3つの分数1935/129、4989/343、8929/593を小さい方から順に並べなさい。

 

分数の大小比較の問題です。

一見すると面倒そうな問題ですが、実際には面倒な計算は不要です。

3つの分数のうちどの分数に着目するかが最初のポイントとなります。

もっとも、この問題の場合、「何も考えない子」でも偶然うまくいく可能性があります。

「何も考えない子」の場合、分数を出てきた順に処理しますが、この問題の場合、たまたま、最初に出てきた分数に着目すればいいからです。

ただ、そういう子の場合、分数の並びを4989/343、8929/593、1935/129などとされると、まずいことになってしまいます。

きちんと考える子であれば、この並びであっても1935/129にまず着目します。

なお、解説にある大小比較の手法についてしっかり確認しておきましょう。

詳しくは、洛星中学校2016年前期算数第1問(2)の解答・解説で。

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 日本ジュニア数学オリンピック(JJMO)2025年予選の問題

 

今回は、日本ジュニア数学オリンピック2025年予選第1問を取り上げ、解説します。

正のというのは、0より大きいということです。

中学入試に出されても簡単な部類の問題で、小学生が解いても30秒もかからないでしょう。

因みに、今年灘中を受験する教え子の一人に、今日の家庭教師の休憩時間中にお茶を飲みながら解いてもらったら、「2025は無理で、2025/3=675は、675と675×2でオッケー」というように10秒程度で解いていました。

さて、解き方を詳しく説明してみましょう。
mとnの最大公約数を〇とし、m、nをそれぞれ〇×△、〇×□(〇、△、□は1以上の整数で、△と□の最大公約数は1)とすると、m+n=2025だから、
  〇×△+〇×□=2025
  〇×(△+□)=2025
となり、〇と△+□は2025の約数のペアとなります(ここまでしなくても、mとnの最大公約数が2025の約数でないといけないことはすぐにわかるでしょう)。
最大の〇を求めるのだから、2025(=45×45=3×3×3×3×5×5)の約数のうち最も大きいものからチェックしていきます。
〇が2025の約数のうち最も大きいもの、つまり2025のとき、△+□=1となり条件を満たしません。
2025の約数のうち2番目に大きいものは2025/3=675となりますね。
〇が675のとき、△+□=3となり、例えば、△=1、□=2とすれば条件を満たします。
したがって、答えは675となります。

 

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 日本数学オリンピック(JMO)2025年予選の問題

 

今回は、日本数学オリンピック2025年予選第4問を取り上げ、解説します。

下の問題例のように、中学入試で昔からよく出されてきた倍数と余りの問題です。

 神戸女学院中学部1995年算数1日目第1問

 麻布中学校2002年算数第2問

 神戸女学院中学部2019年算数第1問

さて、JMOの問題を解いてみましょう。
2、3、4、5、6のそれぞれで割った余りがどの2つも異なる数は、60(2、3、4、5、6の最小公倍数)個ごとに同様の繰り返しで現れるから、上の麻布中学校の問題の別解のように、60個の整数を横に6個ずつ書き出して調べつくすこともできますが、ここでは少し頭を使って解きます。
余りの連動性を考慮し、2、4、6、3、5の順に余りを考えていきます。
とりあえず1以上60以下の整数で条件を満たすものを求めることにします。
(あ)2で割った余りが0のとき(偶数ですね)
4で割った余りは0か2となりますが、0は使えないので、4で割った余りは2と確定します。
6で割った余りは0か2か4となりますが、0と2は使えないので、6で割った余りは4と確定します。
6で割ると4余る数は3で割ると1余るということが自動的に決まります。
5で割った余りは0、1、2、3、4のいずれかですが、0と2と4と1は使えないので、5で割った余りは3と確定します。
6で割ると4余る数は、自動的に、2で割った余りが0となり、3で割った余りが1となるので、結局のところ、6で割ると4余り、4で割ると2余り、5で割ると3余る数で60以下のものを求めることになります。

この条件を満たすものに2をたす(いわゆる不足共通の処理(上で取り上げた問題の解説を参照)ですね)と、6でも4でも5でも割り切れる数、つまり60の倍数となるから、60-2=58だけですね。
(い)2で割った余りが1のとき(奇数ですね)
4で割った余りは1か3となりますが、1は使えないので、4で割った余りは3と確定します。
6で割った余りは1か3か5となりますが、1と3は使えないので、6で割った余りは5と確定します。
6で割ると5余る数は3で割ると2余るということが自動的に決まります。
5で割った余りは0、1、2、3、4のいずれかですが、1と3と5と2は使えないので、5で割った余りは0か4となります。
6で割ると5余る数は、自動的に、2で割った余りが1となり、3で割った余りが2となるので、結局のところ、6で割ると5余り、4で割ると3余り、5で割ると0か4余る数で60以下のものを求めることになります。
まず、5で割ると0余る数のほうについて考えます。
6で割ると5余り、4で割ると3余る数に1をたすと、6でも4でも割り切れる数、つまり12の倍数となるから、12の倍数から1を引いた数のうち5で割り切れるもの(一の位が0か5のもの)を探すことになりますが、奇数の場合を考えているから、一の位が5のものを探すことになります。

12の倍数から1を引いた数で60以下のものを書き出していきます。
 11,23,35,・・・
のうち35だけが条件を満たしますね。
次に、5で割ると4余る数のほうについて考えます。
この条件を満たすものに1をたすと、6でも4でも5でも割り切れる数、つまり60の倍数となるから、60-1=59だけですね。
(あ)、(い)より、1以上60以下の整数の中に条件を満たすものが35、58、59の3個あります。
1000÷60=16・・・40だから、1以上1000以下の整数の中には、条件を満たすものが3×16+1=49個あります。

 

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 日本数学オリンピック(JMO)2025年予選の問題

 

今回は、日本数学オリンピック2025年予選第1問を取り上げ、解説します。

条件の厳しいところから考え、条件の対等性を利用するという場合の数の基本的な考え方がマスターできていれば小学生でも解けるでしょう。

中学入試で出されても何の不思議もありません。

まず、7個のマスについて分析します。
真ん中のマスは他の6つのマスと隣り合っていて、周りにある6つのマスはいずれも3つのマスと隣り合っていますね。
隣り合う2マスに書き込まれた整数の和が10以下となるという上限があるので、1から7までの整数のうち1番大きい整数7にまず着目します。
7を書き込んだマスの隣のマスに書き込める整数は1、2、3のいずれかとなり、7を真ん中のマスに書き込むことはできず、周りにある6つのマスのいずれかに書き込むことになり、1、2、3は7を書き込んだ隣のマスに書き込むことになります。

  
条件の対等性より、7をピンク色のマスに書き込んだ場合を考え、6倍すれば答えが得られます。
黄色の3つのマスにそれぞれ1、2、3のいずれかの整数を書き込むことになり、水色の2つのマスと黄緑色のマスにそれぞれ4、5、6のいずれかの整数を書き込むことになります。
次に、2番目に大きい整数6に着目します。
6の隣に5を書き込むことはできず、6と5はそれぞれ水色のマスに書き込む(入れ替えを考慮すると2通りありますね)ことになり、その結果、黄緑色のマスに4を書き込むことになります。
このとき、黄色の3つのマスの数字の書き込み方は3×2×1=6通りありますが、いずれの場合もすべての条件を満たします。
したがって、整数の書き込み方は全部で2×6×6=72通りあります。

 

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 図の太線はそれぞれ正八角形、正五角形、正三角形の辺を表します。図の角(あ)の大きさは[あ]°です。また、図の頂点Pと頂点Qを結んでできる角(い)の大きさは[い]°です。

  

 

前半の問題は、地道に角度を書き込んでいっても解けますが、最難関中学校の受験生であれば、解説のように、回転をイメージしてさっと解けないといけないでしょう。

こういう回転をイメージする解法は、多角形の内角の和、多角形の外角の和、平行線と角などについて初めて学んだときに取り組んでいればできることです。

後半の問題は、前半の問題と無関係です。

正五角形が全く関係ないと見抜けることがスタートラインです。

そのことが見抜けると正五角形を無視することができます。

最終的には、角度の基本問題でよく出される有名図形に持ち込めばすぐに解決します。

西大和学園中学校では、この有名図形に持ち込むとすぐに解ける問題が過去に出されています(2021年本校入試第3問(3))。

因みに、正三角形の一辺の長さを9cm、正三角形の一番左の頂点をR、正八角形の一番上の頂点のうち左側のほうをSとすると、三角形QRSの面積は等積変形により三角形PQRの面積と等しくなり、9×(9×1/2)×1/2=81/4cm2となります(東海中学校2023年算数第7問のメインの問題(算数オリンピック2013年ファイナル第5問の数値が変わっただけの問題)の図形を正八角形にはめ込んで解くとこのようになりますが、ハードルが高いでしょう)。

詳しくは、西大和学園中学校2025年東京・東海会場算数第1問(2)の解答・解説で。

 

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