最近ありがたいことに、毎日歌劇場で練習させて頂いておりますが…


劇場で歌うと、声のラインが目で見えます。


まるで、野球の玉がホームランなのか、ゴロなのか、玉を目で追いかけられるように、声を目で追いかけることができます。


劇場で毎日練習できるということは、毎日レッスンに通っているのと同じようなことだな、と感じました。


自分の耳で自分の声を判断できる環境というのは、自分で自分を教えているようなもの。


毎日レッスンに通っているような感覚です。


とにかく、最高の環境を手に入れてしまいました!(笑)



師匠の役割は耳だと思っていて、とにかく耳の良い人に聞いてもらうことが全て。


今出した声がいい声なのか、悪い声なのか、その時の自分の感覚と、人からの判断のデータを蓄積していくことがレッスン。


でも飛ばない声は聞こえない声。

劇場のお客さん、一番後ろの席まで届かないような声なら、それはもう良し悪しを判断する段階ではありません。


聞こえない声は、音色が良い悪いを判断する段階にすら立てていないのです。

「ボツ声」とでも表現すればいいのでしょうか?


とにかく劇場では使えない声だということです。

それは、誰がどう考えても、明らかです。


けれど狭い部屋で歌っていると、飛ぶか飛ばないか?ではなく、自分の耳で聞こえる音が美しいか、美しくないか?で判断してしまう。

(因みに、自分の耳は内耳で音を聞いているので、あてにはできません。(笑))


ボツ声は、劇場で声を出せば落ちるので、一発で「これはボツ声だ!」と自分で分かるのですが、狭い部屋ではそのボツ声を何とかこねくり回して、美しい音にしているような錯覚に陥ってしまい、結局何がいいのか、分からなくなってしまうのです。


その判断のために、レッスンが必要で、その判断のために、師匠に頼っているのです。


けれど劇場でボツ声を出すと、遠くまで飛ばず、自分のすぐ下に声が落ちてしまう。

まるでホームランではなく、ゴロの時のように。


常にホームランの声を出し続ける。

それを意識すればいいだけ。


Pで、柔らかいのに遠くまで飛ぶ、というのが難しいと感じていたけれど、ホールで声が目に見える時には、それすらも、かなり正確に把握しやすいのです。


そして日本の劇場だと、どんなに広くても、ものすごく反響が良くて、それこそボツ声でも一番後ろの席まで簡単に届いてしまうホールも多いけれど、こちらの劇場はそこまで反響が強くないので、駄目な声は、本当にすぐに、客席に落ちてしまいます。


劇場が、私を導いてくれる。


ーーー


あるピアニストの知り合いが、師匠が亡くなった後、形見のピアノを受け継いだのですが、「師匠が亡くなっても、このピアノが僕に沢山のことを教えてくれる。」と話していました。

ピアノが、音で、自分の弾き方の良し悪しを教えてくれる、と言っていました。


不思議なこともあるものだなぁ、とその時は聞いていましたが、まさに今!心の底から、彼が言いたかったことが理解できたような気がしています。


劇場が、私にレッスンしてくれているような感覚なのです。


楽器が、人を育てることがあるように、


劇場が、歌手を育てる。


人間では無いモノや、

場所が、

人を育てることもあるんだなぁ、と

不思議で有り難い気分です。


大切に愛されてきた楽器、

人々が守り抜いてきた劇場、

このような伝統が残っている歴史に感謝ですね。



ーーーー


「1回の本番は、100回の練習に勝る。」


とよく言われたりもしますが、それはホールで出す歌声が百回の練習に勝る程の、いい経験になる、という意味だけではなく、緊張感の中で、メンタルを整え、どれだけの実力が発揮できるか?や、本番に向けて自分のモチベーションを最高潮に達するように計画立てる練習、などということも関係しています。


だから、一回の劇場での練習が、家の練習の百回分の価値がある、とは思いません。


ただ、そうは言っても、実際の劇場で歌うということが、どれだけ私の身になっているか?ということを強く痛感している日々です。


「劇場での練習は、家での練習以上の価値がある。」


これは間違いないな、と確信しています。


家の練習では見えなかった事が、見えてきます。


皆さんも、たまには劇場(もし難しい場合は、山でやまびこを見てみる、とか…(笑)とにかく出来るだけ広い空間)での練習をしてみてはいかがでしょうか?


いつもと違う感覚で、自分の音と向き合えると思います(*^^*)








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来年2022年11月にヴィッラバルトロメア劇場にて、オペラ「外套」の公演が行われる予定です!


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詳しい内容はこちらをご覧下さい。↓




前回の『修道女アンジェリカ』の公演の実際の様子です✨(※2021年6月26日に、無観客、オンライン配信させていただいた公演です)


https://youtu.be/jeQq_ls1mEg 


ご応募お考えの方は、是非参考にご覧下さいませ♡











祖母は書道の師範をやれる程字が上手く、夏休みはいつも書道の宿題を祖母の家に書きに行っていた。

以前、一時帰国中に、大人になってから久しぶりに祖母の前で書き初めをしたら、

「あらぁ、ゆかりちゃんの字は優しくなったわねぇ。昔は、紙からはみ出す程ダイナミックな字を書く子だったのにねぇ。」と言われた。


要するに、大胆不敵な子供だったのだ。


中学では画家のサルバドール・ダリの絵に心奪われて、必死に模写したりした。


思春期だからこその、特有の感覚。

奇抜なもの、不思議なもの、あきらかに気持ちの悪いもの、そういう物への興味、好奇心なのだろうけれど、正直、今考えると何故あんなに心奪われて、好きだと思ったのか、不思議ですらある。


母はクロード・モネが好きで、今の私も、どちらが好きかと言われたら、ダリは面白いけれど、モネが綺麗で好き、と感じる。


教育、文化とはなんだろうか?


本来の私は、紙いっぱいに文字を書くような人間で、突拍子もないモノにこそ心動かされていた人間のはずだ。


そのままエネルギーいっぱいに生きてこれば良かったのに。


何故、ひまわりは百合になろうとしたのだろうか。


それは百合が美しいとされる価値観に染まってしまったからだ。


花は自身を変える事は出来ない。


無理に別の花になろうとすれば枯れるだけだ。


今からでもまだ、私は私に戻れるだろうか?


百合を美しいと感じる私の心は、ひまわりも美しいと感じられるようになるだろうか?


イタリアという国が、教育が、文化が。


「ひまわりはもちろん美しいし、どの花も美しいのだから、ただ精一杯に、自分の花を咲かせれば良い。」


と後押ししてくれているような気がする。


私は生来の私に戻ろうと思うし、今、戻ろうとしている。









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ちょっと前になりますが、今年の2月に、現役歌手として、スカラ座でもご活躍中のSamuel Hasselhornさんにマスタークラスで教えて頂きました🥰💕


ホールでレッスンして頂けたのは(声楽コース全学年から)選抜で選ばれた6人のみだったのですが、有り難い事に歌わせて頂きました💕✨


「君の高音はダイナミックで素晴らしい!中音域もリッチ。そして、低音も花開きかけているから、そのまま頑張ってね。」

とお褒めの言葉を頂き嬉しかったです💕


コンセルで生まれて初めて、スカラ座でご活躍されていたメゾソプラノの先生に師事しているのですが、低音域の出し方が(日本人的にはNGのよく出る)胸声をガッツリ入れる感じで教わっていて、なるほど〜って感じで、面白いです(笑)✨


Samuel Hasselhornさんからも、低音域の胸声の指導を受けて、今の師匠と同じ事言ってる!!ってなりました(笑)


最近は、低音域が安定してきた気がします✨


マスタークラスでは、院生の時に歌ったアルバン・ベルクの歌曲をあらためて歌いました✨


無調音楽とか、十二音技法とかって、あんまり親しみを感じない事が多いんですが、その中にも調性感があって、ベルクは昔から好きだったなぁ♥️


なんだか昔を思い出して、懐かしくなりました(*^^*)










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