舗は入って左手に販売用のカウンターと街道側に向いて簡易なカウンターがあります。

右手には杉の森酒造が扱っている日本酒のボトルと説明書き、その奥に冷蔵ショーケースがあって、日本酒が並んでいます。

有料試飲をするには免許の取得が必要らしく、あえて当面は無料の試飲販売のみで進めるそうです。

 

 

カウンターの方では塩味のおにぎり(シオむすび)を販売し、街道に向いたカウンターで食べてもらう趣向。

宣伝はしていないようですが、事前予約をすれば、個室でシオむすびとみそ汁に杉の森酒造の酒を楽しむことが出来るそうです。

 

1本目に試飲したのは、杉の森酒造のレギュラー品である金紋錦を使った“純米大吟醸酒”、一回火入れです。

 

 

上立ち香は引き締まった良質の香りが仄かに。

玩味すると中程度の大きさの旨味の塊が、平滑になった表面に打ち粉を振って、サラサラな感触をアピールしながら、軽快なスピードで転がり込んできます。

受け止めて保持すると、自律的にキビキビとした態度で膨らみ、拡散して、適度な大きさのクリスタル様の透き通った粒々を連射してきます。

 

粒から滲出してくるのは甘味7割、旨味3割。

甘味は上白糖系の乾いたタイプ、旨味はシンプル無垢で均整の取れた印象で、両者は足並みを揃えて、骨格のしっかりとしたシャーブな踊りを見せます。

 

流れてくる含み香は適度に芳醇な香りでデコレート。

後から酸味が少量、渋味が適量現れて、好ましいアクセントを付与します。

甘旨味は終盤まで均衡を保って、最後は鋭角的に反転縮退して、一気に昇華していきました。

 

 

思わず背筋を伸ばしていただく美酒でした。

それでは、杉の森酒造のお店で試飲させていただいた2本目です。

 

お酒の情報(26年197銘柄目)

銘柄名「narai kinmon(ならい・きんもん) 2025BY」

酒蔵「杉の森酒造(長野県塩尻市)」

分類「“純米大吟醸酒”」

原料米「金紋錦」

酵母「不明」

精米歩合「不明」

アルコール度数「14度」

日本酒度「不明」

酸度「不明」

情報公開度(瓶表示)「△」

標準小売価格「720ml=5500円」

評価「★★★★★★(7.65点)」

 

自宅の晩酌にお酒を選びました。

これです。

 

 

「賀茂金秀(かもきんしゅう)特別純米 辛口」。

広島県東広島市の金光酒造さんが醸しているお酒です。

 

金光酒造は今年(2026)5月の全国新酒鑑評会において、出品した「桜吹雪」が金賞を獲得しました。

これでなんと11回連続の金賞獲得になりました。

 

しかも、前回まで醸造アルコール添加の大吟醸で、カプロン酸エチル系の酵母を使い続けていたものを、今回はアル添はやめて純米大吟醸に、酵母も酢酸イソアミル主体の酵母に切り替えるという大胆な変更をしたにも関わらず、金賞を獲得したのです。

おめでとうございます。

 

 

金賞を10回連続獲得したのを契機に昨年(2025)11月に蔵にお邪魔をして、蔵元の金光秀起さんに話を聞いた時、

「10回連続を果たしたので、次はアル添なしで、かつ、カプロン酸エチルの酵母でなく出品したい」と語っていたのです。

それを有言実行しての金賞でした。

その際、「銘柄名も桜吹雪から賀茂金秀に変更したらどうですか?」と聞いたところ、

「賀茂金秀に変えた一年目に金賞を逃すのはブランドイメージに悪いので、もう少し先にします」

とのことでした。

来季は是非!。

 

さて、いただくお酒は麹米50%精米、掛米は60%精米の特別純米、一回火入れです。

 

 

上立ち香はきりりとした端正な薄甘い香り。

玩味すると中程度の大きさの旨味の塊が、平滑になった表面にほんのわずかな気泡を包含した油膜を乗せて、軽快なスピードで駆け込んできます。

受け止めて保持すると、自律的に粛々とした態度で膨らみ、拡散して、適度な大きさのガラス玉様の粒々を連射してきます。

 

粒から滲出してくるのは甘味7割、旨味3割。

甘味は上白糖系の乾いたタイプ、旨味はシンプル無垢でさっぱりとした印象で、両者は足並みを揃えて、自由闊達な舞いを見せます。

 

流れてくる含み香は芳醇で凛々しい香りで薄化粧を付与。

後から酸味と渋味が適量現れ、クリアでくっきりとしたメリハリを施します。

味わいは伸びやかで爽やかな世界が最後まで続いていくのでした。

 

 

安心のカモキン酒でした。

 

お酒の情報(26年196銘柄目)

銘柄名「賀茂金秀(かもきんしゅう)特別純米 辛口 2025BY」

酒蔵「金光酒造(広島県東広島市)」

分類「特別純米酒」

原料米「不明」

酵母「不明」

精米歩合「麹米=50%、掛米=60%」

アルコール度数「16度」

日本酒度「不明」

酸度「不明」

情報公開度(瓶表示)「△」

標準小売価格「720ml=1870円」

評価「★★★★★★(7.65点)」

 

 近年、飲み放題設定のある銘酒居酒屋で飲める日本酒のレベルが急ピッチで上昇しています。

どのぐらい飲み放題ができるお酒の質が上がっているかを、いろいろな店を巡り、散発的にご報告していきます。

 

第84弾は神田の「KURARA」さんです。

 

 

KURARAは獺祭を含むいろいろな日本酒2時間飲み放題と料理7品で6000~6500円です。

料理が豪華な6500円を選びました。

ただし、お酒はメニュー化されておらず、店のフロアを取り仕切っているソムリエ(男子)さん任せでした。

 

1本目にいただいたのはこれです。

 

 

「獺祭(だっさい)純米大吟醸50」。

山口県岩国市の獺祭さんが醸しているお酒です。

 

トップバッターはお約束の獺祭。魅惑的な甘味が主役、酸味は僅少、渋味がアクセントでした。

7.6点。

 

2本目はこれです。

 

 

「賀茂金秀(かもきんしゅう)辛口夏純」。

広島県東広島市の金光酒造さんが醸しているお酒です。

 

スレンダーな中にも健康的な甘味と旨味がバランスよく、駆け回りました。

7.6点。

 

3本目はこれです。

 

 

「雨後の月(うごのつき)辛口純米」。

広島県呉市の相原酒造さんが醸しているお酒です。

 

まろやかで穏やかな甘旨味がふわふわと浮遊するがごときでした。

7.6点でした。

 

4本目はこれです。

 

 

「喜楽長(きらくちょう)second 純米」。

滋賀県東近江市の喜多酒造さんが醸しているお酒です。

 

均整の取れた甘旨味を酢酸エチルの香りが彩りました。

7.6点でした。

 

5本目はこれです。

 

 

「紀土(きっど)純米」。

和歌山県海南市の平和酒造さんが醸しているお酒です。

 

中庸な甘旨味に抑え目の含み香と、少量の酸渋が補佐するスタンダード酒でした。

7.6点でした。

 

6本目はこれです。

 

 

「彩來(さら)S‘s」。

埼玉県上尾市の北西酒造さんが醸しているお酒です。

 

まろやかでとろとろとした甘旨味がやや単調に踊りました。

7.55点でした。

 

7本目はこれです。

 

 

「巻機(まきはた)吟」。

新潟県南魚沼市の高千代酒造さんが醸しているお酒です。

 

魅惑的な甘さと妖艶な含み香が華やかに舞っていました。

7.6点でした。

 

8本目はこれです。

 

 

「栄光冨士(えいこうふじ)星祭 純米大吟醸」。

山形県鶴岡市の冨士酒造さんが醸しているお酒です。

 

フレッシュフルーティーでジューシーないつもの栄光冨士でした。

7.6点でした。

 

9本目はこれです。

 

 

「作(ざく)和悦 純米吟醸」。

三重県鈴鹿市の清水清三郎商店さんが醸しているお酒です。

 

お約束の魅惑的で完璧なバランスの美酒でした。

7.6点でした。

 

最後の10本目はこれです。

 

 

「わかむすめ トロピカル・ブンブン」。

山口市の新谷酒造さんが醸しているお酒です。

 

とろりとした甘旨味が色香を放ち、最後は適度に切れていきました。

7.6点でした。

 

 

おまかせで持ってきてもらいましたが、今、人気の地酒ばかりが次々と出てきました。

頼んでからのスピードも速く納得でした。

でも、90分ラストオーダーでは短いので30分追加(800円)で楽しませてもらいました。

食事も美味なものばかりで、参加者は「必ず、また来ます」と言い切っていました。

4.8点(★★★★★)をつけさせていただきました。ごちそうさまでした。

 

 

総合評価が4.8点以上の5つ星の秀逸飲み放題居酒屋は以下の通りです。

常笑(中野)、かぐら(神田)、フィッシュ・オン・ディッシュ・ロリー(板橋)、炭火焼鳥煙(門前仲町)、八福寿家(恵比寿)、ナイン(船橋)、カミヤ酒場(小伝馬町)、ししくら(池尻大橋)、鳥酎はなれ(飯田橋)、バルカミヤ(小伝馬町)、あぐらし(日本橋小舟町)、のすけ(明大前)、GASHUE(仲御徒町)、居酒屋純ちゃん(荒木町)、つくしのこ(池尻大橋)、サケラボトーキョー(十条)、日がさ雨がさ(四谷三丁目)、MrHappy(神保町)、のいえ(神楽坂)、KURARA(神田)、オールザットジャズ(荒木町)、まき野(高田馬場)

 

 

船橋の銘酒居酒屋の「ナイン」にお邪魔しました。

いつものように飲み放題コースを選んで、いろいろいただいた中で、いくつかご紹介します。

3本目はこれです。

 

 

「里美の雫(さとみのしずく)」。

茨城県常陸太田市の井坂酒造店さんが醸しているお酒です。

 

「日之出鶴」を主力銘柄とした井坂酒造店のお酒は、茨城県の酒イベントなどで試飲したことはあるものの、買ってじっくり飲んだことはありません。

茨城の山間にある100石も造っていなかったこともあってノーマークでしたが、12代目の蔵元後継者の井坂統幸さんが30歳を回って「酒蔵の文化を守るために後を継ぐ」とSEを辞めて帰蔵したのが、2018年です。

2年後の2020BYから杜氏になって酒造りの改革に取り組んできました。

 

 

また、原料の米は地元産優先へとシフトし、一方で販促にはネットを駆使するなどして頑張っているようです。

当面の目標は100石を200石にすることだそうです。

 

今夜いただくお酒は、地元の里見地区で有志を募って、みんなで田植えから刈り取りまでをした食用米で造った純米酒です。

 

 

上立ち香はフレッシュな薄甘い香りが。

口に含むと中程度の大きさの旨味の塊が、平滑になった表面に油膜を張って、スベスベの感触をアピールしながら、軽快なスピードで転がり込んできます。

受け止めて保持すると、促されるままに流れるように膨らみ、拡散して、適度な大きさのガラス玉様の粒々を速射してきます。

 

粒から滲み出てくるのは甘味7割、旨味3割。

甘味は上白糖系のさらりとしたタイプ、旨味はシンプルで素朴なコクが織り上がった印象で、両者は足並みを揃えて、バランスのよい舞いを披露します。

 

流れてくる含み香は芳醇で新鮮な香りでデコレート。

後から酸味と渋味が適量現れ、リンゴ酸主体の酸味は甘旨味にそこかしこで溶け込んで甘酸の世界に転じ、渋味は全体を引き締め、そのまま、活性度の高い舞いが終盤まで続くのでした。

 

 

美味でした。井坂酒造場のお酒は今後も機会があれば、飲んでみたいです。

 

お酒の情報(26年195銘柄目)

銘柄名「里美の雫(さとみのしずく)2025BY」

酒蔵「井坂酒造店(茨城県常陸太田市)」

分類「純米酒」

原料米「不明」

酵母「不明」

精米歩合「不明」

アルコール度数「15度」

日本酒度「不明」

酸度「不明」

情報公開度(瓶表示)「△」

標準小売価格「720ml=不明」

評価「★★★★★(7.6点)」

 

船橋の銘酒居酒屋の「ナイン」にお邪魔しました。

いつものように飲み放題コースを選んで、いろいろいただいた中で、いくつかご紹介します。

2本目はこれです。

 

 

「月の井(つきのい)夏純米」。

茨城県大洗町の月の井酒造店さんが醸しているお酒です。

 

月の井酒造店は2020BYから広島の名杜氏、石川達也さんを杜氏に招いて、酒蔵の改革を進めてきましたが、2025BYの造りを最後にして、石川杜氏は月の井酒造店を去ることになりました。

石川さんが休蔵して久しい広島の福美人酒造の復興役を請け負うことになったためです。

円満退社ということになると思います。

 

 

さて、これにより、月の井酒造店の酒造りはどうなるのでしょうか。

空太郎は月の井の酒が大きく変わってしまったことを心配していたので、首都圏のニーズにあった酒に軌道修正されることを期待したいと思っております。

 

さて、今夜頂くお酒は65%精米の純米酒、火入れです。

 

 

上立ち香は凡庸な酒エキスの香りが。

玩味すると中程度の大きさの旨味の塊が、平滑になった表面に薄っすらととろみ層を乗せて、鷹揚な態度で忍び入ってきます。

受け止めて保持すると、促されるままにゆったりと膨らみ、拡散して、適度な大きさの粘っこい粒々を連射してきます。

 

粒から現出してくるのは甘味6割、旨味4割。

甘味はとろりとした粘り気の強いタイプ、旨味は複数の個性的なコクが重層化した印象で、両者はお互いにけん制し合いながら、重厚で官能的な踊りを見せるのです。

 

流れてくる含み香はとろりとした酒エキスの香りで厚めにデコレート。

後から酸味は皆無、渋味がわずかに現れるものの、太くて重厚な甘旨味の迫力に押されて、遠くから囃すのみ。

味わいは終盤まで薄曇りのどんよりとした空の下、最後まで視界不良が続くのでした。

 

 

余韻が重くてつらかったです。

 

お酒の情報(26年194銘柄目)

銘柄名「月の井(つきのい)夏純米 2025BY」

酒蔵「月の井酒造店(茨城県大洗町)」

分類「純米酒」

原料米「不明」

酵母「不明」

精米歩合「65%」

アルコール度数「13度」

日本酒度「不明」

酸度「不明」

情報公開度(瓶表示)「△」

標準小売価格「720ml=1650円」

評価「★★★★(7.5点)」