不都合な偽装 4
大講義室についた。この講義の講師は出席を取らないが、今回は結構な生徒が来ている。かくいう俺もまだ3回しか来てない。
「ではみなさん、講義を始めます。」
と言って、講師が講義を始めた。講義名の割に意外と面白いのだが、一つ欠点がある。それは
「ちょっとすみません、先生!」
「・・・・・なんですか中田君」
こいつだ、最近は地球の環境を守る使命に目覚めたらしい。講義を何度も中断させてはレジュメの紙質やら、インクやら、果ては講義の内容にまで突っ込みを入れている。
「先生!今地球上の第三世界と呼ばれる地域では、子供が3秒に1人死んでるんです。そのような先進国側に甘い現状の打開策ではこの問題は解決しないと思います」
「・・・そうだね、意見をありがとう、参考にさせてもらうよ」
講師も一発怒鳴ってやればいいのに、何て優しいんだ(棒
「オホン、で、この石油という資源は中東という情勢が不安定なとk・・・」
「せんせー!それは石油を消費することを前提にしたような考えであるとおもいます!」
「・・・・ありがとう」
先生小声になってんじゃん。
授業が終わり、みんなが渋滞しながら大講義室を出て行く時、中田が引き留められた。どう考えてもクビ宣告なのだが、やつの表情を見る限り気付いていない。
ちょっと気になるので覗き見させてもらおう
「君は中田君と言ったね。」
「はい」
「あーいいか、君の貧困や環境への意識は高いし、知識も素晴らしい」
「ありがとうございます。態度で示すことが第一歩だと思うんです、ほら、ホワイトリング」
「・・・・・しかし君が講義を中断するたびに僕の授業計画が狂ってしまうんだよ」
「えっ、でも意見をs」
「全部僕のところに苦情が来るしね、もう大変なんだ。悪いが君には単位をあげられない」
「ちょっと待ってくださいよ、それはおかしいんj」
「悪いが仕方ないんだ」
「俺前期4単位しかとっt」
「次頑張ってくれ」
「お願いです、1日反省文を書きまs」
「だめだ」
「一時間でk」
「だめだ」
「1分だけ弁解のy」
「だめだ」
「1秒だけ」
「・・・よし、それなら今から君に1秒の猶予をやろう」
「あ」
「終了、残念だったな」
不都合な偽装 3
朝から上から目線で物事言われたらさすがの俺もキレそうだなあ・・・まあいいや
「お前早いな、昨日は飲み会もバイトもなかったのか」
「なかったよ、何もないとあんな退屈なんだな。お前の気持ちが少しわかったよ」
・・・・・・・・・中田の腕に何か白い輪がある。イカ?
「じゃっ、おれは先に教室行っとくわ、ユウキもじゃあな」
「ん、ああ、分かった。あれ?ユウキはあいつと授業違うの?」
「あ、違うよ。ちょっと隣いいかな?」
「ああ。そういえばお前中田と仲良かったっけ?」
「・・・・・何か朝から説教された。お前は世界の貧困について何もわかっちゃいないとかなんとか」
「共産党員か何かなんじゃないの、あいつしゃべり方も気持ち悪いし」
「そんなことは・・・・まあそうだな」
「あいつ俺にはエコとかゲームがなんとかって言ってきた。どうせ叩くように問い詰めてもほこりすら出ないんだから無視しとけ」
そうこうしてる間にこんな時間だ。ユウキと別れて1限の授業に向かう。講義の題名は「環境論」だ。