西森大学文芸部 -6ページ目

パラレル

おわりー

パラレルの政治力学 12

「で、あんた誰なの?」
「結局今まで自己紹介できなかったね。僕はリンという者で、3年前に君のようにこの世界に来たんだ。僕も最初にここに来た時はびっくりしたよ。でもその頃は誰もこの世界で投票権なんて知らなかったから誰にも命を狙われずに済んだんだが、表裏党が情報を集めるにつれてどうやら僕が第24世界の人間ということがばれたようでね。今の今までずっと命を狙われていたんだ。」
「何であんたは投票権を行使しなかったの?第24世界の人間でしょ?」
「僕は西森大学の中国人留学生だ」
「あー」
「でもだからこそ、この世界がみじめに見えたんだ。特殊条件がない完璧な世界、だからここの人々は戦争で5年ごとに大量に人死にが出てもそれに疑問を持たない、僕らの世界以外ではそれが普通なのだから。中国人の僕が言うのは滑稽かもしれないけど、実際は中国人だから余計にこの世界を見ると悲しくなった。だからまたこの世界に来る人を待って、戦争を終わらせてから帰ろうと決めたんだ。で、それも終わり」
「じゃあもう一緒に帰りましょうか。こんなクソみたいな世界だけど、この経験で僕が生まれながらに持っている権利の力とそれに伴う責任を学べましたよ。これからは誰の指図も受けないで、この権利を自分で責任をもって運用するようにします」
「そうだね。でもそんな君に残念なお知らせがある」
「何ですか?」
「これは公明党の提供による夢だ。投票しない人が増えれば我々は相対的に躍進できる。本来言ってはいけないのだが・・・グスン・・・たえ、耐えられなかったんだ!君は今自宅で寝てる。」
あー、やっぱりそういうことね。てか泣くなカス、余計むかつくだろ。


ガバッ

突然世界が変わるとやはりあの中国人が言っていた通りそこは自分の部屋だった。


ピーンポーン

こんな時間に誰だよ、まだ9時だぞ。とりあえずインターホンに出る

「はーい」

「あのーすみません」

ん?この声はさっきの・・・

「聖教新聞のものですが」

パラレルの政治力学 11

「ほらあぁぁ!俺の言ったとおりだろ!」
永井が飛び上がって喜んでいる。本当に信じられないほどのアホだ。永井もこの状況も。
「これ・・・とうひょ・・はあ?」
「この世界の神話に似たようなものがある!それを元にすれば、投票したい人を叫んでまた飲み込むんだ!」
「・・・・・・・・何でそういうことは前もって言わないんだよ!」
「だってあんなアホと一緒の目で見られたくないし」
あー。しかしだな。・・・ああもういい!
「って事は俺が投票すればそれで済むってこと?」
「まあ、そういうことだ。あいつらはあまり状況が理解できてない、今のうちだ!」
よし・・・・いくぞ・・・いっせーのーでっ
「誰にも投票しなあああああああい!」
「はあ?」
お兄さん以外みんな口が開いたまんまだ。
「いいか、これは俺だけの権利だ。貴様らにすべこべ言われる筋合いはない。まず表裏党の小山内。お前はうまいこと言っておいて結局自分らの党利党略ばっかりで人の話は聞きやしない。最高の生活を保障?言ってしまえば外人の俺だけのためにほかの人間がお前らの言いなりになるのか?自分らと何人かの偉い人を囲っておけばいいなんてのは政治家以前に人間として
クズ以下だなあ!出直してこおおおおぃいぃぃやああぃあぁぁ!そして自己満党、お前らはただ何か言っとけば政治になるとでも思ってるのか?理念も何もない自己満すらできてないただのバカは死ね!そしてこんなのをのさばらせるような世界なんて消えてなくなってしまえええぇぇぇぇっぇぇ!どうだこれは権利行使だろ!だれにも投票しないんだ!
認められなくてもいい!もし誰かに投票しなければこんな馬鹿みたいに広い訳のわからんカルトの施設が爆発してみんな死ぬというのなら死んでしまええぇぇぇぇっぇぇぇぇぇ!!!」
と言ってまたビー玉を飲んだ。下手すれば俺はこれでこいつらと一緒に死ぬかもしれないが、もうそれでもいい。偉大な権利は有効に使わなければならない。有効に使えないのならば、使ってはいけない。これが俺の結論だ、誰にも文句は言わせない。
うわ、俺超かっこいいんですけど。お兄さんはにこにこしてこっちを見ている。
これで完全に原発は暴発するだろう。俺は覚悟を決めたが・・・むしろ爆発はおさまった。何で?
「うわあぁぁ、なんだ!」
と永井が叫ぶと、突然政治家連中の姿が消えていく。
しばらくすると俺ら以外全員消えてしまった。
「・・・・何なんだよもう」
お兄さんは突然まじめな顔に変った。
「君は真剣に考え、相手の安易な脅しにも屈さず自分の考えを通したんだ。君は偉大な力を有効に使って責務を完璧に果たしたんだ。」
はあ・・・・そんなもんかねえ。