例えば、グルコサミンやコンドロイチンのサプリ

　昨今ひざ痛にグルコサミンやコンドロイチンのサプリメントが売れていますが……さて、サプリメントのグルコサミンやコンドロイチンは変形性ひざ関節症にどのくらいの効果があるのでしょうか？


　グルコサミンやコンドロイチン、ヒアルロン酸は、元来ひざ関節内の軟骨、半月板、関節液に含まれる成分です。これらの成分は加齢とともに減少して軟骨の摩耗や半月板の変性を引き起こし、変形性ひざ関節症の発症や進行に影響すると言われています。
　ですから、不足している成分を補うストーリーとしてはサプリメントの摂取は意味はあるのでしょう。
　しかしサプリメントとして口から摂取したグルコサミンやコンドロイチンは、胃や腸といった消化管で90%近くが吸収されるのですが、実はその大部分が血漿タンパクと結合してしまうために、ひざにとっての有効成分の濃度は非常に少なくなります。
　さらに、どのような食物栄養成分であれ、全身にくまなく運ばれて栄養として吸収されます。ですから、ひざの軟骨に到達する有効成分の量は、摂取した量の20～1000分の1程度であるともされています。
　つまり、ひざの軟骨に十分な量のグルコサミンやコンドロイチンを到達させるためには、サプリメントでの摂取量の20～1000倍の量が必要と言うことにもなります。ですから現実的には不可能です。
　このように、「摂取した量の20～1000分の1程度」と言うように幅のある解釈などを含め、現時点では経口摂取したグルコサミンやコンドロイチンが体内でどのように作用し得るのかについては不明な点も多く、変形性ひざ関節症に有効であるという医学的な根拠が証明されているとは言えません。
　しかも、関節や骨には神経はありませんから、それらが痛いわけが無いのです。痛いのは、周りの筋肉の炎症です。まぁ、筋肉が衰えた結果ですね。