初の世界バレエフェスティバル鑑賞記録、ようやく折り返し地点です😅
ドタバタ上京の経緯はこちら
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3つのグノシエンヌ
振付:ハンス・ファン・マーネン
音楽:エリック・サティ
オリガ・スミルノワ
ユーゴ・マルシャン
スミルノワ、こちらも良かったです~。
ボリショイ・バレエ在籍時は、古典バレエの主役で目にすることが多かったですが、こうしたネオ・クラシック寄りの作品で、また違った魅力が見える気がしました。
音のとり方が繊細で、振付を振付に見せない彼女の美しさが、こうした無駄をそぎ落とした作品で、静かに光っていたように思います。
そして、メソッドとしては全く異なるはずのマルシャンと踊っても、全く違和感を抱かず、寧ろお互いの良さを引き立て合っていました。
スミルノワ、今後、パリ・オペラ座バレエへの客演もあり得るのでは?
スペードの女王
振付:ローラン・プティ
音楽:ピョートル・チャイコフスキー
マリーヤ・アレクサンドロワ
ヴラディスラフ・ラントラートフ
こちら、非常に良かったです!
「ガラで全幕を観たくらいの満足感」を味わえることが稀にありますが、こちらはまさにそうでした。
「スペードの女王」、小学生の頃、テレビで観たのを今でもずっと覚えているのです。
決して、バレエ作品としてはメジャーではなく、作品も華やかとはいえないのに忘れられなくて。
それをまさか生で観られる日が来るとは!
忘れもしないイルゼ・リエパ&ツィスカリーゼ
もう、伯爵夫人役のアレクサンドロワが素晴らしかった!
大迫力でございました。
登場しただけで、一気に帝政ロシアのペテルブルクにタイムスリップ、体感温度が(良い意味で)5度以上下がりました。
ほぼ立ち役に近く、腕の動きだけで魅せるパートが多いのですが、これでここまで語るか~と!
肘から下を動かしただけで、劇場の空気が動くって凄い。
2010年、伯爵夫人のロール・デビューを果たしたアレクサンドロワの特集
対するラントラートフ、まずは動きのキレが全く変わっていない!
そして、どこか葛藤が見えたツィスカリーゼとは異なり、欲望の虜となり、自分の目的のためには手段を問わない、若者ならではの恐ろしさを見事に表現しました。
1曲だけで、ラストまで一気にかけぬけたようで、暫し呆然。
カーテンコールで、袖へ入りきるまで役柄を演じきり、様々なレヴェランスを見せてくれたアレクサンドロワに拍手!
(おまけ)
ミハイル・バリシニコフが主演した際の貴重映像!元は、1978年に彼に振付された作品だったのですね。
ボリショイ・バレエで上演されたのは、こちらをブラッシュアップしたもの。
マーキュリアル・マヌーヴァーズ
振付:クリストファー・ウィールドン
音楽:ドミートリイ・ショスタコーヴィチ
シルヴィア・アッツォーニ
アレクサンドル・リアブコ
「バレエにおけるパートナーシップとは」を具現化したかのようでした。
お互いを心から理解しているからこそ辿り着ける境地。
ただ、せっかくであれば、このペアのノイマイヤー作品を観たかった!
ウィールドン作品、悪くはないですが、ちょっと勿体ない気もしました。
空に浮かぶクジラの影
振付:ヨースト・フルーエンレイツ
音楽:レナード・コーエン、ルー・リード、アントニー・アンド・ザ・ジョンソンズ
ジル・ロマン
小林十市
私のバレエオタク人生と、生で動くジル・ロマンが交わる日が来るとは!
目の前でジル・ロマンが動いている、それだけで歴史的瞬間に立ち会っているのだと。
どこかマルセル・マルソーも思わせるパント・マイムを織り交ぜた、不思議な世界観。
しっかりと咀嚼するには、知識も人生経験も全く足りないのに、とにかく理解しようと必死でした。
到達できないことは分かっているけれど、彼が見せてくれた世界に少しでも近づきたい、触れたいと思わされた作品。
そして、小林十市さんとのパートナーシップも素晴らしかったです。
これが「ジル・ロマンのソロ」ではなく、「デュエット」になったのが流石でした。
2人だからこそ紡げる世界観がありました。
(恥ずかしながら、小林十市さん、大昔の「プリマダム」というドラマ以来かも😅)
往年のベジャールファンの皆様のような感動が味わえないのは、かなり勿体ないことをしたと思うのですが、これを観られたことは間違いなく、長い目で見たとき、宝物になるはず。
