BADUIZM / ERYKAH BADU
①RIM SHOT (INTRO) リム・ショット (イントロ)
②ON & ON オン & オン
③APPLETREE アップルツリー
④OTHER SIDE OF THE GAME アザー・サイド・オブ・ザ・ゲーム
⑤SOMETIMES (MIX #9) サムタイムズ (ミックス #9)
⑥NEXT LIFETIME ネクスト・ライフタイム
⑦AFRO (FREESTYLE SKIT) アフロ (フリースタイル・スキット)
⑧CERTAINLY サートゥンリー
⑨TOUCH A FOUR LEAF CLOVER フォー・リーフ・クローヴァー
⑩NO LOVE ノー・ラヴ
⑪DRAMA ドラマ
⑫SOMETIMES サムタイムズ
⑬CERTAINLY (FLIPPED IT) サートゥンリー (フリップト・イット)
⑭RIM SHOT (OUTRO) リム・ショット (アウトロ)
本日紹介するのは、1997年のエリカ・バドゥのアルバム「バドゥイズム」です。
これがエリカ・バドゥのデビュー・アルバムになります。
70年代初頭にマーヴィン・ゲイやスティーヴィー・ワンダー、カーティス・メイフィールドらを中心に起こったソウルの新しい動きであった「ニュー・ソウル」に対して、この90年代中期のソウルの動きは「ネオ・ソウル」と呼ばれていました。
生楽器を効果的に取り入れたアーシーなサウンドが展開されることから「オーガニック・ソウル」などと言われたり、または「ネオ・クラッシック・ソウル」などと称してます。
ま、そんな言葉遊びのジャンル分けはどうでもいいですが。
このアルバムは、そうした90年代ソウルの傑作です。
ファースト・アルバムにもかかわらず、彼女は貫禄のヴォーカルを聴かせてくれます。
また、クールで自由奔放な歌い回しはジャズ・シンガーに通じるものがあり、それがゆったりとしたソウルのグルーヴに乗って最高に気持ちいいです。
アルバムは終始抑制された落ち着いたトーンで覆われていて、独特の雰囲気を醸し出しています。
オープニングの「リム・ショット」の野太いベースのイントロだけですでに名盤の予感です。
彼女のアドリブ感溢れるヴォーカルもイイです。
このアルバムのキモはヴォーカルとベースとドラムです。
曲によってはキラキラしたシンセやホーンなどが使用されてますが、なぜかあんまり前に出てきません。
このクールなグルーヴ感はやみつきになります。
「アフロ」では、サブタイトルにもあるようにフリースタイルのヴォーカルを披露してくれます。
ジャズのようなブルースのような即興っぽい演奏です。
その他、「ネクスト・ライフタイム」「サートゥンリー」「ノー・ラヴ」など、どれもシブいです。
「ドラマ」では、ジャズ・ベーシストのロン・カーターのベースが聴けます。
詩のほうは、特筆すべきものはあまりないです。
普通に、愛や人生や人種差別や平和を歌っています。
「オン & オン」の歌詞の中で、
「私は水の中で生まれた 3ドル60セントを持ってね」
というフレーズがあります。
1970年に亡くなったジャニス・ジョップリンは、発見された時、その手には4ドル50セントが握られていました。
そしてエリカ・バドゥが生まれたのは1971年です。
ビリー・ホリディの再来とまで言われた彼女ですが、本人の意識の中にはジャニス・ジョップリンがいるのかも知れません。