高次元の音楽性 | ショピンの魚に恋して ☆羽生結弦選手に感謝を込めて☆

ショピンの魚に恋して ☆羽生結弦選手に感謝を込めて☆

清冽な雪解けの水のようにほとばしる命の煌めき・・・
至高のアスリートにしてアーティスト、
羽生結弦選手を応援しています。

 

 

 羽生との作品作りは楽しくもあり、闘いでもある。そこにいっさいの妥協はない。

 

「羽生くんの希望はいつも的確。自分の作品として滑ろうという思いが伝わってくる」。

 

時には「僕、かなり無理なこと言っていると思うんですけど」と相談を受けることもあるが「プロとして『できない』とは言いたくない。難題をぶつけられると燃えるんです」と笑った。

 

20年の全日本選手権で「天と地と」を初めて目にした。


 「こんなにできあがっているんだ、と言葉がなかったです。自分をどう見せるか、どう演出するかというのが、彼の中でできあがっている。考えて動いていない。音とともに動いている」


 音のプロをも、うならせるほどの表現力。すべての要素が曲に溶け込んでいた。

 「ほんのちょっとしたところにも、一つ振りを入れるとか、こだわりがある。すごいなと思います」

 フィギュアスケートの音響にかかわって35年。以前は音楽や編集が若干、雑に思える時代があった。


 「僕らからしたら音楽と合っていないとか、もうちょっと音楽も注目してほしいなという思いもあったんですよ。日本のスケーターの音楽環境を良くできればなというのが僕の夢でした」

 矢野さんは羽生に感謝する。

 「羽生選手が僕が思っていたことを実現してくれた。音楽表現もそうだし、音楽をすごく大切に思ってくれているという部分もそう。自分の個性を生かし、自分がこの音楽を演じるという意思。羽生選手が築き上げたものが、文化として残っていけばいいなと思います」

音響デザイナーの矢野桂一さん

 

 

 「羽生選手が冨田勲つながりの2曲を選んでくださって本当にありがたいです。遺族としては感無量です」

 

 「宇宙には、前も後ろも上も下も、ない」が冨田さんの口癖。回音壁の体験がきっかけで「自然にどこからともなく360度聴こえてくるサウンド作り」に生涯をかけた。そして生まれた曲は、まるで宇宙にいるかのような広がりを感じさせる。

 360度の観客を魅せるフィギュアに全身全霊を懸ける羽生。一方で、360度で人を魅了する音楽に命をかけた冨田さん。勝氏は「フィギュアは冨田勲の曲と相性がいい」。冨田さんと羽生はまさに時空を超えてひかれ合った。

 共通点も感じている。

 

羽生選手には、点数を稼いで順位を上げる、ということを超えた使命感がある。父にもいえることですが、2人とも世界を感動させたいという大目標というか“その向こう側”を持っている。強い使命感に進んでいく姿に人は感動するのだと思う」

 

作曲家の冨田勲さん(2016年死去、享年84)の作品だ。長男で慶応大教授の冨田勝氏

 

 

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フィギュアスケートの演技構成点は、【スケーティング技術(Skating Skills)】、【技と技の繋ぎ(Transitions)】、【パフォーマンス(Performance)】、【振付(Composition)】、【音楽表現(Interpretation of the Music)】の5項目があって、各項目10点満点で採点されます。

 

転倒や「シリアスエラー(各技について該当するミスが定められている)」があると、演技構成点にその影響を「減点」という形で反映させるという規定がある訳ですが、それも大会によって、または選手によって、このルールをしっかりジャッジが適用していなかったり、あるいはガッツリ適用してきたり、と、現状まちまちですよね。

 

ノーミスでジャッジに10点と評価される演技がある一方で、転倒やシリアスエラーで減点されても、より多くの人々が感動して何度も繰り返しリピートされている演技というものがある。何故なのだろう、と思うのです。

 

 

 

なんかこれも不思議な規定を作ったものだなあ・・・と、思います。転倒は転倒でも、写真家の方が転倒した後の流れの美しさにまで心を動かされて、連続写真に普通は使用しない転倒後のカットまで取り入れたとか、そんな美しく立ち上がって音楽を途切れさせなかった結弦くんの北京五輪のフリーの4Aのような転倒の仕方もあれば、転倒した後、完全に音楽からズレていき、プログラムをそこで完全に途切れさせてしまうような転倒もあります。

 

北京五輪での結弦くんのショートとフリーは、前半こそアクシデントや4Aの挑戦というものがあって、完璧なジャンプは決りませんでしたが、そこでプログラムは途切れたでしょうか?全く途切れることなく、見ている人にそれを忘れさせるほど、音楽的にも、物語的にも、自然な流れがあったと思います。

 

何事もなかったかのように、演技は進行していき、それどころかかえって観客を惹き込むようなドラマチックなプログラムになったと思います。

 

転倒やシリアスエラーで完全に途切れたプログラムと、途切れずに流れていったプログラム。その差を区別できずに自動的に演技構成点から同じように減点する(そのルールすら守らないジャッジもいる)というのは、なんかこれ、不思議ですね・・・。

 

実際、短時間でそこまでジャッジするのは大変だ、というのもあるかもしれませんが、でも、だからといって、転倒しても、転倒がなかったかの如く、プログラムを途切れさせずに最後まで滑り続けるために、選手が積み重ねてきた努力というものは、想像を絶するものだと思います・・・。実際4Aの転倒は、他のクワドの転倒とはきっと比較にならないほど体力を消耗し、体へのダメージも大きかったはずです・・・。でも、結弦くんはそれを感じさせることなく、演技を完遂させました。

 

ノーミスか、ノーミスじゃないか、は芸術的な成熟度とは関係ないんですよね。

 

そして、「音楽に合わせる」事が、フィギュアスケートでは求められる訳ですが、その合ってる度合いも本当にまちまちで・・・。結弦くんのように音作りの段階から自分が率先してかかわっている場合、「与えられた音楽に合わせる」というレベルを明らかに超えた高次元のプログラムが仕上がってくる訳です。でも、その「差」が点数に反映されているとはとても思えない・・・。これも七不思議の一つです。

 

そして忘れてならないのは、結弦くんが自分で自分の表現したい世界観に合わせて編み出している音の一つひとつが、プログラムの物語に直結している、ということですよね。この次元で音楽を理解して、スケートで表現できるからこそ、これほど多くの人々がそれを見て、感動しているのだと思います。

 

正しい技術があるからこそ、表現したいことが独りよがりにならずに、伝わるのだと思います。

 

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