なんでも日記 -8ページ目

ボクササイズ:日刊現代引用

【すこやか生活術】
2006年6月23日 掲載
ホットボクササイズをやってきた

脂肪燃焼効果バツグン!

 最高の“毒出し”を体験してきた!
 毒出しは、体内の老廃物や有害物質を排出することで、大ブームになっている。特に人気なのが、ゲルマニウム温浴、岩盤浴、ホットヨガなど“汗を大量にかいて毒出しする”というもの。それらの多くを体験してきた記者だが、「室温35度、湿度65%の中で行うボクササイズが、いま新しい毒出し法。脂肪燃焼効果が高く、気持ちよさも最高」と聞き、早速行ってきたのだ。
 向かったのは、今月オープンした「ホットエクササイズスタジオLAVA新宿東口店」。Tシャツ、短パン、ハダシで、タオルと1リットルの水のペットボトルを抱えてスタジオに入る。あちこちにヒーターと加湿器が合計10台以上置いてある。
 参加者がそれぞれストレッチを始めたので、記者も見よう見まねで手首や足首をグルグル回す。そうしているうちに、レッスンが始まった。
 インストラクターは女性2人。脂肪燃焼促進のために、サーキットトレーニングから開始だ。これは、無酸素運動と有酸素運動を30秒間ずつ繰り返すもの。3分やっただけで、ウオーキング30分以上の効果があるともいわれている。
 時間は6分ほど。すでに汗で全身がビショビショだが、この時点ではまだそれほど苦しくない。“気持ちいい!”という感じだ。水を数口飲む。

 そして、いよいよボクササイズ! ボクシングでおなじみの“構えのポーズ”を取る。ひとりのインストラクターが前で見本を見せてくれ、もうひとりが見回っておかしいところを直してくれる。「パンチ」「キック」「パンチとキックを組み合わせたコンビネーション」を順番にやっていくのだが……。
 息はゼェーゼェーハァーハァー。汗は滝のようにダラダラ。ひとつのパンチをやったら水を飲み、別のパンチをやったら水を飲み、というように、数分置きに休憩が入り、水分補給をする。
 いやあ、途中で何度、退出を考えたことか。しかし、退出せずに続けられたのは、ハイテンポの音楽に乗ってやるので、苦しいながらも楽しいこと。次から次に新しいパンチやキックをするので、そのたびに気持ちが切り替えられ、苦しさが軽減すること。このふたつに理由があったように思う。
 ボクササイズをやった後は、ヨガとストレッチをやって終了。シャワーを浴びる前にTシャツを絞ったら、水滴がポタポタ落ちた。それほど汗をかいたのだ。60分のレッスンで1リットルの水をすべて飲んだが、それも普段では考えられないこと。翌日体重を量ったら、体重の変動はなかったが、体脂肪が2%ほど減っていた。
 関係があるかどうかは分からないが、便通がよくなったのにも驚いた。運動の翌日にいつも苦しめられる筋肉痛もなし。何より、ほかの“汗出しスポット”や、スポーツでは体験できなかった面白さと爽快感があった。
 記者が体験したのは「ホットエクササイズBASIC」コース。初心者向けの「START」、ボクササイズの時間を長くした「ホットボクササイズ」など複数のコースがある。値段は1回券3000円。高血圧などの持病がある人は医師と相談してからの方がいいが、運動好きにも、運動嫌いにも、お勧め。
 ちなみに記者は、あんなに苦しかったのに、終わった後の爽快感をまた味わいたくて入会。ストレス対策にもイチ押しです。


自転車ダイエット:日刊現代引用

高千穂 遙
自転車で痩せた人
【話題の健康本著者を直撃!】
2006年6月26日 掲載
高千穂遙氏

「自転車で痩せた人」(NHK出版・700円)

 脂肪肝、高脂血症、高血圧を抱え、メタボリックシンドロームの典型だった50代のSF作家が、3年で25キロの減量に成功。完全な健康体を手に入れるまでの“自転車”ライフを公開した話題の一冊だ。

「40代で椎間板ヘルニアになって趣味のテニスもスキーもやめて以来、一日中書斎にこもる毎日。肉と卵、揚げ物が大好きで、気づいたら体重84キロで体脂肪は24%に。4年前、50歳のときに、血液検査で生活習慣病の一歩手前と診断されて、焦りましたね。なんせ先輩作家や同世代の友人に糖尿病やがん、心臓や血管の病気になった人がたくさんいた。病気になったら本人も周囲もどれだけ大変か、わかっていたから、強い危機感を覚えたんです」
 しかし、スポーツクラブは挫折した過去があり、腰痛があるからジョギングやウオーキングも無理。どうしようかと悩んでいるときに、著者は疋田智さんが書いた「自転車生活の愉しみ」という本に出合ったという。
「そうだ、自転車があった! そう思ってすぐに自転車ショップに走り、国産のクロスバイクを買いました」
 その後、よりスポーツ度の高いスポルティーフに乗り換え、次にF1カーに匹敵するロードバイク“TREKの5500”を手に入れるなど、愛車をグレードアップしながら着実に走行距離を延ばし、スピードをアップしていった著者は、1年も経たずに血液検査の数値がすべて正常化。2年目には体重64キロ、体脂肪14%に。54歳の今は週4日、1日に60キロ走って、体重59キロ、体脂肪9%とアスリート並みの体を維持している。
「手足は完全に筋肉質になり、青年時代の体形に戻った上に、毎日が気分爽快で快眠快食。毎日だるくて寝つきが悪かったのがウソのようです。とにかく自転車は乗った瞬間から運動になる、非常に効率のいい有酸素運動。私のようにのめりこまなくても、1日1時間、心拍数が上がるスピードで走れば、体脂肪は正常値の15%まで楽勝で落ちます。食事制限でやせるのと違って筋肉も代謝も落ちないからリバウンドもない。メタボリックシンドローム解消にオススメの方法ですよ」

▼高千穂遙(たかちほ・はるか) 1951年名古屋生まれ。法政大学社会学部卒業。77年に「クラッシャージョウ 連帯惑星ピザンの危機」で作家デビュー。同シリーズほか著書多数。


高血圧対策:日刊現代引用

【すこやか生活術】
2006年6月28日 掲載
高血圧を下げる徹底裏ワザ

手ごわいから心してかかろう

 いま注目のメタボリック(内臓脂肪)症候群対策シリーズ第3弾は、「高血圧対策の徹底裏ワザ」だ。昭和女子大学生活科学科・中津川研一教授が勧める「簡単にできる効果的な方法」を紹介しよう。
 第1弾の「血糖値」、第2弾の「中性脂肪」とともに、絶対に押さえておきたいものばかりだ。

●ダークチョコを食べる
「米国の研究者が医学誌『Hypertension』に発表しました。高血圧で薬を服用していない男女各10人を2群に分け、最初の1週間は1日約100グラムのダークチョコかホワイトチョコを、次の週は種類を入れ替えて摂取してもらったら、ダークチョコ摂取で収縮期血圧(上)が平均11.9(mmHg)、拡張期血圧(下)は平均8.5下がったのです」
 実験では、ホワイトチョコの血圧降下作用は認められなかった。「1日約85グラムのダークチョコが目安」とのことだ。ちなみに、ダークチョコはカカオ含有量が多い苦味が強めのチョコのこと。

●魚料理は「みそ煮」で
「健康のためにも和食中心に」とよくいわれるが、和食の定番、魚料理は、刺し身や焼き魚より、「みそ煮」がいい。みそって塩分が多いのでは、と思う人が多いだろうが、実は違うのだ。
「確かに塩分が入っていますが、大豆発酵食品のみそには、血圧降下に役立つ成分が豊富に含まれているのです」
 農林水産省食品総合研究所・タンパク質研究室の川村幸雄室長は、みそのタンパク質には主に血圧を下げる方向に働く物質があることを実験で証明している。
 刺し身や焼き魚は、しょうゆや塩をかけるから、どうしても塩分取り過ぎになりやすい。魚料理はみそ煮で決まりだ。

●みそ汁の具はサヤインゲン、タマネギ、ジャガイモ
 みそ汁の具選びで、一層血圧降下作用が高まる。カリウムの含有量が多い野菜を選ぶのがポイント。
「サヤインゲン、タマネギ、ジャガイモなどがまさにそうです。カリウムはナトリウム(塩分)対策に有効なミネラルです」

●海藻を毎日最低1食
 海藻に含まれるアルギン酸という成分がいい。
「アルギン酸は食物繊維の一種。海藻の中で主にカリウムとくっついて存在しますが、海藻が胃の中に入ると、まずアルギン酸からカリウムが離れ、カリウムが体内に吸収されます。さらに海藻は腸に運ばれ、今度はアルギン酸が腸に多いナトリウムとくっつき、そのまま体外に排出されるのです。つまり、アルギン酸は、体内のカリウムを増やし、一方でナトリウムを減らしてくれるのです」
 昆布やヒジキが特にお勧めとのことだ。

●レモン汁や酢、薬味、ハーブ類を活用する
 しょうゆを使うならポン酢を併用し、しょうゆの量を減らす。唐辛子やショウガ、ニンニク、ネギなどの薬味、ハーブ類を使うのもいい。
「しょうゆや塩の量が多少少なくても、おいしくいただけます」

●ビタミンCとEを取る
 さらに踏み込んだ対策が、動脈硬化を防ぎ改善すること。動脈硬化が進めば血流が悪くなり、それを流そうとするため血圧が上がる。この動脈硬化対策に、ビタミンCとEがいいのだ。
「ビタミンEとCは、血液中の脂質が過酸化脂質となって血管の内側に付着するのを防ぎ、動脈硬化予防になる。イチ押しは、ホウレンソウ、牛乳、ブロッコリー、ピーマン、イモ類、レモンです」
 これからの季節、枝豆をつまみに、レモンやグレープフルーツの果汁を搾った焼酎を飲むと、どちらも取れて一石二鳥。

●ビタミンB2を取る
 すでに過酸化脂質が血管内に付着している場合は、ビタミンB2だ。
「シイタケ、サケ、納豆などがいいです。ビタミンB2は、付着した脂質の分解を促進します。動脈硬化を起こしていても、症状が改善されます」
 比較的数値が下がりやすい血糖値や中性脂肪に比べて、血圧は結果を出すまで少し時間がかかる。それでも“成功すれば”、確実に脳梗塞、心筋梗塞などのリスクが下がるのだ。さあ、いざ!


夏ばて対策:日刊現代引用

【すこやか生活術】
2006年8月10日 掲載
夏に負けない徹底対策はコレだ

疲れる眠れないなどの悩みを解消

 あつーい夏は、気を引き締めてかからないと、“負けて”しまう。熱帯夜に眠れなかったり、疲労がたまりにたまったり、食欲不振で免疫力が低下したり、それこそボロボロにされてしまう。そこで、取って置きの「夏に負けない徹底対策」を紹介しよう。みんな今すぐできるものばかりだ!

「玉ネギを積極的に食べましょう」と言うのは、昭和女子大学生活科学科の中津川研一教授。
「玉ネギ特有の臭気である硫化アリルという化合物が、疲労回復を促すビタミンB 1の体内での吸収を高めるのです。加熱すると硫化アリルが甘味成分に変化してしまうので硫化アリルをたくさん取るには生食が一番です」
 自宅で食べるなら、水にさらさず玉ネギを食べる。外食では玉ネギ料理を選ぶ。たとえばサンドイッチのチェーン店である「サブウェイ」では、好みの野菜を増加することができるので「玉ネギ多めで」と頼むのもいい。
「硫化アリルには気持ちを静め、安眠をもたらす作用もあります。夜寝るとき、枕元に玉ネギのスライスやみじん切りを置いておくといいです」
 横浜創英短期大学・則岡孝子教授がイチ押しするのは豚肉。
「豚肉にはビタミンB 1が豊富に含まれていて、疲労回復にいいのです。夏の昼食には豚肉が入ったものがお勧めです」
 豚肉はシャブシャブよりも、豚キムチやガーリック炒めなどがいい。ビタミンB 1の吸収率がアップするのだ。前出の中津川氏が勧める玉ネギと一緒に食べれば、最強の組み合わせだ。

 熱帯夜はどうしても睡眠の質が下がるが、これでは体を壊すもとだ。
「熱帯夜を乗り切るには、カルシウムをしっかり取ること。気持ちを落ち着かせて、穏やかな睡眠に誘導する作用があります。カルシウムが豊富な食品の中でも、特に牛乳がいい。牛乳に含まれているトリプトファンという物質が、メラトニンという睡眠ホルモンの分泌を促します。カルシウムの効果と相まって、より一層眠りの質を高めるのです」(中津川氏)
 カルシウム摂取のポイントは、マグネシウムとセットで取ること。カルシウムの吸収力がアップする。マグネシウムはチンゲンサイなどの青菜野菜や、ピーナツやゴマといった種実類に多い。カルシウムとマグネシウムを手軽に取る方法として則岡教授が勧めるのが「藻塩水」だ。
「藻塩はカルシウムやミネラルを豊富に含んだ塩で、デパートなどで手に入れることができます。この藻塩小さじ3分の1ほどをコップ1杯の水に溶かして、朝、昼、晩の食事前に飲むといい」
 レタスも熱帯夜に負けない食品だ。
「レタスに含まれるラクチュコピクリンという成分が、眠りを誘うのです。普通のサラダに入っている程度の量では不十分なので、スープやおひたしにして、たっぷり食べるようにしましょう」(中津川氏)
 夕食に青菜、レタスのゴマ入りミルクスープを食べれば“一石三鳥”だ。
 毎夏、スタミナアップのためにウナギや焼き肉を頻繁に食べている人!それはやめた方がいい。
「脂肪の多い食品は消化に時間がかかって安眠を妨げます。さらに、最近は夏に高カロリーのものを食べ過ぎて太る“夏太り”が増えている。体内に脂肪をためすぎると、ただでさえ夏は汗をかいて血液がドロドロになりがちなのに、拍車をかけて心筋梗塞などのリスクを高めます」(則岡氏)
 これで、この夏は怖くない。


血液改善:日刊現代引用

【すこやか生活術】
2006年7月27日 掲載
血液のドロドロ度を下げる食べ物

3つのタイプで違う

 心筋梗塞や脳卒中の原因がドロドロ血液にあることは知っていても、それが3つのタイプに分かれることはご存じないのではないか。効果的な対策を実行するためには、まずこれを知る必要があるのだ。自分のドロドロ血はどのタイプで、どうすればサラサラに変わるのか。東京女子医大教授で、同大の特定関連診療所である「戸塚ロイヤルクリニック」所長の栗原毅氏に聞いた。

「3タイプとは、糖分の取り過ぎで赤血球の膜が柔軟性を失い赤血球が毛細血管を通過できなくなる『ネバネバ系』、寝不足や疲労で活性化した白血球がくっつく『ベタベタ系』、アルコールの飲み過ぎなどで血小板が集まりやすくなる『ザラザラ系』です」
 職種でいえば、デスクワーク中心で運動不足気味の経理マンは「ネバネバ系」、深夜勤務中心でストレスが多い看護師やタクシー運転手は「ベタベタ系」、接待が多い商社マンは「ザラザラ系」が多いという。
自分はどのタイプのドロドロ血かをチェックしてみよう。
 もちろん睡眠タップリ、ストレスなしの規則正しい生活に変えられるなら、ドロドロ血もサラサラになっていくだろうが、このご時世のサラリーマンにはとても無理。そこで、誰でもできる現実的な解決策として専門家がすすめるのが「食生活を変えること」だ。
「ネバネバ系は赤血球の膜を柔軟にする黒酢や青魚、ベタベタ系は抗酸化作用のあるトマトやブロッコリー、ザラザラ系は血栓を溶かす納豆などを取るといいでしょう」

 問題はこれらをどうやって取るかだ。管理栄養士の池上保子氏は、手軽にできる「サワー」と「丼物」がイチ押しだという。その作り方は――。

●ネバネバ系
「ドロドロ血液のどのタイプも黒酢入りのサワーが基本で、ネバネバ系は青梅をすりおろし長時間煮つめた梅肉エキスを加えると効果的です」
 キムチは血液の酸性化を防ぎ、アジなど青魚は赤血球の膜をしなやかに保つ働きがある。

●ベタベタ系
「トマトには抗酸化色素である『リコペン』が多く、ストレスや寝不足の解消にうってつけです」 マグロはコレステロールを下げ、アボカドは脂溶性のビタミンEが多い。

●ザラザラ系
「にんじんはβ―カロテンが多い。これは体内に取り込まれるとビタミンAに変わり、抵抗力や抗酸化力をアップさせます。しかし、人によっては飲みにくいので、おろしりんごを加えます」
 オクラ納豆丼の納豆に含まれる「ナットウキナーゼ」は、血栓を防ぐ力が強く、オクラを混ぜることで、それがさらに高まる。
 サワーは市販の黒酢と野菜ジュースで作れるし、丼物も基本はご飯に食材を載せるだけ。簡単だ。これであなたの血のドロドロ度も、ぐーんと下がるはずだ。

●ドロドロ血のタイプ判定表
《ネバネバ度の強い人》
●血糖値が高め
●甘い物をよく食べる
●意欲がわかず倦怠感も強い
《ベタベタ度の強い人》
●ストレス発散が苦手
●慢性的に疲れている
●たばこを1日10本以上吸う
《ザラザラ度の強い人》
●中性脂肪値が高め
●間食や夜食をよくとる
●食べるのが早い


グルタチオン:日刊現代引用

【丸元淑生 短命の食事・長命の食事】
2006年5月25日 掲載
発がん物質を無毒化する野菜・果物はコレだ


 肝臓は発がん物質の解毒をフェーズ2酵素と総称される酵素群によって行っている。だからがんを予防するにはフェーズ2酵素が最高に機能している必要があるのだが、フェーズ2酵素が十分に作られていない人や、作られていてもその働きの悪い人がいる。
 そういう人は危険な状態に自分を置いているのだが、それは食事によって大きく変えられることがわかっている。
 フェーズ2酵素の働きを高める食品があるし、フェーズ2酵素の原料になる食品もあるので、それらの食品が十分に取れる食事にすればよいのだ。
 代表的なフェーズ2酵素で極めて重要なものにグルタチオン転移酵素があるが、グルタチオンを最も多く含んでいるのは、アボカド、アスパラガス、スイカ。次いでグレープフルーツ、オレンジ、イチゴ、トマト、メロン、ブロッコリー、ホウレンソウ、パセリ、ズッキーニ、オクラ、ジャガイモなどの野菜と果物である。
 これらの野菜と果物を最近どれだけ食べたか思い出してみて、ほとんど食べていない人がいたら、食事について考え直す必要がある。

 グルタチオンは体内で作り出される物質なので必須栄養素ではなく、アミノ酸のシステインから作られるので、高タンパク食品を取っていれば不足しないと考えられていた時代があったけれども、実際は中高年の場合は特に不足している人が多く健康の度合いを測る指標となっている物質である。
 研究によると血中グルタチオン値の高い人ほど自分を健康だと感じており、客観的なデータでも健康度が高く、病気が少なく、血圧もコレステロールも低いのだ。そして、がんのリスクも低いということになる。
 フェーズ2酵素の働きを高めることが明らかな物質には、スルフォラファンというアブラナ科の野菜に含まれているファイトケミカルがある。
 スルフォラファンを最も多く含んでいるのはブロッコリー。次いで、芽キャベツ、ケール、レッドキャベツである。
 だからブロッコリーは抗がん食品の王様といわれているのだが、毎日の食事でこれらの食品の出番を増やすことががんの予防につながる。

●まるもと・よしお 1934年、大分県生まれ。東京大学文学部仏文科卒。作家、栄養学ジャーナリスト、料理研究家。


薬と特保の危険な飲み合わせ:日刊現代引用

【すこやか生活術】
2006年5月29日 掲載
常用薬とサプリ、トクホの危険な組み合わせ

命にかかわる“副作用”もある

「飲まないよりはマシ」くらいの軽い気持ちでサプリを中心とした健康補助食品を取っている人は多いが、生活習慣病などの薬を飲んでいる人は要注意だ。サプリと薬の“飲み合わせ”でヤバイことがあるのだ。危険な組み合わせをリストアップした。

《高血圧》
 高血圧だと「カリウム」を勧められるが、摂取してはいけない人がいる。
「カリウム保持性利尿薬やARB、ACE阻害薬などの降圧剤を服用中の人は、過剰にカリウムを摂取すると、これらとの相互作用で高カリウム血症になる恐れがあります。特に腎障害の人は要注意です」(「医薬情報研究所」医薬情報部門責任者・堀美智子氏)
 高カリウム血症は、手足のマヒが初期症状だが、心臓への負担が大きく、最悪の場合は心停止を起こす危険な病気だ。
 ACE阻害薬を服用している人は、「血圧が高めの方へ」という乳製品などの特定保健用食品(トクホ)も危ない。
「トクホの成分であるカゼインドデカペプチドやカツオ節オリゴペプチド、ラクトトリペプチド、サーディンペプチドなどは、ACE阻害作用があり、ACE阻害薬と重なると、血圧が下がり過ぎたり、高カリウム血症を発症するリスクが上がります」(堀美智子氏)

《糖尿病》
 糖尿病の人が血糖値抑制効果をうたうトクホのお茶を飲んでいたら、動悸が激しくなり冷や汗が出始めたということがある。
「血糖値改善効果をうたうトクホの成分の多くは、α―グルコシターゼ阻害薬と同じ作用で血糖値の上昇を抑制します。食前に服薬した人が、トクホを飲むと、作用が増幅されて低血糖になりやすいのです」(薬剤師・井上健太氏)
 低血糖は放置すると、精神錯乱や昏睡症状を伴い、最悪の場合は死ぬから、ナメてはいけない。

《痛風・高尿酸血症》
 尿酸値の上昇で発症する痛風や高尿酸血症の人は、「核酸」がダメだ。
「核酸を構成する成分のひとつが、プリン体ですから、核酸を過剰摂取すると、プリン体の摂取が進んで、尿酸値が上昇、痛風発作のリスクが高まります」(薬学博士・生田哲氏)

《胃・十二指腸潰瘍》
「アルミニウム含有の胃薬を服用している人は、『クエン酸』を含むサプリや食品を摂取しない方がいい。摂取すると、血中アルミニウム濃度が高まり、痴呆のような症状になるアルミニウム脳症が発症しやすくなります」(井上健太氏)

《心臓病》
「おなかの調子を整える」というトクホの多くは、食物繊維が機能成分だ。
 心不全や不整脈でジゴキシンを処方されている人が、このトクホを食べた直後に、薬を飲むと、薬剤の吸収が遅れて症状が改善されない恐れがある。


野菜の力:日刊現代引用

【丸元淑生 短命の食事・長命の食事】
2006年6月8日 掲載
ありふれた野菜・果物に抗がん力


 いま強い抗がん作用が注目されて、世界中で多数の動物実験が行われているPCA(プロトカテキン)は、八百屋に並んでいる日常的な果物と野菜に含まれている栄養素である。
 ラットに肝臓がんを発症させる発がん物質を与えた実験では、PCAががんの発生を防ぎ、肝臓の細胞の損傷を顕著に抑えている。そして、発生してしまった腫瘍の数を減らしている。
 しかも、がんの発生初期だけでなく、進行段階でも同様の効果を示しているのだ。
 発がん物質の害を打ち消すだけの非常に強い力があるわけで、その他の多数の研究でも、ラットとハムスターの大腸がん、肝臓がん、膀胱(ぼうこう)がん、口腔がんを防いでいる。
 では、このPCAは、どんな果物と野菜に含まれているのかというと、ほとんどの果物と野菜に含まれている。だから、高価な果物や珍奇な野菜を求める必要はまったくない。ただ、ありふれた果物と野菜をたっぷり―とは、食べたいだけの量―食べていれば、十分にとれる栄養素なのである。

 問題は、たっぷり食べるという点だが、外食をしていると、なかなかそれができない。野菜は肉料理などにあしらわれているだけ、という店が多いからだ。
 しかし、料理の選択の仕方によっては、かなり野菜がとれる店もあるので、そういう店を多く知っているかどうかも、あなたの健康を左右することになる。
 むろん、PCAは果物と野菜に含まれている多数の栄養素のひとつに過ぎず、これ以外にも重要な働きをするものがたくさんあるのだから、食事に占める果物と野菜の量は、誇張ではなく健康を左右することになるのだ。
 現在では、世界中どこに行っても同じような果物と野菜が売られているが、それはさまざまな原産地のものが世界中に伝播(でんぱ)して、主要な農作物になった結果である。おそらく人類は、それが栄養的に重要な食品であることに気付き、主要な農作物にしていったのだ。
 そして、どこででも手に入るありふれたものになったのだが、ありふれた農作物にわれわれの健康を支える栄養が含まれていることを、科学が証明し始めている。

▼丸元淑生(まるもと・よしお) 1934年、大分県生まれ。東京大学文学部仏文科卒。作家、栄養学ジャーナリスト、料理研究家。


プーアル茶ブレンド:日刊現代引用

【すこやか生活術】
2006年6月9日 掲載
プーアル茶がベース 中国茶で持病が大改善

病気別にブレンド

 毎日の食事を工夫して生活習慣病をケアしている人は多いが、外食がちのサラリーマンが完璧に実行するのは難しい。だったら、細かいことは気にせず持病に直接役立つものを積極的に取ってはどうか。中でも中国茶は、生活習慣病をはじめ中高年のさまざまな症状改善に役立つのだ。
 糖尿病のMさん(53歳)は、空腹時血糖値が正常値110mg/dlを大きく上回り200を超えていた。薬は数値の乱高下を防ぐ程度で、症状が改善することはなかったが、プーアル茶を飲み始めて3カ月後、血糖値が150台に。10カ月後の今は正常値に近い120台で安定している。“効く飲み方”が分かったという。
「プーアル茶は食事の摂取カロリーとの関連性が深く、1日の摂取カロリーが2500キロカロリーまでだと、効果的なのですが、それ以上だといくら飲んでも効果なし。これが分かってからは、医師が勧める『1600キロカロリー』以上食べても2500キロカロリー以下なら平気なので、気が楽です」(Mさん)
 プーアル茶にある肝臓の解毒作用で肝機能が回復し、肝臓での糖代謝も回復したことで、Mさんの血糖値が改善したと思われる。
 メカニズムはともかく、中国茶で持病対策を始める人は、プーアル茶をベースにさまざまな効能を持つお茶をブレンドするといい。中国の国家資格茶藝師高級の持ち主で、東京・銀座にある中国茶専門店「三徳堂」の店主、山口恵美氏が言う。
「プーアル茶は代謝を活性化する作用があり、体内の余分なエネルギーを排出してくれるので、ダイエットに最適。これに各自の症状にピッタリのお茶をブレンドすれば、減量プラス症状改善効果が期待できるので、中高年の生活習慣病対策に一石二鳥なのです」

 中高年男性の半数以上が内臓脂肪(メタボリック)症候群に悩む時代。面倒なダイエットと、厄介な症状の改善が一度にできるなら、利用しない手はない。そこで山口氏に、プーアル茶ベースのブレンド茶を教えてもらった。

●高血圧
「雪茶とジャスミン茶をプラスするといい。雪茶だけで飲むと土臭くて渋いのですが、2つのお茶をブレンドするとおいしい」(山口氏)
 Kさん(48歳)は160台/100台の高血圧で、降圧剤のほか頭痛用の鎮痛剤を併用していたが、このブレンド中国茶を飲み始めて2カ月で130台/70台に。肩こりが楽になり、目覚めがよくなった。「医師に相談して服薬もやめることができた」と笑うが、どれくらい飲んだのか?
「朝晩の1日2回です。症状がひどいときは、濃いめで飲んでいました」

●眼精疲労
 菊茶ブレンドだ。仕事で4台のパソコンを駆使するシステムエンジニアのNさん(39歳)は、「仕事から家に帰ってすぐ飲むと、目の奥の重苦しい感じが和らぐ。そのまま寝ると、飲まないときの朝よりかなり楽になる」という。

●ストレス解消
 お茶の中で最も香りが豊かなジャスミン茶をブレンドする。体に香りを巡らせるイメージでゆっくり飲むと、少しずつリラックスしていく。ジャスミン茶は便秘解消にも効果的とか。

●精力増強
 虞美人茶割りで飲むといいという。あくまでもお茶なので、即効性はない。2、3カ月かけて体質改善の気持ちで飲めばいい。

●冷え性
 これは龍井皇精茶を単独で飲む。ビタミンCが豊富で、風邪の諸症状にもいい。中国ではエビと一緒に茶葉を炒めて食べる習慣もあるそうだ。
 おいしい中国茶を健康管理に役立てよう。

【入れ方・飲み方】
 飲むたびに入れるのがベターだが、最初は作り置きを持ち歩くのが簡単だ。
《眼精疲労》《ストレス解消》《精力増強》のお茶は、プーアル茶10グラムと、もう一つの茶5グラムを合わせ、沸騰させて火を止めた湯1リットルに入れて5分蒸らす。
《高血圧》のお茶は、プーアル茶10グラムと雪茶2グラム、ジャスミン茶5グラムを合わせ、同様にして湯に入れて蒸らす。
《冷え性》のお茶は、龍井皇精茶5グラムを1リットルの湯に入れて、5分蒸らす。冷蔵庫で冷やしても、常温でもおいしい。


血糖値を下げる裏技:日刊現代引用

【すこやか生活術】
2006年6月14日 掲載
血糖値を下げる裏ワザ

メタボリック症候群対策第1弾

 先月の「メタボリック(内臓脂肪)症候群」の厚労省発表に衝撃を受けている人は多いだろう。なにせ、腹囲85センチ以上(男性の場合)の内臓脂肪型肥満で、高血糖、高脂血症、高血圧の2つ以上に該当すれば、脳梗塞や心筋梗塞などを引き起こすリスクが高まるというのだから。
 そこで、今回からシリーズで、血糖値、中性脂肪、血圧を徹底的に下げる、とっておきの“裏ワザ”を紹介する。まずは血糖値から。実験などで証明されている信用度大のものばかりだ。

●コタラヒムを利用する
 コタラヒムはスリランカに自生する低木で、現地では糖尿病の治療に用いる薬用植物として知られている。
「ここ数年、日本でも非常に注目を集めています。複数の医療機関などで血糖値を下げる働きが実証されています」(コタラヒムに詳しい「はなぶさ健康食品」の門畑英明氏)
 あるクリニックでは、糖尿病患者9人に、コタラヒムの顆粒を2カ月間、毎食前に摂取してもらったところ、8人中7人(1人途中脱落)の血糖値が低下。7人の平均値は198.4(mg/dl)から186.4に。中には、274から228まで下がった人もいた。ヘモグロビンA1cは、8人中6人が下がり、平均値は8.7%から8.4%になったという。
 サプリメントとして百貨店の健康食品コーナーなどで売られている。

●トマト+オリーブオイルを調理して食べる
 カゴメ広報担当が言う。
「トマトを使った料理に、血糖値の上昇を抑制する作用があることが実証されているのです」
 白米と、トマトやオリーブオイルを使ったリゾット(洋風雑炊)を比較すると、リゾットの方が血糖値上昇を抑制する働きが30%も強い。白米、おにぎり、チキンライス、ボロネーゼ(ミートソース)の比較でも、トマトとオリーブオイルで調理したチキンライスとボロネーゼが、血糖値上昇が格段に低かった。
 トマトが血糖値対策に役立つのは確かだが、「加工用トマト+オリーブオイル」ならもっといい。
「トマトジュースやトマト缶などの原料になる加工用トマトは赤系トマト。生食に多いピンク系より有効成分含有量が多い。これをつぶし、加熱し、さらにオリーブオイルを使うことで、体内への吸収率が高まります」(前出の広報担当者)
 トマトサラダよりトマトソースの方がベターだ。トマト缶をカレーなどに入れるのもいい。

●タマネギをスライスし、15~30分してから食べる
「インスリンの働きを高めて血糖値を正常に保つ働きがあります」(昭和女子大学生活科学科・中津川研一教授)
 英国では1日100グラム、ほぼ1個分のタマネギを患者に与え、数週間で血糖値を基準値まで下げることに成功している病院もある。
 日本のある実験では、タマネギの辛味成分を糖尿病患者に投与したら80%の患者の血糖値が下がった、という報告もあるのだ。
 包丁でスライスし、15~30分後に食べる。水にはさらさない。これによって、インスリンの働きを高めるチオスルフィネートという成分の量が多くなるという。生でも加熱しても、血糖値対策に関しては効果に差がない。

●キャベツを毎日食べる
「科学的な根拠は不明なんですが、2週間近く食べ続けると、血糖値に改善が見られるという報告があるのです。ある有名プロレスラーは、毎日キャベツを食べ続けて、3週間で600近い血糖値を180にまで下げました」(前出の中津川氏)
 キャベツを1日2食、半年間食べ続けた人で、血糖値が180から102まで下がった人もいる。
 科学的な根拠は不明とはいえ、食べて害になるものではないので、試してみてはどうだろう。満腹感を感じ、結果的に全体の食事量を減らすことにもなる生食がお勧め。
 ちなみに、中津川氏が教えてくれた「血糖値対策食」は――。
「インスリンの分泌を促して血糖値を下げるのは、ゴーヤ、豆腐、アロエ。インスリン自体の機能を高めるのはバナナ、牡蠣(かき)。インスリンの代わりになる成分を含むのは酒粕(さけかす)。血糖値上昇を防ぐのはコンニャク、酢、ヤマイモ、オクラです」
 さあ、やろう。