ゴメン!! また予定変更!!(笑)
「VRobot」の感想は後回し。今日は「まいてつ-Pure Station-」の感想を書いていくよ。
まぁ、「VRobot」は…、正直大した内容じゃないし(笑)、別に慌てなくていいと思ってさ。
んで、「まいてつ-Pure Station-」なんだけど…、これのリリース日って、8月じゃなかったっけ? 別のソフトと勘違いしてたのかな~? いきなりストアに並んでいたからビックリしたよ。
このゲームはたしか1~2年前にPC用18禁ソフトとしてリリースされた一本で、今回PS4に移植されたって感じだね。昔はこういうエロゲからコンシューマー機への移植がとても多かったんだけど、最近はあまり無いのかな~? 俺はこっちが本職だからちょっと寂しいね。
因みに、今回はメーカーHPで事前に内容を確認してVRパートはオマケだとわかっていたから、内容に落胆する事は無かった。ハードルを下げて生きるのは大切だね。
うん、それじゃあ早速いってみよ~
概要
購入先:国内ストア
ジャンル:キャラクター観賞
言語:-
コントローラー:デュアルショック専用
視点:常時一人称
移動方式:移動なし
薄いのはいいことだ
「まいてつ-Pure Station-」を購入すると、2つのソフトがDLされる。一つは本編で、もう一つが「VRビューアー」になっているね。
今回は先に「VRビューアー」の方を起動。すると、スクリーンにタイトルメニューが表示される。メニューは【ハチロクと話す】【サウンド設定】【クレジット】の3つだけだね。
(こういう絵をVRで見るのは珍しいね。かなり好きな雰囲気)
うん、早速【ハチロクと話す】を選択。
ここ最近キャラクター鑑賞コンテンツはマンネリしていて、正直つまらないものが大半だし、「まいてつ-Pure Station-」も期待出来ない。
そう思っていたんだけど…
おぉっ!! なんか面白い!!
これは新しい表現方法だね。キャラクターが完全な平面の絵なのよ。ただ、絵に若干カーブが付いていて、なんか不思議な立体感が生まれている。このカーブがあるのと無いのでは大きな違いがあるだろうね。
因みに、看板みたいな形で平面のキャラクターが出てきた事は過去にもある。例えば「アメリカンドリーム」なんかは全てのキャラが絵で登場する。ただ、「まいてつ-Pure Station-」では、ハチロクだけが綺麗にトリミングされているから、他のゲームとは全く違う質感になっている。
そして、このキャラクターの絵が動くのよ。立体の背景の中で、キャラクターの絵だけが平面のアニメみたいに"うにょうにょ"と動く。面白い。
これはおそらく、本編の立ち絵をそのまま使ってるんだろうね。ほら、ノベルゲームの立ち絵っていくつかのポーズが用意されていて、それが切り替わっていくじゃん? あれをVR空間でやっている。
(視線追従はキャラが回転して行う。これも斬新でいいね)
うん、アニメ絵をVRで表現する際に輪郭線を加えるという手法が定番化していたけど、これはそこに一石を投じる新しいアプローチだよ。2Dアニメーションをトリミングして、曲面を付けて(ここ大事)3D空間に配置する。この方法なら、絵をそのままVR空間に持ち込める。
加えてもう一つ考えたのが、このキャラクターを移動させる方法だね。もちろん、元が立ち絵なわけだから、歩くモーションを表現するのに必要な"中割り"のような絵は用意されていない。
だけど、ノベルゲームでよく使われている、絵をフェードさせて移動させる手法を使えば、"そういう表現"として成立する。実際に、ハチロクがプレイヤーの匂いをかぐというくだりは成功していたし、技術的な制限が芸術を生むという格言を体現していると思う。
というか、CGキャラがリアルに動き回るのが当然となった現代において、寧ろそっちの方が見ていて面白い表現だと思うけどね。
(後ろの扉まで2~3回フェードイン・アウトを繰り返せば、移動を表現出来る)
最初、ハチロクちゃんのサイズに違和感を覚えたんだけど(小さ過ぎる)、本編をプレイして、その理由がわかった。こういうキャラクター設定なら問題ない。
あと、単純に凄い完成度の高いデザインだと感心した。蒸気機関車を擬人化をここまで高いクオリティーで出来るのは凄いよ。こういう仕事が出来る優れたデザイナーがVRの世界に飛び込んできてくれたら心強いだろうな~
(衣装のデザインとか凄いと思うね。たしかに蒸気機関車っぽいわ)
背景、演出、操作、会話
キャラクター以外にも触れておこうか。
背景のCGはまぁまぁ頑張っている。"そこにいる感"はかなり薄いんだけど、寂れた田舎の駅の待合室を表現しているのが伝わってくる。情報量もそれなりに多いし、描かれた小道具を見ていると、鉄道を好きな人が作ったのがわかるよ。
(もうちょい汚くしても良かったかな? でも、情報量は十分)
地味にVRならではの演出や操作も用意されている。選択肢を選んだ後の切符を切る演出はいい感じだし、視線での操作も取り入れているね。
もちろん、それ自体珍しいものではないんだけど、この当たり前を組み込んでVRノベルゲームを作れば、きっといいものになっていくはず。
(立体になるだけで映像コンテンツは何倍も面白くなる。こういう演出も映える)
ストーリーというか…、会話の内容自体は本編をプレイしていなかったから意味不明。ハチロクちゃんと主人公の関係性も何もわからないからね。
ただ、献身的でいい子だとは思ったよ。世界観も温かくていい感じだから、本編もプレイしてみたくなった。
本編
シネマティックモードで本編もちょっとだけプレイしたから感想を書いていくよ。やっぱ色使いとかも含めて綺麗な絵だね。VR空間でこの絵をどうやって表現すればいいか考えながらプレイしていた。
(綺麗な絵。スクリーンを用意してそこに映せばVR空間でも活用出来る)
ストーリーの冒頭は掴みが強くていいね。ちゃんとお話に引き込まれたよ。
鉄道をテーマにしている話という事もあって、けっこう聞き慣れない専門用語が出てくるんだけど、Tipsですぐに意味を調べられるのもいい。普段2000円以下のエロゲしかやってないから、「高いやつはこういう機能が付いてるんだな~」と驚いたよ。
(ノベルゲームとして、システム周りはバッチリ。エロゲも進化したな~)
上でも少し書いた通り、平面の絵だからこそ出来る表現をVRに置き換えるとどうなるか?を考えながらプレイしていたのよ。
例えばノベルゲームではお馴染みの一枚絵のシーン。ちょっと下のスクショを見て欲しいんだけど…
うん、絵自体に角度が付いているし、距離もかなり近い。これをそのままVRに置き換えると、巨大な女の子が斜めの世界に存在しているという、ありえない映像になってしまう。
もちろん、平らな世界にCGの女の子を立たせれば成立するんだけど、それだと一枚絵じゃなくなってしまうし、単純につまらない。カメラを強引に動かしても全く効果的じゃない。
そこで考えるのが、この一枚絵を出すという本質的な意味の部分。何故、背景と立ち絵ではなく、一枚絵でこのシーンを表現したのか?
それはやっぱりこのキャラクターの強調であり、ストーリーの内容を絵で説明したという省略表現だと思うのよ。
これと同じ意味を持つ表現をVR空間で探して、それに置き換える。単なる立ち絵とは違うCG空間を作ればいいのか? それとは別の方法があるのか? 現時点で答えは見つかっていないけど、一つ考えたのは、立ち絵のシーンをフレームありで表示して、一枚絵のシーンでフレームが無くなるという方法。
ただ、これは簡単な事ではないだろうし、そもそも2次絵が使えないのよね。2次絵は奥行きが無い。そしてノベルゲームは奥行きも動きも無いからこそ生まれた表現方法。奥行きのあるVRの世界でそれに代わる表現をするには…
…なんか、漫画と映画の違いを考えているみたいだね。こういう妄想をするのは好き。
(カットインは比較的簡単かな? でもベースをどうするかによるか…)
ストーリーはバッチリいいね。沖縄の基地問題とかを考えながらプレイしていた。
あと、このメーカーがVRという比較的新しいテクノロジーに挑戦した動機の部分も見えてきた。VRは話のテーマと無関係ではない。
キャラクターは今の所"真暗姉ちゃん"一択かな? おっぱい大きいし(真顔)
他には…、主人公の名前と過去だね。おそらく冒頭のシーンはミスリードじゃないかと思っている。あれは双鉄の過去じゃないはず。名前の意味も気になるな"双"が意味するものを考えると…、何故か泣きそうになっちゃうね。
(左のオネーチャン一択。女の子ノベルゲームはやっぱいいな~)
個人的な満足度:星3★★★
平面のキャラクターをトリミングしてVR空間に放り込むという新しい手法に可能性を感じた。この発明だけで、そこら辺の糞みたいなキャラ鑑賞コンテンツが吹き飛ぶぐらいの価値がある。
あと、本編がバッチリ面白いのも嬉しかったね。やっぱこういうゲームが一番好きだわ。これから少しずつプレイしていくよ。雰囲気からして泣きゲーっぽいから、結末を見届けたい。
という事で、満足度は星3です!!(VR部分のみ) 電波な会話も少ないし、こっちの世界に足を踏み入れたい人にはもってこいの一本だと思うね。お薦めです。