実は3月に1つ山に行ってきた。
だけどたぶん自分の短い登山人生において最悪の山行に終わったので、記録を書くかどうかものすごく迷った。
というか正直思い出したくないというかなかったことにしたかった。
書かないのはフェアではないかなと思いつつも思い出したくないしどこまで書いてもいいものか、と色んな事を考えた結果、反省点だけ書くことにした。
選んだのは雪岩ミックスのリッジ上を避難小屋泊で2日間かけて歩くというツアーでマンツーマンのガイド山行だった。
コース概要は基本リッジ上を歩きクライミング箇所もかなり出てくる、というふわっとした説明だけだったので一番不安だった行動時間を問い合わせたら、初日、2日とも5時間を想定しているという。
自分が体力もなくクライミング経験もないのは自覚していたので、「雪山登山経験はそこそこあるけど、クライミング経験は殆どない。去年の7月メンヒをソロで登った時は頂上手前のリッジで足が竦んで撤退している。加えて下山中に滑落して怪我で右手の小指が使えない状態なのでシングルアックスであれば左利きなので問題ないがダブルアックスが必要な場合は難しい。あと、体力もあまり自信がない。下りはコースタイムで行けることが多いが登りは人より時間がかかる。なので5時間以上かかると思う。それでもこのコースは可能か」という問い合わせを送った。
ガイドの返答は「リッジは危険な所もあるがガイドと確保するから心配ない。クライミングはそんなに難しくない(not that difficult)。メンヒを一人で登れるなら問題ないと思う。体力があるに越したことはないが我々には2日間ある。」というもの。
終えてみて思った最大の反省点としては、
ルートについて自分自身で詳細な情報収集をしなかった、ということ。
自分の山経験をガイドに伝えてガイドがOKしたならじゃあいいんだろう、と思っていた。
「私はこのコースに適格か?」という質問に対してシャモニーガイド協会のように「これはあなたにはちょっと難しいと思う」と正直に言ってくれるところもあるけど、そうでない所もあるという当たり前のことを失念していた。
一応自分でコース申し込み前に行くルートの夏冬のyoutube動画は2、3眺めてみたんだけど、もっと調べるべきだった。
もっと調べたら、たぶんどこかで「これはガイドを付けたところで私の体力・能力を超えている」ということがわかったと思う。
ここはクライミング箇所以外も、最初の30分以外は新雪の薄く積もった岩のリッジをバランスを取りながら歩かなければならないような所が殆どだった。私が見たyoutube動画ではもう少し雪があった気がするので今年は雪が少なかったのかもしれない。
メンヒの頂上手前のような、踏み固められた雪のきれいなトレースがついているようなリッジではなかった。
初日、自分達の前には1パーティ2人が先行していると聞いていたけど出発して30分くらいして自分の前方にリッジ上に座り込んでいる人が見えて、1人しか姿が見えないこととその人に現地語で話しかけたガイドの反応を見て何となく何があったかわかったけど、同行者が滑落してしまったとのことで、この人もヘリで救助されていった(気になって帰国後に事故のニュースを探してみたけどなかったので落ちた人は無事だったのだと思いたい)。
滑落した跡もどこに落ちたかも見えなかったけど、ここはクライミングが必要な場所ではなく、リッジ上に小さな岩が結構露出しており岩を抱くようにして乗り越えたり回り込みながら進む箇所だった。
私はガイドにロープで確保されていたから良かったけど、リッジ上の雪を踏みしめたつもりが体重をかけたら足が沈んで下に隠れている岩でバランスを崩し体が傾いたことが何度もあったので、一人だったら確実にどこかで落ちていただろうなと思う。
このルートは行ってみてわかったけど私の能力を超えていたし、もっと情報収集してそのことに行く前に気づくべきだった。
細かい反省点①としては、
圧倒的にクライミングスキルが足りていなかった。
事前の照会では「メンヒを一人で登れるなら大丈夫」との返答だったけど、私の体感ではこのコースはメンヒの「クライミング」より数十倍難しかった。
これは懸垂下降した箇所だけど岩場としてはまだましな方。
これよりももっと、手がかり足掛かりがなくて、どう登ればいいのかわからない、どう降りればいいのかわからない、という所を登ったり懸垂下降以外で降りたりするところが殆どだった。
「ほんとにやばい所」にはこうやってロープが張ってあったけど、私の能力ではロープのない所の登り降りにも時間と体力を使った。

どんだけ私がど下手かというと、1日目の途中からは私のあまりの下手さ遅さにガイドがいらいらして私をロープで引っ張り上げようとしていたし、2日目の最後の方は、疲れていたせいもあるけどこういう岩場の下りで足を踏み外して宙づりになった(ハーネスでフィックスロープに確保していたからこその宙づりなんだけど、腕が限界に来ていたので復帰するのに相当時間を要した)。
普通のクライミングですら下手なのに、数㎝しかないような岩のくぼみにアイゼンの先の爪2つをひっかけて登り降りするような所ばかりで、これは本当に私の能力を超えていた。
という、「クライミングがド下手過ぎる」というのが今回の反省点①。
ただこれは、どうしたら良いんだろう、と正直途方にくれている。
たぶん私はクライミングのセンスが本当にない。
アイゼンでの岩登りとか以前に体重移動が下手クソ過ぎるというかわかっていないので、日本に帰ってミ〇〇ツ教室に通うしかない気もする。
しかし問題は、私はクライミングが全く好きではないので、そこまですることにちょっと躊躇している、という点。
今まで数回しか経験してないけど、クライミングというものが全く楽しいと思えない。
多少三点支持で登るような岩場鎖場は大好きなんだけど、今回みたいに手がかり足がかりが(自分基準では)全く見つからず「落ちたらジ・エンド」な所を必死で登り降りするような「クライミング」は本当に楽しくない。
今回の山行で自分のクライミング能力のなさが酷すぎたのでこっちでボルダリングジムに通おうか、通うべきかとも思ったんだけど、楽しくないもの、好きでもないもののためにあんまりお金を出したくない。
でもいろいろな山に行きたい、という夢はあるので、そのためにはたぶんクライミングはやっておいたほうがいいんだろうし、だとするとお金出してでも習ったほうがいいんだろうか。。。たぶんいいんだろうけどな、と迷っている。
細かい反省点②は、
体力がなさ過ぎた。
たぶんガイドの想定を超えて私の体力がなさ過ぎた。
体力が予想以上のペースですり減った理由の1つはクライミングが下手過ぎてそこで余分に体力(腕力と脚力)を使った、というのも大きいと思うんだけど、元々の基礎体力もなさ過ぎた。
初日想定では5時間だったけど、クライミングで私がもたもたしまくったせいもあって結局避難小屋に着くまでに9時間半かかった。
最後はヘッデンをつけてリッジ上を歩く、というあまりしたくない体験をした。
リッジ上はまだいいとして、リッジを回り込むようなところでは結構な吹き溜まりになっていて足が沈んだりしたこともあり、2日目は終盤そういう所が多くて特にヘロヘロになり、何度か足がもつれてこけてそのまま止まらず数mプチ滑落する、ということを繰り返してしまった。
これは本当に反省した。
旅の直前、左膝に痛みが出て「走るのは駄目だよ」と医者に言われたこともありランニングをストップしていたんだけど、その分スクワットを増やすとか、もっと脚に筋力をつけとくべきだった。
あと、腕力もつけるべきだと思った。
クライミングは本来は腕じゃなく足の力とか体重移動で登るものだと思うけど、今回腕の筋力がなさ過ぎてすぐへろへろになっていたので、これも大きな反省点。
腕立て伏せは始めたもののすぐに倒れ伏してしまうので道のりは長そうだ。
一番いいのは懸垂らしいけど、ジムに行くかはまだ少し迷っている。お金の問題もあるし、治安面でも少し不安がある(こっちのジムは盗難が多いらしい)。
色々と、本当にひどい山行だった。
クライミングが下手過ぎたし体力もなさ過ぎたしガイドは常に私に苛立っていて私は常に焦っていた。
最後はなんかもう、心が折れてしまった。
しばらくはちょっと「クライミング」が含まれるような山行はやめようと思うし、ガイド山行ももうこちらにいる間はやめておく。
体力・筋力作りに真面目に励んで、自分のレベルで行ける山なのかをよく調べた上で山に行きたい。
これはまだ元気だった頃に撮った景色。
この時は景色に感動してわくわくしていたはずなんだけど、今は見返すのも躊躇してしまうし見ても何の感情も湧いてこないのが悲しい。




