インヴィジブル・サーカス

ジェニファー イーガン, Jennifer Egan, 夏目 れい
インヴィジブル・サーカス
1978年6月のサンフランシスコ。ゴールデンゲート・パークでは、10年前の1968年に開催されたムーン・フェスティバルのリバイバルフェスタが幕を閉じたところだった。高校を卒業したばかりのフィービはそこで、8年前に死んだ姉フェイスのかつての男友達カイルに出遭う。
(カイルのアパートで)
ためらいがちにフィービはマリファナを吸いこんだ。・・・(中略)・・・
[サーリアリスティック・ピロー]がかかり、グレイス・スリックのあの神秘的な声が流れてきた。・・・(中略)・・・
[プラスティック・ファンタスティック・ラヴァー]が流れ、うねるような陶酔がフィービの心の中にすべりこみ、蛍光色の閃光を放ちはじめた。・・・(中略)・・・
「で……わかったのかい、何があったのか」やがてカイルが尋ねた。
「なぜ姉が死んだか、ということ?」
「ああ。いったいどういうことだったのか」
フィービより7つ年上のフェイスは、17歳のときボーイフレンドとヨーロッパに旅立ち、ひとりイタリアの小さな村で、断崖から転落して死んだのだった。以来、フィービは姉の死に取り憑かれてしまっていた。当時の姉と姿かたちは似てきても、性質はまったく正反対の自分。孤独で夢見がちで、自己や現実から遊離している危うい存在。対して姉は、自己顕示の塊でこわいもの知らず、周囲の誰からも称賛される光り輝くような「スター」だった。
そして、父のお気に入りだったフェイス。フィービがまだ幼い頃に死んだ父親が見ていたのは彼女ではなく、いつも姉だけだったのだ。強力な姉の存在は憧れであるとともに、心の中に立ちはだかる絶対的な壁だった。フィービは姉の死の謎と、家族に対する自己の葛藤に答えを見出すために、フェイスの足跡を追ってヨーロッパへと旅立つ。姉が旅先から出した絵葉書を持って・・・。ドイツで意外な人物と遭遇したフィービ。そして、しだいに明らかになる姉の秘密。ついには、その死の謎が・・・。
フェイスの死が象徴するもの・・・。60年代に生きた者が迎えた70年代初頭の死、それは、ジミ・ヘンドリクスやジャニス・ジョプリンやジム・モリスンの死であるとともに、ひとつの時代の精神の死でもあったのです。このお話のテーマは、「ラスベガスをやっつけろ」などと同様、「60年代とは、いったいなんだったのか?」というもの。そのテーマが、ひとりのナイーブな少女の成長物語とシンクロしながら語られていきます。
なお、本作のタイトルで、本文中でも触れられているInvisible Circusというのは実際にあったヒッピー集会で、1967年の2月24日から26日までの3日間、シスコのGlide Churchで開かれました。下はそのときの(サイケデリック)ポスターです。

原作は1996年の作ですが、2001年にキャメロン・ディアズの主演で映画化されています。(邦題「姉のいた夏、いない夏」)。未見ですが、オフィシャルサイトを見る限り、年代や場所や人物設定がやや原作と異なっているようです。

ジェネオン エンタテインメント
姉のいた夏、いない夏
第37回 Nuggets Box

Various Artists
Nuggets: Original Artyfacts From The First Psychedelic Era 1965-1968
サイケ関連のコンピといえば、基本はやはりこれ。実は当ブログのタイトル/プロフィール画像はこのコンピのジャケ画から拝借したものです。
シングル曲中心の(今となっては)入門編といった選曲で、ガレージ的な色合いが強く、サイケデリックというよりガレージパンクのコンピといったほうが正確でしょう。そのへん、まったりとしたサイケ/アシッドロックの世界に深く沈潜した耳には物足りなく感じるかもしれませんが、やはり60s好きとしては、このボックスは外せないところです。
現在Nuggetsとして最も有名なのが上のCD4枚組のボックスセット(1998)だと思いますが、元々は1972年に2枚組LPとして発売された60sガレージ・コンピのパイオニア的存在のアルバムでした。4CDボックスは、1枚目のディスクにオリジナルLPからの27曲を収録し、さらに新たに編集された91曲からなる3枚のCDを追加したセットになっています。
このほかNuggetsシリーズとしては、英国を中心に世界各地から集められた続編の4枚組ボックス(Nuggets II)や、ダイジェスト盤など、いろんな種類が出ています。先日(9月27日)にはChildren Of Nuggetsと題する70~90年代物のコンピまで発売されました。

Various Artists
Nuggets, Vol. 2: Original Artyfacts From the British Empire & Beyond

Various Artists
Children of Nuggets: Original Artyfacts from the Second Psychedelic Era - 1976-1995

Various Artists
Nuggets from Nuggets: Choice Artyfacts from First Psychedelic Era

Various Artists
Nuggets: A Classic Collection from the Psychedelic Sixties
第36回 Electric Psychedelic Sitar Headswirlers
このコーナー初のコンピ物です。以前チラッと触れたときには、(現在まで)全9巻のうち所有していたのは6巻でしたが、あれからなんとか残り3巻をゲットして全巻そろえることができました。(なんだか、いつにない達成感と充足感・・・。持ってなかった第5巻に、先日紹介したMagic Carpetがしっかり入ってたのもうれしい。)
コンピのテーマは単純にして明快。「シタールの入ってる曲」、それだけです。曲調はポップでもシタールが入ってるだけでサイケになってしまうところが面白いのですが、特にこのシリーズはまったりとしたアシッド感のある曲が中心に選ばれているように思います。
大半が英米の60sサイケ(それも通好みっぽい選曲)ですが、70年代から近年のネオサイケまで、世界各地・様々のジャンルのサイケ/アシッドなシタールチューンが散りばめられているのも、このコンピの特色です。(日本勢の、Mops, Flower Travelling Band, J.A. Caesar, The Ghostなどが収録されていることからも、その濃さが想像できるでしょう。) まったく知らなかったようなアーティストも数多く、いまではお気に入りのBobby CallenderやErkin Koray、Paper Gardenなども、このコンピで初めて聴いたのがきっかけでした。
記事を書く前にひととおり聴き直すことにしているのですが、全9巻、約11時間はさすがに濃厚で、トリップしまくって(タイトルどおり)頭がクラクラしてしまいました。私が所有するサイケ関連のコンピの中でも最大級の充実度で、かなりコアなサイケファンでも満足できる内容ではないかと思います。ただ、残念ながら現在入手は容易ではないようで、amazonでも第6巻のみ(しかも在庫切れ)しかないようです。以下、各巻のジャケ画像をクリックすると、トラックリストのページが開きます。
Vol.1

Vo.2

Vol.3

Vol.4

Vol.5

Vol.6

Vol.7

Vol.8

Vol.9
コンピのテーマは単純にして明快。「シタールの入ってる曲」、それだけです。曲調はポップでもシタールが入ってるだけでサイケになってしまうところが面白いのですが、特にこのシリーズはまったりとしたアシッド感のある曲が中心に選ばれているように思います。
大半が英米の60sサイケ(それも通好みっぽい選曲)ですが、70年代から近年のネオサイケまで、世界各地・様々のジャンルのサイケ/アシッドなシタールチューンが散りばめられているのも、このコンピの特色です。(日本勢の、Mops, Flower Travelling Band, J.A. Caesar, The Ghostなどが収録されていることからも、その濃さが想像できるでしょう。) まったく知らなかったようなアーティストも数多く、いまではお気に入りのBobby CallenderやErkin Koray、Paper Gardenなども、このコンピで初めて聴いたのがきっかけでした。
記事を書く前にひととおり聴き直すことにしているのですが、全9巻、約11時間はさすがに濃厚で、トリップしまくって(タイトルどおり)頭がクラクラしてしまいました。私が所有するサイケ関連のコンピの中でも最大級の充実度で、かなりコアなサイケファンでも満足できる内容ではないかと思います。ただ、残念ながら現在入手は容易ではないようで、amazonでも第6巻のみ(しかも在庫切れ)しかないようです。以下、各巻のジャケ画像をクリックすると、トラックリストのページが開きます。
Vol.1

Vo.2

Vol.3

Vol.4

Vol.5

Vol.6

Vol.7

Vol.8

Vol.9

レココレ・サイケ特集号の索引
レコード・コレクターズ2002年7月号「サイケデリックの狂乱」の特集記事にはアーティスト・インデクスがなくて不便だったので、自分で作ることにしました。プリントアウトしてご利用ください。(通例、最初にくる人名はLast Nameを先頭に出しています。巻頭グラビアのジャケ写真のみのアーティストも載せてあります。)
[A]
Afterglow 90
American Blues 39, 64
Angelo, Michael 71
Ant Trip Ceremony 64
Art of Lovin', The 38
Arthur 82
Astral Projection, The 90
[B]
Bachs, The 78
Bards, The 98
Baroques, The 40, 76
Basho, Robbie 107
Beach Boys, The 86
Beat of the Earth, The 30, 63
Beaver/Krause 106
Berberian, John & the Rock East Ensemble 38
Birmingham Sunday 26
Blackburn & Snow 98
Blaine, Hal 115
Blessed End 35
Blue Cheer 64
Blues Magoos 40, 74
Blue Things, The 74
Bohemian Vendetta 38, 64
Bow Street Runners 30, 69
Brain Police, The 27
Brigade 29
Bump 33
Burnt Suite 35
Byrds, The 90
[C]
C.A. Quintet 30, 60
Cale, John 107
Carlos, Walter 105
Ceyleib People, The 65
Chamaeleon Church 90
Chambers Brothers, The 111
Charlatans, The 61, 98
Chocolate Watch Band 76
Christopher 31
Chrysalis 90
Chuck & Merry Perrin 84
Circus Maximus 40
Cohran, Philip & the Artistic Heritage Ensemble 107
Cold Sun 28
Common People, The 67
Conrad, Tony 104
Corpus 35
Cosmic Michael 35
Count Five 74
Crash Coffin 35
Creme Soda 34, 71
Cromagnon 105
Crome Syrcus, The 40
Crystal Circus, The 26
Crystalaugur 32
Cykle 33
[D]
D.R. Hooker 34, 70
Damon 29, 67
Darius 34, 67
David, The 36
December's Children 38
Deep, The 34, 58
Dialogue 85
Dimensions, The 74
Don & the Good Times 77
Dragonfly 36
Dragonwyck 28
(Bill Holt's) Dreamies 106
Druids of Stonehenge, The 77
[E]
Eih, Damin, A.L.K. and Brother Clark 71
Electric Prunes, The 40, 77
Electric Toilet, The 34
Elizabeth 37
Ellie Pop 38
Eternity's Children 87
Euphoria 93
[F]
Fahey, John 103
Faine Jade 34, 82
Fallen Angels 36, 82
Fantastic Dee-Jays, The 75
Feminine Complex, The 98
Fifty Foot Hose 68
Finchley Boys 36
Fine, Pete 31
Fischbach, Ernie & Charles Ewing 105
Flat Earth Society 35, 78
Flow, The 31
Fraction 70
Freak Scene, The 63
Fredric, The 91
Freeborne, The 37, 63
Fun and Games, The 91
Funkadelic 111
[G]
Gandalf 61
Gentle Soul 87
Glory 83
Golden Dawn, The 63
Goldenrod 36, 65
Great Society, The 98
Group Image, The 40
Growing Concern, The 38, 65
[H]
H.P. Lovecraft 40
Haack, Bruce 106
Half Tribe 75
Haymarket Square 29
Headstone 35
Henske, Judy & Jerry Yester 82
Hickory Wind 32, 68
Holy Ghost Reception Committee #9, The 79
Holy Modal Rounders, The 82
Homer 34
Hootch 32
Hosanna 35
Human Zoo, The 35
Hunger! 33, 68
[I]
Id, The 77
Ill Wind, The 37, 65
Index 32, 58, 79
Iron Lung 34
Ivers, Peter 83
[J]
Jelly Bean Bandits 38
Josefus 69
[K]
Kak 37, 61
Kaleidoscope 40
Kali, Maitreya 31, 81
Kennelmus 29
Kenny & the Kasuals 77
Khazad-Doom 30
Koala, The 40
[L]
Lazy Smoke 32, 68, 99
Leather-Coated Minds, The 36, 89
Leaves, The 75
Levinson, Paul 85
Listening 39
Litter, The 34, 73
Lollipop Shoppe, The 79
Lost and Found 39
Love 75, 86
Love Exchange, The 91
Lund, Garrett 31
Luv'd Ones, The 99
[M]
MacLise, Angus 104
Mad River 65
Majic Ship 33, 66
Mandrake Memorial, The 39
Marble Phrogg 66
Marcus, Steve 109
Mary Butterworth 33
Maze, The 37, 66
Merkin 34
Michele 93
Mij 84
Milkwood Tapestry 93
Millennium, The 87
Misunderstood, The 99
Mojo Men 99
Monkees, The 91
Monks 75
Montenegro, Hugo 115
Morgen, Steve 37, 66
Morly Grey 70
Morning Dew 36
Mountain Bus 36
Mourning Reign, The 99
Mouse & the Traps 100
Moving Sidewalks, The 62
Mu 62
Music Emporium 29, 62
Music Machine, The 72
Musica Elettronica Viva 105
Mystery Trend, The 100
Mystic Siva 30, 70
[N]
Nazz 40, 79
Nehls, Tom 85
Neighb'rhood Childr'n 59
Neil, Fred 83
Neutral Spirits 34
New Colony Six 76
New Tweedy Brothers, The 25, 66
New Wave, The 89
Night Shadow 30, 79
Nightcrawlers, The 78
[O]
October Country 91
Odyssey 27
101 Strings 115
One St. Stephen 33
Orange Colored Sky 92
Orient Express, The 38
Orpheus 89
Other Half, The 59
[P]
Painted Faces 100
Paisleys, The 36
Palestine, Charlemagne 107
Paper Garden 38
Patron Saints, The 29, 81
Peanut Butter Conspiracy, The 88
Pearls Before Swine 83
Perhacs, Linda 84
Pomerance, Erica 80
Powder 100
Probe 32
[Q]
Queen's Nectarine Machine, The 39
? & the Mysterians 76
Quicksilver Messenger Service 60
[R]
Rascals, The 92
Rebecca & the Sunny Brook Farmers 38
Red Crayola 39, 63
Remains, The 73
Richards, Emil 115
Riley, Terry 103
Rising Storm, The 78
Rockin' Ramrods, The 100
Roe, Tommy 89
[S]
Sagittarius 92
Saint Steven 39, 68
Santamaria, Mongo 109
Satan & Deciples 39
Search Party 69
Seeds, The 40, 73
Shadows of Knight, The 76
Shadrack Chameleon 71
Shank, Bud 109
Silver Apples 103
Smith, Bob 36
Smoke, The 88
Sonics, The 72
Sons of Champlin, The 101
Sound of Feeling, The 106
Southwest F.O.B. 92
Spence, Alexander 81
Spur 36
SRC 67
Stone Circus 38
Stone Country 92
Stone Harbour 34, 71
Stoughton, David 83
Strawberry Alarm Clock 40, 88
Subotnick, Morton 105
Sumac, Yma 115
Summer Sounds 78
Sundowners, The 93
Szabo, Gabor & the California Dreamers 109
[T]
Tayles 35
Tea Company, The 39, 67
Tempos, The 74
Thiele, Bob & His New Happy Times Orchestra/Gabor Szabo 109
Things to Come 101
Third Power 69
13th Floor Elevators, The 37, 59
Thompson, Mayo 84
Tingling Mother's Circus, The 38
Trimble, Bobb 85
Tripsichord (Music Box) 70
Troll, The 39
Tuck, Friar & His Psychedelic Guitar 89
Turnquist Remedy 39
[U]
Undisputed Truth, The 111
United States of America, The 60
[V]
Vagrants, The 101
Valente, Dino 80
Virgin Insanity 84
[W]
Waters, Muddy 111
We the People 101
Wendy & Bonnie 93
West Coast Pop Art Experimental Band, The 37, 64
Whalefeathers 36
Wilson, Gary 85
Wizard 35
Wizards From Kansas, The 69
Wolf, Howlin' 111
Wolff, Henry & Nancy Hennings 106
[Y]
Yahowa 104
Yama & the Karma Dusters 35
Yellow Balloon, The 101
Young, La Monte 107
[Z]
Zoo 39
本文中の誤表記と思われるものは訂正してあります。
(P.63) Red Crayora → Red Crayola
(P.65) Ceylieb People → Ceyleib People
(P.82) Fallin Angels → Fallen Angels
(P.85) Bob Trimble → Bobb Trimble
[A]
Afterglow 90
American Blues 39, 64
Angelo, Michael 71
Ant Trip Ceremony 64
Art of Lovin', The 38
Arthur 82
Astral Projection, The 90
[B]
Bachs, The 78
Bards, The 98
Baroques, The 40, 76
Basho, Robbie 107
Beach Boys, The 86
Beat of the Earth, The 30, 63
Beaver/Krause 106
Berberian, John & the Rock East Ensemble 38
Birmingham Sunday 26
Blackburn & Snow 98
Blaine, Hal 115
Blessed End 35
Blue Cheer 64
Blues Magoos 40, 74
Blue Things, The 74
Bohemian Vendetta 38, 64
Bow Street Runners 30, 69
Brain Police, The 27
Brigade 29
Bump 33
Burnt Suite 35
Byrds, The 90
[C]
C.A. Quintet 30, 60
Cale, John 107
Carlos, Walter 105
Ceyleib People, The 65
Chamaeleon Church 90
Chambers Brothers, The 111
Charlatans, The 61, 98
Chocolate Watch Band 76
Christopher 31
Chrysalis 90
Chuck & Merry Perrin 84
Circus Maximus 40
Cohran, Philip & the Artistic Heritage Ensemble 107
Cold Sun 28
Common People, The 67
Conrad, Tony 104
Corpus 35
Cosmic Michael 35
Count Five 74
Crash Coffin 35
Creme Soda 34, 71
Cromagnon 105
Crome Syrcus, The 40
Crystal Circus, The 26
Crystalaugur 32
Cykle 33
[D]
D.R. Hooker 34, 70
Damon 29, 67
Darius 34, 67
David, The 36
December's Children 38
Deep, The 34, 58
Dialogue 85
Dimensions, The 74
Don & the Good Times 77
Dragonfly 36
Dragonwyck 28
(Bill Holt's) Dreamies 106
Druids of Stonehenge, The 77
[E]
Eih, Damin, A.L.K. and Brother Clark 71
Electric Prunes, The 40, 77
Electric Toilet, The 34
Elizabeth 37
Ellie Pop 38
Eternity's Children 87
Euphoria 93
[F]
Fahey, John 103
Faine Jade 34, 82
Fallen Angels 36, 82
Fantastic Dee-Jays, The 75
Feminine Complex, The 98
Fifty Foot Hose 68
Finchley Boys 36
Fine, Pete 31
Fischbach, Ernie & Charles Ewing 105
Flat Earth Society 35, 78
Flow, The 31
Fraction 70
Freak Scene, The 63
Fredric, The 91
Freeborne, The 37, 63
Fun and Games, The 91
Funkadelic 111
[G]
Gandalf 61
Gentle Soul 87
Glory 83
Golden Dawn, The 63
Goldenrod 36, 65
Great Society, The 98
Group Image, The 40
Growing Concern, The 38, 65
[H]
H.P. Lovecraft 40
Haack, Bruce 106
Half Tribe 75
Haymarket Square 29
Headstone 35
Henske, Judy & Jerry Yester 82
Hickory Wind 32, 68
Holy Ghost Reception Committee #9, The 79
Holy Modal Rounders, The 82
Homer 34
Hootch 32
Hosanna 35
Human Zoo, The 35
Hunger! 33, 68
[I]
Id, The 77
Ill Wind, The 37, 65
Index 32, 58, 79
Iron Lung 34
Ivers, Peter 83
[J]
Jelly Bean Bandits 38
Josefus 69
[K]
Kak 37, 61
Kaleidoscope 40
Kali, Maitreya 31, 81
Kennelmus 29
Kenny & the Kasuals 77
Khazad-Doom 30
Koala, The 40
[L]
Lazy Smoke 32, 68, 99
Leather-Coated Minds, The 36, 89
Leaves, The 75
Levinson, Paul 85
Listening 39
Litter, The 34, 73
Lollipop Shoppe, The 79
Lost and Found 39
Love 75, 86
Love Exchange, The 91
Lund, Garrett 31
Luv'd Ones, The 99
[M]
MacLise, Angus 104
Mad River 65
Majic Ship 33, 66
Mandrake Memorial, The 39
Marble Phrogg 66
Marcus, Steve 109
Mary Butterworth 33
Maze, The 37, 66
Merkin 34
Michele 93
Mij 84
Milkwood Tapestry 93
Millennium, The 87
Misunderstood, The 99
Mojo Men 99
Monkees, The 91
Monks 75
Montenegro, Hugo 115
Morgen, Steve 37, 66
Morly Grey 70
Morning Dew 36
Mountain Bus 36
Mourning Reign, The 99
Mouse & the Traps 100
Moving Sidewalks, The 62
Mu 62
Music Emporium 29, 62
Music Machine, The 72
Musica Elettronica Viva 105
Mystery Trend, The 100
Mystic Siva 30, 70
[N]
Nazz 40, 79
Nehls, Tom 85
Neighb'rhood Childr'n 59
Neil, Fred 83
Neutral Spirits 34
New Colony Six 76
New Tweedy Brothers, The 25, 66
New Wave, The 89
Night Shadow 30, 79
Nightcrawlers, The 78
[O]
October Country 91
Odyssey 27
101 Strings 115
One St. Stephen 33
Orange Colored Sky 92
Orient Express, The 38
Orpheus 89
Other Half, The 59
[P]
Painted Faces 100
Paisleys, The 36
Palestine, Charlemagne 107
Paper Garden 38
Patron Saints, The 29, 81
Peanut Butter Conspiracy, The 88
Pearls Before Swine 83
Perhacs, Linda 84
Pomerance, Erica 80
Powder 100
Probe 32
[Q]
Queen's Nectarine Machine, The 39
? & the Mysterians 76
Quicksilver Messenger Service 60
[R]
Rascals, The 92
Rebecca & the Sunny Brook Farmers 38
Red Crayola 39, 63
Remains, The 73
Richards, Emil 115
Riley, Terry 103
Rising Storm, The 78
Rockin' Ramrods, The 100
Roe, Tommy 89
[S]
Sagittarius 92
Saint Steven 39, 68
Santamaria, Mongo 109
Satan & Deciples 39
Search Party 69
Seeds, The 40, 73
Shadows of Knight, The 76
Shadrack Chameleon 71
Shank, Bud 109
Silver Apples 103
Smith, Bob 36
Smoke, The 88
Sonics, The 72
Sons of Champlin, The 101
Sound of Feeling, The 106
Southwest F.O.B. 92
Spence, Alexander 81
Spur 36
SRC 67
Stone Circus 38
Stone Country 92
Stone Harbour 34, 71
Stoughton, David 83
Strawberry Alarm Clock 40, 88
Subotnick, Morton 105
Sumac, Yma 115
Summer Sounds 78
Sundowners, The 93
Szabo, Gabor & the California Dreamers 109
[T]
Tayles 35
Tea Company, The 39, 67
Tempos, The 74
Thiele, Bob & His New Happy Times Orchestra/Gabor Szabo 109
Things to Come 101
Third Power 69
13th Floor Elevators, The 37, 59
Thompson, Mayo 84
Tingling Mother's Circus, The 38
Trimble, Bobb 85
Tripsichord (Music Box) 70
Troll, The 39
Tuck, Friar & His Psychedelic Guitar 89
Turnquist Remedy 39
[U]
Undisputed Truth, The 111
United States of America, The 60
[V]
Vagrants, The 101
Valente, Dino 80
Virgin Insanity 84
[W]
Waters, Muddy 111
We the People 101
Wendy & Bonnie 93
West Coast Pop Art Experimental Band, The 37, 64
Whalefeathers 36
Wilson, Gary 85
Wizard 35
Wizards From Kansas, The 69
Wolf, Howlin' 111
Wolff, Henry & Nancy Hennings 106
[Y]
Yahowa 104
Yama & the Karma Dusters 35
Yellow Balloon, The 101
Young, La Monte 107
[Z]
Zoo 39
本文中の誤表記と思われるものは訂正してあります。
(P.63) Red Crayora → Red Crayola
(P.65) Ceylieb People → Ceyleib People
(P.82) Fallin Angels → Fallen Angels
(P.85) Bob Trimble → Bobb Trimble
第35回 Linda Perhacs

Linda Perhacs
Parallelograms
1970年の"Parallelograms"たった一作でアシッドフォークの女王の名をほしいままにしてきたリンダ・パーハクスですが、近年までその正体は謎につつまれていました。長い間ハワイのアーティストと思われていましたが、「いや実は西海岸の人らしい」とか、「西海岸出身だがアルバム制作当時はハワイに住んでいたらしい」とか、情報が錯綜していました(*1)。1998年の再発の際レコード会社が消息をたずねた時は不明だったのですが、数年前に所在をつきとめて、彼女からオリジナルのマスターテープを借り受け、ようやく2003年にボーナストラックを含むリマスタ盤CDが発売されました。
そして、リンダは今年になって(35年ぶりに!)活動を再開し、オフィシャルサイトを立ち上げました。それによると、彼女はロサンゼルス近郊のサン・フェルナンド・バレー出身の歯科衛生士で、Parallelogramsのプロデュースを担当した映画音楽家のLeonard Rosenman(「エデンの東」、「理由なき反抗」、「ミクロの決死圏」、TVシリーズの「コンバット」等々)とは、そもそも(歯医者の)患者として知り合ったのだそうです。おそらく彼女がプライベートで録音したテープを聴いたのかもしれません、その歌に惚れ込んだレナードが説得してレコーディングさせたとのことです。フルタイムのミュージシャンとして身を立てる気のなかったリンダは、アルバムがほとんど話題にならなかったこともあって、その後はシーンから姿を消してしまいます。
さて、その音楽ですが、この人、あちらの世界を見てしまっています。一見ジョニ・ミッチェルに似たプレーンなSSW風スタイルですが、静かな水面の下をひとたび覗き込むと、そこには底知れぬ深さの深淵が広がっているといった趣きで、日常の風景の亀裂から背後のマクロ的宇宙の存在を窺わせるようなイメージとアシッド感覚に充ちています。その美しくも鮮烈な感覚が、ふだんは眠っていて活動していなかった脳の深部に直接響いてくるような、スピリチュアルで神秘的な音楽の言葉で淡々と綴られていきます。
聴く者の精神状態によっては、まったく違ったニュアンスに聴こえてくるたぐいの音なので、特に、いつしかパラレルワールドへとトリップしてしまう表題曲などは、マタニティ・ブルーの女性とか鬱気味の方は注意されたほうがいいかもしれません。ちなみに、オフィシャルサイトのMUSICのページに、2005年バージョンの(シタール入り!)Parallelogramsが、映像つきでアップされています。ぜひFull Screenで観てみてください。でも、私はやはりオリジナルの方が良いですが・・・。(サイトでグッズ販売なんかしてたり、かなりイメージが変わって複雑な気持ちもあります。)
追記:紙ジャケ盤はこちら。
*1
楽曲(全曲オリジナル)の版権がハワイの音楽出版社にあったことから、このような話になったようですが、音にハワイ的なものを感じさせる要素は特にありません。レココレのサイケ特集号の、「ハワイの大気、自然に息づくもの・・・」みたいに、ハワイに言及した評をたまに見受けますが、もし、まったくハワイとは無関係なら、ちょっと恥ずかしいかも・・・。私も間違った情報の先入観で、そういうレビューを書いてしまいそうなので気をつけねば・・・。
Neil Young / Prairie Wind

Neil Young
Prairie Wind ([CD+DVD]盤はこちら。)
Neil Youngは、Bob Dylan, Ry Cooder, Van Morrisonなどと並んで、新譜が出るとつい買ってしまう大御所のひとりです。先日(9月27日)発売された"Prairie Wind"は世間では相変わらず賛否両論(新しい試みへの賛否ではなく、逆に過去の焼き直し的な部分への賛否)があるようですが、私は「賛」の方でした。
確かに、驚くほどの新鮮さや強烈な印象はありませんが、静かな中に熾(おき)のような情熱を秘めた佳作で、少なくともここ十年くらいの作品の中では最も充実しているように感じます。私が最も好きなのは"On the Beach"(1974), "Tonight's the Night"(1975)あたりの、ちょっと疲れたような厭世観が漂う作品で、グランジとかへの接近でツッパってるようなニールはやや苦手なのですが、今回のアルバム(ナッシュビル録音)は、近作の中では"On the Beach"の頃に最も近い雰囲気の作品ではないかと思います。
そういえば、今年(2005年)発売されたVan MorrisonとRy Cooderの新譜も素晴らしい内容でした。三者に共通するのは、より一層のルーツ志向の深まりと、枯れた中にも諦観のような哀愁と温もりを感じさせる「熟」度でしょうか。(ちなみにNeilとVanは今年還暦です。) あとは、このところ過去音源(Bootleg Series)やサントラばかりで、"Love and Theft"(2001)以来新録が出ていないディランの新作が待ち遠しいところです。

Van Morrison
Magic Time

Ry Cooder
Chavez Ravine
第34回 West Coast Pop Art Experimental Band

The West Coast Pop Art Experimental Band
Part One
バンド名が仰々しいので誤解されそうですが、基本的にはチャーミングな楽曲が売りのソフトサイケ寄りのグループです。特に"Part One"(1967)は、Byrdsの"Notorious Byrd Brothers"やSagittarius, Millenniumにも伍する、フォークロック系ソフトサイケの名盤です。どの曲も素晴らしくて、最初に聴き終わった時もう一度掛け直さずにはいられないような魅力にあふれています。
ただ、ややこしいのは、メジャーデビュー作である"Part One"とは別に、それ以前に録音された音源による"Volume One"(*1)というタイトルが存在することです。さらに、(実質上の)2枚目、3枚目のアルバムはなぜか"Part Two", "Part Three"ではなく、"Vol. 2", "Vol. 3"となっているので、混同してしまうかもしれません。"Volume One"も瑞々しい若さが良いのですが、"You Really Got Me"のカバーに象徴されるようなガレージっぽいカバー曲が主体なので、これだけを聴いてバンドのイメージを描いている方は、ぜひ"Part One"も聴いてほしいと思います。
*1
元々のアルバムは"West Coast Pop Art Experimental Band"(1966)という自主制作盤で、これに未発表音源などを加えて1997年にSundazedから再発されたものが"Volume One"(1965-67)です。
このバンドで面白いのは、メンバー/プロデューサー(名義)のBob Markleyの存在です。彼は富裕な弁護士で、バンド加入当時は他のメンバーは十代だったのに、彼だけは三十歳くらいでした。楽器も弾けないし歌も歌えないために、ステージではタンバリンを持ってオフのマイクの前で口パクだったとか。彼がメンバーになりたがった理由は「女の子にモテたかったから」・・・。バンドのメンバーにしてくれたら機材を提供するという条件でした。他のメンバーにしてみると、それ以上にBobの持つ業界へのコネの方が重要だったのかもしれません。(Repriseとの契約は彼のおかげとも言われています。) ちなみに、実質上WCPAEBのラストアルバムともいえる"A Group"というタイトルがMarkleyのソロ名義で出されています。

サブタイトルの方で通ってるアルバムもあったりしてややこしいので、以下、WCPAEB関連のタイトルを録音年順にまとめてみました。
・West Coast Pop Art Experimental Band [1966] (Reissued as "Volume One" 1997)
・Part One [1967]
・Vol. 2 ("Breaking Through") [1967]
・Vol. 3 ("A Child's Guide to Good & Evil") [1968]
・Where's My Daddy [1969]
・Markley - A Group [1969?]

The West Coast Pop Art Experimental Band
West Coast Pop Art Experimental Band, Vol. 1

The West Coast Pop Art Experimental Band
West Coast Pop Art Experimental Band, Vol. 2

The West Coast Pop Art Experimental Band
A Child's Guide to Good and Evil
JA共祭 その16
さて、そろそろ持ちネタも尽きてきたようなので、このへんでひとまずお開きにしたいと思います。たぶん、「あ、これ忘れてた」というのがありそうですが、それはまた思いついたときにアップすることにします。Fairport ConventionとかPentangleなどの英国トラッド系や、ソフトロック勢にまで手を伸ばすと収拾がつかなくなりそうなので、それらはまた別の機会に・・・。
以下は「JA共祭」の前に当ブログに載せた女性ボーカル入り(または男女混声)バンドの記事へのリンクです。(別ウィンドウで開きます。)
Jefferson Airplane
Big Brother & the Holding Company
Mamas & the Papas
Mojo Men, Vejtables
Peanut Butter Conspiracy
We Five
Music Emporium
Ultimate Spinach
Ill Wind
The United States of America
最後に、ソフトロック系の男女混声グループの愛聴盤をいくつか、amazonへのリンクのみで載せておきます。(これらに関する情報は多いと思うので、詳細は割愛します。)

ロジャー・ニコルズ & ザ・スモール・サークル・オブ・フレンズ
ロジャー・ニコルズ & ザ・スモール・サークル・オブ・フレンズ

ソルト・ウォーター・タフィー
ファインダーズ・キーパーズ

The 5th Dimension
The Age of Aquarius

フリー・デザイン
カイツ・アー・ファン

エイス・デイ
オン
以下は「JA共祭」の前に当ブログに載せた女性ボーカル入り(または男女混声)バンドの記事へのリンクです。(別ウィンドウで開きます。)
Jefferson Airplane
Big Brother & the Holding Company
Mamas & the Papas
Mojo Men, Vejtables
Peanut Butter Conspiracy
We Five
Music Emporium
Ultimate Spinach
Ill Wind
The United States of America
最後に、ソフトロック系の男女混声グループの愛聴盤をいくつか、amazonへのリンクのみで載せておきます。(これらに関する情報は多いと思うので、詳細は割愛します。)

ロジャー・ニコルズ & ザ・スモール・サークル・オブ・フレンズ
ロジャー・ニコルズ & ザ・スモール・サークル・オブ・フレンズ

ソルト・ウォーター・タフィー
ファインダーズ・キーパーズ

The 5th Dimension
The Age of Aquarius

フリー・デザイン
カイツ・アー・ファン

エイス・デイ
オン
JA共祭 その15
Rotary Connection
「ラヴィン・ユー」の故ミニー・リパートンが在籍していた男女混声グループ。ポップス、ソウル、ロック、ジャズ・・・といった幅広い形態にサイケデリックな味付けをしたスタイルがユニークです。ただ、リアルタイムでほとんど売れなかったのが先進的なフュージョン性にあったにしても、ミニーがメジャーになってからもあまり評判にならないようなのも、そのようなハイブリッドなスタイルが、バンドの長所であると共に、明確な方向性を弱めるという短所にもなっているからなのかもしれません。
シタールやファズギター、まったりとしたトリップ感などのサイケな要素も多いのですが、概して60年代ポップス的なアレンジが主体で、オーケストラアレンジもやや過剰気味だったりするのが、コアなサイケファンにはツラいところかもしれません。それでも私はけっこう手が伸びて聴いてしまいます。これはやはり素晴らしくキュートなミニーのボーカルの魅力によるものでしょう。最もフラワーな黒人女性ボーカリストのひとりであるということに異論はないと思います。
アルバムは67年から71年までに6枚ほど出ていますが、私はロックのスタンダードのカバーを多数含んだ、デビュー作および4枚目の"Songs"(1969)をよく聴きます。(2ndの"Aladdin"はほとんどがオリジナル曲。Fuzz, Acid & Flowersで、"...one of the very few examples of psychedelic Christmas songs. Imagine Silent Night with distorted guitars! "と評されている3rdの"Peace"は残念ながら未聴です。)

Rotary Connection
Rotary Connection
The Children
テキサス出身の男女混声バンド。ソフトロックからヘヴィサイケまで、さまざまに色合いを変えながら、緻密で複雑な展開をする前プログレ的な楽曲が最大の特徴です。しっかりしたアレンジのストリングスが入ってたりと、メジャー級のバンドにも劣らぬ丁寧なプロダクションのソフトサイケの佳作です。
Gear Fabから出ているCDは、唯一のアルバム"Rebirth"(1968)に加え、前半に前身バンドのStoics, Argyles, Mind's Eyeからの音源、後半にThe Childrenの未発表音源を収録したコンピレーションです。女性ボーカルが加わる前の前身バンドが、まったく色合いの異なるガレージパンク系の音なのが面白い。

The Children
Rebirth
「ラヴィン・ユー」の故ミニー・リパートンが在籍していた男女混声グループ。ポップス、ソウル、ロック、ジャズ・・・といった幅広い形態にサイケデリックな味付けをしたスタイルがユニークです。ただ、リアルタイムでほとんど売れなかったのが先進的なフュージョン性にあったにしても、ミニーがメジャーになってからもあまり評判にならないようなのも、そのようなハイブリッドなスタイルが、バンドの長所であると共に、明確な方向性を弱めるという短所にもなっているからなのかもしれません。
シタールやファズギター、まったりとしたトリップ感などのサイケな要素も多いのですが、概して60年代ポップス的なアレンジが主体で、オーケストラアレンジもやや過剰気味だったりするのが、コアなサイケファンにはツラいところかもしれません。それでも私はけっこう手が伸びて聴いてしまいます。これはやはり素晴らしくキュートなミニーのボーカルの魅力によるものでしょう。最もフラワーな黒人女性ボーカリストのひとりであるということに異論はないと思います。
アルバムは67年から71年までに6枚ほど出ていますが、私はロックのスタンダードのカバーを多数含んだ、デビュー作および4枚目の"Songs"(1969)をよく聴きます。(2ndの"Aladdin"はほとんどがオリジナル曲。Fuzz, Acid & Flowersで、"...one of the very few examples of psychedelic Christmas songs. Imagine Silent Night with distorted guitars! "と評されている3rdの"Peace"は残念ながら未聴です。)

Rotary Connection
Rotary Connection
The Children
テキサス出身の男女混声バンド。ソフトロックからヘヴィサイケまで、さまざまに色合いを変えながら、緻密で複雑な展開をする前プログレ的な楽曲が最大の特徴です。しっかりしたアレンジのストリングスが入ってたりと、メジャー級のバンドにも劣らぬ丁寧なプロダクションのソフトサイケの佳作です。
Gear Fabから出ているCDは、唯一のアルバム"Rebirth"(1968)に加え、前半に前身バンドのStoics, Argyles, Mind's Eyeからの音源、後半にThe Childrenの未発表音源を収録したコンピレーションです。女性ボーカルが加わる前の前身バンドが、まったく色合いの異なるガレージパンク系の音なのが面白い。

The Children
Rebirth
JA共祭 その14
The Fool
ご存知、ビートルズのサイケ仲間、オランダのデザイナー集団のザ・フールです(*1)。でも、彼らの(唯一の)アルバム(1969)を聴いたことある人はそれほど多くないのではないでしょうか? 自分が最近まで聴いたことなかったので、そう思えるだけかもしれませんが・・・。
内容は、びっくりするほど素晴らしいというものでもありませんが、予想以上に充実した佳品でした。サイケデリックというよりフラワーミュージックといった方がぴったりする、ジャケットをそのまま音にしたようなチャーミングなアルバムです。スタイルはIncredible String Bandをもっとフラワー&ポップにしたようなエスニック・フォークで、ウードやタブラといった東洋系の楽器にバグパイプが加わるという、怪しげでサイケなトラッド感覚が面白い。プロデュースはHollies~CS&NのGraham Nashで、CDは今年Rev-Olaから2曲のボーナストラック入りのものが出ました。

The Fool
The Fool
*1
60年代後半にオランダから英国に渡り、Beatles, Cream, Hollies, Incredible String Bandなどのアート制作に携わりました。最も有名なのはビートルズのアップル・ブティックの壁画やジョン・レノンのロールス・ロイスへのサイケなペイントでしょう。アルバムジャケットでは、The Moveの1st。Holliesの"Evolution"、ISBの"5000 Spirits or the Layers of the Onion"なども彼らの仕事です。ちなみに、アルバムのレコーディングメンバーは男2人+女2人の4人組。
Magic Carpet
これは完全に意表を突かれてしまいました。英国のバンドの1972年の作ということで、よくある女性入りのトラッドフォークかプログレ系だろうと高をくくっていたのですが、開けてびっくりの超コアなラーガ・サイケデリアでした。
ラーガロックが売りの60s米国サイケバンドでさえシタールを使ったような曲はアルバムに数曲ということが多いのですが、このバンドのメンバーにはシタール奏者とタブラ奏者がいて、最初から最後までビョ~ンビヨ~ンのシタールとポンポコスッポコのタブラのラーガサウンド攻め! 一点集中主義のピンポイント攻撃。ありそうで、なかなかなかった世界遺産級の逸品です。
しかも、その音に素晴らしくフラワーな女性ボーカルが乗っかるので、好きな人間にはたまらないものがあります。まったりとしたアシッド感覚なども60年代アメリカのサイケ&フラワーに近いもので、「英国サイケはちょっと・・・」という方も抵抗なく聴けると思います。オススメ!

Magic Carpet
Magic Carpet
Reign Ghost
カナダのトロントのグループで、カナディアンサイケでは有名どころのChristmasのリーダーのBob Brydenが、Christmas結成以前に率いていた男女混声バンドです。音はファズギター+チープオルガン+フラワーな女性ボーカルという、本場の米国産よりもホンモノっぽい、まったりとしたアシッド感覚あふれる王道サイケです。
クライマックスはラスト2曲で、(単に男女がハモるのではなく)自由にリードを歌い合うというJAスタイルのボーカルや、ギターとオルガンがユニゾンでテーマを奏でるといった(私好みの)ツボをしっかりと刺激してくれます。強烈な個性こそありませんが、ファンには安心して聴ける一枚で、私はChristmasよりもむしろこちらの方を愛聴しています。
アルバムはこの1969年のセイムタイトルと、(未聴ですが)もう一枚"Reign Ghost: Featuring Lynda Squires"というクレジットのセカンド(1970)が出ています。
追記:
その後セカンドも聴きましたが、前作に勝るとも劣らぬ内容で、とても70年の音とは思えない、音数の少ない隙間だらけの素晴らしいアシッドフォークロック作品でした。

Reign Ghost
Reign Ghost
(試聴はこちら。)

Reign Ghost
Reign Ghost Featuring Lynda Squires
ご存知、ビートルズのサイケ仲間、オランダのデザイナー集団のザ・フールです(*1)。でも、彼らの(唯一の)アルバム(1969)を聴いたことある人はそれほど多くないのではないでしょうか? 自分が最近まで聴いたことなかったので、そう思えるだけかもしれませんが・・・。
内容は、びっくりするほど素晴らしいというものでもありませんが、予想以上に充実した佳品でした。サイケデリックというよりフラワーミュージックといった方がぴったりする、ジャケットをそのまま音にしたようなチャーミングなアルバムです。スタイルはIncredible String Bandをもっとフラワー&ポップにしたようなエスニック・フォークで、ウードやタブラといった東洋系の楽器にバグパイプが加わるという、怪しげでサイケなトラッド感覚が面白い。プロデュースはHollies~CS&NのGraham Nashで、CDは今年Rev-Olaから2曲のボーナストラック入りのものが出ました。

The Fool
The Fool
*1
60年代後半にオランダから英国に渡り、Beatles, Cream, Hollies, Incredible String Bandなどのアート制作に携わりました。最も有名なのはビートルズのアップル・ブティックの壁画やジョン・レノンのロールス・ロイスへのサイケなペイントでしょう。アルバムジャケットでは、The Moveの1st。Holliesの"Evolution"、ISBの"5000 Spirits or the Layers of the Onion"なども彼らの仕事です。ちなみに、アルバムのレコーディングメンバーは男2人+女2人の4人組。
Magic Carpet
これは完全に意表を突かれてしまいました。英国のバンドの1972年の作ということで、よくある女性入りのトラッドフォークかプログレ系だろうと高をくくっていたのですが、開けてびっくりの超コアなラーガ・サイケデリアでした。
ラーガロックが売りの60s米国サイケバンドでさえシタールを使ったような曲はアルバムに数曲ということが多いのですが、このバンドのメンバーにはシタール奏者とタブラ奏者がいて、最初から最後までビョ~ンビヨ~ンのシタールとポンポコスッポコのタブラのラーガサウンド攻め! 一点集中主義のピンポイント攻撃。ありそうで、なかなかなかった世界遺産級の逸品です。
しかも、その音に素晴らしくフラワーな女性ボーカルが乗っかるので、好きな人間にはたまらないものがあります。まったりとしたアシッド感覚なども60年代アメリカのサイケ&フラワーに近いもので、「英国サイケはちょっと・・・」という方も抵抗なく聴けると思います。オススメ!

Magic Carpet
Magic Carpet
Reign Ghost
カナダのトロントのグループで、カナディアンサイケでは有名どころのChristmasのリーダーのBob Brydenが、Christmas結成以前に率いていた男女混声バンドです。音はファズギター+チープオルガン+フラワーな女性ボーカルという、本場の米国産よりもホンモノっぽい、まったりとしたアシッド感覚あふれる王道サイケです。
クライマックスはラスト2曲で、(単に男女がハモるのではなく)自由にリードを歌い合うというJAスタイルのボーカルや、ギターとオルガンがユニゾンでテーマを奏でるといった(私好みの)ツボをしっかりと刺激してくれます。強烈な個性こそありませんが、ファンには安心して聴ける一枚で、私はChristmasよりもむしろこちらの方を愛聴しています。
アルバムはこの1969年のセイムタイトルと、(未聴ですが)もう一枚"Reign Ghost: Featuring Lynda Squires"というクレジットのセカンド(1970)が出ています。
追記:
その後セカンドも聴きましたが、前作に勝るとも劣らぬ内容で、とても70年の音とは思えない、音数の少ない隙間だらけの素晴らしいアシッドフォークロック作品でした。

Reign Ghost
Reign Ghost
(試聴はこちら。)

Reign Ghost
Reign Ghost Featuring Lynda Squires