ついにこの日がきてしまいました。「東京クロノス」の発売日です!!

 

いや~、新作のリリースをここまで待ち遠しく思ったのは「FOCUS on YOU」以来じゃないかな?(先月じゃねぇか) とにかく楽しみで、日付が変わったと同時にプレイを始めて、朝9時まで遊びっぱなし。今日は夕方に起きたよ(笑)

 

んで、もう最初に書いちゃいます…

 

2019年の暫定NO.1VRゲームです!!!!

 

年末にランキングをやるから順位を明かすのは避けるようにしているんだけど、作品の感動を伝えるためにはこの方法しかないと判断。頼むから買って自分の目で確かめてくれよ!!って感じ。

 

それどころか、俺の中のVRゲームの概念を変えたというか…、なんか"一区切りついた"という感覚すらあるね。求め続けていたものが理想的な形で提示された満足感で燃え尽きた感じ。

 

 

んで、これから色々と語っていきたいんだけど…、これがまた難しいんだわ。

 

ミステリー色の強い作品であることに加え、前知識なしの方が楽しめるサプライズ演出も多い。下手にスクショを貼ったり、システムを説明したりすると、それがネタバレに直結してしまう。

 

だから、こんな日記なんて読まずに、今すぐPSストアに駆け込んで欲しいっていうのが本音なのよ。これは他の作品でも言えること。百聞は一見にしかずですよ。

 

というわけで、ネタバレを極力回避しながら感想をまとめていきます。本当はストーリーの細かい部分も語りたいんだけど我慢。気合を入れていってみよ~!!

 

 

  東京クロノス

 

  概要

 

購入先:国内ストア

ジャンル:VRビジュアルノベル

言語:日本語対応

コントローラー:デュアルショック対応(Move未確認)

視点:-

移動方式:-

 

 

  "東京クロノス"

 

今回何から語ればいいのかと迷ったんだけど、作品に向かってもらうために1番面白い部分を抽出しようと判断。要は、冒頭のストーリーを俺なりの言葉でまとめてみようと思う。

 

上の概要欄にも書かれている通り、「東京クロノス」はビジュアルノベルのVR版だから、ストーリーが何よりも重要になってくるし、実際に面白い部分なのよ。

 

もし、ここで少しでも「続きが気になる!!」と感じたなら、今すぐPSVRを被って"クロノス世界"にダイブして欲しい。俺的にはそれが1番幸せ。

 

  あらすじ

 

主人公である"櫻井響介"は、ふと目を覚ますと廃ビルの中にいた。

 

断片的な記憶、違和感を纏う自身の身体、突如姿を現す謎の男。現状を把握できないままふらふらとビルを抜けると、そこには見覚えのある風景が広がっていた。

 

東京渋谷。スクランブル交差点。

 

小学生の頃、いつも遊び場にしていたこの場所。だが、そこは記憶の中の渋谷とは何かが違う。一切の人影がなく、まるでゴーストタウンのように静まり帰っていたのだ。

 

混乱する響介だったが、やがてそこに1人、また1人と見慣れた顔が集まってくる。それはかつての親友であり、歳を重ねるごとに疎遠になってしまった小学生時代の同級生達だった。

 

状況に戸惑いながらも、思わぬ再会を喜び合う8人。

 

その時、交差点に設置された巨大ディスプレイに謎のメッセージが表示される。

 

 

私は死んだ。犯人は誰?

 

 

  ノベルゲームって素晴らしい!!

 

VRビジュアルノベルと聞いて真っ先に思い出すのが、2017年にVR対応が予定されていながら計画が頓挫してしまった「Tear-終わりとはじまりの雫-」。

 

あの作品がどんな内容だったのか今となっては知る由もないんだけど、おそらく「東京クロノス」のようなものを目標としていたのだと思う。

 

というのも、「東京クロノス」は"ビジュアルノベルのVR化"と言われて真っ先に思い浮かべるビジョンをそのまま形にしているから。

 

背景、キャラクター(立ち絵)、テキスト、BGM、音声、選択肢、システム。2Dノベルゲームの世界で使用されているお決まりの要素を違和感なく3Dと360度映像に置き換えて、遊び方はそのままに、映像の凄みと没入感をより高めている。

 

うん、俺は「東京クロノス」をプレイして、やっぱりVRとノベルゲームの相性は素晴らしく良いと確信したね。「まいてつ-Pure Station-」をシネマティックモードで遊んでいる時とはまったく違う感覚。

 

(立体映像が視界全体に広がることで、物語への没入感が格段に上がる)

 

「東京クロノス」はモノローグ以外はフルボイスになっていて、テキストを表示しなくてもゲームとしては成立する作りになっている。おそらく海外のアドベンチャーゲームなら、フルボイスの台詞と動くキャラクターで物語を展開したはず。

 

ところが、その路線に進まなかった点が「東京クロノス」の最大の勝利要因。

 

この日記で散々書いてきた通り、ゲームのムービーシーンは極めて退屈なものが多い。「イモータル・レガシー 不滅の禍」の冒頭のように圧倒的な映像で見せてくれるシーンならともかく、「The Inpatient 闇の病棟」「ライアン・マークス リベンジミッション」「Edebn Tomorrow」の会話シーンなんかはとにかく退屈。音声を最後まで聞いて、キャラクターのモーションが完了するまで、何もせずに待たなくてはならない。

 

一方「東京クロノス」は、音声の終了を待たずに自分のペースで物語を進行できる。当然ページ送りのためにボタン押す回数が増えるし、待たされているという感覚がないのよね。

 

キャラクターの動きも最小限でありながら面白い映像になっている。むしろ、ポーズ変更の度に一瞬消えたりする表現がノベルゲーム的で新鮮。VRはどうしても実在感にこだわっちゃって、こういった"出来ることをやらない"場合が多いのよ。そこに踏み込んだのは大きな前進。

 

(自分のペースで物語を進められる。そんな当たり前のことが愛しい)

 

上で苦言を呈した退屈な会話シーンっていうのは、主にVRゲームの話であって、映画には当てはまらない。

 

何故なら、映画は台詞や役者の演技、細かい演出で観客の感情をコントロールして、物語に没入できるように考えられているから。小津安二郎の作品なんてずっと観てられるじゃん?

 

ところが、VRゲームはそのへんにまだまだ無頓着。いくらキャラクターがリアルに動き回ろうとも、一人称の長回しで台詞だけを聞かされるのは苦痛。

 

そこで出てくるのが「東京クロノス」のような、テキストを読ませるというシステム。これは映像の表現が乏しかった家庭用ゲーム黎明期に使われていた手法で、CG技術が進化した今となっては時代遅れかもしれないけど、プレイヤーが能動的に物語を追いかけるという意味では下手な映像表現より没入感が高まる。

 

つまり、物語を読んで想像する楽しさがあるってことだよね。日本語は見た目も美しいし、ゲームというメディアとの相性もいい。"読む"という行為そのものがゲーム性。

 

(文字を活かしたゲームは日本ならではかもね。だからこそいい!!)

 

 

  VRである意味

 

うん、ちょっと脱線気味だから、もう少し具体的な話をしよう(笑)

 

「東京クロノス」は、背景とキャラクターとテキストという3つの視覚情報をベースに作られているのは上記した通り。問題は、そこにどういう方法でVRならではの要素を盛り込んでくるかだと思う。

 

まず、身も蓋もない点から挙げておくと、視界全体に映像が広がることによる没入感。外部の情報が遮断されるから、クロノス世界の一員になった感覚が高まる。舞台が渋谷ということもあって、 チュンソフトの『街』を連想したりもしたね。

 

ただ、背景のショボさは擁護できない。ビルの谷間や書室みたいにそこそこの背景もあるんだけど、廃ビルの窓や車の中は…、さすがに厳しいね。特に廃ビルはゲームのつかみの部分だから、もう少し頑張って欲しかったというのが本音。

 

(これはちょっと酷いよね? 上手いことオミットできれば良かったかもね)

 

次に、立体を活かしたキャラクターの配置。いわゆる紙芝居エロゲとかでもレイヤーをつけて奥行き表現をしたりするんだけど、VR空間では実際に奥行きが存在する。これによって、遠くから人が近付いていくるという表現がより活きてくる。わかりやすいスクショがあるから見て欲しい。

 

(ハチ公前広場。スクショの中央に人のようなものが写ってるのが見えるかな?)

 

(お!! なんか近付いてきたぞ。それがさらに…)

 

(女の子が走り寄ってきた。立体になることで実際の距離感が把握できる)

 

キャラクターの感情を表現する際に、頭の上に様々なアイコンが表示される演出があるんだけど、これも立体によってより際立つ演出だと思う。空間に何かが飛び出す演出はVRとの相性がとてもいい。

 

そして、2Dの一枚絵で強調や補完を行う演出。これも2Dノベルゲームではよくあるものなんだけど、VRではあまり見ないね。手抜きどころか表現として新鮮に感じられる。

 

特に背景の変化と組み合わせることで、一枚絵に描かれているものが強調されて、そのおぞましさや深刻さが引き立つ。このへんの効果もVRならではと言っていいと思う。

 

ただ、一枚絵の完成度がイマイチかな…。「Arca’s Path VR」みたいにレイヤーをつけてたら面白い絵になったかも。

 

(窓際に人が立っている様子を一枚絵と組み合わせて表現。新鮮だね)

 

(空間が暗くなると緊張感が高まる。これもTVでは得られない感覚)

 

「東京クロノス」は大きく分けて2つの方法で物語を語っている。

 

1つは、これまでにスクショを貼ってきた普通のシーン。渋谷の背景+キャラクターで構成されている。

 

もう1つは回想シーン。これは影絵のような映像を使って、過去と向き合うキャラクターを表現している。

 

まぁ、正直VRゲームの世界ではよくある映像でクオリティーも普通レベルなんだけど、変化をつける意味でもアリだと思うし、影絵のやり取りにリアクションをとるキャラクターに心を揺さぶられるね。"見る"ではなく、"見せられる"ことで伝わってくる痛みがある。

 

(三人称だからこそ伝わるものがある。しっかり考えられてるな~)

 

うん、ここまで語ってきた"VRならでは"の要素を聞いても、いまいちピンとこない人も多いはず。

 

それは、その内容があまりにもベーシック過ぎて、"首を動かして色んな方向を見る"とか"身体を動かしてものを動かす"といった、いかにもなVRらしさが語られていないからだと思う。

 

ただ実をいうと、「東京クロノス」にもわかりやすいVRらしさは存在する。

 

たとえば、首を動かしてビルの上を見上げたり、キャラクターが横に座って会話をしたり、デュアルショックのレーザーを使って選択肢を決定したり、それっぽいものはいくつもある。

 

でも、そういった要素が露骨に浮かび上がらないのが、「東京クロノス」の美点であり、最もVRの解釈が進んでいる部分だと思う。

 

(二人きりの会話シーン。背景のぼかしが二重の効果を持っている。ここだけ3dof)

 

Castle Storm VR」や「実況パワフルプロ野球 2018」は、一見VRでプレイする必要のないゲームに感じるかもしれない。ところがそれは違う。VRのメリットをあまりにも自然に活かしているために、それが目立たないだけ。

 

たとえば、歌がメインの曲でギタリストが派手なテクニックを延々と披露しても、それはノイズになってしまう。本当に上手いギタリストなら、歌を引き立てる演奏をするはず。VRゲームでも同じことが言える。

 

星の欠片の物語」はわかりやすいVRらしさを前面に押し出した結果、脱出ゲーム本来の美点である手軽さや、謎解きの楽しさが失われてしまった。プラスマイナスゼロと言わざるを得ない。

 

ところが「東京クロノス」は、あくまでも物語へ没入させる手段としてVRを活用している。作り手によっては後ろにキャラクターを配置したり、首振りYes or No機能をつけたり、色々しそうなんだけど、それをあえてやらないどころか、話しているキャラクターの方に自動で向きが変わる機能が実装されている。

 

それでもVRでプレイする意味があるというのは、本当に素晴らしいし、何より現実的だよね。

 

(システムも使いやすい。テキストの表示位置もデフォルトで適切だと思う)

 

 

  圧倒的なOP&ED

 

前知識なしで衝撃を味わって欲しいから、このへんはあまり語りたくないんだけど…、どうしても触れないわけにはいかないからちょっとだけ書かせて欲しい。

 

このゲームにはいくつかのOP&EDが用意されていて、そのどれもが超素晴らしい!! 特に最初のOPは衝撃的で、興奮のあまり鳥肌が立って涙ぐんでしまった。

 

ほら、アニメとかでも強烈な"引きの演出"ってあるじゃん? 「このタイミングでエンディング曲が流れるのか!!」みたいな。あれをVRで体験できる。俺的には、このOP&EDだけで星5確定って感じだったね。

 

ん~、本当はもっと細かく語りたい!! 「あそこでスクリーンが!!」とか、「あれが伏線になってるの気付いた?」とか、みんなで盛り上がりたい(笑)

 

(絶対に体験して欲しい超カッコいいOP。このゲームのハイライトだろうね)

 

 

  ストーリー&キャラクター

 

これも…、ネタバレありで語りたい(笑)

 

基本的には終始シリアスな密室ミステリーで、のほほんとした日常パートは少なめ。エロゲーの日常パートは長過ぎるからこのバランスでいいと思うね。

 

まぁ、推理しながらプレイすれば、ミステリーとしての謎はかなり早い段階で解けるはず。自慢するわけじゃないけど、俺はチャプター1の時点でかなり核心に迫ることができた。

 

ただ、途中までプレイすると、この作品のテーマはそこにはないことに気付く。

 

そうだな~、スティーブン・キングの"あれ"とか、Mナイト・シャマランの"あれ"とか、フィンチャーの"あれ"とか、アニメだと劇場版にもなった"あれ"とか、子どもたちがロボットで戦う"あれ"とか、田舎町の殺人事件の"あれ"とか、小説だと山田悠介の"あれ"とか、色んな作品の色んな要素が散りばめられている感じ。

 

あと、いくつか設定の矛盾というか、「辻褄合わなくね?」みたいな部分もあった。もっとこうして欲しかったという部分もある。

 

ただそれは重箱の隅をつつくようなものだし、内容にはバッチリ満足している。わかりやすいお話だし、最近のトレンドだとも思う。万人にオススメできる。

 

(徹夜でプレイして全ての結末をチェックしてきた。終わったあとに9時間寝たよ)

 

キャラクター達はみんな魅力的だね。デザインもいいし、俺もうじうじした人間だからみんなの葛藤は理解できるつもり。ゲームが終わったあとこいつらと飲みに行きたいと思ったよ(笑)

 

女の子達はみんなヤ○○レなんだけど、このぐらい生々しくて面倒くさい方がいいよ。オタクの幻想に合わせた都合のいい女を量産する必要はない。甘やかすな。

 

男は…、やっぱ街小路くんかな? シリアスなゲームにおいてこのポジションは得だよね(笑) 東国ちゃんも然り。

 

(女の子は両角ちゃんかな~。夕は覚醒してから一気に好きになった)

 

(このアホ面が癒やし。まぁ、ムードメーカーってやつですわ)

 

あと、もし自分がクロノス空間に行くとしたら、どんなメンツが集まるんだろう?なんて考えたりもしたね。この年齢になると、疎遠になった仲良しグループに思いを馳せることも増えてくるのよ。それは家族かもしれないし、友達かもしれないし、恋人かもしれない。

 

「自分だったらどうなるんだろう?」という器を与えてくれる作品は、ある意味最もバーチャルだと思えるし、それこそが真の没入感なんじゃないかな? 単に視覚情報で脳を騙すのではなく、心を騙してくれる感じ?

 

 

  個人的な満足度:星5★★★★★

 

ロードがやたら多いのは大きな欠点だし、背景のローポリ感も慣れるまでは気になる。

 

ただ、そんなことはどうでもよくなるぐらい、コンセプトそのもので勝利している。圧倒的完成度とオリジナリティー。

 

念願だったVRノベルゲームを最も理想的な形で世に出してくれて、メーカー様には感謝の気持ちしかない。抱きしめたいよ(笑)

 

冒頭でも書いた通り、俺の中でVRゲームの第一幕が終わったという感覚すらあるね。今まで色んな作品をプレイしてきたけど、「本当にやりたかったのはこれだったんだな…」と、しみじみ感じた。

 

というかさ、クラウンドファンディングやってるなら俺に言えよ!! 10万ぐらいなら出したよ!! 次をやる予定があったら、俺の家まで来てくれ!!

 

というのは冗談で(笑)、問題はこれから先だね。「東京クロノス」の意志を継いだ作品が今後作られていくかどうかが重要。

 

この手のゲームは海外では評価されないだろうし、やっぱ日本のみんなが協力するしかないんじゃないかな? 売れて欲しいな~

 

というわけで、正真正銘の革命児が現れました!! もちろん超オススメです!! 今年NO.1!!