自宅の晩酌にお酒を選びました。
これです。
「雪の茅舎(ゆきのぼうしゃ)美酒の設計 純米吟醸 生酒」。
秋田県由利本荘市の斎彌酒造店さんが醸しているお酒です。
斎彌酒造店では30年前から、酵母を外部から買わずに、自分の蔵で培養して保管し、使っています。
「協会酵母を使っていれば、他の酒蔵とのお酒の違いがなくなりかねない。優れた醪から回収した酵母を培養し、それを繰り返せば理想的な酵母がみつかるはず」
との高橋藤一杜氏の考えからだそうです。
長年探しているのは低温でもしっかり発酵する酵母で、そのスタートラインは10.5度以下の品温できっちり発酵すること。さらに、高橋さんの目標は5度でも発酵する酵母を見つけることだそうです。
30年かかって、この基準をクリアして15度台の原酒になる酵母を10点ほど見つけて、蔵に保管しているそうです。
蔵の3大方針が「櫂入れ無し」「加水無し」「炭濾過無し」なので、仕込みの途中に追い水をして低アルコール原酒を造るのには抵抗があるようなのです。
醪は酵母に委ねるという高橋哲学によるものですね。
すごいです。
さて、本日いただくのは、蔵の主力商品「雪の茅舎」よりは華やかな銘柄としてリリースしているお酒です。
山田錦55%精米の純米吟醸、無濾過生原酒です。
上立ち香はまさに正統派カプロン酸エチルの甘い香り。
玩味すると中程度の大きさの旨味の塊が、平滑になった表面に油膜を張って、ツルツルの感触をアピールしながら、軽やかなスピードで転がり込んできます。
受け止めて保持すると、促されるままに素直に膨らみ、拡散して、適度な大きさのガラス玉様の粒々を速射してきます。
粒から滲出してくるのは甘味8割、旨味2割。
甘味はザラメ糖系ながらもさらに洗練された印象、旨味はシンプル無垢で鏡面のようなタイプで、両者は足並みを揃えて半ば浮き上がりながら、ふわふわとした柔らかな舞いを披露します。
流れてくる含み香もカプロン酸エチルたっぷりのジューシーな香りでデコレート。
後から酸味と渋味が少量現れて、薄氷の輪郭を施します。甘旨味は心地よさそうに含み香とハーモニーを奏で、終盤になると都会的なコクがじわりと広がって余韻に加わるのでした。
まさに、正統派の甘くて吟な酒でした。
お酒の情報(26年149銘柄目)
銘柄名「雪の茅舎(ゆきのぼうしゃ)美酒の設計 純米吟醸 生酒 2025BY」
酒蔵「斎彌酒造店(秋田県由利本荘市)」
分類「純米吟醸酒」「無濾過酒」「生酒」「原酒」
原料米「山田錦」
酵母「自家培養」
精米歩合「55%」
アルコール度数「16度」
日本酒度「不明」
酸度「不明」
情報公開度(瓶表示)「△」
標準小売価格(税込み)「720ml=2090円」
評価「★★★★★(7.6点)」
















































