バリアフリーマップをつくる旅 -24ページ目
埼京線の板橋、三田線の新板橋、東上線の下板橋。3路線・3駅に囲まれた板橋トライアングル・ゾーン。

グーグルマップでの事前チェックによると、駅同士の距離はわずか数百メートル、都心にほど近い住宅と商店の街。

コンパクト & オールインワン & 好アクセス、車椅子での生活には理想的なキーワードだ。

さぞ暮らしやすい場所なのだろうと目星をつけて訪れた。
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が、悪夢は板橋駅から始まった。

埼京線の電車を降りると、駅のホームにエレベータが

ない。代わりにいたのはJRの制服を着た男4人。

瞬時に回れ右をして逃げようかと思ったが、

脱出口は彼らの待つ階段だけ。

あっという間に取り囲まれ、車椅子はお神輿と化し、階段へと吸い込まれてゆく。

正気を失う前、最後に目にした光景は、眩いばかりの女子高生たち。その眼差しはイノセントな好奇に満ち溢れていた。


第二の悪夢が訪れたのは、何とか正気を取り戻したわずか3秒後だった。

駅の改札の外、現在の地点及びこれからの行先を把握しようと見回すと、どちらを向いても目に入るのは坂道だけ。

― 平坦な道などどこにもない ―

そんなん佐藤浩市だか反町隆史だかの出てくる自動車CMのキャッチコピーだけの話だと思っていたが、

実物が板橋トライアングルにあったとは・・・。

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最後の悪夢は第三の駅、下板橋だった。

ようやく調査を終え、電車に乗ろうとすると、

行き先側のホームへの車椅子導線がない。

改札の駅員に尋ねると、逆方向へ2駅戻って、

行き先方面への電車に乗り換えるのだと。

おいおい東上線、そんなん、水前寺清子のマーチだけの話だと思っていたぜ。

ついでにグーグルマップ、この街、住むどころか、もう来ることはないと思うぞ。
ちょっと散歩がしたくなって、ふらーっと来てみた。

参道の入口でたい焼き屋を見つけ、食べ歩きをしながら鬼子母神を目指す。
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鬼子母神は安産や子育の神として祀られていて、

そのお堂は1578年に建立、都内でもかなりの

歴史だという。


人がほとんどいない参道、立派なケヤキ並木、

秋のやわらかな木漏れ日の中、石畳に前輪を取られながらゆっくりすすむ。

ようやく、お堂の見えるところまで辿り着くも、階段に遮られて敷地には入れない。

まぁ、それでも構わない。ここまでの道のりで十分。とても癒された。

またいつか誰かと一緒に来られればよい。

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帰りの木漏れ日はさらにやわらかくなった気がする。

辛うじて緑色ではあるものの、既に限界点を超えた

ことは隠すことの出来ないケヤキの葉。

日光とか高尾山とか圧巻の景色もいいが、

身近なところにだって素敵な場所はちゃんとある。

ブロ友のみんなの住む街、もう紅葉が始まってるところ、これからのところ、いろいろあるんだろうな。

カエデにイチョウにカシワ・・・、どんな景色を見て過ごすのかな?


ちなみに雑司が谷駅、副都心線では池袋の隣。

都電荒川線では鬼子母神前駅が最寄り。これとは別に雑司ヶ谷って駅もあるが、ちょっと離れた場所です。
長く伸びる橋上駅舎によって真っ二つに分断されている駅前。

舎人ライナーはゆっくりとその終着駅へ滑り込んでゆく。

上空の車窓から見下ろすと、右にはピカピカのビルが囲む広場、左には昔ながらのバスロータリー。

2008年の舎人ライナー開通以来目まぐるしく進化を続ける日暮里を象徴するサイドと、

開通以前から変わらず下町の面影を残しているサイドとに、はっきりと色分けされている。

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駅から出て、まずは進化サイドを調査。

真新しい3本の高層ビル。それぞれオフィス棟や

マンション棟に分かれているが、低層階には

いずれも商業施設が多数入っている。

駅舎と高層ビル群とを繋ぐ空中のデッキ通路。

要所々々に地上へ降りられるエレベータが設置され、車椅子での通行にも便利で楽である。


ビルのテナントを物色中、一軒の駄菓子屋の前を通り過ぎる。40F建てのビルの中の駄菓子屋・・・。

突然、古い思い出が蘇った。かつてこの場所に駄菓子問屋横丁があったこと。下町散策でふと立ち寄ったこと。

昭和から時が止まっているバラックの景色だったこと。

スクラップ&ビルド・・・。でも、誰があの場所を潰してしまったのか?潰すことで進化を果たしたとでも思っているのか?

この新しいビルにあの場所よりも優れた価値があるとでも言うのか?

だが、答えなど最初から分かっている。一番の受益者は誰なのかを。あの場所を潰したのは便利さへのニーズで

あるということを。

つまりそれは自分自身に他ならない。その事実を認めたくないだけだった。


このフラッシュバックがまずかった。

これ以降、進化サイドへの憎悪にも似た感情に支配されてしまったのだ。

下町サイドの調査も終わり、さて昼飯でもと思ったのだが、進化サイドには全く足が向かおうとしない。

どうしても下町の定食屋を探してしまうのだ。


方々の路地を渡り歩いて、おあつらえ向きな食堂を発見。

表には定食メニューが掲げてあったはずだが、店内では見事なまでに客の100%が昼酒なう。

場末な丸いすを横にどかしてカウンターに収まり、壁一面に貼られたセピア色した品書きから迷った挙句に注文。

金髪のショートヘアがよく似合う小柄なおかみさん、軽快なダミ声・・・いや、ハスキーボイスで「お待ちどうさまぁ」と
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運んでくれたメニューは、

ハムポテトサラダに、

イカ納豆、

ドリンクにコップ酒を付けて¥1,050。

またやってしまったが、仕方がない。

とりあえずこのコースを「トリまっぷランチA」と呼ぶことにしておこう。