今回はビジネススクールからは少し離れて、国際関係の専門職修士課程について調べてみました。国際機関・政府機関・NGO等に就職したい学生向けに、国際関係、国際法、経済学各国・地域研究外国語、各種政策論(経済発展、環境政策、紛争解決等々)、(学校によっては)国際経営等を幅広く教えるプログラムです。

 

 

(写真はワシントンDCの街中にあるジョンスホプキンス大学SAIS。国際経済学を重視したカリキュラムで知られる。隣はチリ領事館)

 

 

政治学の一分野としての「国際関係論」だけを学術的に研究するわけではありません。また、日本の大学で最近増えてきているという「国際教養」みたいなやつとも違います(こちらは専門職大学院ですので)。どちらかというと、日本で言えば外大を思いっきり拡張したような感じかもしれません

 

(2023/3/4追記)学習内容等についてはこちらもご覧ください。

 

(2019/12/1追記)こちらもご覧ください。

 

かなりニッチな学位だと思いますが、私の周辺には割と(日本人、アメリカ人、非・アメリカ人)卒業生がいます。

 

学生が国際機関にインターンに行くため、評判がいい大学はワシントンDC、ニューヨーク等の一部の都市に集中しています。ジョージタウン大学SFS、ジョンスホプキンス大学SAIS、コロンビア大学SIPA、タフツ大学等。他には公共政策大学院でやる場合(ハーバード大学ケネディ大学院、プリンストン大学ウッドロー・ウィルソン大学院等)もあり、また太平洋側であればカリフォルニア大学サンディエゴ校が有名です。一応、ランキングはこちら。スクロールダウンしていくと大学院のランキングが出てきます。

 

http://foreignpolicy.com/2015/02/03/top-twenty-five-schools-international-relations/

 

就職については政府や国際機関は分かりませんが、アメリカで民間に就職する場合、入学時点で職業経験がさほど求められない、学校によっては(上記のランキングに出ているようなトッププログラムであっても)入学基準があまり厳しくない等の理由により、場合によってはMBAより軽めに見られる傾向もあるようです。国際関係の修士の上からMBAを重ねて取った例も聞いています(個人的にはそれもどうかと思いますが)。

 

日本人の場合、私が聞く範囲では、日本に帰って外資系の金融機関・コンサル等に就職している人が多いようです。個人的には、傍から見ている限りでは比較的お勧めの留学ルートです。ただし、国際機関に就職できる人を除いて、アメリカの民間で就職するのは少し難しいかもしれません(そもそも論として、アメリカで働いている非・英語圏出身の外国人の多くは、少なくとも学部からはアメリカに来ているように思います。技術系は少し変わってくると思いますが)。

 

日本だと有力な国際機関をホストしているわけでもありませんし、言葉の問題もありますから、国内で同じような勉強をするのは難しいですね。ただ、海外事情に通じたプロフェッショナル人材は明らかに足りていないので、養成する方法は考えて欲しいものです。