シンガポールで行われていたU-17アジア選手権の決勝戦、
日本が北朝鮮を4-2で下して優勝です!
小野たちの世代以来、12年ぶりにU-17がアジアを制しました。
おめでとう、本当におめでとう!
選手、監督、関係者の皆さん、本当におめでとう&お疲れさまでした!
布陣は,最初は4-2-3-1って感じでしょうか・・・
大塚君のワントップで柿谷君のトップ下・・・
前半、北朝鮮の大きい・速い・強い選手たちにちょっとペースを見失い、
自分たちのサッカーができず、ロングボールを蹴りこむことが多くなっていました。
もしかしたら、決勝戦という大一番ならではの緊張もあったかもしれません。
こういうしびれる試合の経験が選手を成長させていくものですね。
日本はすでにこの先のU-17ワールドカップへの出場を決めていますから、
さらに厳しい勝負が待っています。
そういう意味でも本当によかったですね。
北朝鮮は、その大・速・強3拍子ボディに物を言わせた、ちょっと昔の韓国サッカーのイメージ。
ドカンとFWに放り込み、体でそれをものにして、ゴリゴリと個人でサイドをえぐり、
前が開けばずどんとミドルシュート。
荒削りだけど、迫力はある。
先制されたのは敵の8番の選手のミドルシュートが、
日本DFに当たってコースが変わった、ちょっと不運なものでした。
北朝鮮の選手は本当に大きく、身体能力も高く、ちょっと何歳ですか、と聞きたくなるような・・・。
日本は序盤それを生かしたサッカーにやや呑まれるものの、次第にペースを取り返し、
パスをつなげるようになってくる。
ところが実は、そういう時がちょっと危ないんですね。
「さあやるぞ」と前に出かかったところが、攻守の、試合の流れの分岐点になってくることが多いのです。
2失点目は、まさにそういうタイミング。
日本の選手がなんとなく上がり目になってきたところ、
敵の7番、アン・イルボンにボールを入れられてためられて
(この時に「あれ、DF薄いぞ。戻り遅いぞ」と思いました)
横へ流され、11番のあまりうまくない切り返しに日本のDFが滑ってしまい(人工芝ということもあるでしょう)、
シュートを決められてしまったもの。
残念、
しかしパスは回せている、人も動いている。
日本の形はできているのですから、後半で取り返せばいいんです。
後半、
日本は柿谷君を左サイドMFに移します。
斉藤君と大塚君が2トップのようなカタチでしょうか?
ボランチの10番山田君も、前半以上に攻撃に絡み、上がっていくようになります。
柿谷君は、比較的マークがゆるくなるサイドでボールを持つと、ほとんど失いません。
彼を基点に日本はどんどん走ってパスを回して、ペースを握っていきます。
後半12分、
山田君のパスが敵DFライン左(敵から見て右)の柿谷君に入り、
彼はボールを(わざと?)トラップでポーンと浮かせて、もう一度ポーンと浮かせて反転、
DFを置き去りにしてキーパーと1vs1、右足アウトにかけてゴール右隅へ、
というなんとも技巧的なゴール!
素晴らしい技術!
まるでレオナルドかベルカンプか、と思いましたよ!(笑)
その後も日本の攻勢は続き、
後半33分、ペナルティエリア直前でドリブルのスピードを落とした柿谷君から、
途中交代で入った端戸君へ、わざとのゆるい、短いスルーパスが通って、端戸君は強いグラウンダーのシュート!
GKの脇の下を抜いてゴール!
私はナイジェリアワールドユースでの、小野のプレーを思い起こしました。
あの時も、
「小野が持つと時間が止まる」という印象があったのですが、
この時の柿谷君の「ふっ」とスピードを緩めるプレー、
それに呼応してDF全員が一瞬「これからどうなる?」と混乱した時、
その瞬間も私には時間が止まったように感じられました。
また、
影のアシストとしてはこの時CB金井君が、中央から柿谷君を追い越しているんですね。
柿谷君はそっち(柿谷君から見て右)を見つつ、それとは違う方(同左前方)へ、ノールック・スルーパス。
敵DFは全員が柿谷君の視線を追って、金井君のほうへ首を回していました。
敵の視線が完全にコントロールされている瞬間。
ちょっとゾクッとしてしまいましたね。
同点になり、延長になると、またちょっと北朝鮮がペースを握ります。
何かに尻を炙られたような、そういう勢いで前に出てくる。
もともと体も速さもありますから、そうなると少しずつ後手にまわり、いくつかのチャンスを作られてしまいます。
日本側で気になるのはちょっと「えいやっ!」とでもいうようなディフェンスが増えてきたこと。
疲れてくると、難しく考えるよりも当たりに行ってしまいたくなるんですが、
それがかわされるとピンチが広がってしまう。
人工芝だからということもあるのでしょうが、
スライディングのタイミングも早すぎ、リカバーできなく、ピンチが広がっていたりすることもありました。
が、敵のシュートミスにも助けられ、延長後半へ。
ここでFW河野が投入されます。
この時間帯になっても、ボランチの山田も岡本もOMFをオーバーラップしていく運動量。
いやーこのチームも「走るサッカー」ですね。水を運ぶ選手がたくさんいる(笑)。
3点めは河野君が、ドリブル、
Pエリア内でDFを背負った水沼君にパスを出して&ゴー、
水沼君はDFを背負ったままヒールでぽわんと横へ、
河野君がそれを走りこんで受け、
DFの密集の中でシュート!
ゴール!
4点目は、
北朝鮮がさらに前がかりになったところ、一発のカウンターでDFラインを抜け、
キーパーと1vs1になった河野君が、普通にシュートを打つより「半拍」速いタイミングで、左足のアウトでシュート!
キーパーのタイミングを完全にはずしてゴール!
2002年W杯のロナウドのトゥキックシュートを思い出しましたよ。
ああいうキーパーとの1vs1は意外に決まらないもの。
正直にキーパーにぶつけてしまうケースも多いものです。
この、キーパーが準備を整える前のアウトサイドシュートは、いいアイデア&技術でした。
2点先制されたところから、4点取り返しての、
これはなんとも価値がある勝利ではないでしょうか。
しかもスタミナ自慢の北朝鮮から、延長後半で2点とは!
さらに、
得点がいずれも技術とアイデアと走力で奪った素晴らしいゴール!
いやー、いいものを見ました(嬉)。
今日はみんな、みんなヒーローですね!
ところで、U-17のサッカーはオシムサッカー的ですが、
それは城福監督のサッカーがジェフのオシムサッカーを信奉しているから、のようです。
ナンバーの記事からです・・・
●「セーフティにやれ、と言えば、選手たちはできる。
だけど、自分たちがリスクを冒さないと、点は取れない」(城福監督)
と同時に、
「やり続けなければ、すぐにリスクを冒せるようにはならない」と、その難しさも痛感しているようだった。
だからこそ、
「ジェフのサッカーは、日本人が一番生きる」と常々考えていた城福は、オシムへの期待をこう表現した。
「このチームでもう1年7カ月やっていますけど、その意識を植え付けるためには、
僕らが5年やるより、A代表が2カ月やるほうが影響は大きいでしょう」●
あのサッカーが、
「ジェフのサッカーは、日本人が一番生きる」と考える監督によって指導されていたというのは、
なんとも納得ですね。
こういう風に日本サッカーの「日本化」は行われていくのだ、と思います。
オシムだけがやることではない。
城福さんをはじめ、小野技術委員長も、大熊さんも、反町さんも、井原さんも、
それどころかあらゆる年代の、日本全国津々浦々の指導者のかたがた、
そして選手、みんながやることなのでしょう。
私は「オシム監督に期待すること」で、まさにそのように書きました。
そして、
城福監督が言うように、フル代表のサッカーがそのためのショーケース、いいお手本となる必要があると思います。
トリニダート・トバゴ戦はともかく、その後のサッカーは、まだそれをなしえていませんが、
なんだか一足先にU-17がいいサッカーを見せてくれましたね。
これが日本中のサッカー少年に広がって、さらに「日本化」が浸透、加速していってくれるといいですね。
さて、
今回のU-17チームに話を戻すと、これで世界の同年代と戦う資格を得ましたが、
もちろん今やっているサッカーで十分なわけではありません。
先にも言ったDFの問題もそうですし、パス回しだってムービングだって、まだまだ先へ行けるはず。
逆に言えば、
先に行かないと世界ではそう簡単に通用しないはずです。
もっともっと自分を磨いて、レベルを上げて、そしてそれを出し切って、
世界をあっと驚かせるような、いい試合をして欲しいですね。
とにかく今日はおめでとう!