(問題1)
順天堂大学2019年医学部数学第3問(1)
 1050と819の最大公約数をユークリッドの互除法を用いて求めよ。

小学生の場合、ユークリッドの互除法を用いてという条件は無視して考えればよいでしょう。
この条件は(2)以降の問題を解くためのヒントにすぎませんからね。
(解答・解説)
一般に、2数を割り切る数は、その差も割り切ります。
このことを利用します(下のページの解説を参照)。

 

 

1050と819をともに割り切る数は、1050-819=231も割り切ります。
231は、各位の数の和が3で割り切れるから、231=3×77=3×7×11とすぐにできますね。
1050は11では割り切れない(倍数判定法の利用)から、2数の最大公約数の句補は21の約数となります。
1050が21で割り切れることは数(105の部分)を見ただけでわかりますね。
当然、819(=1050-231)も21で割り切れるので、21が答えとなります。
文章にすると長々しいですが、実際のところ答えを求めるのに30秒もかかりません。
因みに、ユークリッドの互除法を用いて解くと下のようになります。
  1059=819×1+231
  819=231×3+126
  231=126×1+105
  126=105×1+21
  105=21×5(+0)
したがって、21が答えとなります。
ユークリッドの互除法を知っていたとしても、文字式ならともかく、具体的な数の場合は、必要に応じて、途中で作業を打ち切り、約数を考えるとよいでしょう。

(問題2)
茨城大学2022年前期教育学部数学第1問(1)
 4757と2059の最大公約数を求めよ。

(解答・解説)
一般に2数を割り切る数は、一方を何倍かした数と他方の差も割り切ります。
このことを利用します。
4757と2059をともに割り切る数は、4757と2059×2=4118の差4757-4118=639も割り切ります。
639=9×71で、各位の数の和が3で割り切れない数である2059は3の倍数でないから、2数の最大公約数の候補は71の約数となります。
2059が71の30倍ぐらいであることに着目すると、2059=2130-71とすぐにすることができ、71で割り切れることが確認できます。
当然、4757(=2059×2+639)も71で割り切れるので、71が答えとなります。
これも解くのに30秒もかからないでしょう。