歌の練習でIQ上昇
ピアノか歌の稽古をした群は稽古前に比べてIQが格段に伸びたと言う。だけど僕はこの実験結果に悪意を感じる。結果には疑問だけど面白い点が幾つかあるんで紹介するよ。 まずは実験結果。この研究者が報告するには、6歳児144人を調べたところ、音楽の稽古を1年間した群はIQが著しく伸びた。演劇の稽古をした群は、何もしなかった群と同様のIQ変化だった。ただし演劇の群はより社会的な行動をするようになった。
と言うんだけどこの結果は操作されてるよ。4群(ピアノ、歌、演劇、何もしない)を無作為に割り振ったと書いてあるが嘘くさい。稽古を始める前で既に差があるんだ。IQにして3ポイント以上違う(ピアノ102.6、歌103.8、演劇102.6、何もしない99.4)。家族の収入指数もピアノが4.6なのに何もしない群は4.1だ。本当に無作為なのか?僕は信じない。もし本当だとしても研究者はそれを説明したほうが良いよ。なんで最初から値が違うんだ?
この研究者自身、音楽の稽古が他の能力を伸ばすかは難しい研究だしている。何故なら、他の要因がいろいろ有るからだ。より教育を受けていたり、親が金持ちだったり、もともとIQが高かったり、又は、音楽でなくても組織立てられた稽古なら他の分野の能力を伸ばすのに十分だと思われたり、と。そう言うんならちゃんとそれを払拭する研究方法をとれば良いのに。
その点はさておき、この論文は結構他の部分が面白いだよね。まずは歌の練習でもIQの伸びが他の群より大きかったと言うのは面白い。これは歌に振り付けや手拍子を加えた稽古だそうだけど、どの部分がIQの伸びに影響するのか興味がある。
更にこの研究者は、IQの小項目について調べている。音楽群(ピアノ、歌)のIQの伸びは全般に及んだ。12分野のIQのうち10分野で何もしなかった群よりも大きく伸びた。大きく伸びなかった分野は数学と情報(処理?)だけ。これにはちょっと驚き。音楽は数学の能力を伸ばすと思ったんだけどな。同じことを小枝さんも言っている。
http://blog.livedoor.jp/dogmania/archives/13522898.html
冒頭でも言った通り僕はこの論文に猜疑的なんで、自分の目で数値を見て分析したい。
この論文で一番ためになる部分は過去文献の概略だ。そこでいろんな論文を紹介していて、幾つかは読みたい気にさせられたよ。例えばモーツアルト効果の研究とか、トランスファー効果とか。全般として、人の発達要因はとても興味深いと再認したよ。
元の論文
[PDF] Music Lessons Enhance IQ
http://www.psychologicalscience.org/pdf/ps/musiciq.pdf(PDF)