中東問題を考える基礎としてイスラエルの核兵器開発の経緯や現状についての知識が重要である。現在、イスラエルが核兵器を持つことは公然の秘密とされているが、我々一般市民にはそれ以上の知識を持つ人は多くないだろう。(補足1)

 

今回、インドのニュースサイト“FirstPost”によるその解説動画を見つけた。信憑性が高いと感じたのでその内容を要約して下に記す。私にはこのような知識がなかったので、今後のためにまとめておこうと思った。https://www.youtube.com/watch?v=PdcjH3KxIag

 

 

1948年、イスラエル初代大統領のDavid Ben-Gurionは第一次中東戦争ののち、核兵器開発をすべきと考えた。彼は協力者としてドイツ出身の化学者であるErnst David Bergmannを見つけ出した。そしてBergmann は、1951年にイスラエル国防軍の科学部門のトップとなり、IAECIsrael Atomic Energy Commision)のヘッドとなった。彼はイスラエルのオッペンハイマーと呼ばれている。

 

1955年にBen-Gurionが権力に復帰したのち、核兵器開発はShimon Peres(補足2)が中心になって再開された。1957年、フランスから4㎏のプルトニウムと数十名の技術者の派遣を受け、ネゲブ砂漠の中にあるDimonaに 原子炉と再処理工場の建設を開始した。

 

1960年米国はこの計画を察知し、アイゼンハワー大統領に問い詰められた。米国は核兵器の拡散を防ぎたいと思っていたからである。その時、イスラエルは平和目的(原子力発電所)だと言って、核兵器開発の事実を隠した。その言い訳はその後のイスラエル国会での説明にも用いられた。

 

アイゼンハワーの後任であるケネディ大統領は米国による査察を強引に要求し、イスラエルに同意させた。米国の査察団は196119621964年とイスラエルを訪問した。其のたびごとにイスラエルは何とか誤魔化した。

 

その裏で原子炉の設計図や重水の調達をおこなった。(補足3)ハリウッド映画のProducer であるArnon Milchanをスパイにスカウトし、米国の関係者から設計図などを手に入れ、重水はノルウェーの協力によって英国への輸出の荷の中から提供された。
 

1967年には核爆弾は完成した。(補足4)1968年までに米国は状況を完全に把握していたが、NPT(核兵器不拡散条約)の議論中であり、イスラエルの核保有を明らかにすることや対応などについては何もできなかった。

 

NPTにアラブ諸国は署名したが、イスラエルは署名しなかった。イスラエルの核兵器保有を明らかにすれば、NPTの破綻を意味するので、米国はそれを秘密にすることになった。

 

ただ、イスラエルは確認の核実験をする必要があったが、近くでは不可能なので、南アフリカの南方洋上で行った。当時南アフリカは人種差別主義者が政権を握っており、イスラエルはその政権の重要なサポーターだったから、容認したのである。その代わりに、南アフリカに核兵器製造ノウハウを手に入れた。

 

米国の衛星は、核実験を示す二重の閃光を確認した。その後1986年に、Dimona1977年から1985年の間働いていたイスラエルの技術者モルデハイ・バヌヌ(Mordechai Vanunu、通称:モルデハイ・ワヌヌ)が、退職前に撮影した多くの写真とともに英国メディアにリークした。モルデハイはその後Mossadにローマで逮捕され、18年間収監された。


 

補足:

 

1)イスラエルの建国から中東戦争については、20231015日に勉強したことをブログ記事にしている。https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12824593742.html

 

2)1984-1986, 1995-1996に首相となる。1993オスロ合意でノーベル平和賞。

 

3)Michael Collins piper著「ケネディとユダヤの秘密戦争」という本には、イスラエルと中国の核兵器共同開発、それがケネディ暗殺の真因だったとある。1960年ころユダヤ勢力が米国で大きな力を持っていたが、それでも現在とは違って大統領府の支配にまでは至っていなかったことが分かる。

 

4)ここまでの解説を聞いた限りでは、その核兵器は長崎に投下されたプルトニウム型である。原子力発電ができれば、核廃棄物からプルトニウムが分離できる。原子力発電所からでる核廃棄物には、残存ウラニウム(大部分はU(238))、U(235)の核分裂で生じた物質(セシウムやヨーソの同位体など)、それにウラン238が中性子一個吸収したプルトニウム239が存在する。一般にウラン型原爆の材料であるウラン235を濃縮するより、核廃棄物からPu(239)を抽出する方が簡単である。

(14:00、編集および補足2を追加)
 

 

イスラエルによるイラン核施設への攻撃が始まった。国防長官や国務長官などネオコンに乗っ取られたトランプ政権は、大統領を不十分な情報下において、このイスラエルの対イラン戦争に同意したのだろう。バンス副大統領も何も出来ないだろう。

 

一昨日、米国軍の家族などの中東からの撤退が指示されたので、攻撃があるものとおもわれていた。イスラエルがイランを攻撃するには米国の兵器や情報が必須であり、この攻撃は米国が協力していることを示しているとスイスのある学者が証言している。

 https://www.youtube.com/watch?v=LEPIAs3Wj2M

 

 

これは米国の戦争ではないと苦しみ紛れの言葉を発するトランプ大統領の姿は、イスラエルロビーに首根っこを押さえられたジョージ・フロイドさんみたいに見える。(2024-04-11の拙サイトのブログ記事をみてもらいたい)

 

諸悪の根源は英国がイスラエルをパレスチナの地に作ったことである。そして、英米を中心とした金融資本による所謂Deep Stateがイスラエルを応援することである。米国大統領が実際に米国民のために米国の政治を支配している訳ではないという米国のダグラス・マクレガー 大佐の以下の証言を聞くべきである。 https://www.youtube.com/watch?v=H2BRJ97Y9jU

 

 

この戦争は恐らく相当長期間続くだろう。その結果、米軍は中東に縛り付けられ、東アジアが空白地帯となり、中国が覇権拡大のチャンスを迎えることになる。台湾進攻となれば、日本は終わる。そのように伊藤貫氏が語っている。

https://www.youtube.com/watch?v=QsoxvnPvXaY

 

 

コロンビア大のジェフリーサックス教授が欧州議会などで演説したように、要するに米国はすべてイスラエルのために戦争してきたのだと思う。下のブログ記事の後半を見てもらいたい。

 

 

 

この現代史について何もしらない自民党をはじめとする日本の右翼は、CIAの撒く餌で生きている粗野で無知な人たちなのだ。そのように伊藤貫さんの上の動画にコメントした。

(EOF)

昨日の記事でトランプとイーロン・マスクとの喧嘩別れは、彼らの政策に関する本質的違いに基づくと書いた。その一例として、二人の間のグローバリズムに対する姿勢の違いを説明したが、わかりにくかったかもしれない。そこでここでは表にしてその違いを示す。

 

 経済グローバリズムと文化・政治グローバリズムの峻別

 

グローバリズムという言葉は「地球規模に拡大する主義」というくらいの意味だが、その対象が明確に語られない場合も多い。ここではより明確に議論するためにグローバリズムを大きく二つに分ける:①経済のグローバリズムと②文化及び政治のグローバリズムである。

 

昨日議論した二人の間のグローバリズムに関する姿勢の違いを、この分類に従って表に示すと以下のようになる。

 

 

イーロン・マスクは経済面ではグローバリズムに賛成しつつも、文化的・政治的には国家主権を重視する姿勢を強めている。(例:Xの言論の自由の方針、国連やEUのコンテンツ規制への反発など)。これは、旧来の「自由主義的グローバリズム(経済も文化も開放)」とも、「国粋的孤立主義(経済も文化も閉鎖)」とも異なる。その一方、トランプ自身は“文化的”グローバリズムに明確に反対していない。

 

トランプは選挙キャンペーンでこそ「反グローバリズム」を唱えるが、実際には:金融エリート層(ヘッジファンド、ロビー団体)とは関係を保ち続け、イスラエルロビー(AIPAC)にも極めて協力的である。(例:エルサレム首都承認、ネタニヤフとの関係)。

 

これは、彼が本質的には文化的保守の顔をしているものの、エスタブリッシュメント側の調整者に過ぎないという指摘につながる。

 

一方、マスクは「国家レベルでの文化主権」や「超国家的権威への懐疑」を公言しており、特にSNS規制やWHOなどの国際機関に対して批判的である。つまり、イーロン・マスクの方が、トランプよりも“文化的・政治的グローバリズム”への批判が一貫していると言える。

 

纏めると、イーロン・マスクは“経済グローバリズム支持 × 政治文化主権支持の立場である一方、トランプの方は、国際金融・イスラエルロビーに対して従順な面があり、真のナショナリストとは言い難い。トランプは“支持層の感情”に基づいたポピュリズムを展開していると言えなくもない。

 

終わりにひとこと: グローバリズムと対峙することの重要性

 

経済のグローバリズムは多くの企業と金融資本の規模を小さい国家よりも大きくしている。それら企業や金融を支配する少数のグローバルエリートは、国境を跨いでビジネスを展開するうちに地球を俯瞰するような視点を持つようになるのは不思議ではない。彼らグローバルエリートが互いに近い関係にあるとした場合、地球上の80憶人の一般大衆にとっては、巨大な脅威となり得る可能性が高い。

 

民主主義政治を前提にすれば、彼らグローバルエリートたちも政治的には本来一般大衆と同じ筈である。しかし現状では場合によっては小国家と同じくらいの政治的力を示す人物も彼らの中には存在する。そのような人物が現れて政治に干渉しないように、彼らを制御しうるのは国家しかない。地球上に存在する200ほどの国家の一般大衆は、自分たちの国家を支配下におき、グローバルエリートの支配する金融資本が政治的力を発揮しないように監視しなければならない。

 

(以上はChatGPTの助けを借りて整理したものです;6/12 編集あり)