アカデミー賞主演男優賞候補でもある若手俳優ティモシー・シャラメ。
主演作品のプロモーションで来日している間、海外では炎上騒ぎが起こっていました。
きっかけは、こちらのマシュー・マコノヒーとの対談映像。
このなかで、彼が映画業界の今後を語る際に、バレエやオペラを持ち出したのですが…。
「『映画館を存続させなくちゃいけない、このジャンルを存続させなくちゃいけない』と訴える人を尊敬するし、僕自身もそうしてきたよ。
だけど、『バービー』や『オッペンハイマー』みたいに、皆は観たい作品があったら、わざわざ観に行き、それを周りに自慢するんだよ。僕はバレエやオペラのように、もう誰も注目していないのに『存続させよう』と訴えるような仕事はしたくないんだよ」
この「バレエやオペラのように、もう誰も注目してないのに…」の部分が問題でして。
英語だと、ここは「no one cares about this anymore」なので、完全にばっさり切り捨てている表現なんですよね。
それを笑いながら、完全にバカにしたように言ってしまった。
もちろん、バレエやオペラも新規顧客の獲得に苦労していないわけではないのは、日本に限らない話だと思います。
でも、映画について語る文脈で、わざわざバレエやオペラを持ち出して、笑いながら「誰も気にしてないよ」と切り捨てるのは違うでしょうと。
この映像がネットで拡散されるにつれ、黙っていなかったのが、世界のオペラ・バレエ劇場。
よりによって、オペラ・バレエ業界という、一癖も二癖もありそうなジャンルに喧嘩をふっかけたものですから、各劇場の反撃もクリエイティブ!😅
まずは、英国ロイヤル・オペラ・ハウス。
「ロイヤル・オペラハウスには、毎晩、何千人もの観客がオペラやバレエを観るためにやってきます。音楽、物語、そして舞台上で紡がれる魔法を見るために。ティモシー、考えを改めたいなら、いつでも劇場の扉は開いてますよ」
お隣のパリ・オペラ座は、シャラメの主演作に絡めたこんな投稿を。
「ピンポンが登場するオペラもあるよ!
『中国のニクソン(Nixon in China)』は、オペラ・バスティーユで3月20日まで上演中!」
これ、ジョークではなく、本当にパリ・オペラ座で上演中の演目なんですよ。
こんなにタイムリーなこと、あります?😅
ちゃんと、ピンポンも登場!
ウィーン国立歌劇場は、街ゆく人にインタビュー。
「カルメンは200年間残るけど、シャラメの出演作は分からないね」
「ティモシーって誰???」
ウィーンっ子は辛辣ですね😅
海を超えて、メトロポリタン歌劇場。
出演者のみならず、舞台に携わる全ての人を称える素晴らしい動画!
さらに、この炎上発言をマーケティングに活用してしまった強者もいます!
まずはシアトル・オペラ。
オペラ「カルメン」のチケットが、プロモコード「Timothee」で14%割引のプロモーションを発表。
この14というのは、先の映像で、彼が「(バレエやオペラをディスったことで)14セント分くらい視聴率下がっちゃったな…。テヘ」みたいに茶化したことを活用した数字です🤣
パシフィック・ノースウエスト・バレエも、プロモコード「Timothee」で「ジゼル」公演への20%割引を実施。
宣伝文句は、「ティモシーが、またまたジゼルの心を傷つけることがないよう、皆でバレエを観に行きましょう」😅
また、バレエ大国ロシアからは、ダンサー個人がリスポンス。
ドミトリー・スミレフスキー(ボリショイ・バレエ プリンシパル)の回答。
「誰も興味がないって?
『マーティ』はサイコー(supreme)かもしれないけど、バレエは永遠(eternal)だよ」
普通に反論するよりも、気が利いたジョークで応酬するオペラ・バレエ界は、さすが!
あまりの連帯感の強さに、ネットでは「敵に回したら一番あかんのは、classical art界隈」と称される展開になっていました👏