【報告】三・一朝鮮独立運動90周年集会
【報告】
三・一朝鮮独立運動90周年集会
3月1日、「三・一朝鮮独立運動九〇周年 和解・平和・友好の実現を求める三・一集会~一〇〇年にも及ぶ不正常な関係に終止符を!」が行われ、200人が集まった。
集会には40人の右翼がおしかけ、日の丸を振りながら、戦争被害者への中傷を叫びたて、集会参加者に罵声を浴びせた。会場内まで入りこんできた右翼もいたが、実行委員会は毅然と対応し、集会は予定通り行われた。
集会ではノレの会が韓国民衆歌「君のための行進曲」などを歌い、歌唱指導を行った。
高嶋伸欣さん(琉球大学名誉教授)が講演。東南アジア現代史の資料研究から教科書問題での取り組みなどについて講演、侵略の歴史事実を歪曲する動きへの批判の必要性について話した。
80年5月光州民主化抗争を市民軍として戦い、当時の市民軍本部が置かれていた全南道庁の取り壊しに反対して座り込みを続けている4人のゲストが登壇。当時の闘争と現在の運動について報告。
続いて、金東鶴さん(在日朝鮮人人権協会事務局長)が在日コリアンへの人権侵害の実態について、西野瑠美子さん(VAWW-NET共同代表)から日本軍「慰安婦」問題の解決に向けて、沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック、許すな!憲法改悪・市民連絡会が発言。
最後に集会アピールが確認された。
【3・1集会アピール】
3・1朝鮮独立運動90周年
和解・平和・友好の実現を求める3・1アピール
~100年にも及ぶ不正常な関係に終止符を!~
●2009年~2010年(「韓国併合」から100年)の歴史の節目を真の和解と平和、友好の転換点に
今年は、日本の植民地支配からの解放を求め朝鮮半島全土で人々が立ち上がった3・1朝鮮独立運動90周年にあたります。さらに来年は「韓国併合」から丸100年の歴史の節目にあたります。
しかし、日本では、昨年の田母神・航空自衛隊幕僚長の論文問題に象徴されるように、いまなお加害の歴史を居直り正当化しようとする動きは後を絶ちません。そればかりか、加害の歴史に真摯に向き合うことなく、拉致問題を政治利用してあたかも日本人が一方的な被害者であるかのような世論作りが進行してきました。日本政府は、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)への「制裁」を繰り返し、日朝関係はむしろ最悪というべき状態に陥っています。とりわけ私たちは、在日コリアンへの人権侵害と弾圧を許すわけにはいきません。
こうした状況の中で、もはや不正常な関係を放置し続けることは、日本民衆にとって歴史的責任の放棄に等しいと思います。今年はとくに政権交代をはらむ総選挙を控えていますが、どんな政権であれ、①制裁を解除し日朝国交交渉を速やかに再開すること、②過去の清算を真摯に行うこと、③拉致問題もその一環として交渉を通じて速やかに解決すること-を強く求めていく必要があります。
私たちは今日、3・1朝鮮独立運動90周年集会に集い、今年から「韓国併合」100年の来年(2010年)の歴史の節目にかけて、日本と朝鮮半島の人びとの真の和解と平和・友好への転換点にしていくことを決意し、多くの心ある皆様に共に声を挙げていくことを心より訴えたいと思います。
●民衆の連帯で東アジアの平和の実現を!
昨年、韓国民衆はBSE牛肉問題をめぐるキャンドルデモで、再び民衆運動の大きな可能性を世界に示しました。改めて韓国民衆の闘いにエールを送るとともに、李明博政権がこれに対し報復弾圧を仕掛けていることに、国際的抗議の意志を表明するものです。
いま日本でも、新自由主義政策の破綻は誰の目にも明らかです。医療・年金・雇用の破壊など深刻な事態は、民衆の連帯した力の必要性を示しています。
他方で昨年は、米ブッシュ政権をして朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に対する「テロ支援国」指定が解除されました。1月20日にはオバマ新政権が発足しました。オバマ氏は大統領選の過程で「敵対国の首脳とも無条件で会う」ことを表明してきました。私たちは、オバマ新政権が対話を通じて朝鮮半島の準戦時状態に終止符をうち、恒久的平和協定締結、米朝正常化プロセスに向かうよう求めます。
さらに私たちは、東アジア米軍のほとんどが駐留している沖縄・日本、韓国からの米軍撤退を求め続けます。そして民衆の連帯した力で東アジアの平和の実現を共にめざしましょう!
2009年3月1日
3・1朝鮮独立運動90周年集会(東京) 参加者一同
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【報告】イラクからの軍「撤退」を問う!(2月28日)
【報告】
反安保実(2月28日)
≪イラクからの軍「撤退」を問う!―ブッシュはなぜ靴を投げつけられたのか≫
2月28日、イラクからの軍「撤退」を問う!―ブッシュはなぜ靴を投げつけられたのかが開かれた。主催は新しい反安保行動をつくる実行委員会(反安保実)。
集会では、武者小路公秀さん(国際政治学)が講演。
「オバマ政権はチェンジを言いながら、挙国一致で政策変更の弾みはつかない。イスラエルのガザ攻撃で時機を計算したもの。これによって、ネタニヤフが首相指名を受けた。
イスラエルは、パレスチナを南アフリカがアパルトヘイトで作ったアフリカ人傀儡国家のような奴隷国家にしようとしている。
米軍撤退でイラクの価値は下がり、イランの価値は上がる。イラクの傀儡政権とイランの関係は複雑。撤退はいいことだが、民間軍事会社の傭兵はどうなるのか。
イラク傀儡政権は占領軍兵士の裁判権をもたない植民地政府。財政政策の権限もイラク政府にはない。イラク中央銀行があるが、実際に資金を動かしているのはモルガンスタンレーなどが出資するイラク開発銀行。外国の金融資本がイラクの財政・経済を支配している。
米国は戦争でインフラが整備されていたイラク社会を破壊した。米国はまずイラクへ戦争賠償を支払うべき。ところが、賠償を支払うどころか、外国資本が入って搾取している。植民地状況から自立・独立してパレスチナ・アラブと連帯しなければ平和構築はできない。憲法全文と九条二項は他国民の平和的生存権をやぶったことへの反省。
アフガニスタンも植民地状況にあるが、カルザイ政権が支配しているのはカブール市だけ。カルザイ=カブール市長。アフガン増派はオバマ政権の命取りになる。増派で反米感情が高まる。もし、パキスタンでクーデターが起きるような事態になればアフガンはメチャクチャになる。
駐日大使となるナイはソフト外交を言っているが、軍事的解決はない」
続いて、名古屋の山本みはぎさんがイラクでの自衛隊の活動について。稲葉雅紀さん(アフリカ日本協議会)がソマリア「海賊」問題について報告した。
【報告】第4回「ポスト・モダン思想の功罪」
グローカル座標塾第5期第4回
【ポスト・モダン思想の功罪】
2月20日(金)、グローカル座標塾第5期第4回「ポスト・モダン思想の功罪」が行われた。
講師は、宮部彰さん(グローカル、みどりの未来)。
講義では、ポストモダン思想とは何か、その功罪、そして多様性への自由と普遍的正義のジレンマを超える思想的方向をどう考えるかについて述べた。
続いて、具体的な事例として、年金一元化、温暖化防止のための排出権取引・炭素税、国際連帯税、雇用など企業の社会的責任等を挙げながら話した。
続く白川真澄さん(レギュラー講師)は3点をコメントした。
第1に消費社会批判をしたポストモダン思想が結局消費主義へ行ったのではないか。だから、日経連が「多様な働き方」と言い出すと有効な反論ができなかった。
第2に、日本で正義の評判は悪いが、国際的には「ジェンダー正義」など普通に使われる。そして、現代世界で最も頑なに正義を主張するのは宗教原理主義。
第3にポストモダン思想も制度設計が嫌い。68~69年の闘いは秩序を壊したが、次の新しい制度を創るのを避けた。オルタナティブな制度の発想、大胆さがないのが左翼の限界。
質疑では、普遍的正義と自由、人権、「正義」という言葉が適切なのかなどが様々な意見が出された。
普遍的な正義志向は権力志向ではないかという意見に、宮部さんは、例えばこの場では分煙が正しいという権威が確立している。何を正義と合意するかは過程の議論・論争が重要。熟議民主主義だ。
共同体の文化と人権が対立したら、どちらの正義が優先するのかという議論では。
宮部さんが、米国のアーミッシュを挙げて、彼らのように離脱・参加の自由、自分の文化を選び直す自由が保障される必要があると指摘。
ポストモダン思想で歴史修正主義を批判できるのかという質問に、白川さんが歴史観=「自分とは何か」は他者との関係なしに語れない。