ベルナベウはサンシーロではない
予てからクラブ側がジョゼ・モウリーニョに伝えていた
『ベルナベウはサンシーロではない』という現実。
しかし、指揮官がそれを疑っていたことを明示するかのように
発したのが、オサスナ戦前日の
「ベルナベウの違いとは観客収容数が、
サンシーロを1万人上回っていることだけ。」
という発言であるが、
皮肉にも、オサスナ戦が行われた土曜日のベルナベウは
満員に1万人あまり届かない「6万8千人」を
収容したに過ぎなかった。
その"少ない"観客を目の前に1-0と善戦しながらも、
スタンドを埋めたマドリディスタの発情した
指笛の餌食となった現実に、彼は何を思うのだろうか。
スタジアムを後にしたあるサポーターは言っている
『退屈だった。これが我々の年間指定席の価格を
30%も引き上げた結果だと思うとね。』
マドリディスタが求めるクオリティーを引き上げて
しまった理由は”そこ”にも見え隠れしている。
しかし、そんな高額な入場料と引き換えに、
サポーター達が退屈したのはモウリーニョへの
当て付けでも、例外的反応でもない。
彼らがそう語る理由は、コンディションが問題でもなく、
ホームデビュー戦としてお粗末であったことを考慮したものでも、
チームが時間を必要としていることに対してでもない。
この試合、開始後30分から指笛が響きだした。
ボールの動きが、ゲームのイニシアチブをもぎ取るには
相応しくないノープランによるものであると印象付けられたからである。
そして、指笛は1-0でリードしても止まらない。
実はこの試合で最も個人的なブーイングを浴びせられたのは
他ならぬクリスティアーノ・ロナウドであったことは明白だ。
ヒールを使ったプレーに、連続またぎ・・・
こうした決して効果的とはいえない、チームプレーも
攻撃の組み立ての主役である立場をも軽視しているかのような
乱雑なプレーが続けば、目の肥えたマドリディスタが黙っているはずがない。
そして後半、ペドロ・レオンが待ち構えているにも関わらず
無理やりにシュートに持ち込み、大きく枠を外したシーンを目撃した
Fondo SurのUltra達からも指笛を喰らうこととなる。
モウリーニョが擁護する病み上がりのC・ロナウドの状態ではあるが
彼が披露したエゴイスト的なプレースタイルこそ、
ベルナベウの観客達が怒りの狼煙を上げた
きっかけであると推測するのだが、
この試合後に、試合内容が悪かった悪因を
シャビ・アロンソに押し付けたことには地元メディアも
敏感に反応している。
アヤックス戦では、より躍動してくれることを確信している。』
スタメンに名を連ねた3人のスペイン人選手。
仮にそれが愛のムチであったとしても、
スタンドのマドリディスタが愛着を持つ彼らのうちのひとりを
名指しで批判したのは、決して利口とはいえないだろう。
一方で、『彼らが至上権利を握っている』
とサポーターの立場を明確にしながら、
「しかし、あと少しの辛抱を期待したい。目の前に起こっていることは、
この2・3シーズン皆が求めていたもの。
その実現まであと2・3ヶ月だけ待って欲しい。」
と素直に現在のチーム状況を認めるイケル・カシージャスは、
さすが、このクラブが置かれる立場を理解している。
フロレンティーノ・ペレスが高額な資金を投じてまで
モウリーニョを獲得したのは、監督としてチーム戦術を熟成させる
ことだけでなく、チームを象徴するような社会に対する
パフォーマンスを求めるものであることは、
公言されている通りであるが、
ホーム初戦にして「口は災いの元」と至っていなければ良いのだが・・・。
総括すれば、スタンドが求めたのはクラブとしての責務と
11人のチームとして機能する美を形成する上での
選手個人の勇敢さなのかもしれない。
「結果が全て。まずは勝利することが重要。」
少々不吉ではあるが、かつてクラブにタイトルをもたらしながらも、
ベルナベウに情熱は持ち込めず、指笛の餌食となりながら、
契約を打ち切られたファビオ・カペッロを思い出す。
サンシーロを本拠地にするミランで、欧州制覇を飾っている
カペッロは、少なからずサンシーロとベルナベウの違いを
痛感しているに違いない。
大切な感覚
『己の欲せざるところは、人に施す事なかれと』
自分がされたくないことは人にしてはいけない
これは、孔子の論語の抜粋ですが、
今日はそんなことを体験を以って味わった意味ある一日でした。
本日は大学の始業ガイダンス。
学務担当の私は、
四つに振り分けられた1年生から4年生までの
ガイダンスの説明員としてフル動員されたのでした。
自分の担当の部分以外は、
学生と同じくじっと座って他の教職員の聞く私。
教員が同僚を批判するのは決して良いことではありませんが、
待っている間に聞かされる他の教員の余談を耳にしていたら、
遠い昔、小学校の朝礼で聞かされた校長先生の長話を
思い出した次第です。
権力のある人間ほど、起承転結など皆無、
内容から得るもの、目的地などもない話を
延々とするのはなぜでしょうか。
場面を弁えず、知識をひけらかすのは罪。
大勢を目の前に下手な話を披露し、
聴衆の時間を奪うことは、大罪です。
かつては聴衆だった人も、
立場を得て『語る側の人間』となり、聴くことを忘れれば、
いつしか目の前の聴衆の気持ちを察することさえできなくなる。
悲しい現実を垣間見た気がします。
『己の欲せざるところは、人に施す事なかれと』
たまに学生の目線で過ごした数時間が
思い出させてくれた大切な感覚でございました。
あの人の息子もデビュー
あっという間に週末が終わっていきますね。
体格は1歳半ながら、
ようやく自力で座ることを覚えつつある息子に
土日とも振り回された気がします(笑)
以前ご紹介したように、一度爆笑したネタには、
すぐさま反応しなくなる息子君。
目下、彼をどうやって爆笑させようかと研究中でございます。
どなたか子供が笑う鉄板ネタがありましたらご教授下さい(笑)
我が家の至宝の話は置いておいて
モウリーニョ新監督がベルナベウでの公式戦デビューを
白星で飾った昨日。
マドリードのオルタレーサ地区のサッカー少年団"Canillas"で
モウリーニョの息子であるジョゼ(José Mourinho)
がデビューを果たしました。
対戦相手San Roqueに9-0で勝利したCanillas。
後半開始と同時に交代出場したジョゼは、
3度に渡りファインセーブを見せ付けたのだとか。
ちなみにこのCanillas。
同じポジションであるGKとしてジダンの息子テオ、
そしてあのロナウドの息子がプレーしている名門Jr.クラブとして
知られているそうです。
家庭では2児の父であるというモウリーニョですが、
せっかくの息子のデビュー戦も、
気に掛ける余裕などなかったことでしょうね。
週末の家族サービスには縁がない監督業。
やっぱり大変な稼業であります。
モウリーニョの憂鬱
バルサ 0-2 エルクレス
サンティアゴ・ベルナベウのビジョンに映し出されたのは
カンプノウでのバルサ敗戦の報せでした。
今シーズン、セグンダから昇格。
「まさかの」と言ったら失礼ですが、
八百長疑惑もかけられているエルクレスがバルサを、
しかもカンプノウで完封とは、
ベルナベウの観客達もさぞ盛り上がったはず。
・・・がしかし、バルサとは対照的にホームで勝ち星を挙げた
R・マドリーのモウリーニョ監督は、少々後味の悪い
ホームデビュー戦だった様子ですよ。
予告通り、病み上がりのC・ロナウドをスタメン起用したモウリーニョ。
だがしかし、前半からチーム戦術は機能せず。
無論、この事態にベンチへはスタンドから指笛の嵐が注ぎ込まれる。
『人々が指笛を吹きたければ吹けば良い。
自分にとってはおよそ納得できる内容だったとしても
人々の意思を尊重するよ。私は黙るのみ。
自分は彼らサポーターを満足させられるように仕事をするし、
我々のサポーターを批判するものではない。
自分自身、マドリディスタ達に反抗して何かを言うつもりはないよ。』
と試合後に語ったモウリーニョは、想像し難かったはずの
マドリディスタからの”洗礼”をそんな言葉で濁したのでした。
『今日の試合は簡単なものだった。
我々は問題らしい問題を抱えなかったし、
カシージャスが困難な状況に置かれる場面など
見ることはなかった。
後半戦でプレーの質の向上が見られたものの、
恐らくは賞賛すべき試合でも、誇らしいプレーを披露した
試合ではなかっただろう。
しかし、相手を無得点に抑え、
さらにカシージャスの仕事がゼロであったことが重要なんだ。
我々は試合を容易にコントロールした。
唯一欠けたものは冷静さとプレーの明快さだ。
試合は、もしも2-0となっていたらさらに冷静さを獲得できたことだろう。
私自身は勝ち点3にも試合をコントロールしたことにも
満足感を抱いている。人々がより多くを求めることには理解できるし、
私自身ももっと多くを求めている。
しかし、チームを構築する者として、チームの発する良い信号を
見つけることが重要であると考えている。』
果たしてこれら試合に関する所感が、
モウリーニョ新監督の説明責任を満たしていたかどうかは
疑問であります。
新戦力エジルの効果的なゲームメイクは高評価ながら、
そのモウリーニョが勝負をかけたのは、
ロナウドの先発起用だけにあらず。
ベンゼマを右サイドに起用したことは、
試合展開によっては「攻撃の交替選手を失う」危険な起用であったことは
言うまでもないでしょう。
モウリーニョは、彼のプレー内容に満足であったようですが、
多くのマドリディスタは、鳴り物入りで入団した彼への
深い落胆を隠せずにいるようです。
現地スペインのマスコミによる連日の『モウリーニョ完全監視体制』に
影響され、気が付けば自分も、彼の一挙一動に対して
一言居士になっている・・・
例年、新加入の選手を中心に、そのパフォーマンスへ
厳しい視線が注がれるベルナベウなのですが、
最も大きな投資対象となった監督の登場した今シーズンは、
マドリディスタのの罵声の行き先も、進路変更しているように思われます。
一方、オサスナは昨日の記事 にしたリカルドが孤軍奮闘。
度々訪れた決定機を見事にセービングし、
能力の高さだけでなく、この試合に懸ける意気込みを見せたのでした。
特に、イグアインを完封した仕事はお見事。
モウリーニョを憂鬱にし、この試合を最後まで
興味あるものにしたのは紛れもなくリカルドであったはずです。
肩を落とすなリカルド!!
バルサが昇格組に対しホーム敗戦。
勝っても非難されるマドリー新監督。
これらが今シーズンのリーガに対し多くが望んでいる、
いわゆる”混戦模様”の予兆であることを期待してしまうのです。
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見所満載『モウリーニョVSベルナベウ』
リーガ第2節 R・マドリー × オサスナ。
C・ロナウド強行出場へ。
昨シーズン、"マドリー"および"ポルトガル代表"と
無茶な連続出場で抱えていた怪我を悪化させたことがある歴史を
懸念するも、モウリーニョ監督は、
『難しい試合である』
ことだけを理由に、リーガ開幕序盤にして
思い切った意思決定を下そうとしている。
それは、このホーム開幕戦が
いかに重要な試合であるかを暗示しているようにも思えるが・・・。
『インテルのサポーター達は、
勝ち方が悪いからと言って指笛を吹いたりしない』
これは、南アW杯でブラジル代表キャプテン・ルシオの言葉。
”勝つことが最優先のサンシーロ”と
勝ち方に拘るブラジルサポーターを比較した彼の言葉であるが、
昨シーズンまでインテルを指揮していたモウリーニョ監督にとっては
決して他人事であるとは言い切れない出来事かもしれない。
今晩、公式戦としては、マドリーの監督として初めて
サンティアゴ・ベルナベウに姿を現すモウリーニョ。
「ベルナベウだけか?
サンシーロは?スタンフォード・ブリッジは?」
昨日、記者陣に対し、そんな質問で返した新指揮官は、
世界でも著名な3つのスタジアムの中でも
ベルナベウほど「勝ち方」に厳格な場所はないことを
どこまで理解しているだろうか。
「そんな印象は、ベルナベウの観客収容数が、
サンシーロを1万人上回り、
スタンフォード・ブリッジを3万人上回っているから。
観客の数の分、意思表示も大きなものに感じられるのでは?
ただ、私はこのクラブほどサポーターが小さな満足しか
感じないクラブと関わったことはない。
きっと成功しか知らないクラブだからこその性格だろうね。
しかし、このような状況は問題ではないし、
私自身、予想していないものではないよ。」
R・マドリーの会長、フロレンティーノは少なくとも1度以上は、
ベルナベウはサンシーロではないと諭しているはずだ。
その証拠に、指揮官はこの数週間で、このクラブに適合した
考え方やフォーメーションを導入している。
「我々の目の前のモウリーニョは、
ケイロスにも、ルクシェンブルゴ、
ペジェグリーニも感じられなかったほど
貪欲にマドリディズムを吸収しようとしている。」
と絶賛したのは、あるマドリーの役員であるが、
モウリーニョ自身、マドリーの監督として
その力量が試されるのは、今日の試合が最初であることは
重々承知の上だろう。
昨シーズン、1-1を2回、0-0を2回、1-0の勝利を2回披露しながら
スクデットを獲得したモウリーニョは、
ホームゲームにて延べ136試合負けなしであるが、
同じく昨シーズン、2得点以下の得点での勝利が僅か1度だけで、
シーズンで102ゴールを挙げながらも、
サンティアゴ・ベルナベウの観衆の指笛の餌食となった
ペジェグリーニ監督の足跡をどのように分析しているのだろうか。
『勝利以上の何か』
モウリーニョが、そんなことを意識しすぎたばかりに
専属ドクターすら出場を咎める”病み上がりのC・ロナウド”を
スタメン起用させるというならば、ちょっと危険すぎやしないだろうか。
見えない火花が散る
モウリーニョ VS サンティアゴ・ベルナベウ。
ロナウドの強行スタメン出場というモウリーニョのメッセージを、
白に染まるマドリディスタ達が、どんな態度で受け止めるかも楽しみだ。


















