自宅の晩酌にお酒を選びました。これです。
「都美人(みやこびじん)ラファール 山廃純米 無濾過原酒」。
兵庫県南あわじ市の都美人酒造さんが醸しているお酒です。
都美人酒造は2007BYから杜氏をしていた山内邦弘さんが兵庫県姫路市の下村酒造店(奥播磨蔵)の杜氏に移籍したため、2023BYから能登杜氏として有名な家修さんを杜氏に招いています。
家さんは1954年生まれ。
石川県出身で、1994BYから黒龍酒造(福井県)の杜氏になり、以後、2002~2003byは安本酒造(福井、白岳仙)、2004~2013BYは喜多酒造(滋賀、喜楽長)、2014~2019BYは小堀酒造店(石川、萬歳楽)、2020BYは宗玄酒造(石川)、2021~2022BYは高橋助作酒造店(長野)と渡り歩いています。
まさにひっぱりだこの腕っこき杜氏です。
そして、1年目の都美人酒造で造った「都美人 太陽 山廃純米吟醸」がIWC(インターナショナルワインチャレンジ)2024において、すべてのナンバーワンとなる「チャンピオンサケ」を獲得したのです。
おめでとうございます。
すごいです。
今夜いただくのも、そのお酒とは類似の山廃純米、無濾過火入れ原酒です。
上立ち香は複雑系の五味が渦巻く香りが。
口に含むと中程度の大きさの旨味の塊が、平滑になった表面に硬めの打ち粉を振って、ザラザラな感触をアピールしながら転がり込んできます。
受け止めて保持すると、自律的に粛々と膨らみ、拡散して、適度な大きさの硬めの粒々を速射してきます。
粒から滲出してくるのは甘味7割、旨味3割。
甘味は上白糖系の乾いたタイプ、旨味はシンプルスリムな印象で、両者は足並みを揃えて、よく磨きのかかったスレンダーなダンスを披露します。
流れてくる含み香も複雑系の甘酸っぱい香り。
後から酸味が相当な量、渋味も結構な量、現れて、まずはクエン酸系の酸味が甘旨味に鋭角的に絡み、続いて渋味が太めの縄となって全体を締め付けるのです。
味わいは複雑多岐に広がるものの、軽快さを維持し、終盤には洗練度を上げながら、喉の奥へと駆け去っていきました。
能登杜氏のお酒にありがちなガツン系の山廃ではない美酒でした。
今後、都美人がどう変わっていくのか、楽しみです。
お酒の情報(24年188銘柄目)
銘柄名「都美人(みやこびじん)ラファール 山廃純米 無濾過原酒 2023BY」
酒蔵「都美人酒造(兵庫県南あわじ市)」
分類「純米酒」「無濾過酒」「原酒」「山廃酒」
原料米「山田錦」
酵母「協会701号」
精米歩合「70%」
アルコール度数「14度」
日本酒度「-0.5」
酸度「1.9」
情報公開度(瓶表示)「◎」
標準小売価格(税込み)「720ml=1815円」
評価「★★★★★(7.5点)」