夏ばて対策:日刊現代引用
| 【すこやか生活術】 2006年8月10日 掲載
夏に負けない徹底対策はコレだ疲れる眠れないなどの悩みを解消 あつーい夏は、気を引き締めてかからないと、“負けて”しまう。熱帯夜に眠れなかったり、疲労がたまりにたまったり、食欲不振で免疫力が低下したり、それこそボロボロにされてしまう。そこで、取って置きの「夏に負けない徹底対策」を紹介しよう。みんな今すぐできるものばかりだ! 「玉ネギを積極的に食べましょう」と言うのは、昭和女子大学生活科学科の中津川研一教授。 「玉ネギ特有の臭気である硫化アリルという化合物が、疲労回復を促すビタミンB 1の体内での吸収を高めるのです。加熱すると硫化アリルが甘味成分に変化してしまうので硫化アリルをたくさん取るには生食が一番です」 自宅で食べるなら、水にさらさず玉ネギを食べる。外食では玉ネギ料理を選ぶ。たとえばサンドイッチのチェーン店である「サブウェイ」では、好みの野菜を増加することができるので「玉ネギ多めで」と頼むのもいい。 「硫化アリルには気持ちを静め、安眠をもたらす作用もあります。夜寝るとき、枕元に玉ネギのスライスやみじん切りを置いておくといいです」 横浜創英短期大学・則岡孝子教授がイチ押しするのは豚肉。 「豚肉にはビタミンB 1が豊富に含まれていて、疲労回復にいいのです。夏の昼食には豚肉が入ったものがお勧めです」 豚肉はシャブシャブよりも、豚キムチやガーリック炒めなどがいい。ビタミンB 1の吸収率がアップするのだ。前出の中津川氏が勧める玉ネギと一緒に食べれば、最強の組み合わせだ。 熱帯夜はどうしても睡眠の質が下がるが、これでは体を壊すもとだ。 「熱帯夜を乗り切るには、カルシウムをしっかり取ること。気持ちを落ち着かせて、穏やかな睡眠に誘導する作用があります。カルシウムが豊富な食品の中でも、特に牛乳がいい。牛乳に含まれているトリプトファンという物質が、メラトニンという睡眠ホルモンの分泌を促します。カルシウムの効果と相まって、より一層眠りの質を高めるのです」(中津川氏) カルシウム摂取のポイントは、マグネシウムとセットで取ること。カルシウムの吸収力がアップする。マグネシウムはチンゲンサイなどの青菜野菜や、ピーナツやゴマといった種実類に多い。カルシウムとマグネシウムを手軽に取る方法として則岡教授が勧めるのが「藻塩水」だ。 「藻塩はカルシウムやミネラルを豊富に含んだ塩で、デパートなどで手に入れることができます。この藻塩小さじ3分の1ほどをコップ1杯の水に溶かして、朝、昼、晩の食事前に飲むといい」 レタスも熱帯夜に負けない食品だ。 「レタスに含まれるラクチュコピクリンという成分が、眠りを誘うのです。普通のサラダに入っている程度の量では不十分なので、スープやおひたしにして、たっぷり食べるようにしましょう」(中津川氏) 夕食に青菜、レタスのゴマ入りミルクスープを食べれば“一石三鳥”だ。 毎夏、スタミナアップのためにウナギや焼き肉を頻繁に食べている人!それはやめた方がいい。 「脂肪の多い食品は消化に時間がかかって安眠を妨げます。さらに、最近は夏に高カロリーのものを食べ過ぎて太る“夏太り”が増えている。体内に脂肪をためすぎると、ただでさえ夏は汗をかいて血液がドロドロになりがちなのに、拍車をかけて心筋梗塞などのリスクを高めます」(則岡氏) これで、この夏は怖くない。 |