MGMよ、どこへ行く? | DVD放浪記

MGMよ、どこへ行く?

「米MGMがソニーとの販売契約を解消」と報じた30日の共同電に接して、やや不可解な思いにとらわれたのは私だけではないだろう。

このニュースによれば、「ソニーが昨年買収した米映画大手メトロ・ゴールドウィン・メイヤー(MGM)は30日、ソニーにビデオやDVDの販売を委託する契約を解消する」というのだ。これによって、ソニーは、MGM作品からの販売手数料収入は失われるが、MGM映画の配給権は維持するらしい。


日本国内では、MGMのビデオやDVDは20世紀フォックスを通じて販売されていたのだが、昨年暮れから、着々と移管が進み、フォックスの「スタジオ・クラシック・シリーズ」からは、MGMタイトルが削除され、多くのアカデミー賞受賞作品がソニーから販売され始めた矢先のことである。


もちろん、米国内と日本国内とでは、権利関係、契約関係の切り分け方が異なる場合もありうるので、これらMGMタイトルがすぐにフォックスに戻るというものでもないのかもしれない。


まあ、私ごときに、この事件について語るべきものはなにもないわけだが、ひとつだけ気になることがある。


ピーター・セラーズ主演の人気コメディ・シリーズ「ピンク・パンサー」の【6】枚組みBOXセットがフォックスから発売されたとき、なぜか「ピンク・パンサー2」は収録されていなかった。


20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
ピンク・パンサー フィルム・コレクション

これを惜しむ多くのファンの声が、アマゾンのカスタマー・レビューに寄せられたことは記憶に新しいどころである。で、MGM作品がソニーに移管された後に、企画・発売された【7】枚組みBOXセット、「ピンク・パンサー リミテッド・フィルム・コレクション」には、なんと、問題の「ピンク・パンサー2」が収録されていたのである! もっとも、せっかく完全なBOXセットづくりを目指し、投入されたはずなのに、ファン心理とはままならぬもので、ソニーは、旧BOXセット購入者のために、「ピンク・パンサー2」の単品発売を急げ! といった書き込みが相次いだのは実に皮肉なものである。


ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
ピンク・パンサー リミテッド・フィルム・コレクション DVD-BOX

では、万一、MGMがフォックスに出戻った場合、またしても、「ピンク・パンサー2」未収録のBOXセットに逆戻りしてしまうのだろうか? ああ、「ピンク・パンサー」BOXセットの運命やいかに?

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