今回の山旅の主目的デュフールシュピッツェ(Dufourspitze)。

標高は4634m。
スイス・イタリア最高峰で、ヨーロッパではモンブランに次いで高い山らしい。
そもそも何故このたぶん特に日本人にとってはマイナーと思われる山に登りたくなったのか、実はあんまりよく覚えていない。
メンヒに登ることを決めてYoutubeでメンヒを検索しまくっていたらYoutube君に「こんな山もあるで」とお薦めされたからだった気もするし、
モンブラン三山縦走ルートは疲れそうで嫌だな、他の山ないかな→マルゲリータ小屋でマルゲリータピザ食べるの面白そう→マルゲリータ小屋はモンテローザという所にあるらしい、で「モンテローザ 山小屋」で検索したらモンテローザ小屋がヒットしたからだった気もする。
よく覚えていない。
で、メンヒと同じくYoutubeで動画を見ていたらマルゲリータ小屋に行くよりもモンテローザ小屋経由でデュフールシュピッツェに行くルートの方が楽しそうに見えて登りたくなった。
デュフールシュピッツェに心惹かれた理由は主に2つある。
①デュフールシュピッツェへのルート
心惹かれた理由の1つ目はルートが多様で楽しそうだったこと。
ルートはこのスイスアルパインクラブの地図を参照。
SAC Route Portal | Swiss Alpine Club SAC
ツェルマットからデュフールシュピッツェまでのルートを2分割すると、
ツェルマットーモンテローザ小屋
モンテローザ小屋ーデュフールシュピッツェ
に分けられる。
* Youtube動画の中にはモンテローザ小屋ではなく小屋のもう少し上でテント泊している記録もあったけど、この地域でテント泊が許可されているかは事前に確認したほうが良いと思う。
ツェルマットからモンテローザ小屋に行くには途中で氷河(たぶんゴルナグラート氷河)を横断する。
この氷河歩きをやってみたいなと思ったし、その後もどちらかというと岩場寄りのルート(でもクライミングはない)なのが楽しそうに見えた。
氷河横断は不安だけど、モンテローザ小屋のウェブサイトによると一応ゴルナグラート氷河上にポールの目印はあるらしい。
【注】2025年時点。毎年あるのかどうかはわからない。後、私が今回使ったパノラマルートのゴルナグラート氷河上の目印は明瞭だったけど、オールドルートは氷河上の目印がわかりにくい、という記録も見た。
モンテローザ小屋からデュフールシュピッツェへのルートもバラエティに富んでいる。
まず、真夜中に出発して暗闇の中岩場を歩く。
岩場の後はクレバスだらけの氷河(たぶんモンテローザ氷河)を歩く。
氷河の後は雪原を登る。
雪原を登って尾根に取りついたらそこから最後、岩と雪のリッジを登り上げて頂上に着く。
頂上からは、来た道を引き返すルートと、隣のノルトエンド(Nordend)との間を懸垂下降して降りる2択がある。
私が参照した日本語の記録3つのうち2つは懸垂下降ルート、1つは往復ルートを選んでいた。
Youtubeの動画だと体感、往復ルートの方が多いかな、という感じ。
岩場+氷河+岩雪稜+懸垂下降、めっちゃ楽しそう、と思った。
ちなみにモンテローザ小屋からデュフールシュピッツェはスイスアルパインクラブの上記ウェブサイトによれば標高差1750m、時間は7-8時間。
ヤマレコによれば登りは5-7時間らしいけど、たぶん5時間で行けるのはスーパーサイヤ人だけでは?と思う。
モンテローザ/ディフイールシュピッツェ|最新の山行記録と登山ルートやアクセス、気象状況など-ヤマレコ
②モンテローザ小屋
デュフールシュピッツェに心惹かれた理由の2つ目、モンテローザ小屋。
2009年に出来た小屋で、色々ハイテクな技術を駆使して作られた小屋らしい。。。
Monte Rosa Hut (English)
技術は素人のような私には(なんかすごいんだな。。。)ということしかわからず、単純に
見た目がカッコいい。
というのが泊まってみたかった理由。
以上の理由でデュフールシュピッツェを目的地に選んだものの、不安は山のようにあった。
一番大きかったのは、ルートファインディング。
まず、デュフールシュピッツェに行くにはモンテローザ小屋を夜中2時‐3時に出発して、最初は岩場、その後は氷河を超える必要がある。
2-3時に出発する=真っ暗な中でヘッデンの明かりだけでこれをやる必要がある。
動画を色々見ても、大体の動画は当たり前だけど明るくなってからの雪原歩きくらいから始まっており、肝心の一番怖そうな岩場と氷河をどう超えるのかのヒントが全然ない。
(暗い中で始まる動画もあるけどヘッデンの明かりしか見えてないのでルートの参考にはならない)。
日本でいつも使っていたyamapは使えない。
地図は紙地図を一応SACの上記のウェブサイト掲載地図を打ち出したけど、これとコンパスのみで真っ暗な中、岩場やクレバスだらけの氷河をひとりで超えていけるのかすごく不安だった。
ゴルナグラート氷河上にはポールの目印があるらしいけどモンテローザ氷河上に目印はあるんだろうか?(結論から言えばなかった)。
後、頂上から懸垂下降した場合、トレースがあればいいけどトレースがなかった場合にクレヴァスにおびえながら雪面を一人で戻ることができるのだろうか、という不安も大きかった。
2つ目の不安は体力。
モンテローザ小屋からデュフールシュピッツェまでは標高差1750m、7-8時間。
こちらのコースタイムは私にはきついので私は恐らくもっとかかる。
そして下りも加えると恐らく往復には12時間以上はかかるだろう。
私のアイゼンを付けての雪山での最長行動時間は2年前のGWに七倉山荘から烏帽子小屋付近まで登った6時間。
あの時はばてばてでテントに入ってどら焼き齧りながら寝落ちするぐらい疲れていたのに、登りだけで8時間、そして全部で12時間以上の行程をこなせるのだろうか。
3つ目の不安は、頂上直前、最後の岩と雪のリッジ。
これはyoutube動画を色々見ていて、(これくらいなら行けそうじゃない?)という根拠なき自信と(いやこれ無理。落ちたら死ぬ)という不安が交互に来た。
メンヒで落ちてからは若干不安の方が大きくなった。
メンヒで落ちた時は軽傷で済んだ(そういえば突き指だと思ってた小指はたぶん骨が逝かれてるんだけどそれはまた別途書く)。
でもデュフールのここで落ちたら軽傷では済まない。たぶん99.9%死ぬ。
少しでも怖い危ないと思ったらそこを頂上にして引き返せばいいか、とも思っていたけど、一番怖いのは行けると思って行ったはいいものの引き返せなくなった時。
引き返せない場合はノルデンドとのコルを懸垂下降するルートしかないんだけど、そうするとさっきも書いたように下降の後クレバス帯でルートファインディングできるのか、という別問題が発生する。
デュフールシュピッツェ、面白そうなルートだったけど不安はたくさんあった。
そして結局頂上には全くたどりつけなかったんだけど、ここを選んで本当に良かったと思っている。
不安が大きかった分、充実した、忘れられない旅になった。

































































































