初の世界バレエフェスティバル鑑賞記録、いよいよラストの第4部です!

もう、これだけでもはるばる上京して良かった!と思わされる充実のプログラムでした。

 

ドタバタ上京の経緯はこちら

 

 

Aプログラム 第1部の感想はこちら

 

Aプログラム 第2部の感想はこちら

 

Aプログラム 第3部の感想はこちら

 

 

アフター・ザ・レイン
振付:クリストファー・ウィールドン
音楽:アルヴォ・ペルト

 

アレッサンドラ・フェリ
ロベルト・ボッレ


今回の1番のお目当てであったボッレ様。

そして、高校生の時、奇跡的に観られた「ロミオとジュリエット」のパ・ド・ドゥで衝撃を受けたフェリ様。


もうね、幕が上がった瞬間、神様と女神様がそこにいました。


まず、御年60代のフェリ様が、肌色のレオタード1枚!

この姿を披露することに、彼女の芸術家としての覚悟を見た気がします。

流石に、年齢を感じさせる部分はあったのですが、脚のラインの美しさ、背中の柔軟性には息を呑みました。

今の自分を全て観客の前にさらけ出すことで生まれる美と感動を与えてくれたフェリ、素晴らしかった!

 

 そして、そんなフェリを献身的に支えるボッレ、ギリシア彫刻のような肉体は全く変わらず。

小さい頃から、映像で繰り返し観ていたスターが、目の前にいる幸せを噛み締めました。

まるで、魂で結ばれているかのようなパートナーシップで、フェリを輝かせるその姿は、まさに騎士道精神そのもの。


この写真のリフト、一瞬時が止まったようでした。

オリンポスの神々、またはバチカン美術館の彫刻のようで、同じ人間とは思えませんでした。

 

 

 

シナトラ組曲
振付:トワイラ・サープ
音楽:フランク・シナトラ

 

ディアナ・ヴィシニョーワ
マルセロ・ゴメス

 

こちらも、ベテランだからこそのお洒落さ。

古き良き時代の洋画の1シーンのよう。

 

 

でも、我々親子は、肝心のバレエとは全然違うところで大号泣😅

実は、もう10年前に亡くなった祖父が、フランク・シナトラが好きで、最後に病院で簡易CDプレーヤーで聴いていたのもシナトラ。

そして、お葬式のBGMが、「マイ・ウェイ」だったのです。


在りし日の祖父@パリ・オペラ座


そんな曲が、何年かぶりに親子でバレエを観に来た会場で流れるとは思ってもいなくて。

バレエ鑑賞で、なぜか曲に泣かされた変な親子でした😂


(おまけ)バリシニコフのシナトラ組曲。

 

 

 

椿姫より第1幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・ノイマイヤー
音楽:フレデリック・ショパン

 

エリサ・バデネス
フリーデマン・フォーゲル


フォーゲル、まさにアルマンそのものでした。

サポートと演技がメインなのに、「椿姫」の物語を成立させていたのは、一重に彼の没入具合のおかげかと。

照明が消える最後の瞬間まで、アルマンになりきっていたのが流石だなと。

 

 対するバデネスは、正統派のマルグリットとは違う雰囲気で、陽のイメージが強いのですよね。

歴代のマルグリットを演じた名バレリーナも、大人の女性を生きている印象が強かったので、何だか違うな…と。


ただ、マルグリットのモデルとなったマリーは、16歳で社交界入り、亡くなったのが23歳なので、椿姫の一般的イメージより、だいぶ若め。

そう考えると、バデネスの解釈もあり得る気がしました。

来日公演は、「オネーギン」に行くのですが、彼女のマルグリットが全幕を通じて遂げる変化も興味深いのでは。



 

ドン・キホーテ
振付:マリウス・プティパ
音楽:レオン・ミンクス

 

マリアネラ・ヌニェス
ワディム・ムンタギロフ


安心安定のドリーム・ペア。

いつ踊っても、一定以上の満足度を観客に届けられるのも凄いですよね。


ワディムは、結構抑えめに見えましたが、やはり踊りがクリーンで美しく、ヌニェスとのパートナーシップも◎。


そして、待ちに待ったヌニェスのキトリ!

「世界バレエフェスのトリ」として期待される役割をよく分かっていて、アダージオから全力投球。

バランスも長々と決めて、観客も大盛り上がり。

踊り込んだからこその余裕、遊び心が見える踊りで、「クラシックなのに自由に見える」のが彼女の持ち味だと感じました。

通常であれば、引退もあり得るベテランですが、いつまでも心が若くて、サービス精神に溢れたヌニェス、大好きです。

 

 

おまけ

ダニール・シムキンがインスタに色々載せてくれています。

フェリ様とヌニェスもいますよ!