(本稿は、OpenAI ChatGPT(GPT-5)の協力により作成されたものです)
国際政治の中で日本がいま立たされている状況は、トランプという型破りの大統領、その政権を使いこなし始めた米国と言う国家、そしてその戦略の前線に立たされつつある同盟国という構造、で考えることが出来る。このモデルで日本の現在地点を見ると、「日本は東アジアのウクライナになるのか」という分水嶺にあると結論される。
本文章は、これまでに起こって来たことの整理である。そのモデルは正しくないという人もいるだろう。もし、以下の文章にある程度の意味があると考えるのなら、日本国民として各自のとるべき政治的スタンスを考えてもらいたい。
1)型破りの大統領:首席補佐官の「異様なトランプ評」
最近の米国外交を見ていると、不吉な感覚に支配されることがある。それは、ドナルド・トランプ大統領が、もはや米国政治の異物ではなく、米国支配層によって「使いこなされる装置」へと変質しているのではないか、という感覚である。
この見方は、陰謀論でも感情論でもない。いくつかの具体的事象を並べるだけで、冷静な構造分析として十分に成立する。
トランプ陣営の中枢に位置するスージー・ワイルズ氏(首席補佐官)は、メディアを通じて、トランプの人格や統治スタイルについて、驚くほど辛辣な評価を行ってきた。衝動的、自己中心的、助言を聞かない――。これらは本来、政敵が用いる言葉であり、最側近が公に語る表現ではない。
https://www.youtube.com/watch?v=zgPEI7ApPqQ
しかし奇妙なことに、トランプは彼女を処罰できない。解任も排除もできない。ここに、重要な構図の存在が示されている。ワイルズ氏の言動は、「荒業外交が失敗した場合の責任を、すべてトランプ個人の性格に帰属させるための安全装置」として機能しているように見える。
成功すれば、大胆な指導者。失敗すれば、欠陥を抱えた大統領。この二重構造は、制度側にとってきわめて都合がよい。
2)トランプ政権の分業体制
トランプはしばしば、反ネオコン、反既存秩序の象徴として語られる。しかし現実には、外交の実務中枢には、明確に従来型の対外戦略を継承する人物たちが配置されている。マルコ・ルビオ国務長官の存在は、その象徴的な例である。
ここにあるのは対立ではなく、分業である。トランプは、恫喝と破壊的交渉を担い、制度側は、それを既存の国家戦略へと回収する。トランプは、もはや支配層の敵ではない。荒業を引き受ける役割として、制度の中に組み込まれている。
トランプ関税の背後には、金融・市場に精通した人物たちが控えている。トランプの配下でなければ、あのような異常とも言える高関税と、その後の値引き交渉を通じた圧力外交は成立しなかっただろう。
これまでのWTO体制の中核にあった米国の正統派にとって、同盟国に対して一気に高関税を吹っ掛け、その混乱の中で要求を飲ませる手法は取り得なかった。だからこそ、トランプ体制でしかできない荒業なのである。
3)同盟国とは何か
――キッシンジャーがベトナム撤退で残した冷酷な教訓
ヘンリー・キッシンジャーは、ベトナム戦争からの米国撤退をめぐり、次の趣旨の言葉を残したとされる。「米国の敵であることは危険だが、米国の友人であることは致命的である。」
ベトナムからの撤退は、「米国が誤ったから謝罪した」のではない。国家戦略が変わったから、同盟国を切ったのである。この同盟国であることの冷酷な宿命を、キッシンジャーは端的に語った。
この構造は、ウクライナ戦争からも読み取ることができる。マイダン革命によって政権が交代し、米国の戦略圏に組み込まれたウクライナの運命は過酷であった。また、戦後NATOに加盟し、新たに米国の戦略圏の一部となったドイツの姿からも、同様の教訓を引き出すことができる。
ノルドストリームの破壊は、その象徴的事例である。ノルドストリーム1・2は、ドイツのエネルギー安全保障と産業競争力を支える国家的資産であった。それが破壊された後も、ドイツは同盟国を公然と非難することができず、エネルギーコスト高騰を受け入れながら、ウクライナ支援を継続した。
同盟は、同盟国の国家資産すら必ずしも守らない。守られるのは、あくまで米国の戦略である。
4)日本は「東アジアのウクライナ」になるのか
ウクライナの事例が示している最大の教訓は、戦争そのものの悲惨さだけではない。本来は安全保障上きわめて重要な「隣の隣国」であったロシアとの間に、回復不能な敵対関係を作り上げてしまったことが、長期的に見て大きな損失となった点である。
ウクライナは、ロシアという大国と国境を接し、その影響圏から完全に切り離されることが現実的に困難な地政学的位置にあった。それにもかかわらず関係を決定的に破壊した結果、膨大な数の戦死者と数百万人規模の国外避難民を生み、東部二州(ドンパス)とクリミヤを失う方向が固定されつつある。
この構図は、日本にとって決して他人事ではない。日本にとって中国は、価値観や政治体制の違いはあっても、安全保障上、そして経済的に最も重要な隣国である。その中国との関係を、米中対立の前線として不可逆的に破壊するならば、日本もまた、ウクライナと同じ構造に足を踏み入れることになる。
憲法9条によって、日本は軍国主義から遠く離れていると考えられがちである。しかし、この理解は必ずしも現実を反映していない。憲法9条の存在は、むしろ多くの国民を国際政治の現実から遠ざけ、政治や外交を主体的に考えない状態を長く温存してきた側面がある。
国民の間に特定国への強い敵意が煽られれば、制度的制約は急速に弱まる。歴史的に見れば、非常時はしばしば例外状態を常態化させ、その後に制度を追認させてきた。戦争状態に入れば、法や憲法は事後的に書き換えられる可能性が高い。その後に続く軌跡は、ウクライナが辿った道と重なって見える。
おわりに
本稿は、誰かを糾弾するためとか、同盟を否定するために書いた文章ではない。日本がいまどの位置に立たされているのか、その構造を見極めるためのものである。
同盟とは善意で動くものではない。利害と戦略で動く。その現実を直視しないまま前線に立たされ続ければ、日本はいつか、自ら選んだと思い込まされたことの代償を支払うことになるだろう。
(12月24日10:45)