デートはフットボール・プレイヤーと
大学の運動選手のアンケートによると一番女にもてるスポーツだと思われているのはフットボールという結果が出た。アメリカのスポーツ週刊誌で最も有名なのがスポーツ・イラストレイティッド誌だ。その大学版というのがあって、毎週、大学の運動部の動向だけを追っている。この2005年4月21日号が大学の運動選手757人(男441人、女316人)のアンケート結果 を掲載している。幾つかの質問がとても面白い。
Q18.自分のしているスポーツを含めて、一番充実したデート生活を送っているスポーツは?
1位フットボール(46.3%)、2位バスケ(17.2%)、3位ベースボール(10.3%)、4位アイス・ホッケー(5.9%)。
統計備考:自身がしているスポーツが一番充実したデート生活を持っていると答えたのはたった2つの運動部:ベースボールと水泳部。
フットボールはアメリカの大学では花形スポーツだからな、もてると思われているのは当然。備考の方の自身のスポーツを挙げるのはやはり体験談や友達の経験から来ているのだろうから真実味があるよな。水泳部ってのはちょっと意外だね。そういえば先週肩幅のある男は持てるって記事を書いたな。
Q1.自分のしているスポーツを除いて、なれるとしたらどのスポーツ・スター?
1位バスケ(29.7%)、2位フットボール(16.7%)、3位サッカー(10.8%)、4位ベースボール(6.8%)、5位バレーボール(5.9%)。
これはバスケは男女ともに選べるから1位に来たんだろうな。
全体でみると、けっこう女の子アスリートが多いな。こうやって国をあげて運動するアメリカは好き。でもアンケートのやり方は流石に素人っぽいね。雑誌の記者(おそらく英文科出身)が大学生受けする質問を並べてみました、って感じで考察するのは難しい。男女差とか、あと人種(黒人、白人)の差とかを調べるには面白そうなネタだ。心理学の科学誌に学術系っぽいデータが調べられているんで、そのうちに紹介します。
ところでGoogle Imagesで「athlete」を検索すると一番最初に来るのはゲイ嗜好の画像なんですが、これは何故?どんな層狙い?
検索キーワード: 運動心理学 社会心理学 魅力
双子は知能が低いから自殺率が低い?
双子は自殺率が低い。その理由は知能指数が低いからかもしれない、という案。
この研究者がこの案を導いたのには下記のような過去の統計がある。双子は自殺する率が低い。双子の他の特徴としては、双子は知能指数が低い。知能指数にして6ポイント、SD(標準偏差)にして0.4ポイント低い。自殺するにはある程度の知能が必要だし、実際に国全体として知能指数が高い国の方が自殺率が高い。更に、天才と言われる域の知能指数の持ち主は自殺が蔓延している。こういった統計を繋ぎ合わせて考えると、双子は知能指数が低いから自殺率も低いのではないか、というのがこの研究者の案。
「案」と僕が呼んでいるのは、この研究者がこの発表をレターという形で投稿しているから。つまりまだ直接この案を支持する研究をしていない。この案を支持するには実際に自殺した双子と知能指数の高さの相関関係を示す必要があるだろう。でもまだ。
最近の科学界では双子への風当たりが強いように見える。これはクローン技術が現実になることへの警鐘だろうか。つまり双子ですら遺伝的に弱い要素が多いのだから、クローンなんて更に弱いんだよ、ということを誇張しているのか?
それはさておき、この研究者も指摘している通り、僕は社会的理由の方が影響が大きいと思う。双子は生まれた時から1人の近しい友を約束されているようなものだ。自殺者の一番の危険な状況と思われる一人で思い悩んでしまう状況になっても、双子なら話す相手がいる。それがもう片割れの方だ。今後の研究の進展を見守ろう。
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検索キーワード: 社会心理学 性格心理学 自殺 双子 鬱 知能指数 IQ
元のニュース:Martin Voracek (2003) Risk of suicide in twins. BMJ 2003: 327: 1168 (15 November).
この研究者のほかの論文を以前に紹介したな(過去記事
)。直接の関連が無い記事なんだけど売れ線狙いの研究者なんだろうか。
高額のギャラでやる気を失う
報酬が多すぎるのは悪い時がある。仕事をする時に金をもらい過ぎると金のために仕事をすることになり、本来あるべきはずの仕事をしたい意欲というのが無くなってしまう。なので報酬は適切な額にするのが良い。
この記事はすごく良い例だな。ホイラー・グレイシーが高額過ぎる報酬を約束されてしまったために、良い試合をする意欲を失ってしまったと言う記事。
ホイラー対須藤元気戦の裏話(消息筋)
グレイシー家の伝統である「勝てる相手とだけ戦う」というのが僕は結構お気に入り。彼等は技術もあるんだから軽はずみに高額な報酬だけで動かないで、ちゃんと対戦相手を研究して良い試合をしてもらいたいね。今後のホイラーに期待。
関連する心理学の実験データを見つけたらそのうちに紹介します。
静かな村の人は難聴の危険
人は静か過ぎる街に育つと、難聴になる可能性があるらしい。以前から逆のことはデータで裏付けられてきていた。つまり大き過ぎる音を聞き続けると難聴になっていく。これは以前の記事にも書いた通り。しかし今回の研究者によると、うるさい騒音に曝される職業の人と同様に、閑静な村で育った人も耳の聞こえが悪かったという。
この研究者は世界中の人を一万人調べた。過去の他の研究者が示す通り、騒音に曝される人は聴き取る能力が衰えていた。工事現場の人がとても悪く、クラブ通い(夜に大音量の音で踊る方のクラブ)する人も若干悪かった。意外なことに、工事現場の人と同等に聴き取る能力が悪かったのが静かな村の人々だった。
理由としてこの研究者が挙げているのは、静かな環境で育つと聴力を鍛える機会がなくなるからだろう、としている。つまり工事などの騒音はうるさ過ぎるけれども、その騒音以下のある程度の大きな音を定期的に聞くことにより聴き取り能力が上がるのだろう、としている。その例として、オーケストラ団員は音の聞き取り能力が非常に良かったと言う。これは許容範囲を超えない程度の大きな音を聞くことにより耳が鍛えられているのだろう。最悪の環境は静かな村に住んでいる上に、偶に祭りなどで爆竹などの騒音に曝される村だそうだ。
これは面白いね。使わない機能が衰えるというのは納得できる。それは筋肉にしろ目にしろ同じだろう。で、聴力を鍛えられるのが本当だとしたら、次の問題は臨界期だな。感覚器に関する臨界期は短い。例えば目とかであれば生まれてから数年のうちに見るものによって、目の鍛えられ方が大きく変わってしまう。耳も幼年期の訓練だけが影響するのか、その辺を知りたいな。
元の記事:
Bang goes your hearing, if you don't exercise your ears: New Scientist. 29 May 2004.研究者Gerald Fleischer. University of Giessen, Germany.
検索キーワード: 心理学 認知心理学 知覚心理学 聴覚 発達 衰え 地域 アジア 中国
ただいま
まず一番の収穫はこの分野の大権威であるW博士と直接話せたことだな。僕が今やっている研究はW博士の有名な理論に基づきつつ、その理論がまだ説明していない部分を実験で表そうとしている。その僕の実験の内容を直接このW博士に話したところ、助言をいただき、結果をEメールで報告するように言われたよ。嬉しー。この実験に更に気合を入れて頑張ろうって気にさせる暖かい人だったな。
第二の収穫は、自分と同じ研究をしている人と出会えたこと。この研究者はヨーロッパから発表に来ていて、発表を聴いていた時はヨーロッパの研究は遅れてんなー、なんて思ってた。でも発表の後に個人的に話してみると非常に面白い実験結果を隠し持っていたことが判明。しかもそれは僕のやっている研究と同じ事を別の視点から示そうとしているものだった。今後のこの研究者とのEメールが楽しみだ。
他にも面白い発表がてんこ盛りの学会だったので、機会があればこのブログでも紹介していきます。留守中にも関わらず訪問、コメント、メールをありがとう。
学会に行ってきます
今日(月曜)から木曜まで学会に出席するため更新を休みます。
学会はすごく楽しみ。自分が普段読んでいる本や論文の著者に会って話が出来るのはとても光栄なこと。例えるなら、普段聞いている音楽のアーチストと話が出来るようなもの。この点は英語圏で勉強していることの幸せを最高に感じる。日本から学会のためだけに来て、何のツテも無くいきなりこの分野の権威の方と話し始めるのよりははるかに気軽に話が出来るはずだ。
ただ難点は時間的に厳しいのだよ。学会での自分の発表の準備はたかが知れている、というか、もう何回も人に説明していることなんで、いまさら新たに準備することも無い。だけど一週間も大学院を留守にする分を埋め合わせるのが時間的にきついよ。そんな訳で昨夜から寝ずに準備をしています。あぁ、でも以前の恩師や著名人と会えるのが今からすごく楽しみだな。では、行ってきます。
二人の人格が入れ替わったら
映画や漫画では人の中身が入れ替わってしまうという話が出てくる。実際にそういう事態が起こるとすると心理学的にはどうなるのだろう?
まず前提条件として、入れ替わるのはソフトの部分(魂や精神)であって、ハード(物理的な脳や体)ではないということを確認しておこう。逆に言えば、物理的なものに依存する能力は魂と一緒に付いては来ないだろう。例を挙げれば、男の魂が女の体に入ったとしたら、男の大きな筋肉が男の体に残るのと同様に、男の脳の特性も男の体に残るだろう。
脳の物理的な機能に頼る特性というのは実は結構多い。例えば貯蔵されている長期記憶というのは脳の物理的なものだ。長期記憶というのは神経系統の繋がりがどのくらい強化されているかによって形成されている。つまり過去に経験した記憶というのは脳という物理的な物質に書き込まれているので、魂が脳から離れたらその魂はその脳からは過去の記憶を引き出せなくなるだろう。
性格や感情も脳の物理的反応によるところが大きい、または記憶と関わっている。しかし100%が物理的な反応ではないので中間辺りに位置付けておこうか。つまり魂と一緒に性格や感情の一部が付いて来るだろう。
ではソフトとしての魂が持っている機能とはなんだろう?この魂という表現に一番近い存在に見えるのは作動記憶だ。作動記憶とはつまり注意をどこに向けるかを決めたりする機能。つまり人との対話を解釈する時に注意を向ける場所が人(または魂)によって違うので、理解も違い、性格や感情の反応も魂由来の反応をするだろう。
作動記憶というのは”機能”だ。物理的な器官や脳の一部ではない(とされている)。その点で魂という存在と矛盾が無い。ただ心理学の現在の流れは物理的な部分を解明する学問としての流れが強くなってきているので、100年後とかには、人間の活動の全ては神経の物理的反応で決まってしまって魂なんて物は無い、というのが定説になっているかもしれない。そんな世界はつまらなそうだけれどね。とりあえず現時点での心理学と僕の気持ちを考えると、僕は魂の存在を信じるよ。
検索キーワード: 心理学 意識 心と体 シナプス 認知心理学 性格心理学 生物心理学
自殺されると身内も後追い。特に男性
パートナー(配偶者、同棲者)が自殺してしまうと残された方も自殺する可能性が24倍も高かった。九千人のデンマーク人を調べた結果。この研究者は九千人の自殺者について、その家族を調べた。一般の人と比べるために自殺していない人の家族も調べた。調べた数は総計47万人という大規模な研究だ。パートナーが自殺したあと2年以内に残された方も自殺した数は10万人あたりの数で626人だった。(今回の実際の数では4476人中28人)。比較した群(パートナーは自殺していない)の配偶者や同棲者の自殺した数は10万人あたりの数で26人だった。(今回の研究の実数では130220人中34人)。これは通常にいわれる自殺者の数10万人あたり10人(自殺率の資料)に近い数字なので信頼できるだろう。で、2つの群を比べると、パートナーが自殺した群の残された配偶者や同棲者が自殺する率は24倍も高かったことになる、これはパートナーが自殺していない群に比べて。
男女差がこの研究にはあって、既に24倍も高い後追い自殺の中で、男性が残されるとその自殺率は女性が残された場合に比べて3倍高かった。この理由としてこの研究者が考えているのはこんなこと。男性は妻が自殺して落ち込んでも助けを求めない、精神的に弱ってると周りから思われない。
24倍はでかい差だな。この論調だと自殺があったから後追い自殺をする、というのが主点になっているけれど、パートナーが同じ価値観を持っているとも考えられるだろう:つまり落ち込んだ時の解決策として自殺を選ぶもの同士がパートナーになっていた。(過去記事恋人は価値観が似ている)。
あと男の方が後追い自殺をするというのも興味深いな。これは日本の老後の問題に似ているな。老後に妻が(どんな死因にしろ)先立つと、男には1人で生活する能力が無くすぐに死んでしまう。しかし夫が先立っても妻には生活能力があるので生きていける。どこで仕入れた情報高は忘れてしまったけど。男もこういう面では弱いな。老後に男が独りでも行き抜くためにはどんな社会が必要なのかを考えてしまったよ。
元の論文:(PDF)Midlife suicide risk (PDF)
検索キーワード: 心理学 社会心理学
情報ソース:ポスター
昨日は心理学部の中での研究発表会があった。ポスターと言われる研究内容をまとめた大きな掲示物を作って、人が来る度にそれを一分くらいで概略説明する。見る側としては少ない時間で人の研究内容を数多く知れるとても有意義な場だ。今日はそんな繋がりで、僕が読む情報ソースの違いを軽く説明しようと思う。
①ニュース。
心理学系のニュースのサイトに行けば、何百ものタイトルを見れるので重宝している。ただ記事を書いているのは科学者ではないので情報が捻じ曲げられている場合も多い。
②論文。
ニュースをざっと読んで興味深ければ原点である論文を読んでみる。研究者本人が書いているので言いたいことも読み取れる。難点は読むのに時間が掛かる。
③科学雑誌。
ニュースと論文の両方のいいとこ取りをしたのが科学雑誌やポスターだ。科学雑誌、例えばサイエンス誌などは、ニュース記事よりも専門的な記者が執筆しているので情報が信頼できる。ただ論文を載せている科学的なジャーナルとは違って、こういう科学雑誌は売れてなんぼなので、一般受けする記事の内容に迎合してたりする。
④ポスター。
ポスターは研究者自ら作るので情報は確かだし、一分もあれば概略が分かるし、必要な情報は全て提示されている。難点としては、ポスターは情報管理としてまとめられていないので、特定の事柄を調べようとしても、ポスターを検索することは難しい。学会などに出席しないとポスターは拝めない。ネット上でもほとんど見かけない。
昨日、うちの大学院でやったポスター発表と言うのはそんな科学的に信頼できる情報を手っ取り早く集められるおいしい場なのだよ。ただ学会では自分の興味のあるポスターばかりを読めるのに対して、心理学部で見るポスターは自分の興味外のことが多いので、用途も変わる。自分の専門外の心理学の最先端を見る場所、とでも言ったところだろうか。どっかの会社がポスターの検索できるアーカイブを始めないかな。需要は多いと思うんだが。
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写真はネットで拾ってきたポスター発表の場のイメージ。うちの大学院ではないけどね。
