【報告】3・27反原発銀座デモ①
【報告】3・27反原発銀座デモ①
3月27日、反原発銀座デモ・パレードが行われた。32年前の3月28日に起きたスリーマイル島事故を上回り、チェルノブイリに匹敵する大事故となった福島第一原発事故による汚染拡大が続く中、原発反対を訴えて、1200人が銀座をデモした。
このデモは元々、原子力資料情報室、たんぽぽ舎、原水禁など10団体が呼びかけた「再処理とめたい!首都圏市民のつどい」による「STOP再処理 LOVE六ヶ所パレード」として予定されていたが、福島原発震災発生を受け、タイトルを変えて行われた。
27日午後、銀座の水谷橋公園に集合した後、直ぐにデモに出発。「脱原発」「原発はいらない」「エネルギー政策転換を」などのプラカードを手に全ての原発の即時停止を訴える。防護服姿の人も。
デモ隊は途中、テレビ局の中継車がとまっている東京電力本社前を通る。参加者からは、「東京電力は謝れ」と怒りの声が上がった。
東電本社に抗議
解散地点の日比谷公園で福島原発についての最新状況報告が行われた。
犠牲者に黙祷した後、東京出身で福島県大熊町から避難してきた住民が報告。
「震災当日は福島第一原発から5キロの自宅にいた。10キロ圏内の避難指示が出たのが12日の明け方なので、12時間くらい早く避難する形になった。電話が通じなかったので何の情報がなくて、停電して断水して、夜暗くなりそうで家にも入れなかった。とにかく情報がほしいので、車で家も出て電話が通じそうな方向へ行くと、地震で道路の亀裂が多くて走っている車が多かった。退避命令・退避勧告が出たのを聞いて、私の避難生活が始まった。隣でも東京電力で働いている人がいて、残ってあげられなくて苦しかった。
圏外に出てからは携帯がつながるので安否確認したりとか、そんな避難の毎日をすごしていた。避難先も長くいれなくて、今日から東京に避難移動というときに、今日のことを聞いて参加させてもらった。
この横断幕は自宅の玄関に物が散乱する中、置いてあって貴重品とこれを車に積んで。これはプルサーマルの問題で集まり始めた人々で寄せ書きで作って縫い合わせて作ったキルトです。
25日、廃炉アクションふくしまのメンバーが避難先の全国10箇所で緊急声明を発表させてもらった。私は栃木県で一人で、このキルトと記者会見してきました。ホームページに上がっているので、帰ったご覧になってください。」
【報告】3・27反原発銀座デモ②
【報告】3・27反原発銀座デモ②
続いてデモの呼びかけ団体などが発言。
山崎久隆さん(たんぽぽ舎副代表)は「このような事故が起きるということは知っていた。原発を止める努力をしてきたが、今日になってしまった。
福島原発は津波に対する用意はない。耐震性もない。そして、原子炉の冷却能力も不十分。柏崎刈羽原発のような地震で簡単にメルトダウンしてしまう。そのことを東電に追及してきた。この地震が起きるということは予測してないが、起きればこうなるということは理解していた。東電も理解していた。
津波対策が5mしかないことはみんな知っていた。そこに10mの津波がくればどうなるかは誰だって想像がつく。ここから先は未知の世界。原子炉が冷却能力を失い、破壊が進み、穴が開き、放射能が海や大気に漏れ、拡散していく。チェルノブイリを経験した人は知っているかもしれないが、私たちにとっては未知の世界。ある意味では覚悟しないといけない。
これから、私たちがやらなければいけないことはたくさんあって、ひとつは今動いている原発を止めなければいけない。福島第2原発もとっと廃炉にして、東通原発も建設中止を。
今恐ろしいのは浜岡原発。巨大地震が起きれば全く同じことが起きる。私たちも世界に対して大きな責任を負っている。
チェルノブイリのあと各国は安全性を上げたが、チェルノブイリになくて日本にある津波の耐震性を考えなかった。限りなく脆弱な原発が福島第一。一昨日、運転開始40年。運転40年の超老朽炉は敦賀と2つだけ。
こういうことが起きると予見した人たちはいっぱいいる。東電との交渉で5m以上の津波が来たらどうするのかと聞いた。東電は『水没するでしょうね。しかし、そんな津波は来ないから』と答えた。想定外なんて言い訳は許さない」
福島老朽原発を考える会からは「私たちはプルサーマルに反対し、老朽原発は危ないと訴えて活動してきた。今日の事態をどうやって避けるかとやってきた。非常に悔しい思いをしています。立ち止まっているわけにはいかない。汚染の拡大が明らかなのに政府は避難地域を拡大しようとしない。30キロ圏内の人たちは閉じ込められた状態になった。
自主避難になったが、汚染はさらに拡大し、チェルノブイリと比較するレベルになっている。政府は安全だと繰り返してきた。ウソばかりだ。政府は食品汚染基準を逆に緩め、被曝を強要しようとしている。こんなことは許されない。妊婦・乳児への影響は10倍・100倍大きい。フクシマを繰り返さないために日本中から原発をなくそう」
東電本社への抗議行動を行っている園良太さん、脱原発東電株主運動の木村結さん、ふぇみん婦人民主クラブが発言。
反原発自治体議員連盟(準)共同代表の布施哲也さん(清瀬市議)は浜岡原発の即時運転停止を求める意見書を3月24日に清瀬市議会が採択したことを報告した。
プルトニウムなんていらないよ!東京の高木章次さん、原発・核燃とめようかい、ストップ原発&再処理・意見広告の会、ピースアンドピース、映像作家の荒川さん、チェルノブイリこども基金、日本消費者連盟の富山洋子さんが発言し、原発停止を訴えた。
4月10日には浜岡原発即時停止を求めるデモ、チェルノブイリ25周年集会となる4月24日には同じ呼びかけ団体による集会とデモが予定されている。
【転載】ハイロアクション 福島原発40年緊急声明
ハイロアクション 福島原発40年緊急声明
2011年 3月 26日
本日3月26日は、福島第一原発1号機が営業運転を開始して40年を迎えます。昨年秋、40年を機に原発の廃炉と私たちの未来を考えようと「ハイロアクション福島原発40年実行委員会」が結成され、今日26日から27日にかけてオープニングイベントが開催される予定でした。
しかし、3月11日の原発震災以来、最悪の放射能汚染事故とともに福島原発の廃炉が現実のものとなっています。
事故は、危機を増幅させ、多くの周辺住民と福島県民を放射線被曝の脅威にさらし続け、避難を余儀なくしています。水道水や野菜、牛乳など東日本全体を覆う放射能汚染になろうとしています。東京電力の安全軽視、効率優先の企業体質は、原子炉冷却能力の喪失に際して廃炉を恐れ海水注入を遅らせたため、初期対応に失敗し水素爆発や炉心溶融を招きました。この結果、広域にわたり被害を拡大し、自己犠牲の精神で奮闘されている多くの作業員や消防士、自衛官を窮地に追いやり、高レベルの放射線被曝を強制しています。
このような状況下で、今日26日から27日にかけてオープニングイベントは、会場が避難所になっているところもあり、事故と社会状況の推移を待って開催することとなり、延期のやむなきに至りました。
3月25日、「ハイロアクション福島原発40年実行委員会」は、福島県はじめ全国各地で緊急に記者会見を行ない、以下の声明を発表しました。
【緊急声明】
1971年3月、東京電力は、首都圏へ送る電気を作るため、福島の地で、原子力発電を開始しました。以来40年間、私たちは、巨大な事故発生のリスク、放出され続ける放射能が環境と生物に与える影響、そして残される核のゴミなどについて、不安を抱えながら暮らしてきました。
これまでたくさんの福島県民・国民が、原発の危険性について警鐘を鳴らし、事故へのより根本的な対策と、情報の公開、県民への説明会の開催などを求め、プルサーマルをはじめ、設計寿命を超えた老朽原発の酷使など、危険を増大することに対して反対してきました。
3月11日、危惧されていた原発の大事故が、現実のものとなってしまいました。
原発震災発生から2週間、私たちは混乱と恐怖、故郷と生活を失いつつあることへの悲しみと憤りの中で、生き延びる道を探しています。この危機的状況において、以下のことを緊急に実現することを、国、自治体、および東京電力に対し要望し、皆様のご協力を呼びかけます。
1、子どもと妊婦の一刻も早い避難を実現してください。
放射能の影響を最も深刻に受けるのは、胎児と成長期の子どもたちです。未来を担う世代の健康と生命を守るため、政府は、被爆の危険の高い地域から、一刻も早く遠方へ安全に避難できるようにしてください。屋内退避を余儀なくされている30キロ圏内および、すでに高い空間線量が計測されている地域、風下になりうる地域などを優先して、避難を実施してください。
2、一層の被曝を避けるため、避難区域を拡大してください。
現在、避難区域は20キロ圏内に限定されていますが、すでに50キロ離れた福島市内でも通常の400倍の線量が確認されるなど、放射能汚染は大きく広がっています。しかし、政府からの避難指示がないため、多くの県民は学校や職場から離れることができず、被曝の危険にさらされています。
政府および自治体は、実際の放射能汚染の状況、気象条件、今後のより深刻な放射能汚染のリスクなどを十分考慮し、抜本的に避難区域を拡大するよう求めます。
3、安全圏への移動ができない住民の生活を支え、放射能の危険から身を守るための正しい情報と物資の提供を早急に実施してください。
避難するかとどまるかを選択するために必要な情報が十分にない、高齢や健康上の理由で移動できない、移動できない家族を置いていけない、避難区域ではないため職場を離れられない、そして愛する故郷とこれまで築き上げた生活のすべてを置いていけない、等々の理由で、今も福島県内には、たくさんの県民が不安を抱えながら暮らしています。
今、私たちが必要としているのは、パニックを起こさないための不正確な情報に基づいた「偽の安心」ではありません。正確かつ詳細な情報が必要です。まず、外部被爆と内部被曝を明確に区別し、内部被曝の危険性についての正確な情報を提供してください。水・大気・食物の放射能汚染に関して現在流されている情報は、急性障害と晩発性障害、内部被曝と外部被曝を混同していることが多く、これでは、私たちが自分の状況を適切に判断し行動選択することができません。また福島原発の状況のリアルタイムの情報、特にドライベントなど大規模な放射性物質の拡散がある場合の予告、爆発のリスクに関する現実的な予測、そして詳細な気象情報とそれに基づく放射性物質の拡散のシミュレーションなどを、県民および国民に伝えてください。
また、遠方への避難ができない住民は今、正しい情報と生活に必要な物資が届かず、孤立しています。こうした人々の安全が守られるよう、生活に必要な物資と放射能被曝から最大限身を守るための正確な情報と防護用品を政府、県、東京電力の責任において、確実に届けてください。
4、福島原発10基は廃炉にしてください。
国と東京電力には、未来の世代も含めた県民と国民の健康と安全、そして国土の保全を最優先に、この原発事故終息へ向けての全力の対応をお願いします。
私たちは、このような悲劇を生み出す原子力発電所と共存することはできません。国と東京電力は、福島原発10基全てを、これ以上放射能汚染を拡散させない方法で廃炉にし、永年にわたり責任をもって安全に管理することをお願いします。
5、全国の原子力発電所および核関連施設の停止、国の原子力政策の抜本的見直しをしてください。
次の巨大地震がいつどこにくるのかは分かりません。しかし、その日は確実にやってきます。3月11日、私たちが経験した恐怖と「間に合わなかった」という無念の想いを、他の地域の人々が再び経験することがあってはなりません。国と電力会社、各自治体は、最新の知見と予防原則に基づき、一刻も早く今稼動中の原子力発電所を停止し、最大限の原発震災防災対策を講じてください。
国策として原子力発電、核燃サイクル政策を推進してきた国と東京電力ほか関連事業者は、このような過酷事故を引き起こしたことに対し深く反省し、国民に謝罪し、原子力政策の脱原子力への転換をもってその巨大な責任を少しでも果たすことを望みます。
今回の震災・津波・原発事故において、全国と世界の皆様からの温かいご支援に心から感謝いたします。また現在も続く福島原発事故の鎮静化のために、生命の危険を冒しながら必死の活動をされている方々へ最大の感謝を申し上げます。
この原発震災によって払わされる多大な犠牲を無にしないために、全ての人々がさらに何らかの行動を起こしてくださることをお願いします。
全国のみなさん、私たちの故郷福島に起きている現実を、どうぞ注視し続けてください。放射能に県境も国境もありません。私たちと未来の世代の健康と生命を第一に考えた選択をするために、正しい情報の公開と、必要な国・自治体の対策を求める声をあげてください。
核が引き起こす現実、この悲劇を引き起こした私たち社会の現実に、全ての人々が直面することからしか、未来への希望は生まれません。
震災・津波の被害を受けた東北各地の人々、そして放射能被爆の危険を共有する全国民、全世界の人々とともに、この厳しい現実から逃げることなく、被害を最小限にとどめ、今後同様の過ちを犯すことのないよう、人類の勇気と叡智を結集することを呼びかけます。
2011年3月25日 ハイロアクション福島原発40年実行委員会
http://hairoaction.com