【作品#0232】ホワット・ライズ・ビニース(2000) | シネマーグチャンネル

【タイトル】

 

ホワット・ライズ・ビニース(原題:What lies Beneath)

 

【概要】

 

2000年のアメリカ映画

上映時間は130分

 

【あらすじ】

 

夫婦のノーマンとクレアは、1人娘が大学進学に伴い寮生活をすることになったため、湖畔沿いの家に引っ越すことにする。しかし、クレアはその家で妙な音を聞いたり、隣人の行動に不信感を抱いたりしていき、無関心のノーマンをよそに事の真相を調べ始める。

 

【スタッフ】

 

監督はロバート・ゼメキス

音楽はアラン・シルヴェストリ

撮影はドン・バージェス

 

【キャスト】

 

ハリソン・フォード(ノーマン)

ミシェル・ファイファー(クレア)

ダイアナ・スカーウィッド(ジョディ)

ジョー・モートン(ドレイトン医師)

ジェームズ・レマー(ウォーレン)

ミランダ・オットー(メアリー)

ウェンディ・クルーソン(エレナ)

 

【感想】

 

ロバート・ゼメキスが監督した「キャスト・アウェイ(2000)」でトム・ハンクス減量期間中に撮影されたのが本作。

 

「ヒッチコックが今も生きていたらこんな映画を撮っただろう」というコンセプトで本作を作ったのらしいが、それってそもそも映画を作る上での志が低い気がしてしまう。確かにヒッチコックらしい場面(オマージュ)はある。怪しいと思っていた隣人夫婦は中盤前に何の関係もないことが分かるのだが、ヒッチコックも映画の中盤にちゃぶ台をひっくり返すようなことはやっていた。橋を車で走るミシェル・ファイファーにカメラが寄っていくショットも、「海外特派員(1940)」で飛行機へ寄っていくショットの引用だろう(ブライアン・デパルマが「アンタッチャブル(1987)」でもやっていた)。それから、すでにこの世にはいない人物の亡霊に苛まされるのは「レベッカ(1940)」だし、向かいの家を覗くのは「裏窓(1954)」だし、水に落ちた女性を助けるところは「めまい(1958)」だし、シャワーシーンと言えば「サイコ(1960)」辺りを思い出す。他にも挙げればきりはないが、CGや特殊効果によってヒッチコック時代にはできなかった演出も盛り込まれている。

 

このブライアン・デ・パルマ並みの狂信的なヒッチコックオマージュの捧げられた映画ではあるが、別に面白い映画という印象は全くない。謎が解けてもすっきりすることもないし、恐怖表現も月並み。内容の割には上映時間が130分というのもちょっと長い。スタッフもキャストも豪華だが凡作。

 

【音声解説】

 

参加者

├ロバート・ゼメキス(監督)

├スティーヴ・スターキー(製作)

├ドン・バージェス(撮影)

 

上記3名による対話形式の音声解説。3人ともがハリソン・フォードとミシェル・ファイファーの演技を絶賛しており、「100年後にこの映画が云々…」という話をしていたが、残念ながら100年後に映画ファンの記憶に残る映画ではないだろう。カメラワークに凝っているのは本編を見ていれば分かるが、撮影監督が参加していながらそのトリックや撮影の苦労話がほとんど聞けないのは残念。また、本作を作り上げる動機や熱意、意図などもあまり感じられず、自画自賛ばかりでは困る。

 

 

 

取り上げた作品の一覧はこちら

 

 

 

【配信関連】

<Amazon Prime Video>

言語
├オリジナル(英語)

 

【ソフト関連】

<DVD>

言語
├オリジナル(英語)

音声特典

├ロバート・ゼメキス(監督)、スティーヴ・スターキー(製作)、ドン・バージェス(撮影)による音声解説

映像特典

├オリジナル劇場予告編
├メイキング・オブ・「ホワット・ライズ・ビニース」
├バイオ&フィルモグラフィ
├プロダクション・ノート