海と山、時々きもの

海と山、時々きもの

ダイビング記録+きもの試行錯誤の覚書。…だったはずなのに最近は山歩きの記録簿と化しつつある。
23年秋から山のない国に滞在中のため山歩き頻度は低下中。

ピザ旅初日。
ポテト王国から始発のフライトでミラノのリナーテ空港に到着。
空港駅から地下鉄でミラノ中央駅を目指そうとするも空港内の売店のレジ横に携帯を忘れる、という大ポカをやらかしいったん駅を出て空港に戻った。
ヨーロッパだしもう携帯ないかも、と焦りまくったけど幸い売店のマダムが携帯を保管していてくれた。
神。
 
合計7年のヨーロッパ生活でこんなミスをしたことは初めてで幸先悪いような、でも奇跡的に戻ってきたのは幸先良いような何とも言えない旅のスタートを切った。
 
中央駅でも自動券売機で何故か切符が買えず、オンラインでも乗車直前のせいか買えず、仕方なくそのまま電車に乗ったけどこのままだと無賃乗車になる、と焦っていたら幸い巡回してきた車掌さんから買えた。
「次からは絶対乗車前に買ってね」と優しく注意された。
仰る通りです。イタリアの鉄道、難しい。。。
 
Vercelli、という何にもなさそうな町で電車を降り、バスに乗り換える。
ほんとにここにバスくるんかな、という何もない駐車場。
 
チケットは近くのタバコ屋で買えた。
特にバスチケット売ってます、という表記が出ているわけではないけど、レジ奥にいたマダムに「Alagnaまでの切符売ってますか?」と英語で聞いたら頷いて切符を出してくれた。
何事かイタリア語で言われたけどわからず宇宙猫みたいな顔をしていただろう私に時計を指さして再びイタリア語で説明してくれるマダム。
どうやら親切にも次のバスは1時間後だよ、という事を言ってくれているらしい。
 
Vercelliは全然英語通じなかった(より正確に言うと、英語で話しかけるとたぶん理解はされているけど、英語で返ってはこない)けど、タバコ屋のマダムも「Alagna行きのバスってここに来るんですか?」と聞いたバス会社のおっちゃんもイタリア語で丁寧に返事してくれてとてもやさしかった。
 
あの時も皆スペイン語で色々と世話を焼いてくれた。オラ、とグラシアスしか言えない外国人にとてもやさしかった。
イタリア語もスペイン語も話せなくてごめんなさい。英語と幼児レベルのフランス語しか話せなくてごめんなさい。
 
ほんとは外国に行ったらまずは現地語で話しかけるのが礼儀だと思ってはいる。
でも悲しいかな、現地語で話しかけても返ってくる現地語が一個も理解できないので、大事な事を聞きたいときはどうしてもずるをしてしまう。
 
というか最近フランス語も幼児レベルを自称するのも憚られる程喋れなくなっていて、先週は道端でマダムに道を聞かれて「ここをまっすぐ歩いて大通りに突き当たったら左に曲がって最初の角を右です」という簡単なフランス語すら全く出てこなかった。さすがにフランス語の勉強再開したほうがいいかもしれない。
 
などと考えながら無事バスに乗り、2時間半ほどバスに揺られてアラーニャ到着。
 
バス停から10分程坂を上ってホテルに到着。
受付にいたのは小学校高学年くらいの男の子で、(これは。。。英語は無理か?)と思いつつも英語で話しかけたら普通に英語で返ってきてなおかつ宿泊の説明も英語でされて目が飛び出そうになった。
 
語学力ゴミの自分が人の語学力をどうこういうのは失礼にあたる気がして普段は言わないようにしてるんだけど、さすがに「あなたは英語がとても上手ですね」と言ってしまった。
「そんなことないよ」と恥ずかしそうにしてたけど、いやいや。。。私は小学生の時英語なんか一言も喋れなかったよ。
 
ホテルに荷物を置いた後、散歩に出かけた。
イタリアの山岳地帯に来るのは初めてだけど、景観は結構グリンデルワルトやツェルマットに似ている気がする。
こういう造りの家とか。
 
でもこういう家はイタリアっぽい。
 
この教会のカラフルさも、個人的にはとてもイタリアっぽい。
 
アラーニャは思った以上にとても小さな町だった。
今まで自分が行った中ではサースフェーくらい小さい。
 
ここがたぶん町の目抜き通り的な通りだと思うんだけど、ほんと静か。
 
 
あまり観光地化されていないのか、グリンデルワルドやツェルマットのように中心地に観光客向けのスーパーがある、というような造りにはなっていなくて、スーパーはこの目抜き通りを町の外れまで15分程歩いたところにしかなかった。
スーパーの品ぞろえも、登山用というよりは普通の生活に根差したスーパー(エネルギーチャージ用のゼリー飲料などはなし)。
 
スーパー(カルフール)で明日に備え飲み物(Powerade)とスニッカーズ2袋(3本×2)とナッツ&ドライフルーツの巨大袋を買う。
モンブランでの食料不足の反省を踏まえた買い物。
ちょっと重いけど、これだけあれば例えニフェッティ小屋で朝食食べられなくてもマルゲリータ小屋にたどり着くまでは持つだろう。
 
 
ホテル近くまで引き返して、ケーブルカー乗り場を確認したついでに隣のカフェで遅い昼食兼早い夕食を取った。
 
写真の上にあるクッキーはバーチディダーマ。
これがあるのは、イタリアっぽいなぁと思う。
おいしかったので、2つと言わずもっと5つくらい大量に買えばよかった。
 
クロワッサンサンドを齧りながら明日の天気をチェックする。

 
午後からSnow Showerという不吉な予報。
 
ここ数日天気予報チェックしていて、なんとか好転してくれないかなぁと思っていたんだけど、願い叶わず。。。
 
別の天気予報サイトだと、予報は更に悪い。
朝から雪マークで11時頃からは雷。
 

雷、横殴りの雪、視界不良の中下山し転がり落ちたメンヒの悪夢がよみがえる。。。。

 
一方で別の予報サイトだと午後からは天気は良い予報。。。
迷う。。。

 
 
午後から天気が悪いなら早めに上がりたい所ではあるんだけど、早朝も天気はそんなに良くなさそうだから早く行き過ぎても駄目なのかもしれない。。
でもとりあえず朝一のケーブルカーで上まで上がって、そこで天気の様子見しながら出発時間を考えるしかなさそう。
 
ケーブルカーの終着点、プンタインドレン(Punta Indren)からニフェッティ小屋は一応コースタイム1時間半(鈍足の私はもっとかかるだろうけど)だし、色々Youtubeで予習した限りそんなに険しい道のりではないから、例えSnow Showersで視界ゼロになったとしてもGPSさえ握りしめていればたどり着けると思うんだけどな。。。
 
予報では雪マークだけど同時に太陽マークも出ているから、視界ゼロみたいな雪の降り方はしないと思うんだけど。。。
でも雷を避けるようなところはなさそうに見えたから、それだけが不安。。。
 
ニフェッティ小屋からマルゲリータ小屋を目指す18日もあんまり天気予報が良くない(特に午後)ので、この日はホテルに帰った後、1時間ごとくらいに天気予報を眺めて過ごした。
 
モンブランの時は、「せめてグーテ小屋までは行きたいけど、そこからは行ける所まで行こう」くらいの気持ちだった。
でもこの旅は、マルゲリータ小屋でマルゲリータピザを食べるのが目的なので、マルゲリータ小屋を諦めるようなことになったらちょっと悲しい。
 
まぁ、命と引き換えにしてでもピザ食べたい訳ではないので、天気悪かったら諦めて引き返すけど。
 
ピザ、食べられるといいな、、、と願いながらこの日は早めに就寝。
ポテト王国からアラーニャまで、タクシーと飛行機と地下鉄と電車とバスを乗り継いで約10時間かけて旅してきたので、天気への不安はあったけど割とすこんと寝落ちてしまった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

7月にイタリアのマルゲリータ小屋にピザを食べに行った記録。

 

今回マルゲリータ小屋を目的地に選んだのは夏山の目的地をどこにしようかな、と色々探していた時にYoutubeのFTの”The ultimate escape: a pilgrimage to Europe’s highest hotel"という動画を見ていて

 

マルゲリータ小屋ってピッツァマルゲリータあるんだ。へー。

 

…。

 

…マルゲリータ小屋でピッツァマルゲリータ食べるの、なんかおもろ

 

と勝手に一人でうけてマルゲリータ小屋を目的地に設定した。

(単に小屋もピザも同じ王妃に由来してるだけなので、冷静に考えると別に何もおもろくはない)

 

マルゲリータ小屋にこれまで興味を持ったことはあった。

特に去年デュフールシュピッツェを目指した旅でモンテローザ小屋とマルゲリータ小屋をつなぐルートがあると知り、行ってみたいな、と思って帰ってきてから色々ルートを調べたりした。

ただ、マルゲリータ小屋とデュフールシュピッツェ間のリッジは私のような鈍くさい奴が1人で行ったら滑落死確実のルートに見えたし、マルゲリータ小屋とモンテローザ小屋を直接つなぐルートは氷河横断があり英語では記録があまり見つけられず1人で行けるような氷河かわからないのが怖かったので断念。

 

イタリア側から直接登るルートはなんか最近の日本語の記録があんまり見つけられず、アクセス方法もよくわからなかった。

日本語の記録は出発地点がチェルビニア(どこ?)だったり、シャモニーからガイドの車で国境超えてたりするし、youtubeの英語の登山記録をみると出発地点はAosta(どこ?)だったりStaffal(どこ?)だったりGressoney(どこ?)だったりAlagna(どこ?)だったりして本当によくわからなかったので、面倒くさくて一度は断念した。

 

今回、ピザ食べに行こう、と決めてから改めて色々調べた結果、私のように公共交通機関でアクセスするには空路でミラノ入りし、電車とバスを乗り継いでAlagnaを目指しそこからケーブルカーでアクセスするのが一番楽そうだな、と思った。

 

というわけで今回の旅程はこれ

 

1日目:ポテト王国ーミラノーアラーニャ

2日目:アラーニャープンタインドレン駅ーニフェッティ小屋

3日目:ニフェッティ小屋ーマルゲリータ小屋

4日目:マルゲリータ小屋ープンタインドレン駅ーアラーニャ

5日目:アラーニャーミラノーポテト王国

 

今回は仕事の関係で結構タイトな日程になってしまい高度順応日を設けていない。

ほんとはニフェッティ小屋で2泊くらいするのが高山病対策として望ましいらしいけど私の計画では1泊しか取れなかったので、今回行く前の一番の不安は高山病になったらどうしよう、というものだった。

2番目の不安は、そもそもミラノ空港から未知の土地アラーニャにたどり着けるのか、というもの。

 

【コースタイムと実際の所要時間】

 

2日目から4日目の山旅の標準コースタイムはAlagna地方や小屋のウェブサイトや動画を参照すると大体以下の通り。

 

プンタインドレン駅ーニフェッティ小屋:1.5時間

ニフェッティ小屋ーマルゲリータ小屋:5時間

 

私(千年に一度のヘタレ)の実際の所要時間は以下の通り:

 

プンタインドレン駅ーニフェッティ小屋:2時間

ニフェッティ小屋ーマルゲリータ小屋:6時間

 

ちなみにアラーニャからプンタインドレン駅まではゴンドラ/ケーブルカーを3つ(乗り換え2回)乗る必要があり、ケーブルカーは待ち時間が発生したりするので、時間は多めに見ておいた方が良いかもしれない。

私が初日アラーニャで立ち上げたYamapのログは初日の所要時間は4時間になっている(小屋到着後すぐに切らなかったのでそのせいもあるかもしれないけど)。

 

 

 

【ルートの感想】

 

今回のルートについて事前に色々Youtubeの動画で予習して、大体は想定通りだなと思ったけど、一つ大きく想定外だったのは、

 

クレバスの状態がめっちゃ悪い

 

ということだった。

悪いというか、結構心細いクレバスが多いというか。

 

プンタインドレン駅からニフェッティ小屋までは軽い氷河を2回渡るだけで基本は岩場を歩いていればつく。

ニフェッティ小屋からマルゲリータ小屋までクレバス地帯が多いのはわかっていたけど、クレバスが予想より「これ渡って大丈夫か」と思うものが多かった。

 

トレースはついてるんだけど、このスノーブリッジは私の体重に耐えられるんだろうか、と思ったクレバス。

(不安だったので巻いた)

 
これはまぁ大丈夫そうに見えるけど1か月後とかには渡りたくないな、と思ったクレバス。

 
これも自分は大丈夫だと思ったけど、先行していたチェコからのパーティが「一人で大丈夫?」と聞いてきたクレバス。

 

ルートは基本歩いていれば着くルートだと思ったけど、こういう心もとないクレバスが結構あったので、一人はあんまり推奨されないのかもな、と思った。

 

実際に、今回の山旅で出会ったソロの人は1人だけだった。

後、すれ違ったパーティのうちガイドと思われるイタリア人に3回くらい「no rope? no good」と渋い顔をされた。

(最後の人にはno friend?とも言われた)

 

景色も料理も満喫した充実した山旅だったけど、旅が終わった後単独行について改めて色々と考えたりもしたので、少しずつ書いていこうかなと思う。

先週7月31日金曜日、たぶんこの街というかこの国で一番有名な小僧が日本の直垂に着せ替えられた、という報道を見た。
 
報道によれば8月1日が160年前に日本がこの国と修好通商条約を締結した日で直垂着せ替えはそれを記念したものらしい。
 
その条約って果たして日本にとっては記念すべきものだったんだろうか、などと性根の曲がったことを一瞬思いつつも、直垂は見たい、と思った。着物好きだし。
 
小僧を初めて見たのはパリに住んでた10年前に日帰りでこの街に遊びに来たときで、「へーこれが世界三大がっかりスポットの1つか」以外の感情は特に湧かず、今回こちらに来てからも出張者に「これが三大がっかりの1つです」と案内する以外は近づいたことがなかった。
小僧には何の罪もないけど別に彫刻や街並みに興味ないしそもそも人が多い所が嫌いなのでこの周辺はめったに近づかない。
 
でも「直垂をつけた小僧」はさすがに見たかったので、8月1日土曜日、頑張って中心部に出かけることにした。
 
30℃を超える気温の中、冷房などないバスを乗り継ぎてくてく歩き、人のいなさそうな外側から近づいていくとスポット的に人口密度50倍くらいになっている場所が見えてきて小僧到着。

 
ん?
 

 
直垂、着てなくない???
 
え?
 
1日の条約締結を記念して着せ替えられたはずなのに1日当日に直垂着てないってどういうこと???
 
としばし茫然としたけど、着てないものは仕方ないのですごすごと退散。
 
このためにこの酷暑の中30分近くかけて大嫌いな人込みに出かけたのに。。。ちょっと切ない。
まぁ運動だと思えばいいか。。。
 
翌日の日本人の集まりでそれを言った所、
 
「ああ、あれ日替わりですよ。日替わりどころか半日くらいで着替える時もあります」
 
と言われて衝撃だった。
 
小僧ってそんな早着替えやったんや。。。
 
「衣装の予定も公開されてますよ」
 
と教えてもらったので帰ってきて探したら確かに公開されていた。
 
毎日衣装を着ている訳ではなく、年間の半分くらい衣装を着ており、月間の衣装予定を月1で公開するらしい。
カレンダーを見ると確かに衣装を着ている時は月間で数日しかなく、1日で2回着替えている時や、午後しか服着てないときもある。
3年も住んでるのに知らなかった。
 
私が行った8月1日は午前はフライドポテト記念日衣装を着て午後はどっかの団体の寄贈衣装を着る日だったらしい。
 
フライドポテト記念日とかいう日が存在したんや。。。
 
知らんかった。
8月1日は「このポテト王国の」フライドポテト記念日らしいので、別の国のフライドポテト記念日はまた違うのかもしれない。
無断な知識が1個増えた。
 
てか「フライドポテト記念日衣装」ってどんななんだろ。ちょっと見てみたいかもしれない。
 
自分が無駄知識を得たついでに持ってる無駄知識をここに置いておくと、この〇〇シリーズ(あんま直接書きたくない)は小僧の他に、
 
・〇〇少女
・〇〇犬
 
がいる。
 
〇〇犬はこれ。
 
 
 
わざわざ見に行く価値があるかというと。。。
時間を持て余して持て余してもうどうしようもない、という時の時間つぶしにはお薦めかもしれない。
 
 
ちなみに小僧の近くにある有名な広場は個人的には夜の方がお薦め(ただしスリがめっちゃいるので治安には注意)。

 
 

 
今回泊まったテートルース小屋とグーテ小屋。
有名な小屋だけあって予約方法についてはめちゃめちゃ詳しいやり方が既にネット上にも色々出ているので、今回自分が行ってみて気づいたことや事前に知っておけば良かったと思った事を中心にメモしておく。
 
①予約:待っていれば意外に空きが出る
 
日本語での詳しい解説がいくつかネット上にあるけど、テートルース小屋とグーテ小屋は以下のフランスの山岳連盟のウェブサイトから予約できる。
 
ウェブサイトはフランス語と英語での表示があるので英語にしてPublic⇒Public bookingを選択。
 
メールアドレスとパスワードを求められるので初回であれば登録、もしもう持ってたらログイン。
 
waiting roomに放り込まれると思うので下の画面になるまで待つ(リロードボタンなどは押したらだめ)。
英語を選択したはずなのに何故か画面が勝手にフランス語になっているけどヨーロッパあるあるなので気にしない。
「グーテ小屋(Refuge du Gouter)」と「テートルース小屋(Refuge de Tete Rousse)」のどちらか予約したい方を選んで右端の「人数(Nbr de personnes)」を予約人数分選んでcontinuerを押す
下の画面はグーテ小屋の空き室状況。
真っ赤なのは空きなし、の意味。でもこれで絶望して諦めるのはちょっと早い。
 
私がモンブランに行こうかな、と思いたったのは今年の4月くらいなので上の予約サイトにアクセスしたときはテートルース小屋もグーテ小屋も9月まで空き無し、の状態だった。
 
まぁでも絶対空き出るよな、と思っていたので、そこからは1日4回(出勤前、昼休み、退勤後、就寝前)くらい上のウェブサイトをチェックしまくった。
そうしたら意外に空きが出ることに気づいた。
個人的な体感だけど、欧州時間の早朝(日本の午後~夕方)だと特に空きが出ていることが多い気がした。
 
グーテ小屋に2連泊したかったこと、6月に行きたかった(7月はこの夏の本命のマルゲリータ小屋の予定を既に入れていたのと、8月は高温が不安だった)ので、ウェブサイト詣でを開始して3週間後くらいに6月に2日連泊の空きが出たのを見つけて速攻予約した。
 
予約したら登録したメールアドレスにメールが来て予約金の支払いが求められるので支払う。
 
ちなみにテートルース小屋は前書いた通り、直前に電話してキャンセル待ちに登録することになった。
電話する前に見たウェブサイトの空き室状況は「満員(赤)」ではなく「オンライン販売は満員(オレンジ)」だったのでワンチャンあるかと思ってたんだけど、結局電話しても満室でキャンセル待ちに登録だったので、今回たまたま空きが出ただけで泊まれない可能性もあった。危なかった。
 
②受付、精算方法
 
他の山小屋と同じくテートルース小屋もグーテ小屋も食堂で受付。
テートルース小屋は自分が1泊だったためか、受付時に支払った。
グーテ小屋は2連泊だったけど、毎日夕食後に支払うスタイル。
 
グーテ小屋での夕食後の精算は宿泊料(と翌日の朝食や軽食)のみ。食べ物やお土産などは買う都度その場で精算。
この点は、全ての精算を毎日夕食後にするモンテローザ小屋とはシステムが違った。
 
テートルース小屋、グーテ小屋ともにクレジットカード精算可能。
ただ、カード会社によっては使えない可能性もあるで不安なら事前に小屋に確認したほうがいいと思う。
 
後、グーテ小屋で2日目精算しようとしていた時に小屋のブレーカーが落ち、勿論カード支払いも出来なくなった。
幸い一瞬で復旧した(小屋主さんはかなり焦っててきぱき指示を飛ばしていた)ので結果的にカードで支払うことはできたんだけど、こういう緊急時にはやはり現金を持っていたほうが安心かも、とは思った。
 
③朝食とお弁当(Picnic)
 
朝食は指定のテーブルにパンの入ったバスケットがあり、そこから各自取る(全粒粉系のパン2切れとブリオッシュ系1切れ)スタイル。チーズとサラミは大皿で一カ所においてありそこから各自好きなだけ取る。
水分は結構厳格な制限があり、オレンジジュース1杯と温かい紅茶1杯。
ただ、制限の紙が見えてなかったのか意図的なのか、結構紅茶お代わりしている人もいた。
 
グーテ小屋では朝食の時間が合わない場合、お弁当的な軽食を頼む(購入する)ことが出来た。
内容は私が泊まった時はこれ。軽食が必要な前日にお願いすると、夕食時に渡してくれる。

 
結構充実していたので、頂上を目指す日、この軽食購入可能システムを知ってれば出発より数時間も前に朝食を食べに行ったりパンがなくなってて焦ったりすることもなかったのになという点は今でも後悔。
 
④水とお湯
 
テートルース小屋、グーテ小屋ともに水は一切出ない。歯磨きも手洗いも全てペットボトルの水を購入して済ませる必要がある。
 
後、雪山登山に必須のお湯については、テートルース小屋では聞いてないのでわからないけど、グーテ小屋では温かい紅茶(ちょっと甘い)を購入することが出来た。これも必要な前日にお願いして代金を支払い水筒を渡しておくと、夕食時に中身を入れて食堂の籠の中に入れられているのでそこからピックアップする。似たような水筒だと間違えて持っていかれる可能性があるので目印を貼っておいたほうがいいかもしれない。
 
⑤部屋とベッド
 
テートルース小屋、グーテ小屋ともに部屋とベッド番号を受付時に指定される。
私はテートルース小屋では二段ベッドの上で、結構昇り降りに苦労した。
グーテ小屋では幸い独立した端っこのベッドを割当てもらえたのでこれは非常に快適だった。

 
私が泊まったときは「2連泊だね。ベッドはそのまま使っていいよ」と言われたので荷物はベッドヘッドに置いたままにしていた。
ただ、玄関に置いてあった頂上アタックに使わない用具(帽子や手袋)はアタックから帰ってきたらなくなっており、小屋番さんに聞いた所、忘れ物として回収されてしまっていたことが判明した。
玄関においてある用具は毎日回収される可能性があるので連泊する場合は注意が必要だと思う。
 
グーテ小屋、テートルース小屋ともにベッドのインナーシーツは必須。小屋で購入することもできるので私は購入するつもりで持っていかなかった。
 
テートルース小屋で購入したインナーシーツ。
 
グーテ小屋、テートルース小屋ともに小屋内は非常に暖かくて半袖の人もいた。
自分は寒がりなほうだけど、夜中暑くて上1枚脱ぎそれでも暑くて靴下も脱いだくらいには暖かかった。
 
⑥Wifiと充電
 
テートルース小屋、グーテ小屋ともWifiはない。
テートルース小屋では食堂の端っこで、グーテ小屋では小屋の外のテラスで電波が入る場所があったので天気予報を確認するときはそこでした。テートルース小屋では確認していないけどグーテ小屋では食堂に翌日の天気が張り出されているので天気予報はそこで確認することができる。
 
残念ながら全部フランス語だけど、大事な所はハイライトしてくれているので何となくはわかる。
 
充電はグーテ小屋、テートルース小屋ともに食堂でUSB充電可能。
ただ注意したいのは、グーテ小屋は夜中は朝食指定時間以外は食堂は閉まっているので充電も使えないということ。
後、食堂の充電器に刺したまま食堂が閉まっている時間に出発しようとすると携帯が取れない、という事態に陥ると思うので開いている時間に必ず回収したほうがいい。
テートルース小屋ではどうなのかは未確認だけど部屋から出る際は必ず食堂を通る構造になっているのでたぶんいつでもアクセスは可能だと思う。
 
今回の山旅で小屋について気づいたことはこれくらいだろうか。
後1つ気づいた点というか気になった点としては、グーテ小屋は食堂の閉まっている時間は使えるトイレが宿泊階にあるトイレだけなので、早朝テートルース小屋から登ってくる人達が宿泊階まで上がってきてトイレを使う。
結構皆遠慮なくどかどかと音を立ててあがってくるので、4時くらいから7時くらいまでは割と頻繁にどかどか足音が聞こえて繊細な人は寝づらいかもしれない。
 
グーテ小屋もテートルース小屋も非常に快適だったし、テートルース小屋の小屋番のお姉さんは女神だったし、グーテ小屋の小屋主(と思われるムッシュ)は陽気でフレンドリーなおじちゃんだった。
快適に過ごさせて頂いて大変感謝している。
 

 
4日目、うとうとして朝4時頃起床。
部屋は半分くらい人がいなくなっていた。
前日同じように撤退してきたロドリゴのベッドは空だったので、どうやらもう一度頂上に挑戦しにいったらしい。
やる気と元気がすごい。
自分はもう、全然頂上に再チャレンジしたいという気持ちを持てなかった。
 
前日一緒にお昼を食べている時に「テートルース小屋からここまでの岩場が思っていたより怖かった」という話をしたらロドリゴが心配して、
 
「下山のタイミングがあえば一緒にロープをつなぐよ」
「有難う。でも一人で大丈夫」
「ほんとに?ロープつなぐよ」
 
というやり取りを3回くらいしたので、ロドリゴがいなかったのは正直ちょっとほっとした。
 
ロドリゴは来る途中にもアイゼン履くのが初めてという他のソロの登山者に出会い心配してロープをつないだ、と言っていたくらいほんとに優しい気のいい兄ちゃんで、私のことも心配してくれたんだと思うんだけど、私は一人で降りたい。
 
この後のマルゲリータ小屋への山旅の時にもちょっと思ったんだけど、私は一人が好きだし一人で行くからには例え事故って死んでも一人で完結したい。
でも体力も技術もない私のようなぴよぴよのチキンがそんなことを思っても結果的にそれが他の登山者や救助・捜索の人達に迷惑かけることになるかもしれないし、この考えが正しいのかはよくわからない。
 
ロドリゴ、3度目の正直で頂上踏めるといいな、と思いながら支度。
この日も指定の朝食時間には微妙に合わない時間の出発だったんだけど、前日夜受付でそれを言ったら「picnic用意できるよ」と言われたので、この朝は朝食には行かず購入したpicnic(軽食)をたべた。
たしか12ユーロとか20ユーロとかそんな感じだったと思う。
 
軽食の内容はこんな感じ。だいぶ充実。
 
食事を終えて玄関で出発準備をしていたら、同じく1人で出発準備している若者から「一人?」と聞かれた。
「一人だよ。あなたも?」と聞くと「僕ガイドなんだけど、クライアントが昨日高山病でヘリ下山しちゃったんだよね。だから一人」という回答が返ってきた。
 
前日お昼を食べてトイレで歯を磨いていた時にヘリの音がするなと思ったら一瞬グーテ小屋の横に着地してまたすぐ飛び立っていって、この時間に荷揚げするんだな、と思っていたけどあれは高山病の人を下山させるヘリだったのか。
 
高山病だけは幾ら準備しようが体質もあるだろうしどうしようもない事態だと思うので自分が発症しないかはほんとに怖かった。
頂上には行けなかったけど幸いヘリを呼ばなきゃいけないような事にもならずここまで無事でいられたことに感謝しながら出発。
 
6時頃だったと思うけど丁度日出が見られた。
 
一番気が重かった岩場が始まる。
 
帰りは、前日怖いなと思った尾根は全部巻いた。これは巻いたところを振り返って撮った所。
 
微妙に足跡がついていたりしたので巻く人もいるんだとは思う。
ただ、結構ざれざれで気を付けないと落石を引き起こしそうな所ばかりでめちゃめちゃ神経を使った。
巻き道をそろそろと下っていたら尾根から逸れてこっちに来ようとする登りパーティがいたので一応「こっちは正しい道じゃないですよ」と声をかけたんだけど、「君が下ってきてるってことは正しい道だよね」と返されてしまった。
いえ、チキンなので巻いてるだけです。
 
ほんとはこういう尾根をずっと上り下りするのが正しい。
 
落石を引き起こすと下手すると前々日の私みたいに下にいる人に石が飛んでいく事態になりかねないので、下りも登りと同じくらい神経使った。
 
しばらく下ってグランク―ロワールが見えてきた時はほっとした。
 
2日ぶりのグランク―ロワール。下りは楽。
 
テートルース小屋をスルーしてそのまま下る。
前日夕食のテーブルが一緒になったガイドパーティはテートルース小屋の横から伸びてる雪斜面を下るつもりだ、その方が早いよ、と言っていたけどたぶんここの事かなぁと思う。
 
ただ私はチキンなので下調べしていない急斜面を一人で行く勇気はない。おとなしく来た道を戻った。
 
テートルース小屋からは何もつけていない人が多かったけど私はちょっとでも怖いなと思ったところはチェンスパを使った。
ただチェンスパは荷物が増えるだけであんまり持ってきても意味ないかも、とは思った。アイゼンがあれば良いように思う。
 
 
 
来る途中はヘロヘロ過ぎて周りを見る余裕があんまりなかったので下りは景色を満喫しながら下った。
 
 
 
ここも横に滑ったらちょっと怖いなと思ったけど、落ちても10mくらいだし大きな問題は起きなさそうな所なのでここはそのまま通過。
 
ここは尻セードしている人が多かったので私も尻セードでおりた。
 
尻セード後、ちょっと一息入れようかなと軽食のナッツを食べていたら、向こうからアイベックスが近づいてくるのが見えた。
 
めっちゃ近くまでやってきて私を認識して立ち止まったアイベックス。
蹄をかんかん、とやられたんだけど、後から考えればあれは(俺の進路を塞いでんじゃねえぞこのゴリラ)という威嚇だった気がする。
 
気づかずすみません。
 
ニーデーグル小屋で大休憩した後、帰りは線路沿いに帰ることにした。
 
行きに通った下の道とはまた違う展望の良さでこっちの道も素晴らしい。
 
モンラシャの駅は改装中なのか、石垣だけ詰んであった。
 
モンラシャ駅(跡地?予定地?)で休憩後、そのまま線路を下る。
 
 
 
ベルビューにある標識。
「ニーデーグル:2時間35分」とある標識の方に行くと私が行きに使った道を辿ることになる。
モンブランに行く人は線路沿いをそのまま上がっている人が殆どのように思った。
前半涼しい道を行って最後一気に高度を上げるか、かんかん照りの中日よけのない道をゆるゆると登っていくか、の二択。
 
ベルビューからケーブルカーとバスを乗り継いでシャモニーに帰着しポワンイザベルにチェックインしてモンブラン山旅終了。
 
結局ヘタレ過ぎて頂上には及ばなかったけど、色々良い経験になった旅だった。
岩場がほんとに苦手というか下手くそなんだな、というのを再確認できたし。
体力も、結構この旅に向けて準備したつもりなんだけど及ばなかったな、というのも反省点だった。
 
モンブランが周辺含めてMontblanc massif(モンブラン山塊)と呼ばれるのを身をもって実感した気もする。
Yamapの記録で見るとそれほど長い距離を歩いてはいないんだけど、ベルビューから登り始めたせいか、歩いても歩いても遠いな、という印象を持った。
グーテ小屋からコースタイム5時間、と聞くとそんなに遠くは感じないんだけど、3日目は高度のせいなのかエネルギー不足なのか寒さへの恐怖か、登っても登っても同じ景色が続くようで登り続けたいという気持ちが保てなかった。
もうちょっと準備していれば(小屋に朝食の代わりに軽食を頼んだり自分のウェアを出発前にきちんと見直したり)もう少し進めたのかな、という後悔はある。
 
後悔も含めて結構満足してしまったので、もう一度挑戦したいかと問われれば今の時点では正直Noかなと思う。
ただ、もし気が変わって来年また挑戦する機会があるのであれば、今度はもっと準備をして臨みたい。