1. アフリカ・ホームタウン計画

 

先日の第9回アフリカ開発会議(TICAD9)で外務省傘下のJICA(独立行政法人・国際協力機構)が発表したアフリカ・ホームタウン計画は、今の段階で日本国民が大反対運動を展開しなければ、将来のアフリカからの移民受け入れの端緒となる可能性があると思う。
 

この発表によってアフリカ諸国から日本への特別な移民ルートが開かれたと、ナイジェリア大使館はHPに記載し、英国国営放送のBBCが報じた。そして、ナイジェリア紙のある記者は、多くのナイジェリア人が日本移住に関心をもつようになったと発言したようだ。

 

また、タンザニアの現地紙The Tanzania Timesには、Japan Dedicates Nagai To Tanzania (日本は長井市をタンザニアに捧げた)という表題の記事がでることになったとテレ朝newsの記事が示している。

 

数日後、BBC報道やアフリカ政府の理解は早とちりであり、単なる姉妹都市的な交流促進の話であるとの訂正が、JICAの担当や林芳正内閣官房長官からなされた。本当に単なる早とちりなのだろうか?何故そのような誤解を産むことが明白な取り決めを、わざわざアフリカ各国から代表を集めてするのか?
 

その二日前に米国からグローバリストグループの中心的人物であるビルゲイツが来日して、石破首相と会談を行っている。その時、アフリカを含む途上国の子供へのワクチン接種費用として関係国際機関に810憶円の資金供与を約束したというが、その時にアフリカ・ホームタウン計画について打ち合わせをしたのではないのか?
 

将来、アフリカから移民を募集するときに国民がどのような反応を示すか、観測気球を上げたのかもしれない。

 

国民の多くがSNSにアクセスする今、迅速に反対運動が喚起されたことは良かったと思う。ただ、一度消えた火種が、再度大きく燃え上がる可能性があると私は疑う。自分の妄想であると前置きして、越境3.0の石田さんが同じ考えを披露している。https://www.youtube.com/watch?v=SXPgN4JzZ74

 

 

この動画で石田氏はナイジェリアの人達との交流を通して、彼らの性格や文化についても語っている。そして、日本人社会の中で日本人と日常を共有できる人達ではないと語る。その共住の難易度は、中国の人などとは比較にならないという。

 

次節のスウェーデンでの共住の難しい移民たちの話を学べば、石田さんのこの話を理解できるようになるだろう。とにかく移住先に溶け込もうと努力するのは日本人位なのだろう。

 

結論として、移民を低賃金労働者として受け入れることは、国家の自殺行為である。日本政府はそんなことは無視して、現在移民受け入れに熱心である。自民党政府は戦後80年間、日本国民をだまし続け米国への売国奴的政治を続けてきた。彼らの欺瞞に注意が必要である。


 

2.移民大国の終末期で苦悶するスウェーデン

 

人口の20%が移民一世や移民二世である多文化共棲政策を実行したスウェーデンは、世界からギャング王国と言われるようになってしまった。下の動画において、そのスウェーデンの深刻な現状とそこに行き着いた経緯が簡潔に報告されている。

 

 

下の動画においても、現地からギャング大国の実際を報告してくれているので引用だけさせていただく。(下の文章は上の動画に基づく) https://www.youtube.com/watch?v=xA_I0T9o0zc

 

スウェーデンの移民政策は、戦後の好景気の下での人手不足解消を目的に始まった。当時スウェーデンには統一された移民政策がなく、彼ら移民たちは市民権を得て家族も呼び入れた。その後1990年代のユーゴ内戦や2015年のシリア内戦などで発生した難民を受け入れ、移民・難民人口が最終的には200万人を超えるまで膨れ上がった。

 

福祉国家の政府は、低所得者層のために郊外に大規模共同住宅を建てるなどして、彼ら移民の生活を支援した。その様な政策があっても、元々の国民と移民及び移民一世ニ世たちとの間の経済格差が拡大し、貧富の差は教育格差を通じて相続された。

 

移民及び元移民たちは、住む地域や仕事を含めて全面的に元々の国民の社会から分断されることになった。その結果、差別や区別の境界で犯罪が発生し、年々凶悪化し発生率も上昇した。

 

この動画で紹介されているスウェーデンでのギャング組織生成と成長の話はショッキングである。近代的なスウェーデンの少年法に目を付けたギャングが、10代前半の移民の子供たちに殺人など凶悪犯罪を行わせ、多額の報酬を与えて自分たちの仲間とし、勢力を拡大するのである。

 

多額の分け前を貰い貧困から解放された少年には、そのギャング組織は棲みやすい共同体となるというのである。日本文化に染まった我々にはすんなり理解できないが、移民二世であっても契約殺人に従事し、そのギャング組織に共同体的に溶け込むのである。

 

それが特別なケースでなく、スウェーデンのギャング組織の成長モデルとして存在するという事実が重要である。このことの意味が日本人のほとんどには未だわからないだろう。そこで、最初の動画で石田和靖氏が紹介したナイジェリアでたまたま知り合った人との話を紹介したい。

 

ホテルのロビーで親しく語り合った人に職業を聞いたら、政府の施設したパイプラインを破壊するなどのテロ行為が頻発するその国の実情を利用して、テロ行為を止めることを条件に政府から奪い取った和解金などで裕福に暮らしているというのである。

 

その貧国では石油資源からの富の分配が国民まで来ないこと、それに対する一部国民の怒りがテロ行為の多発となっていること、政府には制度改革でこれらを改められないほど国が腐敗していること等から、ナイジェリアなどのアフリカの貧国の政治文化を知るべきである。(補足1)そしてその中で貧困に耐えて生活している一般民に、日本到着後に日本の道徳や倫理を要求するのは無理だろう。

 

スウェーデンに話を戻す。凶悪犯罪で大金を稼ぐことになったその犯罪組織は、その後それを資金にして学校や病院、老人ホーム業にまで進出して合法企業を偽装する。先ず犯罪でお金を稼ぎ、その資金で事業を始め、競争者が居れば契約殺人などで処理して事業を拡大するのである。

 

その後、同じギャングと実業で稼ぐモデルで近隣諸国にまで進出することになり、スウェーデンがギャング輸出国と呼ばれるに至ったというのである。

 

あのCovid-19 ウイルスとワクチンの同時開発の話などを思い出せば、現在のグローバリストたちの企業も、同じ類の遺伝子を持つことに気づくだろう。https://www.chinadailyhk.com/hk/article/313700

このことについては2023年3月7日の記事に書いた。(補足2)その動画の多くはグローバリスト企業のyoutubeによって削除されている。世界政治は望ましい方向に展開するかも

 

 

3.政府がグローバリストへ隷属する理由

 

最初の話題に話を戻す。経済が専門の動画サイトであるモハPチャンネルでは、今回の誤解を招いたアフリカ・ホームタウン計画は、外務省高官やJICA担当者の失敗として解説している。https://www.youtube.com/watch?v=SRI-eYuv5eY 

 

観客席から正面を見ただけで解説するのならこれが精一杯なのかもしれないが、陰謀渦巻く世界政治の中で独自に態度を決める際の足しにはならない。彼らはそんな失敗をするほど無能ではなく、この計画は逃げる方法を確保した上での確信犯的或いは未必の故意による行為なのだろう。

 

つまり、現政府にはこのようなことを国策として進める売国奴が集まっていると考えるべきだろう。繰り返しになるが、今回のケースはそれに対する国民の反対がどの程度なのかについての観測気球だったと思う。強烈な反対の反応が来たので、予定通りの逃げ道にトンずらしたのだろう。

 

かれら自民党政府首脳と高級官僚たちは、日本人でありながら、戦後80年間国民を裏切ってきたのだ。そのことを忘れてはならない。(補足3)では、何故日本政府の高官となりながら、国民を裏切るのか?
 

それは、現在世界の政治と経済を支配する世界の金融エリートたち(グローバリスト)に協力することで得られる個人的利権が絡んでいるからだ。官僚たちは、すくなくとも、自分の任期中に問題を起こさなければ、将来は良い下部機関への天下りも期待できると考える。

 

そして政治家は、彼らの言うことを聞いて居れば、次回の選挙で表から裏から応援してもらい当選できるが、逆らっては安倍さんのように排除されるだけで家業である国会議員の席を失うことになると考える。その体制は敗戦国日本では吉田茂の時に出来たのだ。

 

つまり、自民党に政治をゆだねる限りこのような政治は続く。自分たち選挙民が直接政治家を選ぶという政治制度を日本人は作るべきである。参政党の政治のDIYである。彼らだけで良いわけではない。スタンスの異なる第二のそして第三のDIY政党を作り出すべきだ。

 

 

終わりに:

 

我々生命体は、元々他を排除して生き残るという遺伝子が肉体をまとったものであるが、その遺伝子に完全支配させないで、社会をつくり、その社会に信用・信頼を満たしたのが、人類文明である。出来上がった近代西欧文明を無視し破壊するのが現在ガザでイスラエルによって実行されているシオニズムであり、同じ思想を共有する可能性が高いのが、世界の金融エリートたちのグローバリズムであると思う。グローバリズムが目指すのは、人と奴隷からなる帝国であるを形成して「成長の限界」という問題を解決することである。

 

 

補足:

 

1)西欧型近代国家になるまでには、暴力団組織が行政組織に欠けた部分を分担するような形での共棲が見られる。(日本の例:元公安調査庁の幹部の方の話で動画の8分以降、https://www.youtube.com/watch?v=yJuR7ZAsuYk)英米などの近代国家では、それが諜報機関という形になっている場合が多いだろう。ここでの話では、石田氏が話をした相手は、テロ防止の目的に利用できるテロ集団を組織して国家と共棲しているのだろう。

 

2)米国のロッキードなど軍需産業も、米国がイスラエルに協力する形で継続的に中東で引き起こしている戦争で利益を得ながら、その一部を政治資金としてそのような戦争を決定するネオコンたちに渡している。

 

3)占領直後の政治においては、そのやり方は或いは賢明だったかもしれない。しかし、講和条約後には少しづつ日本独自の政治を取り戻すのが真面な政治である。共産主義と対決するための55年体制と言いながら、ソ連崩壊後中国も共産主義を放棄したにも関わらず、二つの政党がくっ付いている理由は何か? 更に、憲法改正を党是としながら、国会で一回も憲法論議をしなかったのは何故か?

 

====  8月29日早朝編集、補足を追加 =

1.アラスカでのプーチン・トランプ会談


アラスカでのプーチン露大統領とトランプ米大統領(以下敬称略)の会談では、トランプは赤いカーペットを敷いてプーチンを迎えた。プーチン政権から納得できる最低限の和平ラインを聞き出し、それを基に多少は強引でも何とか和平案を作り上げたかったのだろう。
 

プーチンもネオコンと距離をとるトランプに、この戦争の終止符を打ってもらいたいと思っているだろう。記者を前にして、「トランプが政権の座に居たなら、この戦争は起こらなかっただろう」と明言し、トランプに信頼の言葉を送った。

 

しかしヨーロッパ諸国では、依然としてグローバリストの側近たちが政権を握っている。彼らは、世界の政治を牛耳るグローバリスト即ち世界の金融エリートたちの中での既得権益者だろう。彼らの政治的地位も経済的特権も、金融エリートたちに裏書された既得権益なのだ。

 

これが長引いているウクライナ戦争に対するヨーロッパ主要国の姿勢を知る唯一のモデルだと思う。彼らはひたすらグローバリストである金融エリートたちの描いた道を進んできた。まるでそれが常識だろうと言わんばかりに。

 

彼らが現在の既得権益を維持するためには許されたこの道とその延長上にしかない。ヨーロッパ各国の政権が国民の声を反映する形になれば、事態は急変するだろうが、それまではヨーロッパはこの破滅への道を進み続けるしかないだろう。https://www.youtube.com/watch?v=LEiE2rYsNw8  

 

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共和制を獲得した市民革命から民主主義に近づいた記憶はこれらの国々の何処に残っているのだろうか? 何処の国の国民も、国民による国民のための政府など持ってはいない。

 

現在の政治は、経済において力を持つ金融エリートたちが陰に隠れて政治を支配し、代わって特権を与えられた既得権益層が国民のための政治(民主政治)を演じているのである。これらの点は、日本も世界も同じだと思う。


 

2.トランプが和平を急ぐ動機とエプスタインファイル

 

ポピュリストのトランプは、エプスタイン事件のファイルを公開しないことへの報復をMAGA支援者から受けているようだ。揺らぐ自分の支援基盤を何とか回復したいと焦って、機が熟していないにも関わらずウクライナ和平交渉に乗り出した可能性がある。

 

エプスタインは、米領バージン諸島の小島を買い取り、そこに大勢の拉致した少女を囲い込んで世界の実力者(グローバリストの配下)に対し秘密裡の買春に提供した。そして、その人たちの映像を何らかの目的のために隠しカメラで取得したという悍ましい事件である。

 

最初にこの件は、米領バージン諸島で裁判になり、その後FBIによってエプスタインは逮捕された。彼は収監中に自殺したとされるが、殆どだれも信じていないだろう。この事件の裁判記録がエプスタインファイルである。既にかなりが公開されているが、大手メディアの報道には乗らない。

 

その背後にイスラエルという国家が存在するのではないかと著名なジャーナリストのタッカー・カールソン氏がTurning Point USAという会合で告発した。この仮説は既に有力だったが、メジャーマスコミは一切触れない。彼らも同じ既得権益者だということである。

 

 

 

米国そして世界の政治において大きな存在であるイスラエルの活動を知るための一つの仮説であり陰謀論として片づけるべきではない。陰謀論とは、権力を牛耳る者たちとその下での既得権益者が、有望な仮説を葬り去るための言語ラベルである。

 

その後、米国の反権力姿勢で著名なCounterPunchというメディアが、この件で長大な報告を今月11日の記事に書いた。https://www.counterpunch.org/2025/08/11/the-billionaires-in-the-epstein-files-and-their-ties-to-israel/

 

エプスタインは元高校の数学教師であり、華麗は投資家としての経歴はない。その資金源に、レスリー・ウェックスナーとレオン・ブラックという億万長者がいるが、この二人とエプスタインは、共にイスラエルとつながりを持っている。イスラエルは世界の金融エリートたちの故郷である。

 

資金提供の舞台となっていたのがマネーロンダリングで著名な米国最大の銀行でもあるJPモルガン・チェースだった。エプスタインの性的暴行の被害者少女が起こした米領バージン諸島での裁判において、JPモルガン・チェースは被害者に2億9千万ドルと米領バージン諸島に7500万ドルの和解金を支払って、陪審裁判を避けた。

 

コロンビア大のジェフリー・サックス教授が、中東での多くの戦争はイスラエルのためにネタニヤフ政権の要請を受けて米国が引き起こしたとヨーロッパ議会で話している。米国をイスラエルに従順な国家にするための道具として、エプスタインの仕事も大いに利用された可能性がある。

 

これまで公開された文書の黒塗り部分も含めて、エプスタインファイルが全面的に公開され、この悍ましい犯罪がイスラエルによって仕組まれたことが証明されたのなら、イスラエルの国際的地位は更に低下するだろう。https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12916375844.html

 

恐らく事の重大さに気づかずに、トランプはエプスタインファイルを全面公開することを公約に大統領選に当選したが、パム・ボンディ法務長官が私の机の上にあると言った筈のエプスタインの顧客リストを明らかに出来なかった。

 

トランプも生身の人間である。顧客リストを公開することは、イスラエル首相のネタニヤフ氏を裏切ることになり、その場合自分がどのような情況に追い込まれるかを知ってのことだろうと想像する。

 

世界の操縦士として如何にカッコよくふるまっても、人間は普通の命の表現である欲望と恐怖心を持つ弱い存在である。世代を超えた人のつながりで武装した組織にはかなわない。https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12901300566.html


 

3.ウクライナ戦争とは:

 

ウクライナ戦争とは、ソ連崩壊後のロシアの分割と資源の略奪を目的としたグローバリストたちの企みの一環である。それは米国ネオコン政権がウクライナの内政に干渉して反ロシアの政権を打ち立てることでスタートした。

 

2004年、親露のヴィクトル・ヤヌコビッチが当選した大統領選に不正があったと、選挙のやり直しを求めるデモや暴動を扇動し、EUがやり直し選挙の仲介というか介入で“民主化勢力が推すユーシェンコ氏”を親大統領に据えた。

 

ウクライナは世界一の政治腐敗が進んだ国だと言われている。今でもゼレンスキー氏は任期切れの大統領でありながら居座り、ウクライナに送られた支援金から毎月5000万ドルをUAEの銀行にマネーロンダリングのために送っていると言われる程である。https://www.youtube.com/watch?v=QC68rQ3jHAM

 

 

そのヤヌコビッチは、2010年の大統領選で当選したのだが、2014年、EU連合との連携を深めるための協定調印を見送ったことに反発するデモが発生し、それを煽ったのが米国であった。デモ参加者の100名以上が政府側によって射殺されるなどの異常事態になり、ヤヌコビッチはロシアに逃亡した。

 

この政変はマイダン革命と呼ばれるが、中心的に活動した一人が米国は国務次官補のビクトリア・ヌーランドであったことは、既に明らかになっている。このあたりのことは、元IMF日本代表理事の小手川大助氏が詳細にまとめている。
https://cigs.canon/fellows/alumni/daisuke_kotegawa.html

 

このようにしてウクライナは米国ネオコンらを中心とするグローバリスト勢力により乗っ取られたのである。著名な映画監督であるオリバーストーンが2019年に作った長編ドキュメンタリー『乗っ取られたウクライナ』には詳細が映像化されているだろう。

https://www.youtube.com/watch?v=1yUQKLiIoFA 

 

また、日本もロシアの隣国としてウクライナと地政学的に類似点があり、この件を他山の石とすべきだろう。https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/3773be64d97e0d032241a025e2ce3ae81d1623fc

 

尚、下に引用したのは、ウクライナ戦争に至った経緯をロシアのウクライナ進攻が始まる10日ほど前に書いた本サイトのブログ記事である。https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12726626308.html 

 

 

4.アラスカ会談は和平につながるのか?

 

プーチンが望むウクライナは、2014年以前のウクライナだろう。ウクライナ侵攻が始まって約一か月の20223月の段階なら、多少の調整は必要だろうが「その時点に戻る」と宣言すれば、停戦から終戦となり得ただろう。

 

しかし、2004年辺りから20年間に亘って準備してきた、ロシアからプーチンを追い出すこの戦略が動き出した直後であり、ロシアは直ぐに白旗を上げると宣伝されていたころである。グローバリスト配下の既得権益層には止める理由はないし、止められるられる訳がないのである。

 

英国のジョンソン首相がウクライナに出向いて、その和平案受け入れに傾きかけたウクライナのゼレンスキー氏に戦争継続を進めたか強制した。

 

現在、双方に各100万人程度の死者を出し、東部二州の殆どをロシアが占領した段階になっては、戦争終結には明確な勝敗が必要である。その場合、ゼレンスキー氏はどこかに亡命する以外には命を長らえることは無理だろう。毎月の5千万ドルはその準備かもしれない。

 

3年以上経過し、世界全体が戦争に疲れ果て、停戦交渉が始まった。プーチンは勝利の形を明確にし、且つ、ウクライナにも受入可能かもしれないと考えた終戦案として、東部二州の割譲を要求した。それら二州は既に住民投票でウクライナから独立し、その後ロシアに統合されている。https://news.yahoo.co.jp/articles/584210230b38a70edc8fb9defcf9c5df03c2875a

 

ウクライナには今後の安全保障に対する保証が無ければならないという和平条件は当然だが、それはロシア側も同様だろう。ウクライナ侵攻の動機は、東部ロシア系住民の保護とともにロシアの安全保障のためだったのだから。

 

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8月24日朝: 以下削除

理由:以下のNHKの報道は間違いであったようだ。つまり、ロシアが同意したのは、国連の常任理事国による安全保障の保証であり、NATOの第5条類似の保証ではなかった。ニキータのyoutubeチャンネルでの解説に信ぴょう性があると思う。

 

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NHKの報道によれば、今月15日の米ロ首脳会談に同席したトランプ大統領の側近は、アメリカが関与する形でウクライナにNATO=北大西洋条約機構と似たような安全の保証を提供する用意があり、ロシア側も同意したと述べた。https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250818/k10014896581000.html

 

それは、ウクライナと米国との二国間の安全保障条約だろう。そのモデルはおそらく日米安全保障条約だと思う。その第5条は、NATOの第5条と似た集団安保の条項である。

 

米国はNATOの中心にある最大の強国であるが、何れヨーロッパから存在感が薄れると考えれば、ウクライナがNATO加盟するよりもロシアにとっては荷が軽いのだろう。

(8・22早朝編集あり)

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元お笑い芸人の中田敦彦氏のyoutube動画を初めて見た。なかなか示唆に富む内容である。

(以下緑字は中田氏の意見についての説明;茶色はブログ筆者による動画へのコメント)

 

現在の日本経済の状況を解説し、如何にして不況から脱出させるかについてまで話している。直近の参議院選で勝利した国民民主や参政党の積極財政論にはかなり辛口の意見となっている。https://www.youtube.com/watch?v=g1yMZxeqiCk 

 

 

中田氏は、先ず貨幣の誕生から不換紙幣までの発展を説明し、不換紙幣になって以来膨張を続ける世界の金融経済の問題点を議論している。日本がこの膨らんだバランスシート(BS)の問題をどう解決するかは、世界が見ていると話す。

 

その中で、特にアベノミクス政策の本質について解説している。三本の矢のうち放たれたのは一本目であり、それは円安政策で輸出企業を元気にする政策であったとしている。その"異次元の金融緩和"の結果として、中央銀行の日銀は金利を上下させるという金融政策をまともに実行できなくなったと指摘している。その上で、国債を発行して減税する国民民主や参政党の政策を批判している。

 

市中銀行は十分すぎる預金を日銀にため込んでいる現在、中央銀行が預金準備率を上下させるだけで金融を調節出来るなんて、遠い過去の話になってしまったのである。

 

日銀当座預金は貸借対照表(BS)の負債の部(右欄)に記されているが、資産の部(左欄)にはほぼ同額の国債を抱えているので、金利を上げることはその含み損を大きくすることになり、日銀の純資産を。

 

日銀総裁は国会で国債は満期まで持つので国債の含み損は問題ないというが、それがあまり積み重なれば通貨「円」の信用が低下し、いつ何時「円」の空売りを仕掛けられるかわからない。1992年の英国ポンド危機では、ジョージソロスが膨大な空売りを仕掛けてポンドを急落させ、買い戻しで巨利を得た。

 

また、日本国政府は現在GDP比200%を優に超える国債残高を抱えており、順次借り換えて行く必要があるが、全額借り換えるには単純計算でも1%の金利上昇は10数兆円の利払い増加となる。(補足1)政府の子会社である日本銀行は、独立性をある程度確保しているとはいっても国の支払金利を膨大にしてしまうことは、実質的な財政破綻(超インフレ)の危険性を大きくするので出来ない。

 

 今、国債をもっと発行して、それで減税をするとか子育て支援金を増額するなんて話は、まともにマクロ経済を勉強している中田敦彦氏にとっては、無茶苦茶に見えるのである。

 

2)中田氏の景気浮揚策についてーちょっと無理ー

 

景気浮揚策としては、アベノミクスで元気になり溜め込んだ内部留保を法人税増税などで吐き出してもらい、消費税を減税する。そして、国債残高を米国並みの対GDP120%くらいにして、日銀も金融操作可能にすると言っている。これはちょっと無理だろう。 

 

更に、租税特別措置法や政治資金規正法を改善することで、政治の構造改革を実現する。それによって、10年かかれば日本が変わると言っている。そのために日本国民が経済を学び言葉で説明する能力をつけて、正しく一票を投じることが大事だと中田氏は話す。

 

政治の構造改革には賛成である。日本の既得権益層を大掃除することで、政府の無駄遣いが減り、有効な規制撤廃などが出来れば景気に大きくプラスになるだろう。

 

日本人の政治に対する無関心は病的であるので、参政党のように自分たちが政治を造るのだという気概が日本国民に充ちれば、政治は自ずと改善されるだろう。

 

この景気浮揚作についての私の考えを、この動画に対するコメントとして投稿した。それらをここに再録する。

 

 素晴らしい動画だと思います。ただ、根本治療の部分はもう少し踏み込んでほしい。内部留保といってもそれは既に会社の設備投資などに使われています。ほとんどの会社はキャッシュをそれほど持っていません。大企業への増税は、株価暴落で経済の収縮を招きます。

 

根本治療は:能力本位の給与、労働流動性の確保、既得権益層排除、能力重視と能力を発揮できる労使関係、それらによって労働生産性を拡大を目指すことと、社会全体の活力上昇を目指すことだと思います。これらは日本文化の下では非常に困難なことです。(追補)

 

中田氏の話す政治改革を、政治改革だけでなく労働法や会社法などにまで広げることで、日本経済の立て直しは可能だというが、10年では無理かもしれない。日本文化を自由主義経済に適合させるまでには世代を跨ぐ必要があるだろう。

 

3)中田氏の動画に対する反論について

 

中田敦彦氏のこの動画は反響があったようで、何人かが反論の動画を作っている。その中で、令和新選組の長谷川ういこ氏のものを引用しておく。
https://www.youtube.com/watch?v=O_REKCAkygY

 

 

この動画についてもコメントを書いたので、それを再録しておく。要するに中田氏の動画より出来が悪いというのが結論である。

 

7:00、売り手インフレなんて、独禁法が有効に働いて居れば防げる筈。こんなくだらない話で中田氏の動画に突っ込みを入れたつもりなのか? 

 

8:15、アベノミクスについては既にコメント済(コメント欄参照)で、中田氏の方が正しい。アベノミクスにおける本来の目的からずれた消費増税などがそれを示している。円安誘導の効果についても全く分かっていない。(異次元の金融緩和の目的は国際的な批判を避ける形での円安誘導である。輸出企業を元気にすることによる景気浮揚を狙った)

 

12:00、国債発行して減税することで日銀が金融操作が不能となったことについて、長谷川氏は全くわかっていない。昔は預金準備率で金融操作が出来たが、それは日銀当座に市中銀行の預金が積まれている今は無理。

 

金利での金融操作も、国債の含み損(日銀総裁は満期まで持つので問題ではないと言っているが)があがれば、為替に影響が出る可能性大。為替ディーラーの態度決定は複雑。ただ、金利を上げる時ではないという意見には賛成。(ブログ本文のジョージソロスに関する記述参照)


長谷川氏も中田氏も、マクロ経済政策で日本の景気が回復するかのことを言っているのは思慮不足。

補足:

 

1)借り換えまでは金利上昇はないので、すぐにこれだけの資金が必要というわけではない。このあたりは簡単な話なので、細かく記すことはご容赦願いたい。
(差し当たり以上とします)

 

追補: これらの問題は数年前に何度も本ブログに書いてきた。その一つを以下に紹介する。このコメントと返答も是非お読みください。https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12500444209.html

 

(8・16早朝、誤字訂正と追補を追加)