海と山、時々きもの

海と山、時々きもの

ダイビング記録+きもの試行錯誤の覚書。…だったはずなのに最近は山歩きの記録簿と化しつつある。
23年秋から山のない国に滞在中のため山歩き頻度は低下中。

ピザ旅3日目(山行2日目)。

 

ニフェッティ小屋は非常に暖かく快適で夜そこそこ寝られた。

朝食は4時ー6時半の間。形式は他のヨーロッパの山小屋と同じようにテーブルにパン皿があり、サラミとチーズをビュッフェ形式で取る形式。

飲み物の量に制限はなく、温かい紅茶も無料。

 

ゆっくり食事してから6時過ぎに出発。

 

 

 

 
小屋周辺にはちょっと危なげなクレバスゾーンが広がってたけどそこを超えてしまうと割と高速道路。

 
 

 
ただ数は少なくなったものの所々に結構大きなクレバスが口を開けてるので、高速道路を1㎜も外れたくない。

 
 

 
 

 
 

 
鈍足なので後から来たパーティに次々抜かされた。
道を譲る時、脇にどいてCiao、と言うんだけど、大体Ciao、と返してくる中で1組のパーティの先頭にいた人(たぶんガイド)に「No rope?No good」と渋い顔で言われる。
 
No ropeって言われても一人だしな。。。と思いながら歩いていたけど、この後自分が抜かした男女2人組の男性の方に、「一人?一緒にロープ結ぶ?」と聞かれた(丁重にお断りした)。
このおじさんは女性の後を結構しんどそうによろよろと登っていたんだけど、人を気遣う余裕があるの優しいな。

 
 

 
結構大き目なクレバスが出てくる。今回これが一番大きかったかもしれない。
大きかったけど、よくよく観察して別に根っこ(というか裂け目の土台というか)はしっかりしてそうに見えたので、背中に挟んでたピッケルを出してそのまま渡ろうとしたら、先行していたパーティ(ニフェッティ小屋で同室だったチェコの陽気なパーティ)に「大丈夫?手伝おうか?」と言われた。

 
手伝うってどういうことだ?万一に備えてロープ結ぶってことか?それとも手を差し伸べる?
 
これも感謝しつつ丁重にお断りした。
別にちゃんとピッケル刺してアイゼンの前爪使えばわたって這い上がるのに苦労するようなクレバスではないと思ったし実際なかった。
 
確かにマルゲリータ小屋までの道は特に前半、自分が思っていたよりも結構危険な状態のクレバスが多かったように思ったけど渡れない程の状態のクレバスはなかったように思えた。
デュフールシュピッツェに行く途中のモンテローザ氷河の方が自分にはよっぽど危険に思えた。
 
ただこれは素人の感想だしロープをつないだ方が安心なのはそれはそう。
 
前半のクレバス帯が終了すると後は雪原をひたすら歩くだけになる。

 
この辺りからマルゲリータ小屋から下ってくる人達と結構すれ違い始めたんだけど、ここでもガイドっぽい人何人かに「No rope?No good」と渋い顔をされてだんだん萎え気味になった。
 
いや、クレバス帯を歩くときにpartyに比べてソロがno goodなのはそれはそうなんだけど。

 

 
風が吹きつける地帯で結構表面がつるつるに光っている。
これがどういうことかこの時もっときちんと考えておくべきだった。

 
 

 
 

 
 

 
途中から道が二股に分かれる。できるだけ高低差がなさそうに見えた上の道を選んだ。

 
 

 
上の方に雲が結構出てきたけど、だいぶ小屋に近づいてきた。

 
この分だと天気悪化前には小屋につけそうだな、とこの辺りで休憩しようとしてストックを置き、次にヘルメットを外して置いたら、ヘルメットがするすると風に流されてあっと思う間もなくはるか下の方に消えていった。
 
流され始めたときにあっと思ったんだけど、滑らかな雪面に見える所でもここまでのクレバスを考えるとトレース外の雪面に踏み入って取りに行くのは怖いな、と思っているうちにあっという間に数百m下のクレバス帯まで流れていってしまった。
思ったより風が強かったのと、雪面がピカピカ過ぎた。
 
休憩後、回収に行こうと思ってちょっと引き返したんだけど、既に目視出来ないところまで流されていってしまっており、トレースから外れたクレバス帯を歩き回るリスクやこの後の天気悪化予報を考えて、泣く泣く諦めた。
 
悲しい。。。山を始めてからずっとお世話になったシロッコ。。。
どこに行くのにも一緒でメンヒでは私の頭の代わりにヒビが入ったシロッコ。。。ごめんよ。。。
 
この右の方に落ちていってしまった。
 
「No rope?」に加えてシロッコを失ったことでテンションががた落ちしたままマルゲリータ小屋を目指す。

 

 

この坂を上がり切ったところ、小屋直前の辺りで完全にガスの中に突入してしまった。

 

真っ白で結構風も強く何にも見えない。

 
空気が薄いせいか単にヘタレなせいか、もう全然足が進まず5歩歩いては休み、を繰り返しながら12時過ぎになんとか小屋に到着した。

 

ニフェッティ小屋のチェックイン時間は14時か14時半だったと思う。

この日私が到着したのはチェックインには少し早く、受付のお姉さんは「手が空いたらチェックインするわよ」と言ってくれたものの大層忙しそうだったので大人しく外で待つことにした。

 
外のテラスをうろうろしていたらなんと、猫を発見した。

 
すごい美猫だ。。。

 
まぁ、私にとって宇宙史上最高にスペシャルでハイパー美形でかわいいのはうちの兄弟猫2人でこれは生涯変わることはないんだけど、うちの子たちは別格として、今まで見た猫で一番高貴な雰囲気漂う猫様だった。
アイライン引いたみたいな目が素晴らしい。

 
久しぶりの猫を前にしてなでくりまわしたくて左手がうずうずしたんだけど、高貴な猫さまらしく、私にはちらりとも愛想を見せなかった。
それでこそ猫様。

 
高貴にその辺りをうろうろとしていたけど、ちょっとだけ心配になってしまった。
何しろ小屋の反対側はこれ↓なので。

 

まぁでも、小屋番さんの猫なんだろうしそこら辺はきっと小屋が一番よくわかってるんだろう。

 

というか猫様もきっとわかってるだろうしそもそもおててが冷たくなる氷河なんかは足を踏み入れないだろうし、私なぞが心配するのは失礼だろう、と考えるのをやめた。
 
小屋番さんが下山するときはこのふわふわな猫さまをバックパック型キャリーケースに収納して背負って下山したりするのかな。
ちょっと見てみたいかもしれない。
 

猫様を観察しているうちにチェックイン時間になったのでチェックインした。

意外なことに、「明日マルゲリータ小屋を予約してるよね?ここで一緒に支払いね」と言われてニフェッティ小屋とマルゲリータ小屋の料金を一緒に支払うことが出来た。
何等かの事情でマルゲリータ小屋を諦めた場合の返金ってどうなるのかな、というのがちょっと気になったけど、一緒に支払いできるのは便利ではある。
 
ニフェッティ小屋は今まで私がこちらで見た中で一番巨大な小屋に見えた。
ベッド数はHPによると176。
この小屋では部屋は割り当てられるけどベッドまでは割り当てられず早いもの勝ちになる。
部屋に一番乗りだったので、窓側の二段ベッドの下の段を確保して持参したインナーシーツを引いた。
頭の部分が奥になってて四方を囲まれてるのでかなり寝やすかったと思う。
全ての部屋がそうなのかはわからないけど、私が泊まった部屋はコンセントが1つだけあってこれもとても便利だった。
(コンセントはこの他廊下と受付の脇にもあった)。
Wifiは日中は部屋でも通じたんだけど、部屋の立地の問題なのか小屋の方針なのかはわからないけど夜は通じなかった。
 
ニフェッティ小屋にはドライルームもある。
ドライルームはヨーロッパの小屋では初めて見た気がする。
 
ニフェッティ小屋は大きいので部屋以外にも食堂や外のテラスなどゆっくり出来る場所があるのが良い。
テラスからはマントバ小屋が良く見えた。こうやってみると30分くらいで行けそうな程近く見える。
後、マントバ小屋周辺にテントが見えたので、テント場があることも知った。
 
牧歌的な風景の反対側(マルゲリータ小屋側)は景色が一変して荒々しいクレバスだらけの氷河が広がっている。

 
夕食時間に食堂に行ったら、大きな食堂はほぼ満席だった。
私が指定された10人がけくらいのテーブルはアジア人の団体7人が既に座ってて、ちょっと怯んでしまった。
 
アジア人団体6人とそのガイドのイタリア人、私、東欧っぽい2人組の10人。
ざっと見渡した限りこんだけ170人くらいのお客がいてアジア人はこの団体と私だけだったんだけど、同じテーブルなのは小屋の配慮。。。なんだろうか?
1人だから適当なとこに放り込まれただけなのかもしれないけど。。。
 
こっちでレストランに入るとたまにおんなじようなことあるけど、配慮だったら気持ちは有難いんだけどアジアは複雑なので正直ちょっと緊張する。まぁ日本人の私にそんなこと言う権利はないのわかってるんだけど。
 
できるだけ存在感を消してテーブルに着く(無駄だけど)。漏れ聞こえて来る隣の団体とガイドの話を聞いてるにどうやら台湾の団体らしくちょっとほっとした。が、私がほっとしたとして向こうが私(の国)をどう思ってるかはわからないので、ひたすら存在感を消して食事が運ばれてくるのを待った。
前菜にスープ、その後にイタリアの小屋らしくパスタが運ばれてきておいしかったけど居心地の悪さであまり味堪能できず。
 
でも、パスタの後にじゅーじゅーと音を立てて運ばれてきたこれを見た瞬間全ての雑念が吹っ飛んだ。
熱々の鉄板に乗った薄切りのステーキ。

 
あまりにおいしそうすぎて思わず動画まで撮ってしまった。

 

鉄板が熱々過ぎて肉の油がこっちにまで飛んできて、あちちあちちとなったけど、めっちゃおいしそう。

ほぼレア状態で運ばれてくるので自分で好きな焼き加減まで焼いてからお皿に取るスタイル。

 

山ではお腹を壊すのが怖いので生のものを食べるのは怖い派なんだけど、あまりにおいしそうすぎてミディアムレア状態で取ってしまった。

 

思わず、うまあああああああと声が出そうな程のおいしさ。

普通に街のレストランで食べてもおいしいと思うレベルのおいしい肉。

下味がついているのか?見た目かかっているのは塩だけなんだけどめっちゃおいしい。

人数的に二切れしか食べられなかったけどもっと食べたかったくらいの美味しさだった。

 

あまりの肉の美味しさに全ての雑念が吹っ飛んだため、その後は食事に集中できた。

パンもめっちゃおいしかった(フォカッチャみたいな外さくっとして中ふわんふわんのパン)し、デザートのパンナコッタも激ウマだった。

 

食事というのは個人の好みによると思うし、山小屋の食事はどこも工夫して出して頂いていて食事出してもらえるだけで有難いと思っているのであんまり味がどうのこうの言うべきでない、言うのはよくない、ってわかってるんだけど、それでも正直に書く。

 

ニフェッティ小屋のこの日の夕食(特にこのステーキ)、私がこっちで泊まった山小屋の中で一番の美味しさだった。

 

食事後、部屋に戻って明日の行程を考えた。
 
明日の天気は午後から崩れる予報(これは昼間のだけど夜になっても変わらなかった)。
 
ニフェッティ小屋からマルゲリータ小屋までは途中に寄り道できそうな小さなピークがいくつもあるので本当は天気が良ければ幾つか寄ってから行こうかな、と思っていた。そうやってゆっくり上がるほうが高度順応としても良いような気もしたし。
でも天気があんまりよくなさそうなので、明日はもう、マルゲリータ小屋にたどり着くことを最優先にしよう、と決意。
それでもし、小屋にチェックイン後天気がそんなに悪くなければ小屋から片道1時間弱で行けそうなツムシュタイシュピッツェ(Zumsteinspitze)に散歩に行こう。
 
ニフェッティ小屋からマルゲリータ小屋は標準コースタイム5時間らしいけど、鈍足ヘタレの自分はたぶん最低でも6時間はかかるだろうな、と思っていた。
なので、翌日は6時過ぎに出発することにした。
クレバスの状態が想像より悪いので明るくなってから出発したいし、これくらいに出れば天気悪化前に小屋にたどり着くことができるのではないか、と踏んだ。
 
天気の悪化と高山病だけが不安だな、と思いながらこの日は就寝。
昨日のランチタイムにお昼を買いに会社近くのカルフールに行った。
最近は家から持っていってたので、カルフールの総菜エリアを覗くのは久しぶりだったけど、上段になつかしの、しかしこちらでは見慣れないフォルムの物体を見つけて、はっ(; ・`д・´)となった。
 
こ、これはおにぎり。。。
 
以前は謎の寿司とかPOKIDONとか置いてあったエリアにおにぎりがずらっと6、7種類くらい並んでいる。
日本食料品店に行けばそりゃおにぎりは置いてあるんだけど、ここのカルフールでおいてあるのは初めてみた。
(家の近所のカルフールにはこの春くらいからおいてある)。
 
吸い寄せられるように2つ手に取ってからふと値札を見たら、
 
4.5
 
の文字が目に飛び込んできた。
 
・・・・
 
おにぎり1つ、4.5ユーロ=816円也(本日時点のレート)
 
・・・・
 
た、高ぁー
 
あんま日用品とか食品の値段をまじまじ見たことなかったので日本に比べてこっちの物価がどうのとかよく考えたことはなかったんだけど、おにぎりは日本でもよく買ってたのでさすがにわかる。
 
これは、日本に比べて馬鹿高いと。
 
とさすがにひるんだものの、いったん手に取ったものを戻すのは気が引けたのでそのまま購入。
 
これが。。。1つ800円のおにぎり。
ミソサーモン味。
 
パッケージをばりばりすると見慣れたこの包装が出てくる。
 
お味は。。。魚っぽいということ以外よくわからなかった。
あと、ごはんは粒感はなくぎゅっとなったきりたんぽ寄りのごはん。
 
高ぁああ、と衝撃を受けたものの、残りの謎風味が気になり過ぎて今日も2つ買ってしまった。
セサミチキン味とスパイシーサーモン味。
 
味は。。。なんか具が細分化され過ぎていたせいか、それとも単に私が馬鹿舌なせいか、チキンとサーモンの違いすらあんまよくわかんなかった。
 
でも、おいしかった。。。
 
外側のパリパリの海苔とごはんのコンビネーション。。。これだけでいい。これが欲しかった。
日本人としての細胞が歓喜しているのがわかる。
 
いくらこっちでパンが安かろうが主食・コメで40年育った昭和生まれはパンだけでは生きていけないんだよ。。。コメが必要なんだよ。
 
と謎おにぎりを噛みしめながらしみじみした。
 
まぁ、でも。。。
 
週末はキャベツ齧って生きるしかないかな、今週おにぎり4個に3200円使っちゃったから。
 
ちなみにこのカップラーメン(ホットチリ味)は2.35ユーロ=420円。
 
これも微妙に日本より高いような気はするけど、こっちのほうがまだお財布には優しいかもしれない。
 
 
ピザ旅2日目(山行初日)。
この日はアラーニャからプンタインドレン駅までゴンドラとケーブルカーを乗り継ぎプンタインドレン駅から標準コースタイム1.5時間のニフェッティ小屋を目指すだけの旅。
 
アラーニャからはプンタインドレンまでの乗り継ぎは
 
アラーニャーPianalunga(ゴンドラ)
Pianalunga-Passo dei Salati(ケーブルカー)
Passo dei SalatiーPunta Indren(ケーブルカー)
 
になる。
ゴンドラは常に回っているので待ち時間は殆どないけど、ケーブルカーは特定の時間にしか動かないので注意。
 
事前の予習では、プンタインドレンからニフェッティ小屋までは氷河を横断する箇所が2か所あるけど技術的に難しい所はない。。。はず。
 
懸念は天気のみ。
 
これはプンタニフェッティ(=マルゲリータ小屋のある所)の予報なのでニフェッティ小屋周辺の天気予報としては正確ではないんだけど、まぁそんなに違わないだろう、と勝手に予想。
予報によれば早朝snow showersでお昼付近のみ天気が良くて、それからまたsnow showersの予報。
 
別の天気予報サイトだと大丈夫なんだけど。

 
山の上がそんなに微妙な天気とは信じられないくらい麓は雲一つない好天だった。

 
チェックアウトしにホテルのレセプションに行ったら、昨日受け付けてくれた子が「ノンナ(おばあちゃん)」と呼んでいたマダムが座っていた。
ダメ元で、「2日後にまた泊まるのですが、小さい荷物を預かってもらうことは可能ですか」と聞いてみたら、快諾してくれた。
まじメルシー、ではなくグラッツェ。
 
ホテルから徒歩3分くらいのゴンドラ乗り場に到着。
チケットは念のため前日に買っておいた(英語が通じた)んだけど、全然並んでないというか人影がなかった。

 
ゴンドラ使わず歩いて昇り降りすることもできる(実際にトレッキングしてる人達もいた)。
楽しそう。。。だけど暑そう。

 
あっという間に中間駅である、Pianalungaに到着。標高は2050mらしい。
 
ここからは、Passo dei Salatiまでのケーブルカーに乗る。30分に1本なのでここで結構待った。
なお、ケーブルカーは繁忙期でないとお昼の2時間くらいは運行していないっぽい(この後のもう1つのケーブルカーも同じ)ので注意。

 
Ferrinoの広告、初めてみた。さすがイタリア。

 
ピアナルンガ到着。この到着駅は結構大きくてカフェが併設してあった。
この後のプンタインドレン駅にはトイレがあるように見えなかった(私が見落としただけかもしれないが)ので、トイレはここで済ませていくのが良いかもしれない。
いったん駅を出て左手の道を進む。

 
別の麓町から上がってきているリフト乗り場。この乗り場の右手に見える階段を上る。
一応、「プンタインドレンはこっちだよ」という看板は出てる。

 
階段を上ってから更にしばらく歩く。

 
これがプンタインドレンに上がるケーブルカー駅。ここでも少し待った。

 
待ち時間は長かったけどそれ以外はスムーズにプンタインドレン到着。
これがプンタインドレン駅からの眺め。

 
素晴らしい晴天ではあるけどプンタニフェッティ方面には雲がかかっているのが見えるので、さっさとニフェッティ小屋まで上がることにする。

 
ちなみに駅周辺に標識などは全くない。
 
駅から見た時は全くどこを進めばいいのかわからなかったので、GPSとにらめっこしながら歩き始めた。

 
駅から出るとすぐうねうねした岩場を適当に上がる。
ケルンが積んであったりするけどあんまり当てにせず行けそうだなと思ったところを進む。
しばらく進んでようやく気付いたけど、前方左手に岩場を切ってつくられたトレイルがあった。
この下の写真の左端中央にうっすら斜めに走る線が見えると思う。
 
目指す場所がわかったので気が楽になった。
最初の氷河。ここの氷河はアイゼンつけずにわたっている人もいたけど、私はチキンなのでアイゼン装着。
 
岩場につけられたトレイルがはっきり見えている。場所によっては足跡もある。
うっすら下に岩場が見えているような薄い氷河(氷河と言っていいのかわからないけど)なのでクレバスの危険はないと思う。
 
ただ、雪の下がこんな空洞になっているところもあるので、踏み抜き注意ではある。
 
氷河を渡ったらアイゼンを外して岩場につけられた斜めトレイルを上がる。
 
なんかそのまままっすぐ行きそうになるんだけど、ここの注意は途中で正規ルートは⇒に曲がること。
一応矢印がある。
 
上を見上げるとロープを張った岩場が見えるのでこちらを上がる。
 
私は一応ヘルメットしたけど、特に危険個所もなく、ハシゴやロープがきちんとつけてあるのでてくてく登ったら岩尾根上に出る。
ここではじめて、ニフェッティ小屋が前方に視認できた。
 
 
 
ニフェッティ小屋までに行くまでに、もう1つ氷河を渡る。ここもクレバスなどはない。氷河というか雪原というか。
 
ニフェッティ小屋からこの氷河の全体像を見るとこんな感じ。
 
1つ、事前調査と違ってたのは、この最後の氷河末端からニフェッティ小屋までのルート。
私が事前にYoutubeで動画を見たときは、どれも小屋手前の岩場を20mほどほぼ垂直に上がるルートがついていてそこを登っていた。
この下の写真でも、小屋直下の岩場にトレースの一部が見えると思う。
 
でもこの日は誰もそこを使っておらず、上の写真の右手から伸びてる、小屋とほぼ同じ高さから岩場に乗り上げる足場をみんな辿っていた。
勿論、私も登りが嫌いなので水平足場ルートを選ぶことにした。
ここの氷河はこんな感じで岩の上に薄く氷と雪が張っているような状態なので、クレバスに落ちることはないと思う。
あくまで、小屋手前の氷河に限って言えば、だけど。
 
まだ早いので、足場を素通りして明日の下見に出かけることにする。
ちなみに、予習によれば、ニフェッティ小屋はさっきの小屋前方(マントバ小屋側)の出入り口の他に、小屋後方(マルゲリータ小屋側)にも出入り口があるはずだった。
下の写真で岩場を挟んで右手の木の階段が小屋後方の出入り口(跡?)と思われるところ。
 
ただ、ここに滞在した2日間で後方の出入り口を使っている人は1パーティも見なかった。
理由は、後でなんとなく察したけど、この木の階段周辺の氷河はこう↓なってる。
 
まぁ、小屋のある崖沿いに進めば大丈夫そうな気もするけど、これを見てしまうとあんまり好んでこっち側におりたくないのかもしれない。
この小屋後方の出入り口が今も現役なのかについては小屋の人に確認はしなかった。
私は行きも帰りも水平の金属足場がある出入り口を使った。
 
小屋を通り過ぎてマルゲリータ小屋方面の道を進む。
 
 
マルゲリータ小屋方面から下ってくる人達が見える。
 
ここで、降りてくる人達の中に、ソロの若者がいるのを見つけた。
向こうも私を視認したらしく、笑顔で近づいてきて「チャオ。君、ソロ?」と英語で聞かれた。
 
「ソロだよ。あなたも?」
「そうだよ。どこまで行くの?」
「今日はニフェッティ小屋に泊まるよ。明日はマルゲリータ小屋に行くからちょっと下見してる。マルゲリータ小屋まで行ったの?」
「残念ながら天気が悪くてマルゲリータ小屋を諦めたんだ。代わりにピラミッドヴィンセント(Pyramide Vincent)に登ってきたよ」
 
それはとても残念。。。でも私もそうなるかもしれないけど。。。
「明日天気がいいと良いね。気を付けてね」と若者はさわやかに下っていった。
 
そしてこの若者が今回の旅で出会った唯一の単独行者だった。
 
この時はすごくフレンドリーな若者だな、さすがイタリア人、としか思わなかったんだけど、後から考えたら、この若者もすれ違った色んな人達に「ソロなんて」と言われたりしてしなしなに萎れていたところに自分以外の単独行者に出会ったからこそのフレンドリーさだったのかもしれないな。。。と今は思う。
 
若者と別れてしばらく進んでみたけど、うーん。。。
 
うーん。。。。
 
うーん。。。
 
なんか、クレバスの状態が思った10倍くらい悪くない????
 
と思った。
 
こことかはまだましだけど。。。
 
 
 
私が事前に幾つか見たYoutubeの記録ではこんなにクレバスだらけの所なかったように思うんだけどな。。。私が見逃しただけなのかな。。。
 
一つ上のやつはまだいいけど、これ↓なんて、幾らトレースが上通ってるからって渡りたくない。
(なので巻いて違う所から渡った)。
 
モンテローザ氷河と違うな、と思ったのは、氷のやわらかさ。
モンテローザ氷河やゴルナグラート氷河は「ザ・氷」という感じで、固すぎて滑ってクレバスに転落したらやばいな、という怖さだった。
こっちの氷河(?)は、どちらかというと「雪」の柔らかさでこういうスノーブリッジがいつ崩れてもおかしくないな、という怖さ。
同じモンテローザ山塊なのに、こんなに違うんだ、と思った。
 
なんか、予習して想像してたよりいっぱいクレバスあるししかも状態が悪いし、不安が急上昇しつつも天気が急速に悪化していたので、この辺りで下見を終了し小屋に引き返すことにする。
 
 
これが小屋に続く水平足場。
ここからはマントバ小屋も見える。
 
14時前に小屋到着。
チェックイン開始時間にはまだ早く受付付近は激込みだったので、しばらく外のテラスで時間をつぶした。
 
ピザ旅初日。
ポテト王国から始発のフライトでミラノのリナーテ空港に到着。
空港駅から地下鉄でミラノ中央駅を目指そうとするも空港内の売店のレジ横に携帯を忘れる、という大ポカをやらかしいったん駅を出て空港に戻った。
ヨーロッパだしもう携帯ないかも、と焦りまくったけど幸い売店のマダムが携帯を保管していてくれた。
神。
 
合計7年のヨーロッパ生活でこんなミスをしたことは初めてで幸先悪いような、でも奇跡的に戻ってきたのは幸先良いような何とも言えない旅のスタートを切った。
 
中央駅でも自動券売機で何故か切符が買えず、オンラインでも乗車直前のせいか買えず、仕方なくそのまま電車に乗ったけどこのままだと無賃乗車になる、と焦っていたら幸い巡回してきた車掌さんから買えた。
「次からは絶対乗車前に買ってね」と優しく注意された。
仰る通りです。イタリアの鉄道、難しい。。。
 
Vercelli、という何にもなさそうな町で電車を降り、バスに乗り換える。
ほんとにここにバスくるんかな、という何もない駐車場。
 
チケットは近くのタバコ屋で買えた。
特にバスチケット売ってます、という表記が出ているわけではないけど、レジ奥にいたマダムに「Alagnaまでの切符売ってますか?」と英語で聞いたら頷いて切符を出してくれた。
何事かイタリア語で言われたけどわからず宇宙猫みたいな顔をしていただろう私に時計を指さして再びイタリア語で説明してくれるマダム。
どうやら親切にも次のバスは1時間後だよ、という事を言ってくれているらしい。
 
Vercelliは全然英語通じなかった(より正確に言うと、英語で話しかけるとたぶん理解はされているけど、英語で返ってはこない)けど、タバコ屋のマダムも「Alagna行きのバスってここに来るんですか?」と聞いたバス会社のおっちゃんもイタリア語で丁寧に返事してくれてとてもやさしかった。
 
あの時も皆スペイン語で色々と世話を焼いてくれた。オラ、とグラシアスしか言えない外国人にとてもやさしかった。
イタリア語もスペイン語も話せなくてごめんなさい。英語と幼児レベルのフランス語しか話せなくてごめんなさい。
 
ほんとは外国に行ったらまずは現地語で話しかけるのが礼儀だと思ってはいる。
でも悲しいかな、現地語で話しかけても返ってくる現地語が一個も理解できないので、大事な事を聞きたいときはどうしてもずるをしてしまう。
 
というか最近フランス語も幼児レベルを自称するのも憚られる程喋れなくなっていて、先週は道端でマダムに道を聞かれて「ここをまっすぐ歩いて大通りに突き当たったら左に曲がって最初の角を右です」という簡単なフランス語すら全く出てこなかった。さすがにフランス語の勉強再開したほうがいいかもしれない。
 
などと考えながら無事バスに乗り、2時間半ほどバスに揺られてアラーニャ到着。
 
バス停から10分程坂を上ってホテルに到着。
受付にいたのは小学校高学年くらいの男の子で、(これは。。。英語は無理か?)と思いつつも英語で話しかけたら普通に英語で返ってきてなおかつ宿泊の説明も英語でされて目が飛び出そうになった。
 
語学力ゴミの自分が人の語学力をどうこういうのは失礼にあたる気がして普段は言わないようにしてるんだけど、さすがに「あなたは英語がとても上手ですね」と言ってしまった。
「そんなことないよ」と恥ずかしそうにしてたけど、いやいや。。。私は小学生の時英語なんか一言も喋れなかったよ。
 
ホテルに荷物を置いた後、散歩に出かけた。
イタリアの山岳地帯に来るのは初めてだけど、景観は結構グリンデルワルトやツェルマットに似ている気がする。
こういう造りの家とか。
 
でもこういう家はイタリアっぽい。
 
この教会のカラフルさも、個人的にはとてもイタリアっぽい。
 
アラーニャは思った以上にとても小さな町だった。
今まで自分が行った中ではサースフェーくらい小さい。
 
ここがたぶん町の目抜き通り的な通りだと思うんだけど、ほんと静か。
 
 
あまり観光地化されていないのか、グリンデルワルドやツェルマットのように中心地に観光客向けのスーパーがある、というような造りにはなっていなくて、スーパーはこの目抜き通りを町の外れまで15分程歩いたところにしかなかった。
スーパーの品ぞろえも、登山用というよりは普通の生活に根差したスーパー(エネルギーチャージ用のゼリー飲料などはなし)。
 
スーパー(カルフール)で明日に備え飲み物(Powerade)とスニッカーズ2袋(3本×2)とナッツ&ドライフルーツの巨大袋を買う。
モンブランでの食料不足の反省を踏まえた買い物。
ちょっと重いけど、これだけあれば例えニフェッティ小屋で朝食食べられなくてもマルゲリータ小屋にたどり着くまでは持つだろう。
 
 
ホテル近くまで引き返して、ケーブルカー乗り場を確認したついでに隣のカフェで遅い昼食兼早い夕食を取った。
 
写真の上にあるクッキーはバーチディダーマ。
これがあるのは、イタリアっぽいなぁと思う。
おいしかったので、2つと言わずもっと5つくらい大量に買えばよかった。
 
クロワッサンサンドを齧りながら明日の天気をチェックする。

 
午後からSnow Showerという不吉な予報。
 
ここ数日天気予報チェックしていて、なんとか好転してくれないかなぁと思っていたんだけど、願い叶わず。。。
 
別の天気予報サイトだと、予報は更に悪い。
朝から雪マークで11時頃からは雷。
 

雷、横殴りの雪、視界不良の中下山し転がり落ちたメンヒの悪夢がよみがえる。。。。

 
一方で別の予報サイトだと午後からは天気は良い予報。。。
迷う。。。

 
 
午後から天気が悪いなら早めに上がりたい所ではあるんだけど、早朝も天気はそんなに良くなさそうだから早く行き過ぎても駄目なのかもしれない。。
でもとりあえず朝一のケーブルカーで上まで上がって、そこで天気の様子見しながら出発時間を考えるしかなさそう。
 
ケーブルカーの終着点、プンタインドレン(Punta Indren)からニフェッティ小屋は一応コースタイム1時間半(鈍足の私はもっとかかるだろうけど)だし、色々Youtubeで予習した限りそんなに険しい道のりではないから、例えSnow Showersで視界ゼロになったとしてもGPSさえ握りしめていればたどり着けると思うんだけどな。。。
 
予報では雪マークだけど同時に太陽マークも出ているから、視界ゼロみたいな雪の降り方はしないと思うんだけど。。。
でも雷を避けるようなところはなさそうに見えたから、それだけが不安。。。
 
ニフェッティ小屋からマルゲリータ小屋を目指す18日もあんまり天気予報が良くない(特に午後)ので、この日はホテルに帰った後、1時間ごとくらいに天気予報を眺めて過ごした。
 
モンブランの時は、「せめてグーテ小屋までは行きたいけど、そこからは行ける所まで行こう」くらいの気持ちだった。
でもこの旅は、マルゲリータ小屋でマルゲリータピザを食べるのが目的なので、マルゲリータ小屋を諦めるようなことになったらちょっと悲しい。
 
まぁ、命と引き換えにしてでもピザ食べたい訳ではないので、天気悪かったら諦めて引き返すけど。
 
ピザ、食べられるといいな、、、と願いながらこの日は早めに就寝。
ポテト王国からアラーニャまで、タクシーと飛行機と地下鉄と電車とバスを乗り継いで約10時間かけて旅してきたので、天気への不安はあったけど割とすこんと寝落ちてしまった。