海と山、時々きもの

海と山、時々きもの

ダイビング記録+きもの試行錯誤の覚書。…だったはずなのに最近は山歩きの記録簿と化しつつある。
23年秋から山のない国に滞在中のため山歩き頻度は低下中。

今回のモンブラン登山の不安の一つに高山病になったらどうしよう、というのがあった。
 
もともと不安だったところ、本来はシャモニー到着翌日にエギーユミディでコスミック小屋まで散歩して高度順応しようかなと思っていたのに直前のテートルース小屋一泊追加でそれもできなくなったのでさらに不安になった。
 
到着翌日に即山行スタート、というスケジュール。
そういう意味では今回の山旅で、高度順応的なものは全くしていない。
 
ただ、結果として、高山病らしき症状はほぼ全くでなかった。
(寝る前にちょっと頭痛いかな、となったくらい)。
 
去年ブライトホルンとアラリンホルンで気持ち悪くなったので、今回はラッキーだった。
グーテ小屋では、高山病でヘリで運ばれた人もいたので。
 
今回大丈夫だった理由を自分なりに2つ考えると、1つは
 
①日程がかなりのゆっくり登山であったこと
 
テートルース小屋泊を追加したことによってエギーユミディでの高度順応はできなくなったけど、同時にというか逆にかなりのゆっくり登山になった。
1日目にベルビューからテートルース小屋、2日目にテートルース小屋からグーテ小屋、3日目にグーテ小屋から山頂を目指す、と徐々に高度を上げていく旅程になったので、これが逆に良かったのかもな、と思う。
 
②処方箋無しでも高山病の薬が買えたこと
 
高山病の薬、ダイアモックスは医師の処方箋がないと買えない、ということを直前に知って(\(^o^)/オワタ)と思っていたけど、シャモニー到着後、ダメ元で薬局に行ってみた。
 
「高山病の薬ってありませんか?」と聞くと、カウンターのマダム曰く、
 
「2種類あるわよ。強いのと弱いの。強いのはお医者さんの処方箋がないと買えないけど」
 
処方箋なくても買える薬あるの神やん
 
というわけで処方箋無しでも買える「弱い方の高山病の薬」がこちら。

 
mal des transportsというのは乗り物酔いなので、「え、乗り物酔いと高山病の薬っておんなじなの?原因違うんじゃないの?」と思ったけど、確かにmal des montagnesとも書いているし、半信半疑ながらこれしかすがるものがないので買ってみた。
 
薬局のマダム曰く、摂取は1日5錠が上限、食後よりは食前が良いとのこと。
 
私はこれを買った日(つまり山旅開始前日)の夜から、朝、昼、夜、の1日3回飲んだ。
 
この2つのおかげか、今回頭痛や気持ち悪さみたいなのは寝る前を除いてなかった。
7月もちょっと高山に行く予定なので、この薬を握りしめて行こうかなと思っている。

 
 
 

以前書いたようにモンブランにもし登るなら三山縦走ルートの方から登ってみたいなと思った。

ただ、色々考えた結果、結局今回、コスミックルート/三山縦走ルートは断念し通常ルート/グーテ小屋ルートに決めた。

以下は理由、旅程、実際の所要時間、ルート全体の感想。

 

①ルートを決めた理由

 

コスミックルート/三山縦走ルートで一番個人的に怖かったのが、雪崩リスク。

夏のコスミックルートでは、調べた限りで過去に2回、大規模な雪崩が起きて人が亡くなっている。

(春も含めるともっと雪崩は起きている)。

 

一つ目は2008年8月、モンブランドゥタキュールで夜中の3時頃セラックが崩壊した発生した雪崩で8人が亡くなっている。

二つ目は2012年7月、モンモディの急斜面で朝5時頃、同じくセラックの崩壊による雪崩で9人が亡くなっている。

 

どちらの事故も別に悪天候や雪崩が発生しやすい状況だったわけではなく、参照した報道によれば予想外の発生だったとのこと。

 

そしてこの2つ目の雪崩に関する動画を見ていたら、ご遺体の捜索・回収の様子が結構鮮明に映っていて、なんかもう、見ているこっちが息苦しいというか心臓が掴まれるような気持ちになってしまった。

 

個人的に山の事故で一番怖いのが雪崩。

ダイビングでも洞窟で迷ってエア切れ起こしたら、という想像をたまにして一人で震えあがったりしてたので、私はたぶん、暗く狭い所に閉じ込められて息が出来なくなることがめちゃめちゃ怖いんだと思う。

 

雪崩で怖いのは、自分がそれを引き起こすこともあり得るということ。

自分が死ぬのはまだしも、自分のせいで何人も死んだりしたら、もうどうしたらいいかわからない。

 

というわけで三山縦走ルートに行きたい気持ちがどんどん萎んでいく中で、体力的にどう考えても私にはかなり厳しいし、かといってビバークしたら罰金取られる可能性もある、ということも判明しどんどん気持ちは萎え、おとなしく通常ルートから行くことに決めた。

 

結果的に、通常ルート、しかもテートルース小屋発ではなくグーテ小屋発からでも頂上にたどり着けないカス体力だったので、この判断は正しかったなと思っている。

 

②旅程

通常ルートから行く場合の旅程は、いろんな人の記録をみると

 

1日目:ニーデーグルからテートルース小屋

2日目:テートルース小屋からモンブラン頂上を目指しグーテ小屋帰還・グーテ小屋泊

3日目:グーテ小屋から下山

 

という旅程が多いように思う。

 

ただ自分の場合は、

 

①真っ暗な中でいつ落石が降ってくるかわからないグランクーロワールを抜けるのが嫌(せめて目視して避けたい)

②一人なので、初めての岩場を真っ暗な中で登れるか不安

③単純に自分のゴミ体力ではテートルース小屋ー頂上ーグーテ小屋はたぶん無理

 

という理由でこの旅程はなしになった。

 

初日一気にニーデーグルからグーテ小屋に上がり、グーテ小屋ー頂上ーグーテ小屋(あるいはテートルース小屋)にしようと思った。

 

幸いグーテ小屋が2連泊で取れたので当初は

 

1日目:ニーデーグルからグーテ小屋

2日目:グーテ小屋ー頂上ーグーテ小屋

3日目:グーテ小屋ーニーデーグル

 

を計画していたけど、以前書いたように出発直前、自分が行く日はまだニーデーグル駅までトラムが開通していないことが発覚したので、最終的な旅程は、

 

1日目:ベルビューーテートルース小屋

2日目:テートルース小屋ーグーテ小屋

3日目:グーテ小屋ー頂上ーグーテ小屋

4日目:グーテ小屋ーベルビュー

 

となった。

 

③所要時間

 

実際にかかった時間は休憩時間込でYamapのログによると以下の通り。

なお、3日目は頂上までたどり着けておらずヴァロ避難小屋までの往復。

 

1日目:ベルビューーテートルース小屋  約8時間30分

2日目:テートルース小屋ーグーテ小屋  約5時間

3日目:グーテ小屋ーヴァロ避難小屋ーグーテ小屋 約6時間

4日目:グーテ小屋ーベルビュー 約8時間

 

1日目はベルビューからニーデーグル小屋までで線路沿いではなくトレイルを辿って3時間、その後ニーデーグル小屋で3~40分昼食がてら休憩してニーデーグル小屋からテートルース小屋まで4時間半くらいかかっている。ニーデーグルからテートルースは本来3時間程度で行ける(ニーデーグル小屋の小屋番さんは1.5時間で上がれるらしい)ルートなので私はかなり遅い。
 
2日目も本来テートルースとグーテ小屋は3時間程度で行く人が多いところ私はルート迷いつつとはいえ5時間かかっているのでほんとに体力と岩登りスキルがゴミ。
(下のYamapのログは休憩2時間と出ているけどこれは私の進むスピードがあまりに遅かった&ルート取りを迷いまくったせいであって実際に休憩した時間は30分もない)。
 
3日目、グーテ小屋とヴァロ避難小屋は3時間程度で行く人が多いようだけど私は3時間半かかった。
ヴァロ避難小屋から頂上までは2時間程度らしいので、もし続けていたら3時間はかかっていたんじゃないかと思う。
疲れすぎて、ヴァロ避難小屋からの帰りも行きと同じくらい時間かかっている。
 
4日目の下りは疲れて結構休憩したりニーデーグル小屋で大休憩したけどそれでも8時間くらいでベルビューまで下れた。
なお、ニーデーグルからはトレイルではなく線路沿いを下った。

 

④ルートの感想

 

今回、自分の事前の想定以上に怖いなと思ったのはテートルース小屋ーグーテ小屋間。

悪名高いグランク―ロワールの落石はそこまで怖くはなく、岩場が普通に私の想定を超える怖さだった。

フィックスロープが張ってあるところは別に怖くないんだけど、張っていないところで結構自分にとっては怖いor難しい所が多かった。

 

一応岩上には目印があるんだけど、目印が複数あるように見えたり、見失ったり、目印通りに行くと「ほんとにここいくんですか??」みたいなところに出たり、行きはいいけど帰りは嫌だな、と思うようなところもあったりして、行きは結構迷った。

登りで、「ここ嫌だな」と思う箇所が2か所あり、帰りは全部尾根の左側(下りの場合)を巻いた。

ただ、巻き道もザレザレで気を付けないと落石を引き起こしそうで怖く、このテートルースーグーテ間の岩尾根が一番心理的に負担が重かった。

グーテ小屋に着いた後、翌日のモンブランへの行程ではなく翌々日にこの岩尾根を下ることを考えて憂鬱になるくらいには嫌だった。

 

ただこれは、私がクライミングド下手人間&去年メンヒで落ちた&3月の最悪の山行のせいでちょっと岩場に苦手意識が出来ているからの可能性がある。

このテートルースーグーテ小屋の岩尾根に苦労したと書いている人の記録を見た記憶がないので、大抵の人にとっては大丈夫なのかもしれない。

 

とはいっても、私が行く数日前にグランク―ロワールの近くでソロの登山者の遺体が発見されたりしているので、どんなルートにも言えるけど事故のリスクはあるのだと思う。

Un alpiniste de 46 ans retrouvé mort en bas du couloir du Goûter, dans le massif du Mont-Blanc

 

 

5月にアパートのボイラーが何度か壊れて1週間の出張から帰ってきてもまだ壊れていた話を以前に書いた。

一応その後数日して直ったんだけど、先週木曜日、モンブランから帰ってきて久々に湯舟に使ってゆっくりしようかな、と蛇口をひねったら、

 

またお湯が出なくなってた。

 

怒りを通り越して悟り。

 

ついでに、木曜日は良かったんだけど金曜日会社から帰ってきたらエレベーターがまた故障していた。

 

悟りの上に悟り。

 

 

以来冷水シャワーを浴び、階段を9階分昇り降りしていたんだけど、月曜日にようやく大家からメールが来た。

曰く、

 

「ここ数日ボイラーが頻繁に故障しており、お湯が出ない状態が続いています。技師は既にこの件で複数回現場を訪問しており明日午前中に再度徹底的な点検を行い、問題の根本的な解決を図る予定です。

 また現在猛暑の影響でエレベーターも故障しています。本来は気温が下がると自動的に再起動するはずなのですが、残念ながら今週は高温が続く予報のため、この状況は今後も続く見込みです。現状では、機械室にエアコンを設置する以外にできることはありません

 

 

・・・ヨーロッパっていいよな。

善処します、とかないもんな。

「できることはありません」で許されると思ってるし実際許されるからな。

 

ていうか温度が上がるとエレベーターって止まる仕組みになってるんや、知らんかった。

 

ちなみにメールが来てから1週間経つけど、

 

エレベーターは殆ど動いてない(ほぼ「故障中(HORS SERVICE)」の紙が貼ってる)。

 
なので気温35度を超えるなか、階段を9階分昇り降りしている。
 
そして「根本的解決を図る予定です」と言っていたシャワーは未だに冷水しか出ない。
(水曜日一日だけ、何故かお湯が出た)
 
これ、いつ直るんやろか。。。
 
今んとこ気温が暑すぎるから冷水シャワーでも別にいいんだけど。
 
ちなみにアパートには勿論エアコンとかないので、日本で山用に買った小型扇風機が最近の私の命綱。
 
ヨーロッパにおける猛暑が最悪だなと思うのは、アパートに加えて公共交通機関でも冷房があんまりないことだ。
新しめの車両だとついていることもあるけど古いのにはついていないし、ついていても壊れたりする。
 
今週木曜日に用事があって市の中心部に行ったんだけど、帰りのバスのエアコンがないのか稼働していないのか何にもなく、結構満員だったこともあって車内はサウナ状態だった。
なんか、黙って立っているのに汗がしたたり落ちる、という久しぶりの経験をした。
(バスの中から見た王宮。今週はエライ人達が来ていたからから国旗が飾ってあった)

 
オフィスにはさすがに冷房がある所が多い。
わが社も一応ある。
 
でも悲しいことに、廊下の冷房は機能しているんだけど私の部屋の奴は着任以来ぶっ壊れたままなので、結構暑さが厳しい。
 
猛暑から逃げ場がないし、お湯は出ないし、踏んだり蹴ったりが続いている。

 

 

 
その時に、
「「キャンプ(camper)」はモンブラン全域で禁止、唯一テートルースのテント場はOK」

 

と書いたんだけど、もしかしたら「テートルースのテント場」はもう存在しないかもしれないので追記しておく。

 

今回、自分の行くときにTramway du MontblancがBellevueまでしか動いていないことが発覚して慌ててテートルース小屋に宿泊の電話を入れたときのことはちょっと書いた

 
その際の詳しいやり取りが以下の通り。
 
私「直前で申し訳ないんですが6月13日に一泊あいていませんか?」
 
テ「うーん残念ながらフルね。14日なら空いてるけど」
 
私「14日にグーテ小屋に泊まる予定なんですがbellevueまでしかトラムが動いていないの知らなくて。bellevueからグーテ小屋まで一気に上がるのは自分には厳しいと思うので13日にテートルースに泊まりたいんです。テント場でも良いので空いてないですか」
 
テ「テント場はもうやってないのよ」
 
ナ、ナンダッテー
 
テ「テント場を管理(manage)しなくなってからもう2年以上にはなるわ」
 
今更そんな質問受けるとは思わんかったわ、と言いたげなテートルース小屋のお姉さん。
 
確かに、グーテ小屋とテートルース小屋の予約を管理するウェブサイトでテートルース小屋を見たときに、キャンプサイトの予約箇所がどこにも見当たらないな、予約必要なはずなのにどうやって予約するんだろ、とは思ってた。
 
もうやってないんだ。。。
ちょっと吃驚した。
 
この電話の時は小屋のウェイティングリストに載せてもらう、ということで話がついた(そして結局空きが出て泊まれた)んだけど、帰ってきて疑問に思うのは、
 
「テートルースのテント場」は廃止されたのか、それともテートルース小屋がテント場の管理をしなくなっただけで勝手にテント張ることは許されているのか、
 
という疑問。
 
もし「テートルースのテント場」自体が廃止されたのであればさすがに条例や登山者向けパンフレットの「テートルースのテント場を除いてキャンプは禁止」という条文とか注意書きが削除か変更されると思うので、恐らくテートルース小屋が管理をやめただけでテントは張ってもいいんじゃないかと思うんだけど、この点については未確認。
 
テートルース小屋に泊まっている間、テント場の方から話し声が聞こえたりした気もする。
ただ、朝出発したときはテントの形跡はなかった。
 
写真右奥にテートルース小屋が見えるけど、テント場はこの写真左の方にある。ちょっとした小さな丘を越えた窪みにある。
 
この写真の中央右下にある木の土台がおそらくテートルースのテント場(あるいはテント場の跡)。
写真中央ちょっと左上がグランクーロワール。

 
 
今回自分は幸いにもテートルース小屋に空きが出て泊まれたのでテント場に関してそれ以上小屋には聞かなかったんだけど、もしここにテントを張っての登山を考えている人がいるなら、「小屋が管理をやめただけで今でもテント場に泊まること自体は出来るのか」は確認したほうが良いかもしれない(罰金を避けるためにも)。
 
 
 
 
 
今週、モンブランに行ってみた。
 
残念ながら頂上まではたどり着けず、ヴァロ小屋で引き返すことになった
(私のGPSがおかしくて4400mと出てるけどヴァロ小屋はたぶん4300mくらいだったはず)
 
色々と反省点もあるし、もっと頑張れば良かったかなという後悔もあるけど、行ってみて良かったなと思う。
また落ち着いて記録を書いていきたい。