1/12=1/△+1/□となる整数△と□の組をすべて求めなさい。ただし、□は△以上であるとします。また、解答欄(らん)をすべて用いるとはかぎりません。
(解答欄は10個ありました。)

 

単位分数の和の問題です。

通常、範囲をしぼって調べつくせば簡単に解決します。

単位分数2つや3つである程度大きな数(例えば1に近い数など)を作る場合、大きな単位分数が限られているため、答えの候補はそんなにありませんからね。

 

 

 

ただ、今回取り上げた開成中の問題の場合、与えられた分数(1/12)が小さいので、範囲をしぼって解こうとしても答えの候補が多くて面倒ですね。

そこで、解説では、通分を分析して解いています。

ただ、答えが8個もあったので、結果として、あまり楽になったという感じはしませんね。

△は12より大きく、12×2=24以下の整数で、17とか19とか明らかにありえないものがあるため、全部調べつくしても3分ぐらいでできそうですからね。

詳しくは、下記ページで。

 開成中学校2010年算数第1問(3)(問題)

 開成中学校2010年算数第1問(3)(解答・解説)

 

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 AB=2、AD=3の長方形ABCDにおいて、辺ABの中点をE、辺ADを2:1に分ける点をFとする。このとき、∠AFE+∠BCEの大きさを求めよ。
 
(注)
中点→真ん中の点
∠→角

 

小学生でも簡単に解ける問題で、解くのに10秒もかからないでしょうね。

正方形を3つ組み合わせた図形で、色を塗った角の大きさの和を求める問題は、どの中学受験の塾のテキストでも取り上げられている典型問題で、一瞬で答えを出せる小学生がかなりいますが、今回取り上げた塾高の問題はこの問題と同じですからね。

  
詳しくは、下記ページで。

 慶應義塾高等学校2021年数学第2問(1)(問題)

 慶應義塾高等学校2021年数学第2問(1)(解答・解説)

 

この問題を難しくした問題が下にあるので、余裕のある人は解いてみるとよいでしょう。

論点は、上で紹介した典型問題と同じであることが見え見えですが、解き始めてみると、意外と難しいと感じると思います。

 

 

 

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 図においてAB=3、AC=2、直線AEは∠BACの二等分線であり、AE⊥BEである。点Dは直線AEとBCの交点である。
(ⅰ)線分の長さの比AD:DEを求めよ。
(ⅱ)面積の比△ADC:△BEDを求めよ。

  
(注)
直線AEは∠BACの二等分線→直線AEが角BACの大きさを2等分するということです(図の2つの〇を見ればわかることですね)。
⊥→垂直

 

灘中学校や東海中学校など、レベルの高い平面図形の問題を出す中学校の受験生を教えるときに取り扱う問題の1つです。

直角三角形を2つ組み合わせて二等辺三角形を作り出す解法のマスターにちょうどいいですし、解説で紹介した2つの解法を確認すれば、いわゆる隣辺比、ベンツ切り、等高図形の面積比の確認ができますからね。

行き掛けの駄賃として、角の二等分線定理も確認できるので、この1問を通じて様々なことを学ぶことができます。

こういう学習は、志望校対策で過去問を取り扱う際にも大切なことです。

単に過去問を解いて、解けたとか解けなかったとか確認するだけでは不十分です。

すでに実力が完成してほぼ満点を取れるのであれば、時間を短縮して過去問に取り組み、解けなかった問題の解法等を確認する勉強でもいいでしょうが、そうでなければ、こんな学習をしても本当の実力はつきません。

過去問を学ぶのではなく、過去問で(様々なことを)学ぶことが肝要です。

詳しくは、下記ページで。

 ラ・サール高等学校2010年数学第2問(2)(問題)

 ラ・サール高等学校2010年数学第2問(2)(解答・解説)

 

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 日本ジュニア数学オリンピック(JJMO)2017年予選の問題

 

今回は日本ジュニア数学オリンピック(JJMO)2017年予選第7問を取り上げます。

「正の」というのは0より大きいということで、「2P(n)」は2×P(n)ということです。

倍数判定法をうまく利用すれば、小学生でも解ける問題です。

中学入試で出される条件不足のつるかめ算の問題の処理(神戸女学院中学部2009年算数第2問武蔵中学校2009年算数第3問神戸女学院中学部2014年算数第1問渋谷教育学園幕張中学校2018年1次算数第2問などの解答・解説を参照)と同じような感じですからね。

nの百の位の数を〇、十の位の数を□、一の位の数を△(〇は1以上9以下の整数、□と△は0以上9以下の整数)とします。

与えられた条件から、

  〇×100+□×10+△×1=2×〇×□×△+27

となります。

2×〇×□×△+27は奇数だから、△も奇数となります。

(あ)△=1のとき

  2×〇×□×△+27

 =2×〇×□×1+27

 ≦2×9×9×1+27(上限チェック!(以下同様))

 =189

だから、〇は1となります。

このとき、2×〇×□×△+27=2×1×□×1+27≦2×1×9×1+27=45<100となり、条件を満たしませんね。

(い)△=3のとき

  2×〇×□×△+27

 =2×〇×□×3+27

 ≦2×9×9×3+27

 =513

だから、〇は1~5のいずれかの数となり、さらに、

  2×〇×□×3+27

 ≦2×5×9×3+27

 =297

となるから、〇は1か2となり、さらにまた、

  2×〇×□×3+27

 ≦2×2×9×3+27

 =135

となり、〇は1となります。

このとき、2×〇×□×△+27=2×1×□×3+27≦2×1×9×3+27=81<100となり、条件を満たしませんね。

(う)△=5のとき

2×〇×□×△+27=2×〇×□×5+27の一の位の数が7となり、この場合はありえませんね。

(え)△=7のとき

2×9×9×7が1000を超えてしまうので、上限チェックをしても何の意味もないですね。

そこで、与えられた条件から得られる式をよく観察します。

  〇×100+□×10+7×1=2×〇×□×7+27

  〇×100+□×10=2×〇×□×7+20

〇×100、□×10、20はいずれも5の倍数だから、2×〇×□×7も5の倍数となり、(2と7は5と互いに素だから、)〇か□が5の倍数、つまり5となります。

〇=5のとき

  5×100+□×10=2×5×□×7+20

  480=□×60

  □=8

このとき、n=587となります。

□=5のとき

  〇×100+5×10=2×〇×5×7+20

  〇×100+50=〇×70+20

となり、左辺が右辺より大きくなることが明らかだから、この場合はありえませんね。

(お)△=9のとき

  〇×100+□×10+9×1=2×〇×□×9+27

n(2×〇×□×9+27)が9の倍数だから、nの各位の数の和(〇+□+9)は9の倍数となり、〇+□=9か18となります。

〇+□=9のとき

  〇×90+(〇+□)×10+9=2×〇×□×9+27(分配法則の逆を利用しました。)

  〇×90+9×10+9=2×〇×□×9+27

  〇×10+10+1=2×〇×□+3(式全体を1/9倍しました。)

  〇×10+8=2×〇×□

  〇×5+4=〇×□(式全体を1/2倍しました。)

  4=〇×□ー〇×5

  4=〇×(□ー5)(分配法則の逆を利用しました。)

〇と□ー5は4の約数のペアで、その和が9-5=4となるから、〇=2、□ー5=2となります。

このとき、n=279となります。

〇+□=18のとき

〇=□=9となりますが、2×9×9×9+27>1000となり、条件を満たしませんね。

(あ)~(お)より、答えは587と279となります。

 

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 次の①~③のルールにしたがって整数をつくって、左から右へ順番に並べていきます。
 <ルール>
 ①1番目の数を0とする。
 ②2番目の数をaとする。(aは1けたの整数とする。)
 ③3番目からあとの数は、1つ前につくった数と2つ前につくった数をたした数の1の位の数とする。
 このルールで整数を並べたときのn番目の数を、(a、n)と表します。たとえば、a=1とすると、数が0、1、1、2、3、5、8、3、…… と並ぶので、(1、8)=3となります。
 次の各問いに答えなさい。
(1) (1、n)=0 にあてはまるnのうち、2番目に小さい数を求めなさい。
(2) (1、2023)+(a、2023)=10にあてはまるaをすべて求めなさい。

 

フィボナッチ数列と余りの周期性の問題です。

同種の問題は渋幕で過去に出されています(渋谷教育学園幕張中学校2008年2次算数第3問)が、その問題とは雲泥の差があります。

実際、この問題は大学入試レベルで、以前取り上げた一橋大学の問題より難しい(作業量が多いので面倒)でしょう。

 

 

この一橋大学の問題は愚直に数を書き出して解いたところで28個で済みますし、大学入試は時間が長いので問題ないですが、今回取り上げる渋幕の問題は愚直に書き出すと60個も書き出さないといけないので、かなり面倒なことになります。

試験時間はそれほど長くないですし、書き出している途中で計算を間違えたかもしれないと不安になったりしかねないですしね。

解説では60個書き出すという愚直な解法ではなく、少し頭を使って解く方法を紹介しています。

因みに、今回取り上げた問題と同様の問題が、東京出版のマスター・オブ・整数でも取り上げられていますが、その問題と比べても渋幕の問題は難しいと言えるでしょう。

 

 

詳しくは、下記ページで。

 渋谷教育学園幕張中学校2023年1次算数第2問(問題)

 渋谷教育学園幕張中学校2023年1次算数第2問(解答・解説)

 

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