職場で小学校から電話が掛かってきました。
「きっき君なんですけど、今日(の放課後)から夏休みで、学校のグラウンドに自転車で遊びに来ていたんです。
それから帰ったら、家の鍵がついた鞄がないことに気がついて、なぜかヘルメットを持ったまま徒歩で学校まで来ました。
鞄もないし、炎天下で何往復もさせられないし、どうしましょう?」
ちなみに我が家と小学校の距離は、片道3キロ弱。
息子は既に放課後だけで炎天下を12キロ近くうろちょろしていたことになります。
鞄も飲み物もないんだから、そりゃ先生としては熱中症の危険を考えると帰せないでしょう。
まーたーかー
また、やらかしたのか!
と思いつつ先生の話を聞いていると、先生はどちらかというと鞄を失くした云々より、ヘルメットを持っているのに自転車ではなく徒歩で来たことに疑問を抱いている様子。
なぜなら息子にとって失せ物は日常だから、先生にとっても疑問の持ちようがないからです。
「おそらく途中で探しながら来るために徒歩で来たんだと思います。
ヘルメットを持っている理由は謎ですけど。」
と答えた後に、プライベート用の鞄にもエアタグがついているはずなので、iPhoneを使っている旦那に現在地を確認してもらうと連絡しました。
「エアタグついているんですか」
先生、驚きます。
「あーなにぶんこんな子なので。
傾向と対策です。」
「…そーなんですね」
もちろんプライベートの鞄だけでなく、ランドセルにも、ヤマハのバックにもエアタグがついています。
で、旦那に連絡して説明の上でエアタグの位置探査を依頼したところ、
「なんであいつはあんなにバカなんだ!」
と電話口でわめき始めました。
まぁわからんでもない。
しかし今長々と喚いたところで、私の耳が痛いだけです。
「そんなこと、今言っても仕方ないやん(本人もいないし)。
場所確認できるの?」
と聞くと
「無理だ」
と反射的な、木で鼻を括るような返事。
「今、仕事で確認できないの?(普通に電話で文句言ってたけどさ)」
と聞き直すと
「大丈夫だけど」
と言う旦那。
「じゃあ探査してよ」
と言うと再びソッコー
「無理だ」
と回答。
しかし今度はそれだけでは説明が足りないと思ったらしく
「近くにiPhoneがないと反応しない」
と言い足しました。
知ってるよ
でも山の中に行ったわけでもないし、こども園に送迎に来る親もいれば、先生のスマホもあるやろ。
「とりあえず試して」
と言うと、やっと確認してくれました。
結局、グラウンドのこども園近くで30分ほど前に反応していたことが判明。
先生にそのことを連絡してしばらくしてからかけ直すと、見つかったとのことでした。
やれやれ┐(-。-;)┌
そして職員室で待たせてもらうのもあまり長時間だと迷惑てすし、職場で説明して30分前に帰らせて貰います。
本当はこの日、病気早退者が出たし、夕方は時短の人も帰るため人が少ないので、残らなければいけないところです。
しかし事情を話すと
「すぐに帰ってあげな」
と、上司二人ともに言ってもらえました。
片方は人事管理上、うちの状況も報告してあるので「多動症やな」と呟いていました。
それはちょびっと違う!とは思ったけれど、まぁ大意は同じだし、訂正するのも面倒なので、そのままにしておきました。
早退について正直いうと、片方の上司は役に立たないことが多いので、もう一人の肩に仕事がのし掛かるのが心配ですが、私も何度も単独で残されているのでお互いに理解の範疇ではあります。
ちなみに迎えに行くと先生は笑って息子に
「君の消しゴムにエアタグを付けたいよ」
と言っていました。
さて、翌日は晴れて夏休み初日。
ラジオ体操後には、開催場所である神社の清掃です。
もちろん旦那は知らんぷりで出勤。
私は娘の送迎もあるので、ギリギリまで参加し、終わりかけた5分前に帰ることにしました。
息子は六年生なので、掃除にガッツリ参加なのですが、声をかけてから帰ろうと思って探すといない。
近くの公園に水汲みに行っている六年生がいるのでそちらかもしれませんが、時間もないので黙って帰ることにしました。
ラジオ体操場所から自宅は徒歩一分もかかりませんし。
自宅に戻ったらとにかく急いで着替えて、こちらも出勤しなければいけません。
「ただいまー」
という私の声に
「お母さんお帰りー」
とリビングから返事が返ってきます。
息子の声で…。
「はぁっお前何しとんねん!」
まだ掃除は片付けが始まったところ。
六年生が帰れるのはまだ先です。
それが先に自宅に戻ってゲームを始めているとはどういうことか。
叱責すると息子は慌ててラジオ体操場所に戻っていきました。
本当に周りを見ない息子です。
ところで、しばらく前に職場の後輩であり、子供の年も近い人と話す機会が久しぶりにありました。
端的に言うと中学生の娘が、あることをきっかけにクラスで無視され始めて不登校になった、ということです。
我が家の娘が不登校になった時との最大の違いは、それが起きたのが小学校低学年か中学生かということ。
中学生では不登校の原因がなんであれ、授業に出なければ成績は全て1しか付かないそうです。
つまり、内申点で受験できる高校が決まってしまう制度の下では、高校受験は絶望的だということ。
そこの家庭では、英語学童に長く通わせていたことや、元はと言えば積極的な性格であること、大学の学費を先取り貯金してあったことなどを踏まえて、打開策として海外留学に舵を切りました。
素晴らしい発想の転換だと思います。
その子のことは赤ちゃんの時から知っていますが、きっと海外でいい刺激を受けて育つだろうと信じられます。
公立中学が生徒の面倒を見てくれないという話は、学業面では聞いていたものの、不登校の打開策のなさを詳しく聞いて戦慄しました。
娘の不安定な性格では、これは他人事では済まされない話。
息子だって、この不注意性格や体格の小ささ、弱さなどが原因で中学でイジメにあう危険性は非常に高い。
娘の性格や教育内容、我が家の状況では、年単位で海外留学なんてとても無理です。
不登校の原因も打開策も色々ですが、それぞれのお子さんに合った解決方法がすんなり見つかればいいのにと本当に思います。
それから、こんな風に付けられた内申点で足切りする受験制度は、学校側の都合だけで子供の育成を放棄したように感じてしまいます。