酔い人「空太郎」の日本酒探検

酔い人「空太郎」の日本酒探検

意欲ある先進地酒蔵のお酒をいただき、その感想を報告します。
SAKETIMESにも連動して記事を載せます。

自宅の晩酌に北海道函館市の函館五稜乃蔵が造っているお酒をまとめて取り寄せて、飲み比べをしました。

 

3本目はこれです。

 

 

「五稜(ごりょう)特別純米 辛口」 。

 

スタート当初は土地の確保と建物建設と醸造設備購入は函館五稜乃蔵が担当し、醸造を上川大雪酒造に委託し、販売は函館五稜乃蔵が担うというスキームだったのが、その後、函館五稜乃蔵が清酒免許も取得して、自己完結のスタイルになった理由は明らかになっていません。

 

 

だから、所詮、空太郎の推測の域を出ないのですが、当初から最終的には函館五稜乃蔵がすべてを自身で担う計画でいたのが、清酒免許取得には時間がかかるため、まずは上川大雪酒造の助力を求めて、前倒しで造りを始めたのかもしれません。

それとも、当初のスキームだと、上川大雪酒造へ支払う醸造委託料が割高で、函館五稜乃蔵側のメリットが小さく、5億円の投資回収に時間がかかるため、スキームを変更したとも考えられます。

ただし、上川大雪酒造は醸造から離れる時のプレスリリースで、「協力関係は続きます」とコメントしています。

 

さて、3本目は地元産の吟風の60%精米の特別純米酒の一回火入れです。

 

 

上立ち香はこれまた隙間の少ない引き締まった酒エキスの香りが。

玩味すると中程度の大きさの旨味の塊が、平滑になった表面に油膜を張って、スベスベの感触を強調しながら、軽やかに転がり込んできます。

受け止めて保持すると、自律的に涼しげな雰囲気で膨らみ、拡散して、適度な大きさのガラス玉様の粒々を速射してきます。

 

粒から滲出してくるのは甘味7割、旨味3割。

甘味は上白糖系のドライなタイプ、旨味はシンプルでやや朴訥な雰囲気で、両者は足並みを揃えて、クールな雰囲気で舞い始めます。

 

流れてくる含み香はスレンダーながら、明快な甘い香りも加わって。後から酸味と渋味が適量現れて、クリアなメリハリを施します。

甘旨味はマイペースで活力高く踊りますが、終盤になると旨味が疲労感を見せて足取りが重くなり、飲み下した後の切れは意外にも1,2本目よりも気持ち劣りました。

 

 

それでは、函館五稜乃蔵のお酒、最後の4本目をいただくことにします。

 

お酒の情報(26年124銘柄目)

銘柄名「五稜(ごりょう)特別純米 辛口 2025BY」

酒蔵「函館五稜乃蔵(北海道函館市)」

分類「特別純米酒」

原料米「地元産吟風」

酵母「不明」

精米歩合「60%」

アルコール度数「16度」

日本酒度「不明」

酸度「不明」

情報公開度(瓶表示)「△」

標準小売価格「720ml=2000円」

評価「★★★★★(7.6点)」

自宅の晩酌に北海道函館市の函館五稜乃蔵が造っているお酒をまとめて取り寄せて、飲み比べをしました。

 

2本目はこれです。

 

 

「五稜(ごりょう)純米 辛口」 。

 

2021年11月に上川大雪酒造が函館に第三蔵としての免許を取得する一方で、地元財界の有志が出資して函館五稜乃蔵を設立。

土地の確保と建物建設と醸造設備購入は函館五稜乃蔵が担当し、醸造を上川大雪酒造に委託し、販売は函館五稜乃蔵が担うというスキームでスタートしたお酒は2022年3月に発売「五稜」として発売され、当初から評判は良く、順調な滑り出しでした。

 

 

その後、函館五稜乃蔵は単独での清酒免許を取得すべく、酒蔵の買収案件を探します。

そして、2015年12月に酒造りを停止していた山二わたなべ(小樽市)の全株式を取得。

2024年10月に函館五稜乃蔵に吸収するとともに、清酒免許を函館に移転しました。

これにより、上川大雪酒造への委託醸造を止めて、函館五稜乃蔵が製造販売をすべて担う形になっています。

 

さて、2本目のお酒は1本目と同じ70%精米の純米酒、一回火入れです。

 

 

上立ち香は凛々しくきりりとした酒エキスの香りが。

口に含むと中程度の大きさの旨味の塊が、平滑になった表面に打ち粉を振って、サラサラな感触をアピールしながら、まっしぐらに滑り込んできます。

受け止めて保持すると、自律的に淡々と膨らみ、拡散して、適度な大きさのガラス玉様の粒々を連射してきます。

 

粒から滲み出てくるのは甘味6割、旨味4割。

甘味は上白糖系の乾いたタイプ、旨味はシンプル無垢で純米よりも硬いゴムのような感触で、両者はタイミングを揃えて、跳ねまわるようにして踊ります。

 

流れてくる含み香はスレンダーで無駄のない酒エキスの香りで薄化粧を付与。

後から酸味と渋味が適量現れて、全体をぎゅっと引き締めるのです。

終盤まで全体が弾力性と活力を維持して、飛び回り、そのままの勢いで終幕を迎えました。

 

 

1本目と甲乙つけがたい仕上がりでした。

それでは、函館五稜乃蔵のお酒、3本目をいただくことにします。

 

お酒の情報(26年123銘柄目)

銘柄名「五稜(ごりょう)純米 辛口 2025BY」

酒蔵「函館五稜乃蔵(北海道函館市)」

分類「純米酒」

原料米「不明」

酵母「不明」

精米歩合「70%」

アルコール度数「15度」

日本酒度「不明」

酸度「不明」

情報公開度(瓶表示)「△」

標準小売価格「720ml=1600円」

評価「★★★★★★(7.65点)」

自宅の晩酌に北海道函館市の函館五稜乃蔵が造っているお酒をまとめて取り寄せて、飲み比べをしました。

 

1本目はこれです。

 

 

「五稜(ごりょう)純米」。

 

1974年の石油ショック以降、清酒の需要は下降線に入り、北海道の酒蔵の廃休業が相次ぎます。

函館市に最後に残った「五稜正宗」を造る日本清酒函館工場も1968年に醸造を休止し、撤退。

このため、函館地区の飲み手からは、

「道南には日本酒蔵が一切なく、同じ道産子の酒と言っても数百キロも離れた酒蔵の酒を飲むしかない。この現状を変えたい」

との声が高まってきました。

 

 

そんな折の2017年に北海道上川町に上川大雪酒造が誕生して酒造りを開始して話題を集めました。

その後、上川大雪酒造は地域の大学と連携して地方創生の目的を前面に押し出して、2020年秋に帯広畜産大学内に第二蔵「碧雲蔵」を完成させました。

これを見て、函館の財界有志が動き、地元の函館高専が2006年に清酒の試験免許を取得して酵母の研究に着手していたこともあって、高専のラボを併設した酒蔵として免許の申請を行い、2021年11月に上川大雪酒造が函館に第三蔵としての免許を取得しました。

 

 

地元財界の有志が出資して函館五稜乃蔵を設立。

土地の確保と建物建設と醸造設備購入は函館五稜乃蔵が担当し、醸造を上川大雪酒造に委託し、販売は函館五稜乃蔵が担うというスキームでスタートしたのです。

 

続きは明日。

 

さて、1本目のお酒は70%精米の純米酒、一回火入れです。

 

 

上立ち香は凛々しくきりりとした酒エキスの香りが。

玩味すると中程度の大きさの旨味の塊が、平滑になった表面に微細な気泡を纏って、まっしぐらに転がり込んできます。

受け止めて保持すると、自律的に粛々とした態度で膨らみ、拡散して、適度な大きさのガラス玉様の粒々を速射してきます。

 

粒から滲出してくるのは甘味7割、旨味3割。

甘味は上白糖系のからりとしたタイプ、旨味はシンプル無垢にわずかに奥行きのあるコクが加わった印象で、両者は足並みを揃えてキビキビとした舞いを見せます。

 

流れてくる含み香はスレンダーで無駄のない酒エキスの香りで薄化粧を付与。

後から酸味と渋味が適量現れて、味わいに明快なメリハリを施します。

終盤まで五味がそれぞれの役目をきっちりと果たし、最後は反転縮退して、一気に昇華していきました。

 

 

70%精米でこれだけのレベルのお酒を造るとは。

それでは、函館五稜乃蔵のお酒の2本目をいただくことにします。

 

お酒の情報(26年122銘柄目)

銘柄名「五稜(ごりょう)純米 2025BY」

酒蔵「函館五稜乃蔵(北海道函館市)」

分類「純米酒」

原料米「不明」

酵母「不明」

精米歩合「70%」

アルコール度数「15度」

日本酒度「不明」

酸度「不明」

情報公開度(瓶表示)「△」

標準小売価格「720ml=1500円」

評価「★★★★★★(7.65点)」

 

自宅の晩酌にお酒を選びました。

これです。

 

 

「奥能登の白菊(おくのとのしらきく)特別純米 無濾過生原酒 八反錦」。

石川県輪島市の白藤酒造店さんが醸しているお酒です。

 

2024年1月の能登半島地震では白藤酒造店も火事は免れたものの、地震の揺れで事務所など数棟ある建物のほとんどが損壊しました。

しかし、2007年の能登半島地震で被災したメインの蔵はその後の補強のおかげで倒壊せず、窯場も煙突も残ったのです。

このため、蔵としては短期間で復旧させる気持ちを強め、窯場の修繕と、新しい仕込みタンクを導入して、2025年3月から仕込みを再開させました。

 

 

能登半島の清酒蔵のほとんどは、まだ再建の見通しさえ立っていないので、白藤酒造店の早い復旧は驚きでした。

蔵元の白藤喜一社長は「震災前の水準まで酒造りを早く戻したい」と話しています。

 

さて、いただくお酒は2025年暮れに仕込んだ、八反錦55%精米の特別純米酒、無濾過生原酒です。

 

 

上立ち香は生酒らしい麹バナの香りが。

口に含むと中程度の大きさの旨味の塊が、平滑になった表面に打ち粉を振って、サラサラな感触を振りまきながら、軽快に滑り込んできます。

受け止めて保持すると、自律的にテンポよく膨らみ、拡散して、適度な大きさのガラス玉様の粒々を連射してきます。

 

粒から滲み出てくるのは甘味6割、旨味4割。

甘味は上白糖系の乾いたタイプ、旨味はシンプル無垢でやや粗めなテクスチャーで、両者は足並みを揃えて初々しい舞いを披露します。

 

流れてくる含み香はセメダインを思わせる酢酸エチルのチリリとした香り。

後から酸味と渋味が適量現れて、味わいの輪郭をくっきりとさせるのです。

甘旨味は終盤まで酸渋のサポートを受けて、ヴィヴィッドな世界を描き続けるのでした。

 

 

震災以前のお酒と変わらない美酒でした。復興おめでとうございます。

 

お酒の情報(26年121銘柄目)

銘柄名「奥能登の白菊(おくのとのしらきく)特別純米 無濾過生原酒 

八反錦 2025BY」

酒蔵「白藤酒造店(石川県輪島市)」

分類「特別純米酒」「無濾過酒」「生酒」「原酒」

原料米「八反錦」

酵母「不明」

精米歩合「55%」

アルコール度数「17度」

日本酒度「不明」

酸度「不明」

情報公開度(瓶表示)「△」

標準小売価格「720ml=2420円」

評価「★★★★★(7.6点)」

 

自宅の晩酌にお酒を選びました。

これです。

 

 

「TAKARAYAMA 新之助 しぼりたて生原酒」。

新潟市のたからやま醸造(旧宝山酒造)さんが醸しているお酒です。

 

1885年に創業した宝山酒造は経営不振から2024年6月に破産しました。

そのまま廃業するのでは、と危惧していましたが、居酒屋「和食日和 おさけと」を都内で10店舗展開する株式会社fermataの山口直樹社長の妻が宝山酒造の蔵元の令嬢だったことから、山口さんが蔵の事業引継ぎを決意。

新たに東京・日本橋にたからやま醸造を設立し、旧宝山酒造の免許や設備を買い取って、酒造りを続行させています。

 

 

2015年に蔵に戻って、翌2016BYから5代目蔵元杜氏になっていた渡辺桂太さんが引き続き、酒造りの責任者に留まっています。

山口さんが社長になったことで、お酒は「和食日和 おさけと」の店舗でも積極的に扱いだしており、再建は軌道に乗りそうです。

なんともラッキーなことでした。

地酒の蔵がまた一つ消えそうだったわけで、ご同慶の至りです。

 

さて、いただくお酒は、新潟の食用米、新之助を使った“純米酒”のしぼりたて生原酒です。

 

 

上立ち香はいささか奇妙な癖を感じる甘い香り。

玩味すると中程度の大きさの旨味の塊が、平滑になった表面に打ち粉を振って、サラサラな感触をアピールしながら、ヘルシーなムードで転がり込んできます。

受け止めて保持すると、自律的にテンポよく膨らみ、拡散して、適度な大きさの硬めの粒々を速射してきます。

 

粒から滲出してくるのは甘味6割、旨味4割。

甘味はザラメ糖系の幅のあるタイプ、旨味はシンプル無垢で両者は足並みを揃えて、素朴でナチュラルな舞いを見せます。

 

流れてくる含み香はややべたついたような甘い香り。

後から酸味と渋味が適量現れて、しっかりとメリハリを付けます。

終盤まで甘旨味は伸びやかに踊り、最後は反転縮退して、喉の奥へと消え去っていきました。

 

 

香りにやや難あり、でした。

さらなる酒質向上に期待します。

 

お酒の情報(26年120銘柄目)

銘柄名「TAKARAYAMA 新之助 しぼりたて生原酒 2025BY」

酒蔵「たからやま醸造(東京都中央区)*醸造場所は新潟市」

分類「“純米酒”」「生酒」「原酒」

原料米「新之助」

酵母「不明」

精米歩合「不明」

アルコール度数「13度」

日本酒度「不明」

酸度「不明」

情報公開度(瓶表示)「×」

標準小売価格「1800ml=3630円」

評価「★★★★★(7.55点)」

自宅の晩酌にお酒を選びました。

これです。

 

 

「長陵(ちょうりょう)純米」。

新潟県長岡市の葵酒造さんが醸しているお酒です。

 

長年、「長陵」を造ってきた高橋酒造は、身売りをし、2024BYから葵酒造と名前を変えて再出発を果たしました。

新たに蔵元社長となった青木里沙さんは当初、「長陵の名前はもう使わない方針です」と話していました。

実際、2024BYでは造られませんでしたが、おそらく、昔からの長陵ファンが長岡市民にはいるらしく、こうした人たちの声にこたえるのも“地酒蔵”の義務と感じたのでしょう、2025BYには長陵を復活させました。

もちろん、新潟県内限定流通です。

 

 

それは自然な流れだと空太郎も思うのですが、果たして、酒質をどうするかに興味津々でした。

葵酒造の個性的な味わいと同じでは、昔からの長陵ファンは納得しないでしょうし、といって、完全に高橋酒造時代の酒質と同じでは意味がないからです。

 

そういうわけで、どきどきしながらいただきました。

精米歩合も非表示の“純米酒”、火入れです。

 

 

上立ち香は凡庸な酒エキスの香りが。

口に含むと中程度の大きさの旨味の塊が、平滑になった表面に油膜を張って、すべすべの感触をアピールしながら、淡々とした態度で忍び入ってきます。

受け止めて保持すると、促されるままに素直に膨らみ、拡散して、適度な大きさの粒々を連射してきます。

 

粒から滲み出てくるのは甘味5割、旨味5割。

甘味は上白糖系の思い切り儚いタイプで次の瞬間に昇華、残された旨味は複数のコクが織り上がった印象で、粛々と独演会を展開します。

 

流れてくる含み香も地味な酒エキスの香りで薄化粧を付与。

後から酸味は超僅少、渋味が適量現れて、モノトーンの世界をさらに強調します。

終盤になると早々と反転縮退して、そのまま喉の奥へと駆け去っていきました。

 

 

新潟の端麗辛口酒の範囲に収まっていました。

空太郎的にはもう少しのアルファが欲しかったです。

 

お酒の情報(26年119銘柄目)

銘柄名「長陵(ちょうりょう)純米 2025BY」

酒蔵「葵酒造(新潟県長岡市)」

分類「純米酒」

原料米「不明」

酵母「不明」

精米歩合「不明」

アルコール度数「14度」

日本酒度「不明」

酸度「不明」

情報公開度(瓶表示)「×」

標準小売価格「720ml=2970円」

評価「★★★★★(7.5点)」

 

自宅の晩酌にお酒を選びました。

これです。

 

 

「ヤマサン正宗 純米生原酒 荒走り」。

島県出雲市の酒持田本店さんが醸しているお酒です。

 

酒持田本店の杜氏は2025年に、岩成利さんから栫井(かこい)信二郎さんにバトンが渡されています。

栫井さんは東京都出身で、農大を卒業しています。

2015年から酒持田本店で蔵人をしており、40歳にして岩成さんから杜氏職を譲られています。

 

 

栫井さんは酒造りに力を入れるだけでなく、オフシーズンには都内・お茶の水で「ヤマサン正宗」のお酒の拡販のために日本酒バーなどを開いている異色の方です。

空太郎も一度行ってみたいと思っています。

 

さて、お酒の方は五百万石70%精米の純米酒、荒走りの生原酒です。

 

 

上立ち香は濃厚な飴のようなべたりとした甘い香りが。

玩味すると中程度の大きさの旨味の塊が、平滑になった表面にぶ厚くとろみ層を乗せて、前後左右に揺れながら、忍び入ってきます。

受け止めて保持すると、とろみ層を一気に崩して、無数の粘っこい粒々となって口の中に四散してきます。

 

粒から現出してくるのは甘味6割、旨味4割。

甘味はドロドロの水飴様、旨味は無数のコクが重層化した印象で、両者は重心を低くしてすり足で徘徊を始めます。

 

流れてくる含み香は濃い酒エキスに歪んだ奇妙な香りがミックスしてデコレート。

後から酸味は僅少、渋味が結構な量現れて、鈍重な甘旨味に絡みつきます。

後半になると雑味が目立ち始め、最後に飲み下した後の余韻は長く重く残るのでした。

 

 

ひとくち、ふたくちで飲み疲れしそうでした。

 

お酒の情報(26年118銘柄目)

銘柄名「ヤマサン正宗 純米生原酒 荒走り 2025BY」

酒蔵「酒持田本店(島根県出雲市)」

分類「純米酒」「生酒」「原酒」「荒走り酒」

原料米「五百万石」

酵母「協会7号」

精米歩合「70%」

アルコール度数「18度」

日本酒度「―1」

酸度「不明」

情報公開度(瓶表示)「◎」

標準小売価格「720ml=1720円」

評価「★★★★(7.45点)」

自宅の晩酌に越後伝衛門(新潟市)さんが醸しているお酒をまとめて取り寄せて、飲み比べをしました。

 

最後の4本目はこれです。

 

 

「GOZ(ゴズ) 生酒」

 

さて、酒粕研究家のさけかす子さんにモニターになってもらった、蔵人体験企画は二日目の午後になり、最後の仕事になりました。

 

瓶に詰めた生酒を火入れする作業です。

 

越後伝衛門の火入れはパストライザー&クーラーとか、熱交換プレートヒーターとかではなく、人海戦術のドブ漬けです。

コの字型の左側が80度のお湯で酒瓶を詰めたP箱を入れます。

1本の栓を開けて、そこに温度計を突っ込み、20~30分ほどで65度まで昇温させ、達したら、すぐにスライドを上げて反対側の冷水(20度前後)槽に移し、20~30分で20度以下まで急冷する仕組みです。

 

 

これをP箱を並べて果てしもなく続けます。

作業自身は単純なので難しくはありませんが、単調なので結構、飽きてきます。

あと、P箱を熱水槽に漬ける時と、冷水槽から持ち上げる時は思ったよりも重くてしんどいです。

お酒の生産量が増えてきたら、この作業は限界が来ると思います。

ただし、酒造りの体験をしてもらうという趣旨では、生酒を火入酒にする重要さと大変さをわかっていただくにはよいかもしれません。

 

 

かくして、火入れ作業は2時間超でした。

これで蔵人体験は終了。

かす子さん、お疲れ様でした。

 

さて、伝衛門のお酒、最後の4本目は五百万石を使った、純米酒、一回火入れです。

 

 

上立ち香は複雑系らしい酒エキスの香りが。

口に含むと中程度の大きさの旨味の塊が、平滑になった表面に打ち粉を振って、サラサラな感触をアピールしながら、軽快に滑り込んできます。

受け止めて保持すると、自律的に淡々とした態度で膨らみ、拡散して、適度な大きさのガラス玉様の粒々を連射してきます。

 

粒から滲み出てくるのは甘味6割、旨味4割。

甘味は上白糖系の乾いたタイプ、旨味はシンプル無垢でスレンダーな印象で、両者は足並みを揃えて、伸びやかに踊り始めます。

 

流れてくる含み香もいろいろな酒エキスがミックスした香り。

後から酸味と渋味が適量現れて、くっきりとしたメリハリを施します。

甘旨味は生酒らしい色香を適度に放ちながら踊り、最後に苦味も現れて、全体がバランスよく縮退し、最後は一気に昇華していきました。

 

 

越後伝衛門のお酒、着実に進化しています。

 

お酒の情報(26年117銘柄目)

銘柄名「GOZ(ゴズ)生酒 2025BY」

酒蔵「越後伝衛門(新潟市)」

分類「純米酒」

原料米「五百万石」

酵母「不明」

精米歩合「不明」

アルコール度数「15.5度」

日本酒度「不明」

酸度「不明」

情報公開度(瓶表示)「△」

標準小売価格「720ml=2640円」

評価「★★★★★(7.6点)」

自宅の晩酌に越後伝衛門(新潟市)さんが醸しているお酒をまとめて取り寄せて、飲み比べをしました。

 

3本目はこれです。

 

 

「タマキハル(環割)」

 

さて、酒粕研究家のさけかす子さんにモニターになってもらった、蔵人体験企画は麹室の作業に移りました。

 

蒸した米を冷まして室に引き込みました。

台一杯に均等にならして、品温を確認した後は、種切りです。

奥から手前に4回振って横にずれ、また、4回振るを繰り返して、都合6列やった後、全員でしゃがんで静止し、もやしがゆっくりと降りて米に付くのを待ちます。

 

 

5分経ったら、米を集めてかき回し(床もみです)てから、また、均等の厚さにならして同じことをして5分待ち、を3回繰り返し、最後に缶に少し残っていたもやしは空太郎が一気に振り切りました。

この時間が酒造りにとって、神聖な時間です。

誰もが一度はやってみたい体験ですね。

 

 

さて、最後に米を中央に集めますが、この時、米の隙間をなるべく減らすため、握りこぶしで米をぺちゃぺちゃたたきながら、山を作っていきます。

これが蔵元杜氏の加藤晃葵さんが師匠から習ったやり方だそうです。

最後に布や毛布などでしっかり包み込んで、作業は終了しました。

お疲れ様でした。

 

お昼になったので、近くの店に食事に行き、午後も蔵人の仕事が続きます。

 

さて、伝衛門のお酒、3本目は越淡麗を使った、純米酒、一回火入れです。

 

 

上立ち香は複雑系らしい酒エキスの香りが。

玩味すると中程度の大きさの旨味の塊が、平滑になった表面に打ち粉を振って、サラサラな感触を振りまきながら、軽快に駆け込んできます。

受け止めて保持すると、自律的にきびきびとした態度で膨らみ、拡散して、適度な大きさのガラス玉様の粒々を速射してきます。

 

粒から滲出してくるのは甘味4割、旨味6割。

甘味は上白糖系の儚いタイプですぐに消え去り、ややざらついた感じの旨味が独演となります。

 

流れてくる含み香もスタンダードな酒エキスの香り。

後から酸味が適量、渋味がそれよりずっと多く現れて、渋味が帯状になって旨味をぐるぐる巻きにします。

旨味と渋味は摩擦熱を発しながら踊り、最後に飲み下した後の余韻は渋味の世界一色でした。

 

 

いささか渋味が勝ちすぎな印象でした。

それでは越後伝衛門のお酒、最後の4本目をいただくことにします。

 

お酒の情報(26年116銘柄目)

銘柄名「タマキハル(環割) 2025BY」

酒蔵「越後伝衛門(新潟市)」

分類「純米酒」

原料米「越淡麗」

酵母「不明」

精米歩合「不明」

アルコール度数「15度」

日本酒度「不明」

酸度「不明」

情報公開度(瓶表示)「△」

標準小売価格「720ml=3000円」

評価「★★★★★(7.5点)」

 

自宅の晩酌に越後伝衛門(新潟市)さんが醸しているお酒をまとめて取り寄せて、飲み比べをしました。

 

2本目はこれです。

 

 

「独身者の機械(どくしんしゃのきかい)」

 

さて、酒粕研究家のさけかす子さんにモニターになってもらった、蔵人体験企画の二日目です。

 

朝一番の作業は当然、蒸しです。

昨日洗米してざるに入れて一晩置いておいた米を甑に投入するのもやってもらいます。

その後、蒸気が上がってきて、米の上まで抜けるようになってきたら、麻布を被せて蒸しの開始です。

ここから60分以上かけて蒸すのですが、蔵元杜氏の加藤晃葵さんは時間で決めず、漂ってくる米の香りの変化を見ながら、蒸し上がり完了を判断しています。

 

 

蒸している間に、種切りをするためのもやし(麹菌)の準備です。

もやしの入った袋から、耳かき様のスプーンで掬って、わずか数グラムを計って、種切りをする缶に入れる作業もしてもらいました。

そして、蒸し上がったら、ホイストで持ち上げて、放冷用の鉄の箱に熱い米を落として、放冷開始です。

 

 

直後の米は90度前後あって、これを手作業で冷やそうとすると、ほとんどやけど寸前です。

「あっちっち」で作業が捗らないので、空太郎の提案で樹脂製のしゃもじを使って米を集めたり広げたりを繰り返します。

しばらく経って冷めてきたら、あとは手袋をはめてせっせと放冷を繰り返し、40度以下に下がったところで、蒸したお米を麹室に引き込みました。

 

その後の作業は明日に。

 

さて、伝衛門のお酒、2本目は愛山を使った、純米酒、一回火入れです。

 

 

上立ち香は複雑系らしいコンプレックスな香りが。

口に含むと中程度の大きさの旨味の塊が、平滑になった表面に打ち粉を振って、サラサラな感触を強調しながら、軽快なスピードで滑り込んできます。

受け止めて保持すると、自律的に膨らみ、拡散して、適度な大きさのガラス玉様の粒々を連射してきます。

 

粒から滲み出てくるのは甘味7割、旨味3割。

甘味は上白糖系の乾いたタイプ、旨味はシンプル無垢なコクが印象的で、両者は足並みを揃えてエネルギッシュに舞い始めます。

 

流れてくる含み香は甘いというよりは旨味由来の酒エキスの我が道を行く香り。

後から酸味と渋味が適量現れて、どちらも甘旨味に絡みつき、そこかしこで複雑な味わいへと転じるのです。

ただし、1本目に比べるとより流動性のある印象で、終盤になるとサラリとしたニュアンスを強めて、そのまま一気に喉の奥へと駆け去っていきました。

 

 

これまた伝衛門の面目躍如のお酒でした。

それでは、3本目をいただくことにします。

 

お酒の情報(26年115銘柄目)

銘柄名「独身者の機械(どくしんしゃのきかい) 2025BY」

酒蔵「越後伝衛門(新潟市)」

分類「純米酒」

原料米「愛山」

酵母「不明」

精米歩合「不明」

アルコール度数「16度」

日本酒度「不明」

酸度「不明」

情報公開度(瓶表示)「△」

標準小売価格「720ml=3520円」

評価「★★★★★(7.6点)」