「ヒールHeel」と「ベビーフェイスBaby Face」(語学用語などあれこれ第15回) | Prof_Hiroyukiの語学・検定・歴史談義

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『なぜ「ミリ」シーベルトが原子力関連の報道で使われるのか?』http://ameblo.jp/prof-hiroyuki/entry-10877092685.html から、実に2か月半以上が経ってしまいました。


今回の用語は「ヒール」と「ベビーフェイス」。

もともとは米国において「悪玉」と「善玉」を意味するプロレスリングの用語だったのですが、特に「ヒール」の方は我が国でもドラマなど多方面に亘って浸透している様です。


(1)もともとは米国の俗語

ヒール(heel)の初出は1914年頃。

卑劣な野郎」という意味の俗語でした。(英和辞典にもこの意味は掲載されている場合があります。)

そして早くも1920年代には、米国のプロレスリングにおいてベビーフェイスと共に「現在とほぼ同じ意味」で使われ出されました。


(2)日本で浸透した背景には・・・

一方、日本で「善玉」「悪玉」と言えば「勧善懲悪」。

「南総里見八犬伝(1814)」(NHK人形劇「新八犬伝」や滝沢秀明氏主演の「里見八犬伝」の原作)などに代表される様です。今回は詳しい内容には触れませんが、江戸時代後期にはこのタイプのものが色々と出現します。

幕末の「水戸黄門漫遊記」を元にした「水戸黄門」、その他「遠山の金さん」「必殺シリーズ」・・・など、「時代劇」のイメージが強いのはそのためなのでしょう。

(「秘密戦隊ゴレンジャー」を始祖とする「戦隊モノ」も幅を利かせているようですが。)


(3)そして、戦後の「プロレス(プロレスリング)・ブーム」が。

この「勧善懲悪」という構成は、戦後の力道山らによるプロレス興行の「ヒール」対「ベビーフェイス」の構図にマッチしたものでした。

それゆえに、プロレスリングが「プロレス」として国内でメジャーになると共に「ヒール」という語も「悪玉」一般を指す様になり得たのです。


(4)最後に

先ほど、時代劇の話も出て参りました。

それでは、昨今の「大河ドラマ」では果たしてこの様な「構図」になっているのでしょうか?

・・・その様な目で観てみるのも面白いかもしれませんね。

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