DVD放浪記 -346ページ目

「サウンド・オブ・ミュージック」を日本語で聴く

「サウンド・オブ・ミュージック」には、二種類の音声解説が収録されている。ひとつは、ロバート・ワイズ監督のもの。もうひとつは、ジュリー・アンドリュースを中心に、クリストファー・プラマー、長女役のシャーミアン・カー、振付師のディー・ディー・ウッド、そして、トラップ家を代表してヨハネス・フォン・トラップらのコメントを加えたもので、こちらは今回初収録のものだ。


ジュリー・アンドリュースらの語るエピソードはどれも面白いものばかりなのだが、他の映像特典の内容とダブっている箇所がかなりあるのがやや残念。来るべき「50周年記念エディション」のためにコンテンツの出し惜しみをしているわけでもないのだろうが、ラフ編もののような気がしないでもない。


とはいえ、長女リーズルからグレーテルまで7人の兄弟姉妹を演じた子役らの「40周年同窓会」や映画の熱狂的ファンらが集うシング・アロング集会の模様は実に楽しいし、フォン・トラップ・ファミリーの光と影を描いたドキュメンタリーも大変興味深かった。ミア・ファローのスクリーン・テスト(!)は格好の話のネタになることだろう。

20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
サウンド・オブ・ミュージック <ファミリー・バージョン>


さて、今回の<ファミリー・バージョン>の一番の目玉は「完全日本語版音声」の収録である。実は、この日本語版については、時間がなくてまだ全編を観ていないのだが、とりあえず、歌の部分だけを先に拾って観たところでは、島田歌穂(マリア)、布施明(トラップ大佐)、華原朋美(リーズル)のキャスティングはまずまずといえそうだ。特に、布施が、あえて抑え気味に歌をまとめているところは好感が持てる。島田も、英語の歌詞のほうがよほど歌いやすいだろうに、日本語の歌詞をよくメロディに乗せて頑張っていた。華原朋美も無難に歌をこなしていたと思う。


「サウンド・オブ・ミュージック」のように、原曲のままですでに超有名な曲の歌詞を、メロディに合わせた自然な日本語に翻訳することは容易なことではなかったはずだ。日本での舞台公演では何度も行われていたことなのかもしれないが、そうした訳例に接することがなかった私にとっては、今回、このDVDで英語と比較対照ことができ、いろいろと収穫の多い体験だった。興味のある方はぜひ一度観ていただきたい。


「サウンド・オブ・ミュージック」の思い出

その昔、「サウンド・オブ・ミュージック」の初公開時、新聞に全面広告が載っていたことを思い出す。私が小学生の頃の話で、細かなところはもう忘れてしまったが、とにかくその紙面いっぱいを覆う自然の美しさに目を奪われてしまった。お恥ずかしい話だが、私は、かなり大きくなるまで、これはスイスでのお話とばかり思い込んでいた。当時の私には、ヨーデルの響き渡る風光明媚な国といえばスイスしかなかったのだ。ま、仮にオーストリアの話なのだと教えられたとしても、オーストラリアとの区別さえつかなかったことだろうが。

転校生としてやってきてまもない女生徒(もちろん、性格の優しい美少女で、頭がよくて、当然ながらピアノも習っていた!)が、クラスの中で真っ先に観てきて、目を輝かせながら、いかにすばらしい映画であるかを滔々と語っていた姿は今も目に浮かぶ。私もこれはぜひ観なければと思ったものだ。ところが、実際には、親には言い出せないまま観る機会を逸し、ずいぶん長い年月が経ってしまう。当時、映画は父親に連れられて、「ゴジラ対キング・コング」といった怪獣ものとか、クレージー・キャッツ主演のコメディ映画との二本立てなどを観にいくのが常だった。ミュージカル映画はどうにも筋違いと子供心に自主規制していたのだ。ああ、なんといういじましさ……。 (T-T)


結局この映画を観ることができたのは、たしか淀川長治の「日曜洋画劇場」の時間枠だったように思う。当時の我が家のテレビはモノクロだったはずだ。


                      *****


その「サウンド・オブ・ミュージック」のDVDが新しいパッケージで再発売された。


20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
サウンド・オブ・ミュージック <ファミリー・バージョン>


すでにテレビでは何度も観ているし、DVDも持っているうえに、この価格なら廉価版DVDを3本は楽しめるわけで、ふだんの私なら間違いなくパスしていたはずだ。だが、ちょうど歌の吹き替え翻訳に興味がある時期にぶつかったこともあり、今回は衝動買いしてしまった。

早速吹き替え版で観るべきところなのだろうが、久しぶりということもあり、まずは原語で鑑賞。結末までの筋立てをすべて知っているにもかかわらず、今回もまた十二分に楽しむことができた。やはり名画である。ハリウッドの最良の部分が凝縮された作品といっていいだろう。


と、本日は、ごくあたりまえのことを再確認するところまで。
(以下続く)

MGMよ、どこへ行く?

「米MGMがソニーとの販売契約を解消」と報じた30日の共同電に接して、やや不可解な思いにとらわれたのは私だけではないだろう。

このニュースによれば、「ソニーが昨年買収した米映画大手メトロ・ゴールドウィン・メイヤー(MGM)は30日、ソニーにビデオやDVDの販売を委託する契約を解消する」というのだ。これによって、ソニーは、MGM作品からの販売手数料収入は失われるが、MGM映画の配給権は維持するらしい。


日本国内では、MGMのビデオやDVDは20世紀フォックスを通じて販売されていたのだが、昨年暮れから、着々と移管が進み、フォックスの「スタジオ・クラシック・シリーズ」からは、MGMタイトルが削除され、多くのアカデミー賞受賞作品がソニーから販売され始めた矢先のことである。


もちろん、米国内と日本国内とでは、権利関係、契約関係の切り分け方が異なる場合もありうるので、これらMGMタイトルがすぐにフォックスに戻るというものでもないのかもしれない。


まあ、私ごときに、この事件について語るべきものはなにもないわけだが、ひとつだけ気になることがある。


ピーター・セラーズ主演の人気コメディ・シリーズ「ピンク・パンサー」の【6】枚組みBOXセットがフォックスから発売されたとき、なぜか「ピンク・パンサー2」は収録されていなかった。


20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
ピンク・パンサー フィルム・コレクション

これを惜しむ多くのファンの声が、アマゾンのカスタマー・レビューに寄せられたことは記憶に新しいどころである。で、MGM作品がソニーに移管された後に、企画・発売された【7】枚組みBOXセット、「ピンク・パンサー リミテッド・フィルム・コレクション」には、なんと、問題の「ピンク・パンサー2」が収録されていたのである! もっとも、せっかく完全なBOXセットづくりを目指し、投入されたはずなのに、ファン心理とはままならぬもので、ソニーは、旧BOXセット購入者のために、「ピンク・パンサー2」の単品発売を急げ! といった書き込みが相次いだのは実に皮肉なものである。


ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
ピンク・パンサー リミテッド・フィルム・コレクション DVD-BOX

では、万一、MGMがフォックスに出戻った場合、またしても、「ピンク・パンサー2」未収録のBOXセットに逆戻りしてしまうのだろうか? ああ、「ピンク・パンサー」BOXセットの運命やいかに?

(ーー)



「ドッジボール」に見るハリウッドの暗黒面

■■■映画を未見の方はこの先を読まないでください■■■

■■■物語の核心部分についてのネタばれがあります■■■


20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
ドッジボール<特別編>


DVDには、諸事情から公開時に削除されていたシーンや別テイクなどを特典映像として収録しているものが多い。この「ドッジボール」でもそうした映像を楽しむことができるのだが、その中の別エンディングを見たときは心底びっくりしてしまった。

別エンディングが作られること自体はそう珍しいことではない。たとえば、ヒッチコック監督が「トパーズ」(1969年)の終わり方に迷い、複数のエンディングを用意したことはよく知られている。


ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
トパーズ

ハリウッドでは、完成前に試写会が何度も行われ、そこでの観客の反応によって、シーンが追加・削除されるのは日常茶飯事らしい。マーケティング至上主義がハリウッドを支配しているわけだ。


だが、「ドッジボール」の場合は、なんと、【当初の製作意図】とは正反対のエンディングになってしまっているのだ!! このあたりはぜひ実際に観ていただきたいと思う。

ベン・スティラーが、エンディングの後、延々と毒気を吐き続けるモノローグ・シーンも、実は製作者、表現者としての鬱憤晴らしだったのかもしれない。


だが、さらに複雑な気持ちにならざるをえないのは、そうした作り手に不本意なエンディングを採用した結果が「興収1億ドル突破」をもたらしたとしたという事実、そして、そのエンディングを違和感なく素直に受け入れ、嬉々としている自分がいるという事実があることだ。


うーん…… (--)


どうしても今そのエンディングを観たいという方は、以下をご覧あれ。



未見コメディ購入の際の決め手は?



映画館やテレビで観たことのない映画のDVDを買うのは一種の賭けといえるだろう。コメディとなると、そのギャンブル度はいやがうえにも増す。とてつもなくしょーもない作品に当たることもまれではなく、これまでに何度も痛い目にあってきているのだが、そのつど、「いや、この英語表現がまだ使われていることが確認できたから、まあよしとしよう」などと無理やり自分に言い聞かせてお茶を濁しているのだ。


とはいえ、多少の指標もなくはない。口コミはやはり重要な情報源だし、アメリカで数種類出ているビデオ・DVDガイドの類の評点を参考にする手もある。だが、もっと安直な方法がある。とりあえず、下ネタ系だろうが、脱力系だろうが、「興収1億ドル突破」したものはとりあえず観ておいて損はないというのが私の経験則である(もちろん、はずれもないわけではないのだが)。


20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
ドッジボール<特別編>


さて、その「経験則」による最近の収穫が、「ドッジボール」(2004年)である。「全米(予想外の?!)大ヒットで興収1億ドル突破!! 5週連続トップ10入り!! 」を果たしたというこの映画、物語はいたって単純だ。経営破綻寸前の古びたスポーツジムの存続のためにダメ男たちが立ち上がったものの、先立つものは金。期日までにまとまった資金を調達しなければ、施設はライバルのジムのオーナーの手に渡って駐車場にされてしまう。そんな時目にとまったのがドッジボールの全国トーナメント。懸賞金獲得を夢見て彼らはひたすら優勝を目指す……というスポ根コメディである。


どう考えてもマイナーなドッジボールを、アメフトやバスケ並みの大真面目なスポーツに仕立て上げたところがミソで、おばかなネタをマジに演じきるベン・スティラーがやはり面白いし、それを受けるヴィンス・ヴォーンもなかなかのもの。物語も勧善懲悪ハッピーエンドのおきまりの公式に沿ってはいるけれど、私にはまずまず楽しめる作品だった。


ところがである。このDVDに収録された特典映像を見てたまげてしまった。

(以下続く)

http://ameblo.jp/prisoner-number-six/entry-10013113475.html



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ドッジボール

Dodgeball: A True Underdog Story

2004年 カラー 93分

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◆スタッフ
監督:ローソン・マーシャル・サーバー
製作:スチュアート・コーンフェルド/ベン・スティラー

製作総指揮:メアリー・マクラグレン/ローズ・レイダー
脚本:ローソン・マーシャル・サーバー
撮影:ジャージー・ジーリンスキー

音楽:セオドア・シャピロ

◆キャスト
ピーター・ラ・フルール:ヴィンス・ボーン
ホワイト・グッドマン:ベン・スティラー

ケイト:クリスティーン・テイラー
ジャスティン:ジャスティン・ロング(*)
ランス・アームストロング:ランス・アームストロング

チャック・ノリス:チャック・ノリス

ドッジボール協会会長:ウィリアム・シャトナー
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* ジャスティン・ロングが気に入った人は、ぜひ「ギャラクシー・クエスト」(1999年)を観よう!


また観てみたい「青春映画」

「青春映画」なんて言葉を聞いただけで体がむずがゆくなるたちなので、このタイトルを書き込むのにはかなり躊躇したのだが、ほかに適切なものが思い浮かばないので、目をつぶってえいやっとやってしまった。

実は、DVDの発売を心待ちにしている作品が2本ある。「青春物語」「避暑地の出来事」である。どちらも、子どもの頃テレビで放映された際に、その一部を観た気がするのだが、残念ながら今となってはほとんど断片的なイメージしか残っていないのだ。

「青春物語」(1957年)の邦題がピンとこなくても、Peyton Place と聞けば、ミア・ファローが主演したテレビ・ドラマを思い出す人がいるかもしれない。テレビ版のほうは、登場人物同士のドロドロの人間関係で引いてしまったが、映画版のほうは、どういうわけか美しい自然の中で自転車を乗り回す若者たちのイメージだけが強く印象に残っている。たぶん、こっちもドロドロしていたはずなのだが。
◆「青春物語」予告編

 

 


「青春の旅情」(1961年)は、原題の Return to Peyton Place が示すように、「青春物語」の続編にあたる作品。こちらはテレビ放映された際に観たことを覚えている。『ペイトン・プレイス』を出版して一躍有名になった作者が、小説のモデルとした故郷に戻ってくると……という設定。
◆「青春の旅情」予告編

 


◆反対者なしに民主主義なし

フォックスさん、どうかこの2本そろえてのDVD発売よろしくお願いします。
<(_ _)>

もうひとつの「避暑地の出来事」(1959年)は、映画自体を観たことはなくても、マックス・スタイナーの音楽というか、パーシーフェイス・オーケストラの「夏の日の恋」ならご存じだろう。こちらも、おそらく子どもの頃にテレビで観ているはずなのだが、腹立たしいことに、なぜか記憶の中にあるのがトロイ・ドナヒューだけで、肝心のサンドラ・ディーが思い出せないでいたのだ。今なら予告編で見られるけれど。 (--)
◆「避暑地の出来事」予告編

 


ワーナーさん、どうかこの作品のDVD発売よろしくお願いします。
<(_ _)>

「DVD放浪記」FAQ

ご質問があったのでお答えします。 (^^)


質問 1

このブログで取り上げてきたDVDをほんとうに自分で買って観ているのか?


回答:

今までのところで言うと、「チーム★アメリカ」だけはレンタルで観ましたが、あとは、すべて自腹を切って購入して観ています。ただし、これからは、私が映画館やテレビで観ただけで、DVDは未購入というケースも出てくるでしょう。


なお、適宜添えられた画像はアマゾンのデータから引っ張ってきているため、「ピグマリオン」のように、私が購入した商品とは違うものを挙げざるをえない場合もあります。また、自分が購入したものと型番が異なるものもありますが、可能な限り、同一仕様で廉価なもの、また実際に入手できるものを選ぶようにしています。


念のために申し上げておきますと、特定のメーカーから提供を受けているなんてことはありません。ただし、メーカー、販売会社によるプレゼント・キャンペーン(「5本買ったら1本プレゼント」などで入手したものはあります。今のところ20世紀フォックスのタイトルが多いのですが、これは偶然です。ただ、クラシックものと安いものに手が伸びがちなので、メジャーの廉価版DVDが占める割合が大きくなってくるでしょう。


質問 2

なぜ買うの? テレビでやるものや、レンタル品をダビングすれば済むのでは?


回答:

現在のところ、テレビとビデオを所有していません。 (^^;

また、私が観たいDVDが必ずしもレンタル店に置かれているとは限らないのです。というより、恐ろしいことに、クラシック作品に限れば、並みのレンタルビデオ店の店頭在庫より私の所有するDVDの数のほうが多いことに最近気づきました。


また、TVやレンタルものでは観ることができない特典映像も、DVD購入の動機のひとつにはなっています。


質問 3

それにしても、DVDを購入する余裕があるなら、テレビとビデを買い揃えたほうが安上がりでは?


回答:

英語収集の興味もあるので、DVDは必須です。DVDの英語字幕情報を間接的にテキスト化するソフトを利用して吸い出しているのですが、これは、TV放送のダビング映像には今のところ利用できません。


個人的には、DVDを1本買うことは、(少なくともリスニングの観点から見ると)英語レッスンをひとコマ受けるのと同等以上と考えています。だから、980円の映画なんか格安だと思っています。



さて、ご満足いただけましたでしょうか?



赤狩り時代のハリウッド

昨日触れたジョン・ガーフィールドは、心臓が弱かったところに、「赤狩り」騒動からくる心労がたたって、若くしてその生涯を閉じることになってしまった。

当時スターだったガーフィールドは、共産党員の監督の作品に出演していたことなどがたたって、世間の耳目を集めたがっていた査問委員会には格好のターゲットになったようだ。

戦時中は、健康上の理由で兵役にこそ就けなかったものの、真っ先に慰問にかけつけるなど、愛国的な活動を率先して行っていたのだが、その慰問先が後に共産圏に組み入れられたこともマイナスに働いたというから皮肉なものである。


さて、「赤狩り」は当時の映画界に大きな爪跡を残し、後々まで尾を引くのだが、この時代を描いた映画というと、まず思い出すのが「追憶」だ。

追憶

¥2,440
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ただ、主演のストライサンドとレッドフォードふたりのラブ・ストーリーに大きな影を落としはしたものの、この「赤狩り」は間接的にしか描かれていないため、いまひとつピンとこない面がある。そのあたり、もう少し真正面から描いたのが「真実の瞬間(とき)」(1991年)だ。

真実の瞬間(とき)
¥1,341
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こちらのほうが、やや図式的ながらも、当時のハリウッドの状況をより把握しやすいだろう。マーティン・スコセッシ監督が俳優として出演し、査問委員会への出頭を命じられる「監督」役を演じている。

ジョン・ガーフィールド再発見!

ジョン・ガーフィールドという俳優の名も知らぬままにその顔を初めて見かけたのは、エリア・カザン監督の「紳士協定」で、彼がユダヤ人の将校役で登場した場面だったと思う。そのとき、この地味な脇役は、これ以外のどんな映画に出演しているのだろうとふと思ったことを覚えている。


20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
紳士協定

その彼に再び出会ったのが「郵便配達は二度ベルを鳴らす」(1946年)である。

怠慢でジェームズ・ケインの原作を読んでいなかったのだが、映画を観てびっくり。こんな面白い話だとは思わなかった。特に、やり手の悪徳弁護士の存在はなかなかのもの。ちなみに、この役を演じたヒューム・クローニンがまだ若く、ナンセンス・スパイ・コメディTV番組、「それ行けスマート」に主演したドン・アダムスに感じが似ていて思わず笑ってしまった(ドン・アダムスは以下のCDのジャケット参照のこと)。

http://ameblo.jp/prisoner-number-six/entry-10106073204.html


Don Adams
Get Smart (1965 - 1970 Television Series)

この映画、ラナ・ターナー目当てに観たようなものなのだが、むしろ、このカート・ラッセルをヤクザっぽくくずしたようなジョン・ガーフィールドに俄然興味がわいてきてしまった。

よくしたもので、このDVDには、ガーフィールドの生涯に焦点を当てたドキュメンタリー映像が収録されている(ナレーションは彼の娘が担当)。演劇青年としての道を突き進んでいた彼が映画に出演するようになった経緯なども面白いが、やはり、「赤狩り」騒動に巻き込まれた後半が胸を打つ。この特典映像はぜひ一度ご覧になることをおすすめしたい。


ワーナー・ホーム・ビデオ
郵便配達は二度ベルを鳴らす(1946年版)

これに限らず、ワーナーのクラシック作品は、昔のポスター風のジャケットが多いが、けっこう気に入っている。「郵便配達は二度ベルを鳴らす」には、ジャック・ニコルソンとジェシカ・ラングが共演したリメイク(1981年)など、複数の映画があるのだが、それはまた別の機会に。

「チーム★アメリカ」は音楽もよし!


Original Soundtrack
Team America: World Police

「チーム・アメリカ」は、その音楽も見逃せない魅力のひとつになっている。「サウスパーク 無修正映画版」の音楽(アカデミー歌曲賞の候補にもなった)もよくできていたので、ある意味、これは不思議でもなんでもない。ただ、今回は、より強烈なインパクトを狙っているようだ。何しろ、のっけから

1. Everyone Has AIDS

である。これで笑いを取った後に、

2. Freedom Isn't Free

でクスリと笑わせ、もう皆さんおなじみの(なわけないか…… (^^;)、

3. America, F**k Yeah

になだれ込む。ちなみに、これはフルコーラスで収録されているので、最後まで聞くように。

キム・ジョンイルが歌う

6. I'm So Ronery

は、情感豊かな歌で、思わず口ずさんでみたくなるような、なかなかの傑作だ。LがRの音になっているところはお約束なのだろう。

8. End of an Act

は、よくこれで訴訟ざたにならなかったものだと感心する内容だ。しかし、何やかや言っても、個人的に一番笑えたのは、次の曲である。

9. Montage

これは、映画の「モンタージュ技法」をからかった内容で、なるほど、製作者らが、過去のアクションもの映画を徹底的に研究したことがしのばれる佳作である。なんだか、和製ポップスっぽいバックコーラスの入り具合もよし!

これは世の中を斜に構えて見るすべての人への贈り物だ!  な~んてね! (^0^)