自殺されると身内も後追い。特に男性 | しんりの手 :psych NOTe

自殺されると身内も後追い。特に男性

elderpartnersパートナー(配偶者、同棲者)が自殺してしまうと残された方も自殺する可能性が24倍も高かった。九千人のデンマーク人を調べた結果。

この研究者は九千人の自殺者について、その家族を調べた。一般の人と比べるために自殺していない人の家族も調べた。調べた数は総計47万人という大規模な研究だ。パートナーが自殺したあと2年以内に残された方も自殺した数は10万人あたりの数で626人だった。(今回の実際の数では4476人中28人)。比較した群(パートナーは自殺していない)の配偶者や同棲者の自殺した数は10万人あたりの数で26人だった。(今回の研究の実数では130220人中34人)。これは通常にいわれる自殺者の数10万人あたり10人(自殺率の資料)に近い数字なので信頼できるだろう。で、2つの群を比べると、パートナーが自殺した群の残された配偶者や同棲者が自殺する率は24倍も高かったことになる、これはパートナーが自殺していない群に比べて。

男女差がこの研究にはあって、既に24倍も高い後追い自殺の中で、男性が残されるとその自殺率は女性が残された場合に比べて3倍高かった。この理由としてこの研究者が考えているのはこんなこと。男性は妻が自殺して落ち込んでも助けを求めない、精神的に弱ってると周りから思われない。

24倍はでかい差だな。この論調だと自殺があったから後追い自殺をする、というのが主点になっているけれど、パートナーが同じ価値観を持っているとも考えられるだろう:つまり落ち込んだ時の解決策として自殺を選ぶもの同士がパートナーになっていた。(過去記事恋人は価値観が似ている)。

あと男の方が後追い自殺をするというのも興味深いな。これは日本の老後の問題に似ているな。老後に妻が(どんな死因にしろ)先立つと、男には1人で生活する能力が無くすぐに死んでしまう。しかし夫が先立っても妻には生活能力があるので生きていける。どこで仕入れた情報高は忘れてしまったけど。男もこういう面では弱いな。老後に男が独りでも行き抜くためにはどんな社会が必要なのかを考えてしまったよ。

元の論文:(PDF)Midlife suicide risk (PDF)

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