パラレルの政治力学 12 | 西森大学文芸部

パラレルの政治力学 12

「で、あんた誰なの?」
「結局今まで自己紹介できなかったね。僕はリンという者で、3年前に君のようにこの世界に来たんだ。僕も最初にここに来た時はびっくりしたよ。でもその頃は誰もこの世界で投票権なんて知らなかったから誰にも命を狙われずに済んだんだが、表裏党が情報を集めるにつれてどうやら僕が第24世界の人間ということがばれたようでね。今の今までずっと命を狙われていたんだ。」
「何であんたは投票権を行使しなかったの?第24世界の人間でしょ?」
「僕は西森大学の中国人留学生だ」
「あー」
「でもだからこそ、この世界がみじめに見えたんだ。特殊条件がない完璧な世界、だからここの人々は戦争で5年ごとに大量に人死にが出てもそれに疑問を持たない、僕らの世界以外ではそれが普通なのだから。中国人の僕が言うのは滑稽かもしれないけど、実際は中国人だから余計にこの世界を見ると悲しくなった。だからまたこの世界に来る人を待って、戦争を終わらせてから帰ろうと決めたんだ。で、それも終わり」
「じゃあもう一緒に帰りましょうか。こんなクソみたいな世界だけど、この経験で僕が生まれながらに持っている権利の力とそれに伴う責任を学べましたよ。これからは誰の指図も受けないで、この権利を自分で責任をもって運用するようにします」
「そうだね。でもそんな君に残念なお知らせがある」
「何ですか?」
「これは公明党の提供による夢だ。投票しない人が増えれば我々は相対的に躍進できる。本来言ってはいけないのだが・・・グスン・・・たえ、耐えられなかったんだ!君は今自宅で寝てる。」
あー、やっぱりそういうことね。てか泣くなカス、余計むかつくだろ。


ガバッ

突然世界が変わるとやはりあの中国人が言っていた通りそこは自分の部屋だった。


ピーンポーン

こんな時間に誰だよ、まだ9時だぞ。とりあえずインターホンに出る

「はーい」

「あのーすみません」

ん?この声はさっきの・・・

「聖教新聞のものですが」