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車運転中の携帯電話は事故が4倍 その1

車を運転中に携帯電話を使うと事故が4倍に増える。これは心理学がどのように世の中に役立っているのかを見る良い事例なので、ゆっくり紹介していこうと思う。

原因として、携帯を持つ手の格好、右耳左耳と右脳左脳の違い、むずかしい話の理解、同乗者と話すのとの違い、そんなことが研究されている。ただし、これは現在進行中の研究で、なぜ携帯電話を使うと事故が増えるのかの根本的な理由はまだ不明なことが多いと言うことも先に言っておこう。もし、これだ、と思う理由を考えた方はぜひコメントください。あなたの案が研究に使われるかも。

原因究明というのはすごく大事なことだ。僕のブログでは因果関係の起こる理由をデータから見ていく、というのが一つの主旨だ。原因がわからないと事故の統計を応用する境界があいまいになる。車の運転中の携帯の使用を完全に禁止するべきなのか、拡大解釈して歩行中の携帯の使用も同じく禁止すべきなのか。ポピュラー心理学ではこの拡大解釈が頻繁に行われていて、一般人を欺いてる時が多いのがすごく気になるよ。

原因究明は教育心理学や精神療法などでも同じだ。ある事例で効いた方法をどこまで応用できるのかは、その効いた原因による。そんな事を車と携帯の関係から今後語っていくよ。

キーワード:心理 心理学 認知 二重課題 多重課題 


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テレビCMの効果 1

日曜に行われたスーパー・ボウルのテレビCMについて書こうと思ってたんだけど、友達との話に盛り上がり過ぎて最初の10分くらいしかCMをチェックして無かったよ。そう言う訳で企画変更。広告を心理学から考える、テレビCMやスーパーボウルに限らず。

話が長くなりそうなんで何回かに分けて書くけど、今日は概略。広告が消費者に働きかけるには3段階の過程を経る(と僕は勝手に考えている):①広告に注目させる。②広告を見てる瞬間。③広告を見た後から商品を買うまでの第三段階だ。

第一段階は広告に注目させる。視聴者は通常は番組のためにテレビなどの媒体を見ているので、広告から目を逸らしやすい。まず目を向けさせたい。遊びの要素を取り入れて目を向けさせたり、驚くものを見せて目を向けさせる。これに関しては後日。

第二段階の広告を見ている瞬間では、広告は消費者を説得する必要がある。この商品を買う決心とか、このブランドは良い印象だと思う、などを納得させる、又は刷り込む。説得の技法の心理学的見解に関しては後日。

第三段階の広告を見た後では、広告は消費者にその良い印象を長らく記憶していてもらいたい。記憶させる技術として、心理学ではいろいろな手法の有効性が確認されている。その例として
チャンキング
処理の深度
覚えやすい言葉
レストルフ現象
などがよく言われる。これも後日。

今日の記事の半分くらいの案は一冊の本で紹介されている。この本はデザインや広告や心理学の案をわかりやすく紹介している。日本語版も有る。それに心理学の論文のデータを合わせて今後紹介していく予定。

キーワード:心理学 広告 ビジネス 認知心理学 社会心理学 コマーシャル

著者: William Lidwell, Kritina Holden, Jill Butler, 小竹 由加里, バベル
タイトル: Design rule index―デザイン、新・100の法則

ヒッチハイクは笑顔だと成功率アップ

この研究者は大学生に協力してもらい笑顔だとヒッチハイクの成功率が変わるかを実験したところ、女の子が笑顔だと倍近い成功率になった。男が笑顔でも成功率は余り上がらなかった。

ははは。君も些細なことを研究してますな!フランスでの研究らしいけどフランスではそんなにヒッチハイクは大事なことなのか?他の研究者の統計によると(フランス人は)78%がヒッチハイクを試みたことが有るそうだ。ふーん。ちょっとフランス人が前よりも好きになったよ。親しみやすそうな国だな。

実験によると、平均的な見栄えの男女計4人が一人ずつ200回ずつヒッチハイクのサインを出した。男のヒッチハイカーだと成功率が悪く無表情の時で6%、笑顔だと9%の車が止まってくれた。女のヒッチハイカーだと無表情で10.5%、笑顔で19%に跳ね上がった。協力者が4人て言うのは少ないけど、お気楽な研究なんでまぁ良しとしよう。

へえぇ。けっこう成功率高いんだな。フランスがこんなにヒッチハイク王国だとは知らなかったよ。日本でヒッチハイクしても誰も止まってくれないんだよな。最終的には覆面パトカーに拾われちゃって困ったよ。若かりし頃。

Gueguen, N. & Fischer-Lokou, J. (2004) Hitchhikers' smiles and receipt of help. Psychological Reports, 2004, 94, 756-760.

キーワード:心理学 魅力 社会心理学 笑顔

大きな目標物見つけるのは老人の方が速い

一般に老人の反応速度は遅いとされてきた。しかし見つけるべき目標物が大きく、明暗がはっきりしている場合は、老人の反応速度は若者より速かったという。

そうなんだ。ふーん。この研究者(Allison Sekuler)はその理由として視覚の抑制効果を上げている。確かに目の仕組みを考えるとそれで辻褄が合うんだよな。でも老人の方は反応が速いなんて受け入れるのが難しい。。

目の仕組みを勉強すると、その洗練され具合にもう驚くばかりだよ。目って情報を単に受け入れるんじゃなく、横の連携がすごいんだ。目には何百万ものドットみたいな光受容体がある。その一つ一つが横のドットに比べてより明るいとかより暗いとかを感知して、明暗の差を際立たせた情報を僕らは視覚として受け取っている。それが調節機構だ。

細かい目標物を探す時はこの調節機構が役に立つ。若者は調節機構が活発なんで細かいものや明暗のはっきりしないものを探すのには有利だ。だけど見つけるべき目標物が大きくなるとこの調節機構が意味をなさないので若者の有利が消える。

ふーーん。この結果はすごいと思った。車の運転とかに応用して老人に多い事故を減らせないのかな。この研究は知覚心理学、認知心理学、神経学の間かな。で応用する部分が工学心理学。

ペイトリオッツの強さの秘密は?

下馬評通り今年のスーパーボウルはペイトリオッツが勝った。この4期くらいのうち3期で優勝だ。30チーム以上ある中でのこの成績を見ると圧倒的に強いことが解る。こいつらの強さの秘密は何なんだろう?

フットボールで一番の要のポジションはQB(クウォーターバック)だがペイトリオッツのQBトム・ブレイディーが格段に(抜きん出て)良いと言う訳では無さそうだ。ペイトリオッツは守りが良いチームとされているので、それを実現するチーム力として優れてると思われるのは、総合的にチームを訓練する力か、または必要な人材を補填するスカウトの力なのかなと思う。

僕はNFLに詳しいわけでもないんでこれ以上の分析はできないけれど、野球ではそういった分析を紹介した本が最近有名になった。

著者: マイケル・ルイス, 中山 宥
タイトル: マネー・ボール 奇跡のチームをつくった男

こういった組織的にチームの力を上げる方法がもっと一般的になれば世界はもっと住みやすくなると思うよ。誰かペイトリオッツの強さの秘訣を紹介して。と言う訳で、この記事は僕が強さを分析するんじゃなく、そういう情報を求む、という記事なんだよ。相変わらず人頼みだな。

ところで僕はテレビを持っていないんでスーパーボウルを見るのに友達の家に行ってきた。一緒に見たルイスはミシガン大学卒業で彼の仕事柄、在学中はトム・ブレイディーと顔見知りだったらしい。今日アメリカで一番注目されている男の裏話を聞けて非常に面白かったよ。
テレビCMなどについては近々更新予定。

高IQと速い反応は長生き

15年に渡る追跡調査の結果、高いIQはより長く生きたと言う。また反応時間の検査もし、画面が現れたらボタンを押すのが速い人も長く生きたと言う。

この研究者(Ian Deary)によると、IQが高いと管理職などの安全な職になるので、死ぬ率が低くなるのも一因だとしている。また反応時間が速いというのは、脳が活性化されているので高IQに繋がると言う。

まだ1月に発表されたばかりの論文で大学に本が届いてないんで、読んだらまたコメントするよ。

関連記事:知能が高いと自殺率が低い
http://psychnote.ameblo.jp/entry-d9a8f3d6ef93722bc64750a2ac4522fc.html

コウモリの反射音で地形を「聴く」

コウモリはエコー(音の反射)を聞いて障害物や獲物を探る。言わば音を頭の中で映像化するとも言える。それを人間に応用して目を使わなくても地形を把握できる、という研究。

飛行機のパイロットは目を酷使する。凄まじい速度で外界を見ながら何十もある表示板の一つ一つに注意を払う。目に比べて耳は余裕がある。パイロットにとって音から得る情報は少ないからだ。なので幾つかの視覚的情報を耳に移そう、というのが研究の目的なんだろう。

そこでこの研究者が目をつけたのが暗闇でのパイロットであるコウモリだ。コウモリのエコーを人間が聞こえる音程に下げて聞かせたところ、人間も障害物を驚くほどうまく察知できたと言う。この研究者はパイロットにこれを応用できると信じている。

この発想は良いと思うよ。ただパイロットにとって外を見るのは一番大事な情報源だ。事実、暗闇で機器にだけ頼っての操縦は事故率がぐんと上がる。なので視覚の補助として使うのなら需要があるかもしれない。それだと目の仕事を減らすことにはならないんで、表示板の幾つかを音にする方が手っ取り早い気もするな。

僕はデータにできる研究が好きだ。日本で心理学と言うと兎角、心理療法や性格診断などと思われがちだ。でもそういうのは数値化しにくいし、科学的な研究も難しい。一件一件対応する場合も多い。つまりある件ではある療法が効きましたよ、でも科学的な裏づけは解りませんとなる場合もある。そんな研究ももちろん社会に役立つだろう。

でも僕はその根本の理由が知りたい。なぜその件ではそれがうまくいったのか。そんなことを科学的に裏付けるには実験で結果を数値化していかなくては他人を納得させるのは難しい。

例えばこのコウモリの反射音の研究の裏には二重課題がそれぞれ目を使う課題ともう一つの目を使う課題だと人間はすごく不憫な状況に陥る。そんな背景が科学的に裏付けられているからこの反射音の研究ができている。僕のブログを読んで、こういう心理学もあるということを一人でも多くの人が知ってくれると嬉しい。そして心理学を学ぶきっかけになってくれたら素晴らしいよ。

Bat echoes used as virtual reality guide
http://www.newscientist.com/article.ns?id=dn4165

誕生月、星座を統計から科学する 2

近日更新予定。

前回の記事。
誕生月、星座を統計から科学する 1
http://psychnote.ameblo.jp/entry-de506beb89abdd46e903c694072169a3.html

偽の記憶で食べ物選びを操作する

偽の記憶を刷り込んで、何を食べるのかを操作することができるという。

この研究によると、まず大学生に食べ物履歴を書いてもらい、そしてコンピューター診断と称した偽の情報を本人に返信した:つまり、あなたは幼い頃にゆで卵を食べて気持ち悪くなりました、と。するとこの群は、偽の診断をされなかった郡に比べて、ゆで卵を避ける意思をより多く表明した。

逆に、ある物をより多く食べるようにも仕向けられると言う。アスパラガスの良い印象(でも偽の記憶)を植え込んだところ、アスパラガス似の食べ物により惹かれたという。

僕はまだニュースだけで論文は読んでないから数値が良くわからん。でもこれがちゃんと働くんだったら、自己管理ができない系の肥満クン達にとっては朗報だな。

ところでロフタスさんは偽の記憶に関しての第一人者だ。心理学の授業を取ればこの人の論文を何回も読まされる。それもかな~り嫌な偽の情報を埋め込むんだよな、実験で。そのせいか僕の記憶の中ではロフタスさんに嫌な印象が既に形成されているよ。研究は役立つけどね。

ニュース記事。ロフタスさんのいるカリフォルニア大学の。
http://today.uci.edu/news/release_detail.asp?key=1246

歌の練習でIQ上昇

ピアノか歌の稽古をした群は稽古前に比べてIQが格段に伸びたと言う。だけど僕はこの実験結果に悪意を感じる。結果には疑問だけど面白い点が幾つかあるんで紹介するよ。

まずは実験結果。この研究者が報告するには、6歳児144人を調べたところ、音楽の稽古を1年間した群はIQが著しく伸びた。演劇の稽古をした群は、何もしなかった群と同様のIQ変化だった。ただし演劇の群はより社会的な行動をするようになった。

と言うんだけどこの結果は操作されてるよ。4群(ピアノ、歌、演劇、何もしない)を無作為に割り振ったと書いてあるが嘘くさい。稽古を始める前で既に差があるんだ。IQにして3ポイント以上違う(ピアノ102.6、歌103.8、演劇102.6、何もしない99.4)。家族の収入指数もピアノが4.6なのに何もしない群は4.1だ。本当に無作為なのか?僕は信じない。もし本当だとしても研究者はそれを説明したほうが良いよ。なんで最初から値が違うんだ?

この研究者自身、音楽の稽古が他の能力を伸ばすかは難しい研究だしている。何故なら、他の要因がいろいろ有るからだ。より教育を受けていたり、親が金持ちだったり、もともとIQが高かったり、又は、音楽でなくても組織立てられた稽古なら他の分野の能力を伸ばすのに十分だと思われたり、と。そう言うんならちゃんとそれを払拭する研究方法をとれば良いのに。

その点はさておき、この論文は結構他の部分が面白いだよね。まずは歌の練習でもIQの伸びが他の群より大きかったと言うのは面白い。これは歌に振り付けや手拍子を加えた稽古だそうだけど、どの部分がIQの伸びに影響するのか興味がある。

更にこの研究者は、IQの小項目について調べている。音楽群(ピアノ、歌)のIQの伸びは全般に及んだ。12分野のIQのうち10分野で何もしなかった群よりも大きく伸びた。大きく伸びなかった分野は数学と情報(処理?)だけ。これにはちょっと驚き。音楽は数学の能力を伸ばすと思ったんだけどな。同じことを小枝さんも言っている。
http://blog.livedoor.jp/dogmania/archives/13522898.html
冒頭でも言った通り僕はこの論文に猜疑的なんで、自分の目で数値を見て分析したい。

この論文で一番ためになる部分は過去文献の概略だ。そこでいろんな論文を紹介していて、幾つかは読みたい気にさせられたよ。例えばモーツアルト効果の研究とか、トランスファー効果とか。全般として、人の発達要因はとても興味深いと再認したよ。

元の論文
[PDF] Music Lessons Enhance IQ
http://www.psychologicalscience.org/pdf/ps/musiciq.pdf(PDF)